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情報幾何学の基礎 第2章 4.5
- 5. 2.4 ベクトル場
𝑈; 𝑥1
, … , 𝑥 𝑛
: 𝑛次元多様体𝑀の座標近傍
𝜕
𝜕𝑥 𝑖: 各点𝑝に標準的な接ベクトル
𝜕
𝜕𝑥 𝑖
𝑝
を対応
させる𝑈上のベクトル場
これを用いると,𝑋 ∈ 𝔛 𝑀 は𝑈上,
𝑋 = 𝑣 𝑖
𝜕
𝜕𝑥 𝑖
と局所表示できる(𝑣 𝑖
は当然一意)
- 6. 2.4 ベクトル場
𝔛 𝑀 は 𝐶∞
𝑀 module の構造を持つ
i.e.
和:
𝑋 + 𝑌 𝑝 = 𝑋 𝑝 + 𝑌𝑝
関数倍:
𝑓𝑋 𝑝 = 𝑓 𝑝 𝑋 𝑝
- 7. 2.4 ベクトル場
𝑋 ∈ 𝔛 𝑀 , 𝑓 ∈ 𝐶∞
𝑀
𝑋の𝑓への作用 𝑋𝑓 ∈ 𝐶∞
𝑀 を次で与える
𝑋𝑓 𝑝 = 𝑋 𝑝 𝑓
注意:
関数倍ではない.微積分で行う”方向”微分のようなもの
- 8. 2.4 ベクトル場
𝑋, 𝑌 ∈ 𝔛 𝑀 に対し,
𝑋, 𝑌 ∈ 𝔛 𝑀
が次のようにして定まる.(lie bracket)
𝑋, 𝑌 𝑓 = 𝑋 𝑌𝑓 − 𝑌 𝑋𝑓
Leibnitz rule を満たすか確認する
- 9. 𝑋, 𝑌 𝑓𝑔 = 𝑋 𝑌 𝑓𝑔 − 𝑌(𝑋 𝑓𝑔 )
= 𝑋(𝑌𝑓 ∙ 𝑔 + 𝑓 ∙ 𝑌𝑔)
−𝑌(𝑋𝑓 ∙ 𝑔 + 𝑓 ∙ 𝑋𝑔)
= 𝑋 𝑌𝑓 ∙ 𝑔 + 𝑌𝑓 ∙ 𝑋𝑔 + 𝑋𝑓 ∙ 𝑌𝑔 + 𝑓 ∙ 𝑋(𝑌𝑔)
− 𝑌 𝑋𝑓 ∙ 𝑔 + 𝑋𝑓 ∙ 𝑌𝑔 + 𝑌𝑓 ∙ 𝑋𝑔 + 𝑓 ∙ 𝑌(𝑔𝑋)
= 𝑋, 𝑌 𝑓 ∙ 𝑔 + 𝑓 ∙ 𝑋, 𝑌 𝑔 ∎
- 10. 2.4 ベクトル場
定義(積分曲線)
𝑋 ∈ 𝔛 𝑀 に対し,滑らかな曲線 𝐶 = 𝑝 𝑡 で
あって,各時刻 𝑡 において
𝑝 𝑡 = 𝑋 𝑝 𝑡
の成り立つものを, 𝑋の積分曲線という
remark
常微分方程式の解の存在・一意性定理から,
局所的には存在しかつ一意
- 11. 2.4 ベクトル場
例:𝑅2
∖ 0 の次のベクトル場を考える
𝑋(𝑥,𝑦) = −𝑦
𝑥2+𝑦2
𝜕
𝜕𝑥
+
𝑥
𝑥2+𝑦2
𝜕
𝜕𝑦
この,積分曲線は
𝑟 = 0
𝜃 = 1
𝑟
で与えられる→ 円を描く.
ここで, 𝑟, 𝜃 は極座標表示による
- 14. 2.4 ベクトル場
𝑋 ∈ 𝔛 𝑀 , 𝜔 ∈ Ω1
𝑀 に対して,
𝜔 𝑋 ∈ 𝐶∞
𝑀 が,
𝑝 ⟼ 𝜔 𝑝 𝑋 𝑝
により定まる
- 15. 2.4 ベクトル場
𝑈; 𝑥1
, … , 𝑥 𝑛
: 𝑛次元多様体𝑀の座標近傍
𝑑𝑥 𝑖
: 各点𝑝に𝑑𝑥 𝑝
𝑖
を対応させる𝑈上の1-form
これを用いると,𝜔 ∈ Ω1
𝑀 は𝑈上,
𝜔 = 𝑓𝑖 𝑑𝑥 𝑖
と局所表示できる
ここで,𝑓𝑖 = 𝜔
𝜕
𝜕𝑥 𝑖 が成立
)∵ 𝜔
𝜕
𝜕𝑥 𝑖 =𝑓𝑗 𝑑𝑥 𝑗 𝜕
𝜕𝑥 𝑖 =𝑓𝑗 𝛿𝑖
𝑗
= 𝑓𝑖
- 17. 2.5 テンソル場
定義
多様体 𝑀 の各点𝑝に対し, 𝑟, 𝑠 型テンソル
𝑇𝑝 𝑀(𝑟,𝑠)
を対応させる対応𝐹 = 𝐹𝑝 𝑝∈𝑀
のことを
𝑀 上の 𝑟, 𝑠 型テンソル場という
今まで同様に,局所表示が可能(略)
- 20. 2.5 テンソル場
1. ユークリッド空間 ℝ 𝑁
:
𝑔 = 𝛿𝑖,𝑗
2. 2次元球面 𝑆2
:
𝑔 = 𝑑𝜃2
+ sin2
𝜃 𝑑𝜑2
3. 上半平面
𝑑𝑠2
= 𝑑𝑥2+𝑑𝑦2
𝑦2 = 𝑑𝑧𝑑 𝑧
𝐼𝑚 𝑧 2
3. ローレンツ計量
𝑑𝑠2
= 𝑑𝑡2
− 𝑑𝑥2
− 𝑑𝑦2
− 𝑑𝑧2
Editor's Notes
- テキストとは異なる記号を用いたが,こちらの方が一般的な気がする.
- σコンパクト(加算個のコンパクトの合併)
Σ局所コンパクト:σコンパクトかつ局所コンパクト(各店の近傍でコンパクトが存在)
多様体がσコンパクト→パラコンパクト
パラコンパクトならリーマン計量が存在