ゲームライター
コミュニティ05
小野憲史
ゲームジャーナリスト/NPO法人IGDA日本
タイムテーブル
• 19:00 開場
• 19:10 インタビュー取材の仕方・記事の書き方
• 20:00 休憩
• 20:10 黒川塾の作り方
• 21:00 終了
インタビュー記事
• PS時代初期に「開発者インタビュー」が確立
• 昔は美味しい仕事だった(ページ数が稼げる、人の話を聞いて
まとめるのがメイン、人気が高い)
• ウェブで地位が揺らいだ(長文は読まれにくい)
• とはいえ、ネタ次第で人気記事になる可能性も高い
インタビューのやり方は
人それぞれ
今日はなすのも、あくまで一例です・・・
5:3:2
企画    :5割
インタビュー:3割
記事構成  :2割
①企画
• 多くの場合「インタビュー記事の企画立案」「アポイント設定」は
編集部が行う
• 希に編集部からアポイントも含めて依頼がある
• 自分で企画を立てて売り込むこともある
• アポイントが取れたら終わったも同然
みんな知ってて、みんな知らない
• カラオケのCMソング(疑問→氷塊→ネタ)
• 人気ゲームでも作っている人は意外と知られていない
誰に、いつ、何の話を聞くか
読者ニーズ
相手の
メリット
自分の
興味
相手はあなたの取材に
つきあう義理はない
インタビュー記事の
善し悪しは相手に依存する
いかに先方に対して
メリットを提示できるか
インタビュイーの 藤
• 宣伝になる(自分・会社・製品など)
• 自分の話を聞いてもらえる(承認欲求)
• 自分の考えを広く世間に発信できる
• きちんと喋れないかもしれない
• 意図通りの記事にならないかもしれない
• 読者に誤解されるかもしれない
• 嫌なことを聞かれるかもしれない
• 忙しい
メリット デメリット
普段からの関係構築や過去の仕事が重要
インタビューまでの準備
• 過去のインタビュー記事のチェック(書籍、ウェブ、国会図
書館、大宅文庫)
• ゲームの取材であれば、ゲームを遊んでおく
• 箇条書きで質問項目を送っておく(5ー10分につき1問が目安)
②インタビュー
アポイント:心の水槽に蛇口をつける
インタビュー:蛇口をひねる
人はみんな自分のことを話したがっている
心の蛇口の開け方
• 共感させる
• そのためにはコンテキストをあわせること(あなたのことを一番良く
理解しているのは自分だと思わせる)
• ベテラン、同世代、新人、それぞれに適したやり方はある
• 最初は2人1組でインタビューにのぞむと良い(1人は聞き役に徹して、
もう1人がメモや写真を撮る)
TIPS
• 先方が話しやすい内容から聞く(自己紹介、近況など)
• 短く、端的に、わかりやすく質問する
• 事前の質問項目や流れにとらわれすぎないが、無視してもいけない
• 話している時の相手の雰囲気や仕草などを観察する
• 聞きにくい質問こそ、読者が知りたいこと
• 適切な緊張感を維持する
あとで原稿チェックできます
から、自由に話してください
NGワード
これに頼るとインタビューはうまくなりません
録音、メモ、写真
• 録音は二台体制で臨むとベター
• メモはできるだけたくさん取る(できればPC)
• 写真は「その人らしさ」を表現することが大事
HappyTalkレコーダー
(1800円)
自分が愛用しているiPhoneアプリ→
③記事作成
• インタビュー記事は「彫刻」ではなく「彫塑」
• 1万字のテープおこしを3000文字に削るのではなく、ネタをもとに
3000文字の記事を構成する
• 原稿料との兼ね合いを意識する(長文でも原稿料は同じ)
• インタビュー半日+記事作成で半日がベスト
いかに「テープおこしをしないですませるか」がポイント
テープおこしの功罪
• インタビューの内容を
より深く理解できる
• 安心感がある
• 会話の細かいニュアン
スがわかる
• 時間がかかる
• テープおこし自体は記事

ではない
• 会話の細かい言い回しに

囚われすぎてしまう
メリット デメリット
メモを見ながら録音テープを聞き直すくらいですませる
そのためには、できるだけ早く記事にすることが大事
記事作成のTIPS
• 記事全体で起承転結(大まかな流れ)を作る
• 構成に沿って内容をまとめる
• 会話の正確さではなく、文脈の再現を意識する
• あきらかな話者の誤解は修正する
• 文章でキャラを作りすぎない(ワシ、俺、僕、わたし、だわ、なのじゃ、
なのよね……)
記事作成後
• お礼と共に内容確認の依頼(編集部が行うことも多い)
• 極端な修正依頼については編集部と協議
• 記事公開後にお礼と共にURLを伝達
まとめ
• 企画5割 取材3割 執筆2割
• インタビューは「心の蛇口をひねる」行為
• 彫刻ではなく彫塑

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