More Related Content Similar to 環境を切り口にした問題解決力向上セミナー Similar to 環境を切り口にした問題解決力向上セミナー (9) 環境を切り口にした問題解決力向上セミナー10. 2003年欧州熱波と死者数
図 最高・最低気温と死者数(フランス)
2003年の欧州の熱波は多大な人的、施設や資産の被害をもたらしたが、生態系にも影響
を与えたことがわかっている。
・欧州熱波は植生や生態系にも影響をあたえ、とくに干ばつの影響が大きく、GPP(純一次
生産量)が30%減少し、このため5億トンの炭素が放出されたと見積もられている。
・干ばつは広範囲に山火事を引き起こし、森林や動植物に被害をもたらした。
10
出典: Pirard, P., et al., 2005:EUROSURVEILLANCE, 10(7–9), 153-156.;
Ciais, P. et al., 2005:, Nature, 437, 529-533.
11. 異常気象の影響:欧州の洪水災害
洪水の発生件数も
増加している
2007年7月、ロンドンのセバーン川とテムズ川で洪水が発生、イギリス西部では1947年
以降最悪の洪水となった。オックスフォードのオスニー地区では250件の人々がカヌーで
避難させられ、チェルトナム、グロースター、チュークベリーの約34万人の住民は10日間
も断水を強いられている。この洪水での被害総額は推定30億ポンド(約7,410億円※)
※1ポンド134円で換算(2007年7月31日 T.T.S)
出典:(写真)BBC (記事)Bloomerg News (グラフ)環境省 地球温暖化の影響 資料編(2007年3月) 11
13. 予測される将来の影響 出典:IPCC第4次評価報告書
○ IPCCでは、1980年から1999年までに比べ、21世紀末(2090年から
2099年)の平均気温上昇は1.1~ 6.4℃と予測
気温上昇の程度と様々な分野への影響規模
0 1 2 3 4 5℃
中緯度地域と半乾燥低緯度地域での水利用可能性の
減少及び干ばつの増加
水
数億人が水不足の深刻化に
直面する
最大30%の種で絶滅 地球規模での
リスクの増加 重大な※絶滅
※重大な:ここでは40%以上
生態系 サンゴの白化 ほとんどのサンゴ 広範囲に及ぶサンゴ
の増加 が白化 の死滅
小規模農家、自給的農業者・漁業者への複合的で
局所的なマイナス影響 低緯度地域に
食糧
低緯度地域における穀物生産性の低下 おける全ての
穀物生産性の低下
洪水と暴風雨による損害
沿岸域 の増加 世界の沿岸湿地の約30%の消失※
※2000~2080年の平均海面上昇率4.2mm/年に基づく
栄養失調、下痢、呼吸器疾患、感染症による
社会的負荷の増加
健康 いくつかの感染症媒介生物の
分布変化
0 1 2 3 4 5℃
13
15. 大雨が増えた <現状>
• アメダスでみた大雨の アメダス観測地点で日降水量が400mm以上となった回数※
発生回数は、統計的な
有意性は認められない
ものの、ここ30年間で
は増加傾向を示してい
る。
豪雨の発生回数は、ここ30
年間で増加傾向を示してい
る。
※アメダスの観測地点は現在約1,300地点。グラフ上
の「回数」は年ごとの観測回数をその年の観測地点
数で割ったもの。
本文・図出典:気象庁 (2005) 異常気象レポート
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16. 異常気象の増加 <予測>
• 地球温暖化の進行ととも 日本の真夏日※1数(上図)と夏季の豪雨日数※2 (下図)の経年予測
に真夏日日数が増えると 日数
予測される。
• 夏季において、日降水量
が100mmを超えるような
日数も地球温暖化の進
行とともに増加すると予
測される。
日数
※1 日最高気温30℃以上となる日のこと。
※2 日降水量が100mmを超える日数のこと。
SRESA1Bシナリオに基づいて予測 年
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本文・図出典:気象庁 (2005) 異常気象レポート
17. サクラの開花日が早くなった <現状>
• 全国を平均したサクラ開 桜開花の経年変化 (上:大都市・下:中小都市)
花は、50年間で4.2日早
くなっている 。
サクラの開花日は、過去50年間に
・大都市では平均6.1日
・中小都市では平均2.8日
早まっている。
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本文・図出典:気象庁 (2005) 異常気象レポート
18. スギ花粉症患者の増加 <予測>
• 花粉量の増加は、 前年度夏季(7月)の気温と、全花粉量の関係
前年度の7月の気
温と非常に関連
春に飛散する花粉量は、前年度夏季
がある。 全花粉量
(7月)の気温が高いと増加する。
• 気候変化の影響
で、花粉の飛散
が早まり、花粉量
が増加し、スギ花
粉の季節が長く
なっている。
花粉量が多いと、
花粉症患者数が多
気温(℃)
くなるといった知見
も得られている。
本文・図出典:Teranishi,H., Y. Kenda, T. Katoh, M. Kasuya, E. Oura, and H. Taira.(2000) Possible role of climate
change in the pollen scatter of Japanese cedar Cryptomeria japonica in Japan. Climate Research 14: 65–70.
http://www.int-res.com/articles/cr/14/c014p065.pdf
18
19. 生物多様性とは?
地域に固有の自然があり、それぞれに特有のいきものがいる
そして、それぞれがつながっていること
●生態系の多様性
森林 湿原
河川 干潟
サンゴ
など
●種(種間)の多様性
推定500万~3,000万種
(IUCN調べ)
●種内(遺伝)の多様性
(例)ゲンジボタルの発光周期 (例)メガネトリバネアゲハ
中部山岳地帯より インドネシア(左)と
→西側では、発光周期は2秒 ソロモン諸島(右)
→東側では、発光周期は4秒 では翅(はね)の色が
異なる 19
20. 生物多様性のめぐみ
人間生存の基盤 有用性の源泉
・植物の光合成 ・食料や木材
→CO2の吸収・・・温暖化の防止 マグロやウナギ
→酸素供給 ・遺伝資源
バイテク-医薬品等への応用 サンマ(気仙沼魚市場HPより)
野生種の遺伝的特性-品種改良
技術開発のヒント
・バイオミミクリー
安全・安心の基礎 新聞記事参照 写真:Swiss/Japan Association for
Engineers and Scientists (CNET.JAPAN HP
より)
・自然の地形 豊かな文化の根源
-災害の防止 ・郷土料理/食材、酒
・豊かな森 ・祭り・民謡
-安全な飲み水
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暮らしに身近な生物多様性
31. 「ゼロベース思考」 問題解決のための基礎知識
ゼロベース思考=「大きな枠に広げて、可能性を求めること」
ゼロベース(枠の外側)
既成の枠
解!
解? 解!
解!
解?
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40. 問題解決スキルをより高めるために
・予定調和を崩す(意識を持つ)
普通はこうなる、という予測の延長線ではなく、
違う結末、意外性のある解決策を意識する
・問題解決を焦らない(判断遅延の法則)
問題解決策を思いついても、あわてて実行せず
ある程度先延ばしにする。感情が論理に勝って
いる状態を鎮める。後から考える方策の方が
良いことが多い。
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