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[予習篇]人工知能のための哲学塾 第二夜「ユクスキュルと環世界」 資料 (全五夜+第零夜)

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「人工知能のための哲学塾」は、人工知能を支える哲学について議論するコミュニティです。第一期として、全五回のセミナーを開催します。第二夜のための予習テキストです。

第0夜 概観
第一夜 フッサールの現象学
第二夜 ユクスキュルと環世界
第三夜 デカルトと機械論
第四夜 デリダ、差延、感覚
第五夜 メルロ=ポンティと知覚論

人工知能の哲学塾
https://www.facebook.com/groups/1056157734399814

主催:三宅
https://www.facebook.com/youichiro.miyake

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[予習篇]人工知能のための哲学塾 第二夜「ユクスキュルと環世界」 資料 (全五夜+第零夜)

  1. 1. 人工知能のための哲学塾 #Act_2 ユクスキュルと環世界 三宅 陽一郎 @miyayou 2015.12.3 @小田急サザンタワー 人工知能のための哲学塾 https://www.facebook.com/groups/1056157734399814/ 第零回資料 (2015.5.28) http://www.slideshare.net/youichiromiyake/ss-48781470 第一回資料(2015.9.30) http://www.slideshare.net/youichiromiyake/ss-53507300 https://www.facebook.com/youichiro.miyake http://www.slideshare.net/youichiromiyake y.m.4160@gmail.com
  2. 2. 「ゲーム、人工知能、環世界」 • 現代思想 12月号 (青土社) • 11月28日発売 • 「人工知能特集」 http://www.seidosha.co.jp/index.php?9784791713097
  3. 3. WIRED A.I. • WIRED A.I.+ Wired City • 12月1日発売 • 「人工知能+街 特集」 なぜぼくらには人工知能が必要なのか──『WIRED』Vol.20「人工知能+未来都市」 2大特集・特別保存版 刊行に寄せてhttp://wired.jp/2015/12/01/vol20-editors-letter-ai/
  4. 4. 「IT、都市、ヘルスケア、あらゆる領域で 人工知能と人間が共創する未来」 • WIRED 「INNOVATION INSIGTS」 http://wired.jp/innovationinsights/post/analytics-cloud/w/cocreation_with_ai
  5. 5. 人工知能のための哲学塾(予定) 第0夜 概観 第一夜 フッサールの現象学 第二夜 ユクスキュルと環世界 第三夜 デカルトと機械論 第四夜 デリダ、差延、感覚 第五夜 メルロ=ポンティと知覚論
  6. 6. 今回取り上げる哲学とその周辺 デカルト フッサール ハイデガー メルロ=ポンティ サルトル ブレンターノ ドイツ現象学派 フランス現象学派 ユクスキュル マックス=シェーラー ドイツ留学 ピアジェ サッチマン ベルクソン ベルンシュタイン チョムスキー デネット ソシュール 哲学者 言語学者 科学者 人類学者 心理学者 心理学への批判 人の内面的な精神活動を 「すべては心理的現象」 として説明することへ批判 ギブソン
  7. 7. 今回取り上げる哲学とその周辺 デカルト フッサール ハイデガー メルロ=ポンティ サルトル ブレンターノ ドイツ現象学派 フランス現象学派 ユクスキュル マックス=シェーラー ドイツ留学 ピアジェ サッチマン チョムスキー デネット ソシュール 哲学者 言語学者 科学者 人類学者 心理学者 心理学への批判 人の内面的な精神活動を 「すべては心理的現象」 として説明することへ批判 還元主義への批判。 全体としての生物の世界を探究。 ベルクソン ベルンシュタイン ギブソン
  8. 8. 本日のメニュー • 序章 前置き • 第一章 ユクスキュルの生物学 • 第二章 ギブソンの生態学的心理学 • 第三章 人工知能 • 第四章 ベルンシュタインの運動学 • 第五章 ベルクソンの哲学
  9. 9. 本日のメニュー • 序章 前置き • 第一章 ユクスキュルの生物学 • 第二章 ギブソンの生態学的心理学 • 第三章 人工知能 • 第四章 ベルンシュタインの運動学 • 第五章 ベルクソンの哲学
  10. 10. 序章 前置き
  11. 11. 身体は物質である。 しかし、身体は物ではない。
  12. 12. 身体を構成する原子は入れ替わる ・・・諸君は自分の一回の呼吸で、平均約1010個の原子を取り込んで いることをご存知であろうか。 ・・・空気がわれわれの体を数分で吹き抜け、雨水が 1-2日で通りぬ けるのに対して、骨のような固体部分はもっとゆっくりと交換する。 数年前、骨折から回復したときに気づいたのであるが、骨が更新さ れるのに 2ヶ月を要した。神経細胞はもっとゆっくりした代謝で、骨よ りはたしかに時間がかかる。とはいえ、われわれの体を作っている 物質のすべては1年以内で交代する。事実、それらは、新しい生き た原形質が遠慮勝ちに交代する間に、排出され、散髪され、爪を切 られ、あるいは洗われ、蒸発させられ、脱皮させられている。 ガイ・マーチ「生命の7つの謎」(白揚社、1986年、九工大図書館蔵書記号=461.1,M-2) pp.18-21 http://rokamoto.sakura.ne.jp/science-human/atom-feynman021218.pdf
  13. 13. 原子のダンス 例えば科学の記事を読んでいて「ねずみの大脳の放射性リンの量は 2週間で半減する」 という文章にぶつかったとしましょう。さて読んではみたが、いったいこの文は何を言わ んとしているのでしょうか? それは現在ねずみそして私の、また皆さんの脳の中にある リンは、2週間前のリンとは異なっているという意味です。言い換えれば脳の中の原子は 絶えず入れ換わっていくもので、前にあった原子はなくなってしまうのだということです。 ではいったい私たちの心、すなわちこの意識をもった原子とはいったい何なのか?それ は先週食べた食物の原子なのです。そして驚くべきことに、この原子どもはもうとっくに 入れ換わってしまっているというのに、1年前に私の頭の中で起こっていたことをちゃん と思いだせるのです。 人の個性と呼ばれるものは、単にその原子のパターン、そしてそのダンスに過ぎません が、それは取りも直さず頭の中の原子が、新しいのと入れ換わるのにどれだけの時間がか かるかということです。原子は私の頭の中に入ってきて、ひとしきりダンスをやり、そし てまた出て行きます。入れ換わった原子は必ず新しい原子だというのに、昨日のダンスが どんなダンスであったのかちゃんと覚えていて、まったく同じ踊り方をするのです。 ファインマン「困りますファインマンさん」(岩波書店、1988年) p.309: http://rokamoto.sakura.ne.jp/science-human/atom-feynman021218.pdf
  14. 14. テセウスの船(パラドックス) 船の老朽化した部分を、新しい木に入れ替えているうちに、 全部を入れ替えてしまった。 はたしてこの船は元の船と同一のものであろうか? http://img02.hamazo.tv/usr/j/a/g/jagr/629.jpg
  15. 15. 逆にパラドックスを起点に考える。
  16. 16. 身体には物質の入れ替わりとは 関係なく保存される構造があるのだ。
  17. 17. テセウスのパラドックス 物質的構成 = 循環する 物質によらず不変なもの 構造
  18. 18. テセウスのパラドックス 物質的構成 = 循環する 物質によらず不変なもの 構造 情報
  19. 19. だから、こう言える。 生物は物質的存在であると同時に、 情報的存在でもあるのだ。
  20. 20. テセウスのパラドックス 物質 情報 情報 物質 生物は、情報的存在であり、同時に物質的な存在である。 物質は情報に存在を与え、情報は物質に構造を与える。
  21. 21. 情報と物質 情報 物質 生物は、情報的存在であり、同時に物質的な存在である。 物質は情報に存在を与え、情報は物質に構造を与える。
  22. 22. 原始の海+光+熱+稲妻 http://www.yunphoto.net/jp/photobase/yp2863.html
  23. 23. ユーリーミラーの実験 ガスから生命の構成要素であるアミノ酸を合成した。 ハロルド・ユ―リーの研究室で、スタンレー・ミラーが実験(1953年) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Miller-Urey_experiment_JP.png
  24. 24. 生命を構成する要素(アミノ酸) 極性頭部 非極性尾部 水と仲良し 水と溶けあえない (参考)永田和宏 「生命の内と外」 (「考える人」(Vol.45)) 脂肪酸
  25. 25. 自己組織化
  26. 26. 原始の海で構造化=外と内の形成 外 内
  27. 27. 世界 生物の特徴=代謝機能を持つ 物質的な次元のお話。 内部構造を持つ。 INPUT OUTPUT 代謝機能(内部処理) 代謝とは、外から得た物質を化学的に高いエネルギー状態から、低い状態へ還元することで、 エネルギーを得ると同時に、自分自身の体をそれによって組み換えて行くこと。
  28. 28. 世界 存在ってなんだろう? 極めてメカニカルな次元。 内部構造を持つ。 INPUT OUTPUT 代謝機能 生き物の体を構成する分子は常に入れ替わっている。世界の外部と内部を循環によって 入れ替えることで、生き物は世界の中で世界を結びついているのだ。
  29. 29. 「情報と物質」から「精神と身体」へ 情報 物質 知能(心) 身体 心身問題
  30. 30. 精神と身体、そして進化 情報 物質 知能(心) 身体 進化 心身問題 http://www.yunphoto.net/jp/photobase/yp2863.html Yafüt™ http://free-images.gatag.net/2013/03/19/160000.htmlhttp://pictkan.com/ 進化
  31. 31. しかし、こう捉えることで、 新しい問題が発生する。
  32. 32. 心身二元論(デカルト?) 精神と身体は二つの独立したものだ。 心脳問題 脳のような物質的機能から 心がどうやって産み出されるか?
  33. 33. 参考文献
  34. 34. 問1 「心身二元論」 人工知能、或いは、ロボット において、 心身二元論は存在するか?
  35. 35. 身体は物質であり情報である。 しかし、身体は物ではない。 身体はソフトウェアでもない。
  36. 36. 身体と知能の関係とは? 知能は物質か? 身体はどこまで知能か? 知能はどのように身体を 認識し、捉えているか?
  37. 37. 身体は自分自身である。 しかし、自分の手で自分の身体をつかむ ことができる。ゆえに、身体は対象である。 身体は自分自身であり、対象である、 という両義性を持つ。(メルロ=ポンティ)
  38. 38. 前回の復習 第一回講演資料 http://www.slideshare.net/youichiromiyake/ss-53507300
  39. 39. デカルト/フッサール • 我、思う、ゆえに、我あり、 デカルト • 我、 、そして、世界が定立している フッサール 気に入る 気に入らない 喜ぶ 悲しい 欲求する 逃避する 希望する 恐怖する 決断する 行為する ….
  40. 40. 現象学と人工知能 世界 あらゆる体験・経験 超越論的 主観性 志向性 認識 行動 志向的な矢 志向的な矢
  41. 41. 知能の世界 環境世界 認識の 形成 記憶 身体 制御 エフェクター・ 身体 作用の 構成 センサー・ 身体 作用 作用 記憶体 情報処理過程 運動創出過程 身体部分 情報 統合 運動 統合 あらゆる 世界に対する 作用 作用 内的 世界 つまり、感情、動作、判断などは 対象を持つ「作用」として、統一的に構築する。 何かに対して思うことと、 何かに対して行動しようとすることも、 より深いレべルでは同じ。 作用 意識 無意識
  42. 42. 現象学が人工知能にもたらすもの • 知能は思惟する存在だけではなく、 • 作用(感情、思索行為)を行う存在として定義せよ。 • そのあらゆる感情作用、あらゆる行為、あらゆる思惟 が、知能の持つ世界を構成する。 • 上記の作用を対象と結びつけよ。ただ、作用は実世 界だけでなく、絶対的主観から世界へ至る間にあるも のも含む。 • 現象学は対象と共に、志向する様相も記述するから、 • さまざまな現象学の成果を利用できる。利用せよ。 考える知能 → あらゆる作用をする知能 思惟による世界だけでなく、より多様な世界の側面を構成せよ。 対象世界を多様化、さらに現実世界だけでなく、内的世界にも対象を持て。 ノエシス=ノエマ
  43. 43. 前回の復習おわり 第一回講演資料 http://www.slideshare.net/youichiromiyake/ss-53507300
  44. 44. 現象学の系譜 弟 子 第5回第2回 革新 デカルト 16世紀フランスの哲学者 (欧州近代哲学・近代科学の父) 第3回
  45. 45. フッサールからユクスキュルへ 弟 子 第5回 第2回 革新 デカルト 16世紀フランスの哲学者 (欧州近代哲学・近代科学の父) 第3回 ワイエルシュトラウス ブレンターノ ユクスキュル ハイデガー サルトル メルロ=ポンティ
  46. 46. 「身体と知能の関係」の 哲学者・心理学者・生物学者系譜 第1回 E. フッサール (1859-1938) ベルクソン (仏、1859-1941) ニコライ・ベルンシュタイン (露、1896-1966) J.J.ギブソン (米、1904-1979) メルロ=ポンティ (1908-1961) 未だ体系的に語られることの少ない 細い糸をたどって行く。 ユクスキュル (ドイツ、1864-1944) 第5回
  47. 47. 知能のトップダウン的/ボトムアップ的探究
  48. 48. 知能のトップダウン的/ボトムアップ的探究 哲学 運動から知能を捉える
  49. 49. 本日のメニュー • 序章 前置き • 第一章 ユクスキュルの生物学 • 第二章 ギブソンの生態学的心理学 • 第三章 人工知能 • 第四章 ベルンシュタインの運動学 • 第五章 ベルクソンの哲学
  50. 50. 第一章 ユクスキュルの生物学
  51. 51. ユクスキュル(1864-1944)とは? • 1864年 エストニアに産まれる(名家) • 1884-1888年 ドルパート大学で動物学研究 • 1888-1890年 ハイデルベルグ大学で生理学研究(解剖学) 筋肉生理学者。還元主義の限界に思い至る。 • 1890-1903年 ナポリの「臨界研究所」で海棲動物研究 海棲生物の筋肉と精神機構の研究 • 1899-1900年 アフリカ(ダルエスサラーム)での海棲動物研究 熱帯産のウニ類の研究 • 1903年 結婚 (戦争で混乱。実験研究ができなくなり理論研究。理論生物学) • 1924-1940年 ハンブルグ大学付属「環境研究所」所長。 • 1940-1944年 カプリ島で隠居。没。 前野佳彦・「『カント二世』の生物環境論―ヤーコプ・フォン・ユクスキュルの今日的意義」 (前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房))
  52. 52. ユクスキュル(1864-1944)とは? • 生物の生理学的な解剖を通して、生物がどのようにこ の世界の中で根付いているか、運動しているか、認識 しているか、を探究。 • 解剖的な知見を基礎に、還元主義だけでは見えない 生物の主観的な世界の成立のモデルを構築する。 • 哲学としてはカントの影響を受けながら、まったく新し い生物の捉え方「機能環」「環世界」「対世界」を提唱。 • 欧州を中心に哲学・生物学・認知科学に多大な影響 を与える。 • 日本ではなぜか紹介が遅れている。
  53. 53. どのように知能と身体は結びつて いるのか?
  54. 54. 人間の精神 意識 前意識 無意識 知能 言語による 精神の構造化 外部からの 情報 言語化のプロセス シニフィアン /シニフィエ 言語回路 (=解釈) 意識の形成 世界を分節化している
  55. 55. 人間の精神 意識 前意識 無意識 外部からの 情報 言語・非言語境界面 (シニフィアン/シニフィエ) 意識の境界面 (表象) 知覚の境界面 知能と身体の境界面 (仏教で言う:阿頼耶識)
  56. 56. 人間の精神 意識 前意識 無意識 外部からの 情報 知能と身体の境界面 (仏教で言う:阿頼耶識) 言語・非言語境界面 (シニフィアン/シニフィエ) 意識の境界面 知覚の境界面 意識は常に何かについての意識である。(志向性) フッサール『イデーン』 我々は知覚によってこの世界に住み着いている。 メルロ=ポンティ『知覚の現象学』 ソシュール「一般言語学講義」 大乗仏教 「阿頼耶識」
  57. 57. 人間の精神 意識 前意識 無意識 外部からの 情報 人の意識が為しえる知能 人の無意識に為しえる知能
  58. 58. 人間の精神 意識 前意識 無意識 外部からの 情報 人工知能の研究はこの部分に 集中している この部分を作るのが難しい。
  59. 59. 人間の精神 意識 前意識 無意識 外部からの 情報 生態学的人工知能 ※生態=環境・身体との 結びつきを考える 伝統的な人工知能 身体知
  60. 60. 人間の精神 意識 前意識 無意識 知能 言語による 精神の構造化 外部からの 情報 言語化のプロセス シニフィアン/シニフィエ 言語回路 (=解釈)
  61. 61. 人間の精神 意識 前意識 無意識 知能 言語による 精神の構造化 外部からの 情報 言語化のプロセス シニフィアン/シニフィエ 言語回路 (=解釈)
  62. 62. 人間の精神 意識 前意識 無意識 外部からの 情報 知能 解釈 顕 在 化 運動 統合 意 志 意識の境界面 知覚の境界面
  63. 63. 人間の精神 意識 前意識 無意識 外部からの 情報 知能 解釈 顕 在 化 運動 統合 意 志 意識の境界面 知覚の境界面 2つの見えている世界(知覚世界、作用世界) 知覚世界 作用世界
  64. 64. 本日のメニュー • 序章 前置き • 第一章 ユクスキュルの生物学 1-1) 機能環となにか? 1-2) 対世界とはなにか? • 第二章 ギブソンの生態学的心理学 • 第三章 人工知能 • 第四章 ベルンシュタインの運動学 • 第五章 ベルクソンの哲学
  65. 65. 第一章 第一節 機能環とはなにか?
  66. 66. 問い 生き物の「視る」とカメラの「視る」は どう違うだろうか? http://www.free-picture.net/reptiles/lizards/chameleon-wallpapers.jpg.html 生物の持つ目は、生物の知能と身体と深く結びついている 能動的な眼であり、 カメラは使用者の意思に従う受動的な眼である。
  67. 67. 主体と客体はどう結ばれるか? 客体 (対象) 関係がない http://sozai-free.com/sozai/00992.html
  68. 68. 主体と客体はどう結ばれるか? 客体 (対象) 関係がない
  69. 69. 主体と客体はどう結ばれるか? 関係がある http://illpop.com/png_insecthtm/aquatic_a02.htm
  70. 70. 主体と客体はどう結ばれるか? 客体 (対象) 関係がある
  71. 71. 主体と客体はどう結ばれるか? 客体 (対象) 関係がある 知覚作用
  72. 72. 機能環 実行器 受容器 知覚と作用で客体を“つかんでいる“ 客体 作用器官 知覚器官 “現実”(主観世界)の構成要素 ユクスキュル/クリサート 「生物から見た世界」 (岩波文庫) 知覚世界作用世界
  73. 73. 機能環 効果器 受容器 知覚と作用で客体を“つかんでいる“ 客体 “現実”(主観世界)の構成要素 ユクスキュル/クリサート 「生物から見た世界」 (岩波文庫) 知覚世界活動世界 作用器官 知覚器官
  74. 74. 機能環 効果器 受容器 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房) 知覚世界活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界
  75. 75. 環世界のスキーム(機能環) 効果器 受容器 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房) 知覚世界活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界 知覚微表(Merkmal) = 客体から送られてくるさまざまな刺激 知覚微表担体(Merkmaltrager) =客体に備わる刺激を発する諸特質 活動担体(Wirkungstrager) =客体の捕捉領域になりうる諸特質
  76. 76. 環世界のスキーム(機能環) 効果器 受容器 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房) 知覚世界活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界 受容器 = 一定の刺激を受け取る + 定められた刺激以外のすべての刺激を捨象する (知覚の統一性)
  77. 77. 機能環 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房) 効果器 受容器 客体 活動神経網 知覚神経網 知覚世界活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界
  78. 78. 機能環 効果器 受容器 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房) 知覚世界活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界機能環 = 受容器→知覚神経網→活動神経網→実行来→客体 →受容器→… (閉じた環)
  79. 79. • こうしてはじめて、すべての動物的行動の基幹に、ひとつの閉 じた環が埋め込まれていることがわかってくる。その環は行動 において、主体と客体を連結している。(p.75) ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (原著:1921, 前野佳彦訳:2012)
  80. 80. • この環はまず客体上に布置された知覚微表担体から出発する。 そこから一つまたはいくつかの刺激が同時に発して、それらが 動物の受容器に作用するのである。 • するとその刺激は動物の内部において、知覚神経網へと連結 され、それがさらに活動神経網へと受け渡される。(p.75) ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (原著:1921, 前野佳彦訳:2012)
  81. 81. • 活動神経網は効果器に一定の運動形態を割りふる。それらの 運動はふたたび客体上の活動担体に適合する形で実現される のである。(p.75) ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (原著:1921, 前野佳彦訳:2012)
  82. 82. • 客体上の活動担体と知覚微表担体は、客体自身の「対象化さ れた機構」によって連結されている。 • このようにして、主体と客体を連結する環が閉じられる。わたし はこれを「機能環」(Funktionskreis)と呼ぶことにしたい。(p.75) ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (原著:1921, 前野佳彦訳:2012)
  83. 83. 環世界のスキーム(機能環) 効果器 受容器 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房) 知覚世界活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界
  84. 84. 世界無限 こうした諸々の機能環によって、すべての動物の、その固有の環境と 緊密に連結される。 ユクスキュル「動物の環境と内的世界」(原著:1921, 前野佳彦訳:2012)
  85. 85. 世界無限 こうした諸々の機能環によって、すべての動物の、その固有の環境と 緊密に連結される。 ユクスキュル「動物の環境と内的世界」(原著:1921, 前野佳彦訳:2012)
  86. 86. 世界無限 こうした諸々の機能環によって、すべての動物の、その固有の環境と 緊密に連結される。 ユクスキュル「動物の環境と内的世界」(原著:1921, 前野佳彦訳:2012)
  87. 87. 機能環の種類 • 捕食環(Beutekreis) • 索敵環(Feindkreis) • 生殖環(Geschlechkreis) • 媒体環(Kreis de Mediums)
  88. 88. 世界無限 個々の動物に関する生物学は、そのすべての機能環を渉猟する ことによって初めて目標に到達したとみなすことができる。(p.76) ユクスキュル「動物の環境と内的世界」(原著:1921, 前野佳彦訳:2012)
  89. 89. 世界無限 主体と客体の相互作用の連鎖(Wirkungsketten) (p.76) 自己完結したメカニズム(p.78) ユクスキュル「動物の環境と内的世界」(原著:1921, 前野佳彦訳:2012)
  90. 90. • すべての動物種は、彼固有の「環境」(Umwelt)の中心を占め ている。彼は、その「環境」に対して、自律的な主体として登場 する。 • すべての動物種の「環境」は、「知覚世界」と「活動世界」に二 分することができる。この二分された世界は、動物の身体とい う「内的世界」によって、ふたたびひとつの全体へ統合されてい る。 • すべての動物種の「環境」には、当該の動物種に のみ属する事物しか存在しない。 • すべての生物を包括するような 、唯一の普遍的かつ 絶対的な空間、唯一の普遍的かつ絶対的な時間 というものは存在しない。(P.330) ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (原著:1921,前野佳彦訳:2012)
  91. 91. ユクスキュル「生物から見た世界」 (原著:1933, 翻訳:2005) • 主体が知覚するものはすべてのその知覚世界になり、作用 するものはすべてその作用世界になるからである。知覚世 界と作用世界が連れだって環世界(Umwelt)という一つの完 結した全体を作りあげているのだ。(P.7) • 環世界の研究の第一の課題は、動物の環境の中の諸知覚 標識からその動物の知覚標識を探り出し、それでその動物 の環世界を組み立てることである。(P.28)
  92. 92. ミツバチの環世界 現実 環世界 ミツバチは、 密のある花しか感知しない。 ユクスキュル/クリサート、 「生物から見た世界」 (岩波文庫)
  93. 93. カタツムリの環世界を研究する実験 ①かたつむりをゴムボールに乗せる。 ②カタツムリの前に棒を出し入れする。 ③棒の出し入れの頻度を変化させる。 実験 結果 一秒間に1~3回の出し入れの頻度では、 カタツムリは棒を渡ろうとしない。 4回以上だと棒を渡ろうとする。 結論 カタツムリにとって、秒間4回以上の棒は、 棒が止まって見える。 =カタツムリの環世界の更新頻度は、 4回以下。(人間は18回/秒程度) ユクスキュル/クリサート、 「生物から見た世界」 (岩波文庫)
  94. 94. ニワトリの環世界を研究する実験 雛の足をくくって、親鳥が怒るかを見る。 (上)雛の声が聞こえないように透明ドームをする。 (下)見えないように。ついたてだけ 実験 結果 (上) 親鳥は無視。 (下) 見えないのに助けに行こうとする。 結論 ニワトリにとって、雛の姿は重要ではない。 その声によって認識しているのが、 ニワトリの環世界。 (見えていないわけではない) ユクスキュル/クリサート、 「生物から見た世界」 (岩波文庫)
  95. 95. 環世界のイメージ 環世界=「かたつむりの殻」のように、生物それぞれが持ちつつ、 それが世界であり、それ以外の世界へ逸脱できない世界。
  96. 96. 人工知能と環世界
  97. 97. 知能の世界 環境世界 認識の 形成 記憶 センサー・ 身体 記憶体 情報処理過程 情報 統合
  98. 98. 知能の世界 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 センサー・ 身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 記憶体 情報処理過程 情報 統合
  99. 99. 知能の世界 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・ 身体 運動の 構成 センサー・ 身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 記憶体 情報処理過程 運動創出過程 身体部分 情報 統合 運動 統合
  100. 100. 知能の世界 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・ 身体 運動の 構成 センサー・ 身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 対象・ 現象 情報の流れ(インフォメーション・フロー) 影響を与える影響を受ける
  101. 101. 遅延反応系 INPUT OUTPUT 時間 情報抽象度 反射的に行動 少し場合ごとに対応 抽象的に思考 理論的に考える 言語化のプロセス 反応を遅延させるところに、知性の生じるチャンスがある。
  102. 102. サブサンプション・アーキテクチャ(ロドニー・ブルックス) INPUT OUTPUT 時間 情報抽象度 反射的に行動 少し場合ごとに対応 抽象的に思考 理論的に考える 言語化のプロセス = 自意識の構築化 Subsumpution Architecture 運動の実現のプロセス = 身体運動の生成
  103. 103. 身体 身体の反射レベル 脳の原始的な部分の反射レベル 無意識の反射レベル 意志決定 物理 情報 身体 感覚 情報 抽象 知的 情報 情報の抽象度 時間進行(流れ)の方向 構造 構造 構造 身体は知覚対象としても作用対象としても、多層的な表現層を持つ。 =マルチレイヤー構造= (Multi-layered Structure) 構造
  104. 104. Physical Informat ion Abstract Informat ion More Abstract Informat ion Abstraction Time Decision-Making Decision-Making Decision-Making Multi-Layered Blackboard Abstraction Abstraction Reduction Reduction Reduction World Sensor Effector World Dynamics Artificial Intelligence Decision-MakingDecision-Making
  105. 105. Physical Informat ion Abstract Informat ion More Abstract Informat ion Abstraction Time Decision-Making Decision-Making Decision-Making Multi-Layered Blackboard Abstraction Abstraction Reduction Reduction Reduction World World Dynamics Artificial Intelligence Object Object image on the lowest layer (Umwelt) Object image on the second layer Object image on the third layer Decision-Making Object image on the top layer
  106. 106. Physical Informat ion Abstract Informat ion More Abstract Informat ion Abstraction Time Decision-Making Decision-Making Decision-Making Multi-Layered Blackboard Abstraction Abstraction Reduction Reduction Reduction World World Dynamics Artificial Intelligence Object Object image on the lowest layer (Umwelt) Object image on the second layer Object image on the third layer Decision-Making Object image on the top layer
  107. 107. Physical Informat ion Abstract Informat ion More Abstract Informat ion Abstraction Time Decision-Making Decision-Making Decision-Making Multi-Layered Blackboard Abstraction Abstraction Reduction Reduction Reduction World World Dynamics Artificial Intelligence Object Object image on the lowest layer (Umwelt) Object image on the second layer Object image on the third layer Decision-Making Object image on the top layer
  108. 108. 問2 「人工知能と環世界」 人工知能、或いはロボットに 環世界を与えることは、 どのようにすれば可能か?
  109. 109. 本日のメニュー • 序章 前置き • 第一章 ユクスキュルの生物学 1-1) 機能環となにか? 1-2) 対世界とはなにか? • 第二章 ギブソンの生態学的心理学 • 第三章 人工知能 • 第四章 ベルンシュタインの運動学 • 第五章 ベルクソンの哲学
  110. 110. 第一章 第二節 対世界とはなにか?
  111. 111. 問 刺激行動 刺激から行動に至る間には何があるか?
  112. 112. 機能環 効果器 受容器 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房) 知覚世界活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界
  113. 113. 機能環 効果器 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房) 知覚世界活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界 興奮 受容器(刺激→興奮(記号))
  114. 114. 機能環 効果器 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房) 知覚世界活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界 興奮 受容器(刺激→興奮(記号)) すべての受容器は、外界の刺激を興奮に変換するという同一の 役割を担っている。つまり神経系を伝搬するのは刺激そのものでは なく、その代理をするまったく異質の過程なのである。 その過程は、もはや環境中の事象とはまったく何の関係もなくなって いる。それは、記号として(als Zeichen)、環境に刺激が存在し、 それが受容器に到達した、という事実を指し示すことができるだけで ある。 このようにして外界の刺激は、ことごとく神経系の記号言語(eine nervose Zeichensprache)に翻訳される。 (P.253) ユクスキュル「動物の環境と内的世界」(原著:1921, 前野佳彦訳:2012)
  115. 115. 機能環 効果器 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房) 知覚世界活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界 興奮 興奮 受容器(刺激→興奮(記号))
  116. 116. 機能環 効果器 受容器(刺激→興奮(記号)) 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房) 知覚世界活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界 興奮 興奮興奮 運動形態
  117. 117. 機能環 効果器 受容器(刺激→興奮(記号)) 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房) 知覚世界活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界 興奮 興奮興奮 運動形態 =特定の筋肉を動かす
  118. 118. 機能環 効果器 受容器(刺激→興奮(記号)) 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房) 知覚世界活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界 興奮(記号) 興奮興奮 運動形態 =特定の筋肉を動かす 中枢神経網
  119. 119. 中枢神経網 効果器 受容器(刺激→興奮(記号)) 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房) 知覚世界活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界 興奮(記号) 興奮興奮 運動形態 =特定の筋肉を動かす 中枢神経網 中枢神経網は興奮(記号)を受け取り、 その興奮の分別を行い(=何を知覚しているか)、 活動神経網を興奮させる(=筋肉を動かす)。
  120. 120. 中枢神経網 効果器 受容器(刺激→興奮(記号)) 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房) 知覚世界活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界 興奮(記号) 興奮興奮 運動形態 =特定の筋肉を動かす 中枢神経網 興奮という記号に置き換えられた外界からの刺激は、もはや直接、 運動神経網(motorischer Netz)に流入することはない。運動神経網は、 すべての興奮を中枢神経内に確立された新しい興奮野 (Erregungswelt)から間接的に受け取るようになる。(P.256) ユクスキュル「動物の環境と内的世界」(原著:1921, 前野佳彦訳:2012)
  121. 121. 中枢神経網 効果器 受容器(刺激→興奮(記号)) 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房) 知覚世界活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界 興奮(記号) 興奮興奮 運動形態 =特定の筋肉を動かす 中枢神経網 この興奮野が、環境と運動神経系のあいだに割り込んで両者を 媒介するのである。筋肉機構のあらゆる活動は、この中枢神経内の 興奮野にのみ関係づけられ、したがって機能も、興奮野によってのみ 了解されるようになる。 動物はもはや天敵が彼に送って来る諸々の刺激から逃走するので はない。まず敵の写像が鏡像世界(Spiegelwelt)に構成され、その 構成された像から動物は逃げるのである。(P.256) ユクスキュル「動物の環境と内的世界」(原著:1921, 前野佳彦訳:2012)
  122. 122. 対世界 効果器 受容器(刺激→興奮(記号)) 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房) 知覚世界活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界 興奮(記号) 興奮興奮 運動形態 =特定の筋肉を動かす 中枢神経網 高等動物の中枢神経系内に確立された固有の世界を、 その動物の「対世界」と呼ぶことにしたい。(P.256) ユクスキュル「動物の環境と内的世界」(原著:1921, 前野佳彦訳:2012)
  123. 123. 対世界 効果器 受容器(刺激→興奮(記号)) 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房) 知覚世界活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界 興奮(記号) 興奮興奮 運動形態 =特定の筋肉を動かす 中枢神経網 対世界
  124. 124. 対世界 効果器 受容器(刺激→興奮(記号)) 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房) 知覚世界活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界 興奮(記号) 興奮興奮 運動形態 =特定の筋肉を動かす 中枢神経網 対世界 自然が動物を強いて自己に適応させるのではない。 まったくその反対に、動物自身が、彼固有のものである自然そのもの を(「環境」を)自分の固有の欲求にしたがって形成するのである。 (P.256) ユクスキュル「動物の環境と内的世界」(原著:1921, 前野佳彦訳:2012) 環世界
  125. 125. 対世界 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 対世界 中枢神経網
  126. 126. 対世界 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 対世界 興奮 興奮 興奮 さまざまな興奮(=記号)の 組み合わせから、事物を分別する。 中枢神経網
  127. 127. 対世界 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対世界 興奮 興奮 興奮 運動形態 さまざまな興奮(=記号)の 組み合わせから、事物を分別する。 特定の筋肉を動かすように 興奮を促す。 中枢神経網
  128. 128. 対世界 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対世界 興奮 興奮 興奮 運動形態 さまざまな興奮(=記号)の 組み合わせから、事物を分別する。 特定の筋肉を動かすように 興奮を促す。 中枢神経網 対世界がひとたび確立されると、それはすべての受容器に対して いちじるしい牽引力を発揮する。 それにより、受容器と一般的な神経網とのあいだに確立していた 直接的関係はしだいに稀薄となり、それに代わって「対世界」と 受容器の神経網が結合されて行くことになる。 (P.258) ユクスキュル「動物の環境と内的世界」(原著:1921, 前野佳彦訳:2012)
  129. 129. 対世界 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対世界 興奮 興奮 興奮 運動形態 さまざまな興奮(=記号)の 組み合わせから、事物を分別する。 特定の筋肉を動かすように 興奮を促す。 中枢神経網
  130. 130. 対世界 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対世界 興奮 興奮 興奮 運動形態 さまざまな興奮(=記号)の 組み合わせから、事物を分別する。 特定の筋肉を動かすように 興奮を促す。
  131. 131. 対世界 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対世界 運動形態 興奮核の平面構造
  132. 132. 対世界 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対世界 運動形態 興奮核の平面構造 興奮 興奮 興奮
  133. 133. 対世界 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対世界 運動形態 図形受容(パターンを認識)
  134. 134. 対世界 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対世界 運動形態 図形受容(パターンを認識) 色彩受容
  135. 135. 対世界 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対世界 運動形態 図形受容(パターンを認識) 色彩受容 一塊として認識する (=対象として認識する)
  136. 136. 対世界 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対世界 運動形態 図形受容(パターンを認識) 色彩受容
  137. 137. 対世界 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対世界 運動形態 図形受容(パターンを認識) 色彩受容
  138. 138. 対世界 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対世界 運動形態 図形受容(パターンを認識) 色彩受容 運動受容
  139. 139. 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 運動形態 興奮核の平面構造 対世界 知覚の能動的変化 =興奮核の数の変化 =差分による認識
  140. 140. 対空間 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対世界 運動形態 興奮核の平面構造
  141. 141. 対空間 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対空間 運動形態 興奮核の立体構造 =三半規管の発達
  142. 142. 対空間 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対空間 運動形態 興奮核の立体構造 =三半規管の発達
  143. 143. 対空間 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対空間 運動形態 興奮核の立体構造 =三半規管の発達
  144. 144. 対空間 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対空間 運動形態 3次元における対象の需要 =空間における座標をもった対象を認識する 一塊として認識する (=対象として認識する)
  145. 145. 対空間 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対空間 運動形態 3次元における対象の需要 =空間における座標をもった対象を認識する 一塊として認識する (=対象として認識する) 興奮状態に入った「興奮核」の集団は、もともと「対世界」の座標系に 対しては直接的な関係をもっているから、対象の位置関係を決定す る。それに対し「興奮核」の興奮から間接的に影響を受けた図式その ものは、対象の形態を決定する。こうしたモデルにしたがえば、対象 はその形態に即しても、また位置関係に即しても、「対世界」中に固 定され、登録されることになる。(P.266) ユクスキュル「動物の環境と内的世界」(原著:1921, 前野佳彦訳:2012)
  146. 146. 対空間 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対空間 運動形態 興奮核の立体構造 =三半規管の発達
  147. 147. 対空間 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対空間 運動形態 3次元運動受容
  148. 148. 対世界 興奮 興奮 興奮 興奮 興奮 興奮(記号)の集合によって
  149. 149. 対世界 興奮 興奮 興奮 興奮 興奮 興奮(記号)の集合によって 対象が浮かび上がる。
  150. 150. 対空間 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対空間 運動形態 プログラムのメモリ空間に似ている。 プログラムのメモリ空間もまた、 反射ではない運動を作るために、 プログラミングにおいて中継点の 役割を果たす。
  151. 151. 本日のメニュー • 序章 前置き • 第一章 ユクスキュルの生物学 • 第二章 ギブソンの生態学的心理学 2-1) アフォーダンス • 第三章 人工知能 • 第四章 ベルンシュタインの運動学 • 第五章 ベルクソンの哲学
  152. 152. 第二章 ギブソンの生態学的心理学
  153. 153. 同時性の窓 • ある時間差Δtで、二つの音を出して、それが 同時か、どちらが先かを教えて貰う。 Δt = 3分 Δt = 3秒 Δt = 0.3秒 Δt = 0.03秒
  154. 154. 参考文献 エルンスト・ペッペル 「意識の中の時間」 (田山忠行・尾形敬次訳)岩波書店 1995年
  155. 155. 同時性の窓 • ある時間差Δtで、二つの音を出して、それが 同時か、どちらが先かを教えて貰う。 Δt = 3分 Δt = 3秒 Δt = 0.3秒 Δt = 0.03秒 我々は世界をどのように知覚しているか?
  156. 156. ギブソン(1904-1979) • ノースウェスタン大学 • プリンストン大学(H.S.Langfeld) • 1928年 スミス・カレッジ (Koffka と出会う) • 1941年 空軍 心理学研究隊(主な職務はパイロットの選 抜) 「運動、空間内移動、あるいは空間それ自体の知覚について、 実際的価値のあることを心理学者は何一つ知らないでいる」 • 1949年 コーネル大学
  157. 157. ギブソン「生態学的知覚論」 (原著:1979, 翻訳:1985) • …環境に存在する事物の「価値」や「意味」が直接的に知覚され ることを示している…(P.137) • 環境のアフォーダンスとは、環境が動物に提供するもの、良いも のであれ悪いものであれ、用意したり備えたりするものである。 • アフォーダンスという言葉で私は、既存の用語では表現し得ない 仕方で、環境と動物の両者に関連するものをいい表したいので ある。この言葉は動物と環境の相補性を包含している。(P.137)
  158. 158. 自然科学 人文科学・哲学 空間 ホイヘンス・ニュートン 幾何光学 ギブソン 生態光学 時間 アインシュタイン 相対性理論 ベルクソン 持続性
  159. 159. 本日のメニュー • 序章 前置き • 第一章 ユクスキュルの生物学 • 第二章 ギブソンの生態学的心理学 2-1) アフォーダンス 2-2) オプティカル・フロー • 第三章 人工知能 • 第四章 ベルンシュタインの運動学 • 第五章 ベルクソンの哲学
  160. 160. 第二章第一節 アフォーダンス
  161. 161. オブジェクト表現 これが車である この方向に押せば動く Dude, Where's My Warthog: From Pathfinding to General Spatial Competence, D. Isla, Invited talk, Artificial Intelligence and Interactive Digital Entertainment (AIIDE) 2005 http://naimadgames.com/publications.html
  162. 162. アフォーダンス 食べること ができる。 http://www.ashinari.com/2009/09/23-027796.php 登ること ができる。 http://www.ashinari.com/2012/09/27-370733.php?category=57 動かすこ とができる。 AI
  163. 163. 作用空間 アフォーダンス 食べること ができる。 http://www.ashinari.com/2009/09/23-027796.php 登ること ができる。 http://www.ashinari.com/2012/09/27-370733.php?category=57 動かすこ とができる。 AI
  164. 164. アフォーダンス ガラス板 「通ることができる」 「支えることができる」
  165. 165. アフォーダンス 歩くこと ができる。 届く。 押すこと ができる。 AI http://www.s-hoshino.com/f_photo/gake/ga_022.html http://www.ashinari.com/2009/12/30-032328.php?category=212 http://www.publicdomainpictures.net/view-image.php?image=9141
  166. 166. 作用空間 アフォーダンス 歩くこと ができる。 届く。 押すこと ができる。 AI http://www.s-hoshino.com/f_photo/gake/ga_022.html http://www.ashinari.com/2009/12/30-032328.php?category=212 http://www.publicdomainpictures.net/view-image.php?image=9141
  167. 167. アフォーダンス 歩くこと ができる。 届く。 押すこと ができる。 AI http://www.s-hoshino.com/f_photo/gake/ga_022.html http://www.ashinari.com/2009/12/30-032328.php?category=212 http://www.publicdomainpictures.net/view-image.php?image=9141
  168. 168. ナビゲーション・データ http://www.s-hoshino.com/f_photo/gake/ga_022.html http://www.ashinari.com/2009/12/30-032328.php?category=212
  169. 169. ナビゲーション・データ ウェイポイント・グラフ (点を要素とするネットワークグラフ) ナビゲーションメッシュ・ グラフ (三角形(凸角形)を要素とする ネットワークグラフ) 歩くこと ができる。 http://www.s-hoshino.com/f_photo/gake/ga_022.html http://www.ashinari.com/2009/12/30-032328.php?category=212
  170. 170. 機能環 効果器 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房) 知覚世界活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界 興奮 受容器(刺激→興奮(記号))
  171. 171. 機能環 効果器 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房) 知覚世界活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界 興奮 受容器(刺激→興奮(記号)) 中枢神経網は興奮(記号)を受け取り、 その興奮の分別を行い(=何を知覚しているか)、 活動神経網を興奮させる(=筋肉を動かす)。
  172. 172. 機能環 効果器 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房) 知覚世界活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界 興奮 受容器(刺激→興奮(記号)) 機能環 = アフォーダンス
  173. 173. 機能環 効果器 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房) 知覚世界活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界 興奮 受容器(刺激→興奮(記号)) 機能環 = アフォーダンス 同じことを違う言葉で指しているのはなぜ?
  174. 174. 機能環 効果器 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房) 知覚世界活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界 興奮 受容器(刺激→興奮(記号)) 機能環 = アフォーダンス 同じことを違う言葉で指しているのはなぜ?
  175. 175. 機能環 効果器 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房) 知覚世界活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界 興奮 受容器(刺激→興奮(記号)) 機能環 = アフォーダンス 同じことを違う言葉で指しているのはなぜ? 出自 学問 レベル アプローチ 機能環 生物 生物学 原初的 生理学・解剖学 生態 アフォーダンス 人間 心理学 認識 生態学的心理学 (心の現象)
  176. 176. 本日のメニュー • 序章 前置き • 第一章 ユクスキュルの生物学 • 第二章 ギブソンの生態学的心理学 2-1) アフォーダンス 2-2) オプティカル・フロー • 第三章 人工知能 • 第四章 ベルンシュタインの運動学 • 第五章 ベルクソンの哲学
  177. 177. 第二章 第二節 オプティカル・フロー
  178. 178. 目は最初から精緻な器官ではなかった(だろう) Malkav http://www.gatag.net/04/18/2010/110000.html Tarotastic http://www.gatag.net/08/28/2008/234848.html
  179. 179. 眼の誕生
  180. 180. 目は最初から精緻な器官ではなかった(だろう) ぼんやりと明るい、暗いがわかるぐらいの目であったはずだ。 そうであるとすれば、生き物は移動することで、明暗の変化から 周囲の様子を知っていたはずだ。 生き物の認識もまた、自分が移動することで、光量が変化する ことから、周囲の環境を知っていたはずだ。
  181. 181. ギブソン「生態学的知覚論」 (原著:1979, 翻訳:1985) • 包囲光配列の光学的流動が外界の動きとして知覚されることは めったにないのであり、包囲光配列の光学的流動は単に身体運 動感覚として経験される(experienced as kinethesis)、つまり自己 の身体の移動(egolocomotion)として、経験される(Warren, 1976)(P.133)
  182. 182. 目は最初から精緻な器官ではなかった(だろう) ぼんやりと明るい、暗いがわかるぐらいの目であったはずだ。 そうであるとすれば、生き物は移動することで、明暗の変化から 周囲の様子を知っていたはずだ。 生き物の認識もまた、自分が移動することで、光量が変化する ことから、周囲の環境を知っていたはずだ。 自分が移動する 周囲の光の列が変化する 自分が移動したことを確認する
  183. 183. ギブソン「生態学的知覚論」 (原著:1979, 翻訳:1985) • 包囲光配列の光学的流動が外界の動きとして知覚されることは めったにないのであり、包囲光配列の光学的流動は単に身体運 動感覚として経験される(experienced as kinethesis)、つまり自己 の身体の移動(egolocomotion)として、経験される(Warren, 1976)(P.133)
  184. 184. ギブソン「生態学的知覚論」 (原著:1979, 翻訳:1985) • 包囲光配列の光学的流動が外界の動きとして知覚されることは めったにないのであり、包囲光配列の光学的流動は単に身体運 動感覚として経験される(experienced as kinethesis)、つまり自己 の身体の移動(egolocomotion)として、経験される(Warren, 1976)(P.133)
  185. 185. ギブソン「生態学的知覚論」 (原著:1979, 翻訳:1985) • 包囲光配列の光学的流動が外界の動きとして知覚されることは めったにないのであり、包囲光配列の光学的流動は単に身体運 動感覚として経験される(experienced as kinethesis)、つまり自己 の身体の移動(egolocomotion)として、経験される(Warren, 1976)(P.133)
  186. 186. 本日のメニュー • 序章 前置き • 第一章 ユクスキュルの生物学 • 第二章 ギブソンの生態学的心理学 • 第三章 人工知能 • 第四章 ベルンシュタインの運動学 • 第五章 ベルクソンの哲学
  187. 187. 第三章 人工知能
  188. 188. 人工知能は主体と客体を、 どのようにつなぐか?
  189. 189. ゲーム世界AI AIはそのままでは 理解できない。
  190. 190. ゲーム世界 知識表現 (Knowledge Representation) 準備された知識を 利用して認識を作る。 AI ゲーム世界AI AIはそのままでは 理解できない。
  191. 191. ゲーム世界 知識表現 (Knowledge Representation) 準備された知識を 利用して認識を作る。 AI ゲーム世界AI AIはそのままでは 理解できない。 人工知能が物事を認識 するフォーマットを決める
  192. 192. いろいろな知識表現 事実表現(信頼度表現) 意味ネットワーク 敵表現リスト 依存グラフ ルールベース表現 世界表現 Griesemer,J, "The Illusion of Intelligence: The Integration of AI and Level Design in Halo", 2002 http://www.bungie.net/images/Inside/publications/presentations/publicationsdes/design/gdc02_jaime_griesemer.pdf Agent Architecture Considerations for Real-Time Planning in Games (AIIDE 2005) http://web.media.mit.edu/~jorkin/AIIDE05_Orkin_Planning.ppt Beyond Behavior: An Introduction to Knowledge Representation, D. Isla, P. Gorniak, AI Summit GDC 2009 http://naimadgames.com/publications.html
  193. 193. 知識表現・世界表現 知識表現 世界表現
  194. 194. いろいろな世界表現 ナビメッシュ-ウェイポイント 階層表現 LOS マップ 戦術マップクラスタリング 敵配位マップ テリトリー表現 Tactical Point System Halo2Killzone Killzone2Halo Assassin’s Creed Left 4 Dead Alex J. Champandard, Remco Straatman, Tim Verweij, "On the AI Strategy for KILLZONE 2's Bots” http://aigamedev.com/open/coverage/killzone2/ Damian Isla,"Building a Better Battle: HALO 3 AI Objectives", http://www.bungie.net/inside/publications.aspx Michael Booth, "The AI Systems of Left 4 Dead," Artificial Intelligence and Interactive Digital Entertainment Conference , http://www.valvesoftware.com/publications.html
  195. 195. 知識表現・世界表現 知識表現 世界表現 オブジェクト 表現
  196. 196. オブジェクト表現 車 レバー ドアの知識表現 位置 x: 3.0 y:.10,0 レバーで開けることが出来る 壊して開けることが出来る 車の知識表現 位置 x: 3.0 y:.2,0 乗って動かすことが出来る。 時速80kmで動く。 レバーの知識表現 位置 x: 5.0 y:.5,0 引くが出来る。 (結果:ドアが開く) ドア ドアの知識表現 位置 x:3.0 y:10.0 レバーを引くと開く(ルール) レバーの知識表現 位置 x:5.0 y:5.0 引くことができる(アフォーダンス). レバーを引くとドアが開く(ルール) 車の知識表現 位置 x:3.0 y:2.0 運転することができる. 最大速度: 80km 物に対する表現
  197. 197. 機能環 効果器 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房) 知覚世界活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界 興奮 受容器(刺激→興奮(記号)) 機能環 = アフォーダンス = 知識表現 同じことを違う言葉で指しているのはなぜ? 出自 学問 レベル アプローチ 機能環 生物 生物学 原初的 生理学・解剖学 生態 アフォーダンス 人間 心理学 認識 生態学的心理学 (心の現象) 知識表現 AI 人工知能 知能 エンジニアリング
  198. 198. 問3 「人工知能と環世界」 機能環、 アフォーダンス、 知識表現の違いを 明確に定義しよう。
  199. 199. 本日のメニュー • 序章 前置き • 第一章 ユクスキュルの生物学 • 第二章 ギブソンの生態学的心理学 • 第三章 人工知能 • 第四章 ベルンシュタインの運動学 • 第五章 ベルクソンの哲学
  200. 200. 第四章 ベルンシュタインの運動学
  201. 201. 運動の協応 大局(長距離)で考える 局所(中距離)で考える。 近傍(至近距離)で考える 戦略性:自分でペースを作れる 戦術性:相手と混戦の中をフェイントを かけながら相手の動きを見る。 反射性・運動性:がむしゃらに動作して、 ボールをゴールに押し込む。 大局的な戦略位置解析・パス検索 戦術位置解析・パス検索 ビヘイビア・アニメーション 階層ごとに解くべき問題とスケールが違う。
  202. 202. 運動の協応 https://karmalifee.files.wordpress.com/2010/08/ept_sports_nba_experts-155186961-1282080011.jpg
  203. 203. ベルンシュタイン「巧みさとその発達」 (原著:1940-年代, 英語版:1996, 翻訳:2003) • 動作構築のレベル (P.132) • 緊張のレベル ー レベルA 動的平衡 • 筋-関節リンクのレベル ー レベルB 動作のリズムを制御する • 空間のレベル - レベルC 外部空間を利用するための能力 • 行為のレベル - レベルD 人間のレベル 連鎖構造 • これらの階層が協応して動作が構築される。
  204. 204. 対世界 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対世界 興奮 興奮 興奮 運動形態 さまざまな興奮(=記号)の 組み合わせから、事物を分別する。 特定の筋肉を動かすように 興奮を促す。 中枢神経網 進化と共に、この筋肉と神経の使い方が 高度に(巧みに)なっている。
  205. 205. 対世界 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対世界 興奮 興奮 興奮 運動形態 さまざまな興奮(=記号)の 組み合わせから、事物を分別する。 特定の筋肉を動かすように 興奮を促す。 中枢神経網 進化と共に、この筋肉と神経の使い方が 高度に(巧みに)なっている。 http://pictkan.com/ http://coneta.jp/2705.html/img_0934
  206. 206. 対世界 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対世界 興奮 興奮 興奮 運動形態 さまざまな興奮(=記号)の 組み合わせから、事物を分別する。 特定の筋肉を動かすように 興奮を促す。 中枢神経網 進化と共に、この筋肉と神経の使い方が 高度に(巧みに)なっている。 http://freephoto.artworks-inter.net/https://www.pakutaso.com/20130846218post-3136.html Yafüt™ http://free-images.gatag.net/2013/03/19/160000.html
  207. 207. 対世界 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対世界 興奮 興奮 興奮 運動形態 さまざまな興奮(=記号)の 組み合わせから、事物を分別する。 特定の筋肉を動かすように 興奮を促す。 中枢神経網 進化と共に、この筋肉と神経の使い方が 高度に(巧みに)なっている。
  208. 208. ベルンシュタイン「動作構築のレベル」 レベルA 緊張のレベル 身体の静的な姿勢のための微調整(動的平衡)
  209. 209. ベルンシュタイン「動作構築のレベル」 レベルA 緊張のレベル 身体の静的な姿勢のための微調整(動的平衡) レベルA 緊張のレベル = 動的平衡 = 持続的な動作の中で平衡を維持する = 身体のバランスを取る = 体幹(胴体)と首の筋 (例) スキーのジャンプの最中など。
  210. 210. ベルンシュタイン「動作構築のレベル」 レベルB 筋-関節リンクのレベル 関節の連合による運動の原型の生成(動作のリズム) レベルA 緊張のレベル 身体の静的な姿勢のための微調整(動的平衡)
  211. 211. ベルンシュタイン「動作構築のレベル」 レベルB 筋-関節リンクのレベル 関節の連合による運動の原型の生成(動作のリズム) レベルA 緊張のレベル 身体の静的な姿勢のための微調整(動的平衡) レベルB 筋-関節リンクのレベル = 動作のリズムを制御する = 動作を自動化する = 意識の関与なしに機能する = 背景として動く (例) バネのように規則正しい自動的な運動 =移動運動など。
  212. 212. ベルンシュタイン「動作構築のレベル」 レベルC 空間のレベル その運動を周囲の空間に合わせる レベルB 筋-関節リンクのレベル 関節の連合による運動の原型の生成(動作のリズム) レベルA 緊張のレベル 身体の静的な姿勢のための微調整(動的平衡)
  213. 213. ベルンシュタイン「動作構築のレベル」 レベルC 空間のレベル その運動を周囲の空間に合わせる レベルB 筋-関節リンクのレベル 関節の連合による運動の原型の生成(動作のリズム) レベルA 緊張のレベル 身体の静的な姿勢のための微調整(動的平衡) レベルC 空間のレベル 空間利用能力 = 外部空間を利用するための能力 = 狙いを定めて対象を移動させる運動 = 感覚調整が動作の中間部分にまったく無関心でありながら、 同時に終末部分に対してきわめて敏感 (例) スキーのスラローム 重量挙げ スプリント走 アコーディオン演奏 円盤投げ ハードル飛び
  214. 214. ベルンシュタイン「動作構築のレベル」 生成の順番 = 進化で獲得して来た順番 レベルD 行為のレベル 運動を連鎖させて行為を作り出す(連鎖構造) レベルC 空間のレベル その運動を周囲の空間に合わせる レベルA 緊張のレベル 身体の静的な姿勢のための微調整(動的平衡) レベルB 筋-関節リンクのレベル 関節の連合による運動の原型の生成(動作のリズム)
  215. 215. ベルンシュタイン「動作構築のレベル」 生成の順番 = 進化で獲得して来た順番 レベルD 行為のレベル 運動を連鎖させて行為を作り出す(連鎖構造) レベルC 空間のレベル その運動を周囲の空間に合わせる レベルA 緊張のレベル 身体の静的な姿勢のための微調整(動的平衡) レベルB 筋-関節リンクのレベル 関節の連合による運動の原型の生成(動作のリズム) レベルD 行為のレベル 行為の連鎖構造と適応的な変動 = レベルDが下位のレベルB,Cを呼び出し、計画を達成する。 = 行為を制御する = 記憶によって蓄えられた先行経験の痕跡を多く含む。 (例) ボクシング レスリング ひげ剃り ボルトを締める
  216. 216. ベルンシュタイン「動作構築のレベル」 レベルD 行為のレベル 運動を連鎖させて行為を作り出す(連鎖構造) レベルC 空間のレベル その運動を周囲の空間に合わせる レベルA 緊張のレベル 身体の静的な姿勢のための微調整(動的平衡) レベルB 筋-関節リンクのレベル 関節の連合による運動の原型の生成(動作のリズム)
  217. 217. ベルンシュタイン「動作構築のレベル」 レベルD 行為のレベル 運動を連鎖させて行為を作り出す(連鎖構造) レベルC 空間のレベル その運動を周囲の空間に合わせる レベルA 緊張のレベル 身体の静的な姿勢のための微調整(動的平衡) レベルB 筋-関節リンクのレベル 関節の連合による運動の原型の生成(動作のリズム)
  218. 218. ベルンシュタイン「動作構築のレベル」 巧みさの発展 = 運動生成の順番 = 進化で獲得して来た順番 レベルD 行為のレベル 運動を連鎖させて行為を作り出す(連鎖構造) レベルC 空間のレベル その運動を周囲の空間に合わせる レベルA 緊張のレベル 身体の静的な姿勢のための微調整(動的平衡) レベルB 筋-関節リンクのレベル 関節の連合による運動の原型の生成(動作のリズム)
  219. 219. ベルンシュタイン「動作構築のレベル」 巧みさの発展 = 運動生成の順番 = 進化で獲得して来た順番 レベルD 行為のレベル 運動を連鎖させて行為を作り出す(連鎖構造) レベルC 空間のレベル その運動を周囲の空間に合わせる レベルA 緊張のレベル 身体の静的な姿勢のための微調整(動的平衡) レベルB 筋-関節リンクのレベル 関節の連合による運動の原型の生成(動作のリズム) 各レベルの自律性を強調 低次のレベルは背景レベルとして自律的に高次レベルを支える (P.312、解説)
  220. 220. ベルンシュタイン「巧みさとその発達」 (原著:1940-年代, 英語版:1996, 翻訳:2003) • 協応とは、運動器官の冗長な自由度を克服する、すなわち運動 器官を制御可能なシステムへ転換すること。(P.43) • 運動スキルとは、ある種の運動課題を解決するために発達した 能力として示される協応構造である。(P.300) • 巧みさとは、あらゆる状況で、問題に対する正しい解決策をす ばやく見つけるための運動能力… (P.258) • 動作がはじまった瞬間から、脳が継続的に注意深く感覚器から の報告にもとづいて動作を監視し、その場に応じた調整をしな がら動作を操る必要があるということだ。(P.217)
  221. 221. 現在のキャラクター・アニメーション ケース毎のアニメーション再生
  222. 222. 現在のキャラクター・アニメーション ケース毎のアニメーション再生 + 加算アニメーション
  223. 223. 現在のキャラクター・アニメーション ケース毎のアニメーション再生 + 加算アニメーション + ある程度の計算による補正(I.K.)
  224. 224. AI + Animation A.I. アニメーションA 再生 アニメーションB 再生 アニメーションC 再生 加算アニメーション 加算アニメーション遷移 加算アニメーション遷移 補正 補正 補正
  225. 225. 結論とこれから • キャラクター・アニメーションの改革は、 - 身体の認識 - 環境・対象との関わり (意思決定) - 運動構成 の3つから変革する必要がある。 身体と神経の入ったキャラクターの探究を はじめる。
  226. 226. 対世界 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対世界 興奮 興奮 興奮 運動形態 さまざまな興奮(=記号)の 組み合わせから、事物を分別する。 特定の筋肉を動かすように 興奮を促す。 中枢神経網 進化と共に、この筋肉と神経の使い方が 高度に(巧みに)なっている。
  227. 227. 対世界 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対世界 興奮 興奮 興奮 運動形態 さまざまな興奮(=記号)の 組み合わせから、事物を分別する。 特定の筋肉を動かすように 興奮を促す。 中枢神経網 進化と共に、この筋肉と神経の使い方が 高度に(巧みに)なっている。 進化
  228. 228. 問4 「人工知能と運動生成」 人工知能、或いはロボットと、 人間の、運動生成の違いを 語ろう。
  229. 229. 本日のメニュー • 序章 前置き • 第一章 ユクスキュルの生物学 • 第二章 ギブソンの生態学的心理学 • 第三章 人工知能 • 第四章 ベルンシュタインの運動学 • 第五章 ベルクソンの哲学
  230. 230. 第五章 ベルクソンの哲学
  231. 231. ベルクソン(1859-1941)とは? • 1859年、パリで生まれる。ロンドンで幼少期を過ごす。 • 1878年 国立高等師範学校入学 • 1881年 教授資格国家試験合格(2位)。 • 地方(クレルモン)でリセ(高校)の教師となる。 • 1888年 ソルボンヌ大学に学位論文「時間と自由」 • 1896年 「物質と記憶」 • 1900年 コレージュ・デュ・フランス教授 • 1907年 「創造的進化」
  232. 232. カント 自然科学 人文科学・哲学 空間 絶対 空間 ホイヘンス・ニュート ン 幾何光学 ギブソン 生態光学 時間 絶対 時間 アインシュタイン 相対性理論 ベルクソン 持続性
  233. 233. カントの時間論との対決 「時間とは何らかの経験から導かれた経験的な概念で はない。もし時間表象が先天的なものでないとしたら、同 時性あるいは継時性そのものが知覚の中に入ってくるこ とはないであろう。人はそれを線的なものであると仮定し て初めて、物事が一つの同じとき(同時に)起こるとか、 あるいは異なったとき(継時的)に起こると表象できる。 時間とはすべての直観の根底にある、不可欠な表象で ある」 (カント「純粋理性批判」、 エルンスト・ペッペル「意識に中の時間」 , p.62 より)
  234. 234. 持続性(持続の相) 私たちが試みるのは、(略) 持続と延長、継起と同時性、質と量を混合している ことをはっきりとさせることである。 自己の内部に知覚するような「時間」を数学は説明できない。 (ベルクソン「時間と自由」(中村文郎訳)岩波文庫、p.10、303)
  235. 235. 持続性(持続の相) 私たちは意識の諸状態が進行であって、 物ではないということ、 それらの各々を唯一つの言葉で指し示すのは、 言語の都合のためだということを忘れているのだ。 意識状態は生きており、そして行けるものとして、絶えず変化して いること、したがって、その瞬間をいくばくかでも削減すれば必ず やいくばくかその印象を貧弱にし、こうしてその性質を変えてしま うということを私たちは忘れているのである。 (ベルクソン「時間と自由」(中村文郎訳)岩波文庫、p.235)
  236. 236. 持続性(持続の相) 私たちの内部にある持続とは何か? 和人は何の類似性ももたない質的多様性である。 有機的発展であるが、増大する量ではない。 純粋な異質性であるが、 そのなかにははっきり区別された質というものはない。 要するに、内的持続の諸瞬間は相互に外在的ではないのである。 (ベルクソン「時間と自由」(中村文郎訳)岩波文庫、p.271)
  237. 237. 持続性(持続の相) こういうわけで、意識のうちに私たちが見いだすのは、互いに区 別することなく継起する諸状態である。また、空間のうちに見出 すのは、継起することはないが、後のものが現れるときには前 のものはもはや存在しないという意味で、互いに区別される諸 同時性である。―私たちの外部にあるのは、継起なき相互的外 在性であり、内部にあるのは、相互的外在性なき継起である。 (ベルクソン「時間と自由」(中村文郎訳)岩波文庫、p.271) ベルクソンの持続性 デカルトの延長
  238. 238. 持続性(持続の相) それは、形成途上にある内的現象であり、 その相互浸透によって 自由な人間の連続的発展を構成するかぎりでの内的現象である。 持続は、このように本然の純粋さに立ち戻ると、まったく質的な多 様性、相互に融け合うようになる諸要素の絶対的異質性として現 れてくるだろう。 (ベルクソン「時間と自由」(中村文郎訳)岩波文庫、 p.271)
  239. 239. • 「持続的な時間」というのは、外部には存在し ない。我々の内部にあるだけである。 持続性(持続の相) • 外部にあるのは等質な空間で観測される2点間 であり、これが運動を示す。時間の持続性という ものはない。それは我々の内部だけにある。
  240. 240. ベルクソンの時間論 内部 外部 時間 持続的なもの 異質なものと融合による 変化・生成する過程 計量されない 持続的ではない 等質な空間の拡がり 計量される 運動 形成途上にある生き物 継起 同時性
  241. 241. ベルクソンの時間論 内部 外部 イメージ 外部(世界)における時間は外側から等質空間の尺度をもっと測られたもの。 内部(意識)における時間は内側から自己発展する変化であり測れない。
  242. 242. 対世界 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対世界 興奮 興奮 興奮 運動形態 さまざまな興奮(=記号)の 組み合わせから、事物を分別する。 特定の筋肉を動かすように 興奮を促す。 中枢神経網
  243. 243. 対世界 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対世界 興奮 興奮 興奮 運動形態 さまざまな興奮(=記号)の 組み合わせから、事物を分別する。 特定の筋肉を動かすように 興奮を促す。 中枢神経網持続的な生成過程
  244. 244. ベルクソンの思想の系譜 • 1888年 「時間と自由」 意識の持続性 • 1896年 「物質と記憶」 イマージュ • 1907年 「創造的進化」 エラン・ヴィタル 生物の進化においても、 内側から進化を推し進める力(エラン・ヴィタル)がある。
  245. 245. 問5 「人工知能に時間」 人工知能にとって時間とは何か?
  246. 246. グループワーク課題集
  247. 247. 問1 「人工知能の心身二元論」 人工知能、或いは、ロボット において、 心身二元論は存在するか?
  248. 248. 問2 「人工知能と環世界」 人工知能、或いはロボットに 生物の持っているような環世界を 与えることは、可能だろうか?
  249. 249. 問3 「人工知能の主観的認識」 機能環、 アフォーダンス、 知識表現の違いを 明確に定義しよう。
  250. 250. 問4 「人工知能と運動生成」 人工知能、或いはロボットと、 人間の、運動生成の違いを 語ろう。
  251. 251. 問5 「人工知能と時間」 人工知能にとって時間、 人間にとっての時間、 世界を流れる時間は何が違うだろう?

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