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事業報告書 2014年度
- 3. ⒸNPO Asuiku All Rights Reserved
ハイライト 〜活動の変遷〜
震災直後に避難所で学習サポートを開始。その後、仮設住宅での活動に移行し、3年半以上にわたって活動を継続してきた。
2011年12月に刊行した被災地子ども白書を契機に、子どもの貧困問題に取り組む方針を掲げた。
より多くの「まなび場」を展開するためにモデル移転事業に着手。
2013年度からは、生活困窮家庭の子ども・保護者の学習・生活支援事業を仙台市と協働で開始。
2014年度からは岩沼市とも同様の事業を立ち上げている。
2
2011年度 2012年度 2013年度 2014年度
避難所での
学習サポート
仮設住宅での学習サポート
モデル・ノウハウ移転事業
生活困窮家庭の子ども・保護者の学習・生活支援事業
(仙台市との協働事業)
生活困窮家庭の子ども・
保護者の学習・生活支援事業
(岩沼市との協働事業)
▲
「被災地子ども白書」
刊行
- 4. ⒸNPO Asuiku All Rights Reserved
ハイライト 〜受益者数・拠点数の推移〜
受益者数、拠点数ともに年々増加している。
3
受益者数(子ども)の推移 拠点数(まなび場)の推移
仙台市との協働事業の拡大、岩沼市との協働事業の開
始によって、受益者数が増加した。
直営内訳:仙台市(172人)、岩沼市(17人)、仮設
住宅(46人)
仙台市との協働事業の拡大、岩沼市との協働事業の開
始によって、拠点数が増加した。一方、モデル移転は
運営継続困難団体の解約によって微減した。
直営内訳:仙台市(10ヶ所)、岩沼市(1ヶ所)、仮設
住宅(6ヶ所)、その他(1ヶ所 ※市名坂)
- 5. ⒸNPO Asuiku All Rights Reserved
ハイライト 〜収支・収益構造の推移〜
年々事業規模は拡大を続けているが、助成金への依存から脱却しつつあり、財務的な持続可能性は高まっている。
4
収支の推移 収益構造の推移
2014年度の収益は、前年度の1.5倍以上であり、急拡
大している。
2014年度は事業収入の割合が7割を超え、助成金比率
が2割以下まで低下した。
(単位:円)
(9月〜3月)
- 6. ⒸNPO Asuiku All Rights Reserved
ハイライト 〜主要なトピックス〜
仮設住宅からの退去者が増え、仮設住宅での学習支援活動が終息に向かった一方、自治体との協働事業が拡大した。
自治体の委員の委嘱が増え、政策への提案力が高まった。
5
2014年4月 奥山仙台市長より、仙台市市民公益活動促進委員会委員を委嘱
2014年5月 鶴巻1丁目東公園仮設住宅での活動が終了
2014年6月 仙台市との協働事業が青葉区にも拡大
2014年7月 現代ビジネス「東北から起ちあがる100人」で紹介
2014年8月 新たに岩沼市との協働事業を開始
2014年9月 仙台市母子家庭等自立促進計画策定協議会委員に就任
2014年11月 卸町5丁目公園仮設住宅での活動が終了
2014年12月 仙台港背後地6号公園仮設住宅での活動が終了
2015年3月 扇町1丁目公園仮設住宅での活動が終了
- 8. ⒸNPO Asuiku All Rights Reserved7
活動の全体像
今年度は主に4つの事業を推進した。
仮設住宅等での
学習サポート
事業
仙台市内6ヶ所の仮設住宅等で、学習サポーターとの関係づくりを大切にし
た継続的な学習サポートを実施。
仮設住宅ごとにサポーターチームが中心となって活動を展開。
概要
モデル・ノウハウ
移転事業
より多くのまなび場を広げるために、eラーニングを効果的に取りいれた学
習支援モデルを構築。
主に被災3県で、個人やNPOに対して、モデル・ノウハウを提供。
生活困窮家庭の子ども・保護者の
学習・生活支援事業
仙台市協働事業
仙台市太白区・青葉区にて、生活保護、児童扶養手当を受けている中学生の
居場所づくり、学習サポートを実施。
就労支援や家計支援を行なう専門組織とも連携して、保護者へのサポートま
で踏み込んだ活動を展開。
生活困窮家庭の子ども・保護者の
学習・生活支援事業
岩沼市協働事業
生活困窮者自立支援モデル事業として、岩沼市との協働によって生活困窮家
庭の中高生に対する居場所づくり、学習サポートを実施。
自立相談支援を行なう岩沼市社協等とも連携し、家庭環境の改善を含めた
ソーシャルワークを実施。
- 10. ⒸNPO Asuiku All Rights Reserved9
活動概要
仙台市内6ヶ所の仮設住宅団地で継続的な学習サポートを実施した。
卸町5丁目公園卸町5丁目公園
扇町1丁目公園扇町1丁目公園
荒井小学校用地荒井小学校用地
鶴巻1丁目東公園鶴巻1丁目東公園
JR南小泉アパートJR南小泉アパート
仙台港背後地6号公園仙台港背後地6号公園
活動拠点 各拠点の概要
- 活動日:毎週月曜18:30~20:00
- 子どもの数:12人
JR南小泉アパート
仙台港背後地6号公園
鶴巻1丁目東公園
扇町1丁目公園
荒井小学校用地
卸町5丁目公園
- 活動日:毎週火曜19:00~20:00
- 子どもの数:4人
- 活動日:毎週水曜19:00~20:00
- 子どもの数:6人
- 活動日:毎週水曜19:00~20:00
- 子どもの数:9人
- 活動日:毎週木曜19:00~20:00
- 子どもの数:3人
- 活動日:毎週金曜19:00~20:00
- 子どもの数:12人
参加者(子ども)計:参加者(子ども)計:参加者(子ども)計:参加者(子ども)計:46464646人人人人
- 11. ⒸNPO Asuiku All Rights Reserved
活動結果の詳細
拠点
こども
参加者数(延べ)
ボランティア
参加者数(延べ)
活動回数 総活動時間
JR南小泉アパート 287人 240人 44回 44時間
仙台港背後地6号公園 66人 80人 35回 35時間
鶴巻1丁目東公園 26人 33人 8回 8時間
扇町1丁目公園 258人 164人 48回 48時間
荒井小学校用地 59人 85人 46回 46時間
卸町5丁目公園 296人 112人 32回 32時間
合計 992人 714人 213回 213時間
10
6拠点を合わせて、213回(213時間)の学習サポートを行なった。
子どもの参加者数は延べ992人、ボランティアの参加者数は延べ714人人だった。
- 12. ⒸNPO Asuiku All Rights Reserved11
各拠点の風景
【JR南小泉アパート】
空いている部屋を丸ごと貸
していただき、活動。未就
学児・小学生・中学生の部
屋をわけている。
サポーターのチームワーク
は各拠点でも随一。
【仙台港背後地6号公園】
参加している子どもの人数
は少ないが、その分アット
ホームな雰囲気。
小学生は、お互いに競い合
うような工夫をするなど、
サポーターが工夫を凝らし
て活動をしている。
【鶴巻1丁目東公園】
サポーターチームも、大学
生から社会人まで幅広い。
不登校の子もおり、一部学
校とも連携しながらサポー
トを実施している。
【扇町1丁目公園】
福島の原発地域からの避難
者など、様々な地域からの
入居者がおり、コミュニ
ティづくりの一環としても
貢献している。
【荒井小学校用地】
荒浜地区の住民が大多数を
占める仮設住宅。
学習サポートに通ってくる
全員が中学生のため、受験
も意識したサポートを実施
している。
【卸町5丁目公園】
様々な地域から転入してき
た住民が多いため、子ども
のサポートを通したコミュ
ニティづくりを意識してい
る。
- 14. ⒸNPO Asuiku All Rights Reserved
プロジェクトの概要
株式会社すららネットと協働で生み出したeラーニングを活用した学習支援モデルを、子どもの貧困問題に取り組むNPOに提供。
単にeラーニングを低価格で提供するだけでなく、運営全般に関するノウハウや、モデル移転先同士で相互にノウハウを共有できるネッ
トワークづくりを目指す。
13
子どもの貧困問題に取り組むNPO
貧困状態にある子ども
子どもの貧困問題に取り組むNPO子どもの貧困問題に取り組むNPO
貧困状態にある子ども貧困状態にある子ども
eラーニング「すらら」の提供利用料金の支払い
利用料金の支払い
eラーニングの低料金での提供
各種運営のサポート
子どもたちの居場所づくり学習サポート等
ノウハウ共有ノウハウ共有
- 15. ⒸNPO Asuiku All Rights Reserved
実施結果の詳細
2014年度は、新規に4団体への導入・サポートを行なった。
2団体が活動の継続が困難となり、解約した。
14
No.No.No.No. 地域地域地域地域 団体名団体名団体名団体名
1 宮城県仙台市 地域生活支援オレンジねっと
2 宮城県仙台市 子どもの学び空間サリー☆ハウス
3 ▲ 宮城県名取市 認定NPO法人ロージーベル
4 ▲ 宮城県仙台市 Coco@新寺
5 宮城県栗原市 NPO法人まきばフリースクール
6 宮城県石巻市 NPO法人みやぎ子ども養育支援の会
7 岩手県宮古市 NPO法人みやこ自立サポートセンター
8 東京都大田区 NPO法人ユースコミュニティー
9 ★ 福島県郡山市 NPO法人ビーンズふくしま
10 ★ 福岡県久留米市 NPO法人わたしと僕の夢
11 ★ 宮城県栗原市 みやぎくりはらこどもねっとわーく
12 ★ 岩手県盛岡市 NPO法人もりおかユースポート
導入
団体
実施風景
導入研修の様子 モデル移転先の活動風景
★:新規
▲:解約
- 19. 成果測定のフレームワークと実施結果のサマリ
概ね目標値に近く、アンケートに対しても肯定的な回答が多い結果となった。把握している範囲では全員が進学し、当事業に参加したことで進学
意欲が高まったという意識が見られる。また、総合的な満足度も参加者、保護者ともに高かった。
出席率は低下気味であり、長期の休止者も増えた。学力の向上効果はやや低く、「自立への意欲」、「精神状態の改善」、「他者への信頼」、「
ロールモデル」、「親子関係の改善」といった指標も目標よりやや肯定的な回答が低かった。
18
観点 要素 指標 定義 測定方法 目標値 実績
アウト
プット
教室運営
(量的側面)
拠点開設数 何ヶ所の拠点(教室)を開設したか --- 10ヶ所 10ヶ所
参加者数 何人の対象者が参加したか 参加者リストへの記録 180人 172人
カバー率 事業実施地域の対象者をどれだけカバーしたか 参加者数/地域内対象人数 20% 約17%
開催回数 延べ何回(日)の活動を行なったか 記録表による集計 800回 820回
開催時間 延べ何時間の活動を行なったか 記録表による集計 2400時間 2479.5時間
教室運営
(質的側面)
出席率 子どもがどれだけ継続的に参加したか 実際の参加日/参加申込日 85% 73.7%
途中退会率 どの程度の参加者が途中で退会したか 参加者リストへの記録 4% 2%(休止16%)
ボランティア
参加ボランティア数 何人のボランティアが参加したか
ボランティアリストによる
集計
80人 78人
研修会開催回数 ボランティア・スタッフ向けの研修会を何回開催したか 記録表による集計 7回 15回
研修会参加人数 延べ何人のボランティア・スタッフが研修会に参加したか 記録表による集計 60人 49人
課外プログラム
課外プログラム開催回
数
課外プログラムをいくつ開催したか 記録表による集計 5プログラム
4プログラム
(延20回)
課外プログラム参加人
数
何人の子どもが課外プログラムに参加したか 記録表による集計 延80人 79人
保護者支援
保護者の面談件数 保護者に対して、何件の面談を行なったか 記録表による集計 --- 297件
専門サポートへのつな
ぎ件数
面談の結果から、何件のケースを適切な専門サポートにつないだか 記録表による集計 --- 10件
アウトカ
ム
学力・学歴
高校進学率 どの程度の割合が高校に進学したか
高校進学者数/参加者数
(中学3年生のみ)
100% 100%
基礎学力 参加者の基礎学力がどの程度高まったか
参加時の学力診断テストの
結果/期末時点の学力診断
テストの結果
英語:15点
数学:10点
英語:7.3点
数学:6.6点
自尊心・意欲
学習意欲 参加したことで、学習、自己成長に対する意欲が高まったか
参加者アンケート
(肯定回答割合)
70% 73%
努力意欲 参加したことで、努力したら報われるという意識が高まったか 70% 68%
ソーシャルスキル
社会規範 参加したことで、ルールやマナーを守る意識が高まったか 70% 70%
コミュニケーション力 参加したことで、多様な人とコミュニケーションする自信が高まったか 70% 67%
福祉依存 自立への意欲 参加したことで、経済的な自立をしようという意識が高まったか 90% 64%
文化資本 進学への意欲 参加したことで、高校に進学しようという意識が生まれたか 70% 81%
健康状態・
生活リズム
精神状態の改善 参加したことで、学校や生活の悩みが軽くなったか 60% 53%
生活習慣の改善 参加したことで、登校日数が増えたり、規則正しい生活ができるようになったか 50% 54%
社会への信頼 他者への信頼 参加したことで、人や社会への信頼感が高まったか 70% 56%
ロールモデル ロールモデル スタッフやボランティアなどに、目標やあこがれとなる人が見つかったか 70% 58%
保護者との関係
関係性 参加したことで、親子の関係性が良くなったか
参加者アンケート・保護者
アンケート
参加者:60%
保護者:60%
参加者:47%
保護者:53%
将来の話し合い 参加したことで、将来について話し合う機会が増えたか
参加者:50%
保護者:70%
参加者:47%
保護者:60%
保護者のストレス 子育てのストレス 参加したことで、子育ての負担感が減ったか 保護者アンケート 70% 69%
満足度
活動への満足度 参加者が活動に対して、どの程度満足できているか
参加者アンケート・保護者
アンケート
参加者:90%
保護者:85%
参加者:88%
保護者:92%
サポートへの満足度 スタッフ・ボランティアは適切なかかわり方や信頼関係の構築ができたか
参加者:90%
保護者:90%
参加者:85%
保護者:95%
- 28. 課外プログラム ① 「4時間でなれるゲームクリエイター」
スタッフ・ボランティアの価値観共有、スキル向上のために、外部との連携による定期的な研修会を開催した。
27
- 実施背景: 低所得世帯の子どもたちは、保護者が長期間にわたって無業状態で
あったり、パート勤務であることが多く、経済的に安定している世帯
と比べて、就業に対するイメージを持ちにくい現状がある。
上記の現状が、進学や学業に対する意欲を低下させている側面もある
ため、職業体験のプログラムに参加することによって、進学や学業に
対する意欲を高めるキッカケとなることが期待される。
なお、アプリケーションの開発技術者は人材不足が深刻である職業で
あり、就業に結びつく可能性も高い。
- 狙い: ゲームをする楽しさからゲームを作る楽しさを感じる。
自分のアイディアを形にしていく、モノ作りの喜びが分かる。
ITプログラミングを通して、将来のキャリアイメージが広がる。
- 実施協力: Praise First(砂金 善弘 氏)
- 日時: ①2014年10月4日 10:00~16:00
②2014年10月18日 13:00~16:30
- 場所: ①仙台レインボーハウス ②東北大学(カタールサイエンスキャンパスホール)
- 参加者: 8名(申込み12名)
- プログラム: ①プログラミングを楽しみながら学び、自分が作りたいゲームを考え作
品作りを行っていく。
②東北大学で開催する「子どもが作るゲームセンター」に出展し、
自分の作品を多くの子どもや大人にプレゼンし、お互い遊び・学び合
う。
実施風景講座の概要
ゲーム制作(1日目)の様子
出展・発表会(2日目)の様子
アウトプット アウトカム
- 29. 28
課外プログラム ② 「復興アントレプレナー 東京でお店を開こう」
外部の組織や専門家との協働による体験型プログラムを開催し、教科学習以外の機会づくりを行なった。(仙台市との同時開催)
- 実施背景: 低所得世帯の子どもたちは、保護者が長期間にわたって無業状態であっ
たり、パート勤務であることが多く、経済的に安定している世帯と比べ
て、就業に対するイメージを持ちにくい現状がある。
上記の現状が、進学や学業に対する意欲を低下させている側面もあるた
め、職業体験のプログラムに参加することによって、進学や学業に対す
る意欲を高めるキッカケとなることが期待される。
- 狙い: 事業の基本的な仕組み、楽しさが分かる。
将来、職業に就く意欲が高まる。
チームでの活動を通して、他人と協力して物事を進める自信が身につく。
当プログラムに参加する子ども同士、子どもと大人(日常的に学習サ
ポートで接するスタッフ・ボランティア)との交流が深まる。
- 実施協力: NPO法人放課後NPOアフタースクール、バークレイズ証券株式会社
- 日時: ①2014年10月25日 10:00〜16:00
②2014年11月1日 13:00~16:30
③2014年11月8日 13:00〜16:00
④2014年11月15日 10:00〜18:00
- 場所: ①〜③仙台レインボーハウス ④東京アークヒルズ 赤坂
- 参加者: 26名(内岩沼市1名)
- プログラム: ①お店のコンセプトを決めよう!
②商品を決めよう。資金調達をしよう!
③出店の準備をしよう!
④東京でお店を出店しよう!
実施風景講座の概要
ワークショップの様子
東京で販売をしている様子
アウトプット アウトカム
- 30. 29
課外プログラム ③ 「マネープログラム」(金銭教育)
- 実施背景: お小遣いをもらっていない、保護者の金銭感覚が子どもにも伝達する等の
背景によって、正しい金銭感覚や金銭管理の意識、能力が身につきにくい
子どもが多い。
- 狙い: これからアルバイトをしたり、将来自分で生活していく中で、しっかり
した金銭管理をできる大人になるための動機づけやスキルの 習得を狙
う。
- 実施協力: 岡本和久氏(I-Oウェルス・アドバイザーズ代表)
- 日時: 2015年2月22日(日)13:00〜15:30
- 場所: NPO法人アスイク事務所
- 参加者: 11名(仙台市8名、岩沼市3名)
- プログラム: 第1部 お金って何だろう?
第2部 起業家コンテスト!
実施風景
案内チラシ
事業企画のプレゼンテーション
講座の概要
アウトプット アウトカム
- 37. 仙台市ひとり親家庭生活支援講習会事業
「高校進学費用を一緒に考える 家計やりくり講座」
仙台市子供未来局からの委託を受け、ひとり親家庭の保護者向けのプログラムを開催した。
36
- 実施背景: ひとり親世帯では、日々の家計のやりくりだけで精いっぱいの状況
に陥り、子どもの教育・進学資金をねん出できず、将来に不安を抱え
がちである。
その結果、子どもが私立高校の受験すら許されず、低学力でありな
がら公立高校受験一本というリスクの高い選択をせざるを得ない
ケースも見られる。また、私立高校を受験・合格しても入学資金、
学業継続のための資金のねん出に苦慮する場合もあり、高校中退リス
クを高めることにもつながっている。
- 狙い: 家計収支の問題点が明確になっていること。
参加者が今後も家計支援の専門家へ相談できる関係性が築かれてい
ること。
- 実施協力: みやぎ生活協同組合
ライフプランアドバイザー
くらしと家計の相談室 相談員
- 日時: 2015年1月25日(日) 13:00~16:00
- 場所: みやぎ生協榴岡店集会室
- 参加者: 保護者5名 ※申込者9名(当日欠席4名)
- プログラム: ▶第1部「高校進学費用にはどれくらいかかるの?
教育費・まずは30万円貯めよう」
▶第2部「家計の見直し大作戦」
▶第3部「こどもと一緒に家計管理のススメ」
▶ 個別相談
実施風景講座の概要
講義の様子
ワークショップの様子
- 40. 成果測定のフレームワークと実施結果のサマリ
集客にやや時間がかかったため参加回数・時間は当初の想定を下回ったが、概ね目標値をクリアすることができた。
特に出席率やサポートへの満足度が高く、参加者たちにとって居心地のよい場を提供することができた。努力や進学への意欲も高まっ
ている。
39
観点 要素 指標 定義 測定方法 目標値 実施結果 評価
アウト
プット
教室運営
(量的側面)
拠点開設数 何ヶ所の拠点(教室)を開設したか --- 1ヶ所 1ヶ所 ○
参加者数 何人の対象者が参加したか 参加者リストへの記録 15人 17人 〇
カバー率 事業実施地域の対象者をどれだけカバーしたか 参加者数/地域内対象人数 後日設定 不明 ---
開催回数 延べ何回(日)の活動を行なったか 記録表による集計 72回 49回 ▲
開催時間 延べ何時間の活動を行なったか 記録表による集計 216時間 147時間 ▲
教室運営
(質的側面)
出席率 子どもがどれだけ継続的に参加したか 実際の参加日/参加申込日 80% 89% ◎
途中退会率 どの程度の参加者が途中で退会したか 参加者リストへの記録 5% 0%(休止12%) ○
ボランティア
参加ボランティア数 何人のボランティアが参加したか ボランティアリストによる集計 3人 7人 ○
研修会開催回数 ボランティア・スタッフ向けの研修会を何回開催したか 記録表による集計 3回 7回 ○
研修会参加人数 延べ何人のボランティア・スタッフが研修会に参加したか 記録表による集計 延8人 7人 ○
課外プログラム
課外プログラム開催回数 課外プログラムをいくつ開催したか 記録表による集計 5プログラム 延5プログラム ○
課外プログラム参加人数 何人の子どもが課外プログラムに参加したか 記録表による集計 延25人 延5人 ▲
保護者支援
保護者の面談件数 保護者に対して、何件の面談を行なったか 記録表による集計 --- 23件 ---
専門サポートへのつなぎ件
数
面談の結果から、何件のケースを適切な専門サポートにつないだか 記録表による集計 --- 0件 ---
アウトカム
学力・学歴
高校進学率 どの程度の割合が高校に進学したか
高校進学者数/参加者数(中学3
年生のみ)
100% 100% ○
基礎学力 参加者の基礎学力がどの程度高まったか
参加時の学力診断テストの結果
/期末時点の学力診断テストの
結果
英語:15点
数学:10点
英語:5.5点
数学:12.3点
○
自尊心・意欲
学習意欲 参加したことで、学習、自己成長に対する意欲が高まったか
参加者アンケート
(肯定回答割合)
70% 69% ○
努力意欲 参加したことで、努力したら報われるという意識が高まったか 70% 77% ◎
ソーシャルスキル
社会規範 参加したことで、ルールやマナーを守る意識が高まったか 70% 54% ▲
コミュニケーション力 参加したことで、多様な人とコミュニケーションする自信が高まったか 70% 62% 〇
福祉依存 自立への意欲 参加したことで、経済的な自立をしようという意識が高まったか 90% 61% ▲
文化資本 進学への意欲 参加したことで、高校に進学しようという意識が生まれたか 70% 84% ◎
健康状態・
生活リズム
精神状態の改善 参加したことで、学校や生活の悩みが軽くなったか 60% 54% 〇
生活習慣の改善
参加したことで、登校日数が増えたり、規則正しい生活ができるように
なったか
50% 54% 〇
社会への信頼 他者への信頼 参加したことで、人や社会への信頼感が高まったか 70% 53% ▲
ロールモデル ロールモデル スタッフやボランティアなどに、目標やあこがれとなる人が見つかったか 70% 53% ▲
保護者との関係
関係性 参加したことで、親子の関係性が良くなったか
参加者アンケート・保護者アン
ケート(肯定回答割合)
参加者:60%
保護者:60%
参加者:53%
保護者:80%
〇
将来の話し合い 参加したことで、将来について話し合う機会が増えたか
参加者:50%
保護者:70%
参加者:69%
保護者:70%
〇
保護者のストレス 子育てのストレス 参加したことで、子育ての負担感が減ったか
保護者アンケート(肯定回答割
合)
70% 70% 〇
満足度
活動への満足度 参加者が活動に対して、どの程度満足できているか
参加者アンケート・保護者アン
ケート(肯定回答割合)
参加者:90%
保護者:85%
参加者:93%
保護者:90%
〇
サポートへの満足度 スタッフ・ボランティアは適切なかかわり方や信頼関係の構築ができたか
参加者:90%
保護者:90%
参加者:100%
保護者:90%
◎
- 42. 参加者の詳細
2014年度は、17名が参加申し込みをした。
中学1・2年生が参加者の80%以上を占めたが、高校生の参加もあった。
母子家庭が多く、76%を占めた。
41
発達障がい:1名
疾病(※):1名
※過敏性症候群(1)
学年 対象区分(重複有)
性別 家族構成 その他個別事情
中学1年, 4,
23%
中学2年,
10, 59%
中学3年, 1,
6%
高校1年, 1,
6%
高校2年, 1,
6%
高校3年, 0,
0% その他, 0,
0%
アウトプット アウトカム
- 45. ボランティアの参加状況
当年度は7名のボランティアが参加した(内5名が有償)。
女性の割合が多く、学生だけでなく社会人の参加者も多かった。年齢層は20代・30代が中心となった。
44
※その他:職業訓練受講中
性別 属性
男性, 2, 29%
女性, 5, 71%
高校生, 0, 0%
大学生, 3,
43%
大学院生, 0,
0%
社会人, 3,
43%
主婦, 0, 0%
シニア, 0, 0%
その他, 1,
14%
20代, 3,
43%
30代, 3,
43%
40代, 1,
14%
年齢層
アウトプット アウトカム
- 47. 学力・学歴(高校進学率)※中学3年生のみ
当事業に参加した中学3年生の高校進学率は100%だった。
内訳は、全日制の公立100%である。
46
中学3年生の高校進学率 進学先の内訳
※【参考】宮城県の公立・私立高校の定員割合
公立約48%:私立約52%(定時制・通信制除く)
※【参考】宮城県の生活保護家庭の高校進学率:91.2%
進学, 1, 100%
就職, 0, 0%未定, 0, 0%
公立高校(前
期選抜), 1,
100%
公立高校(後
期選抜), 0,
0%
公立高校(二
次募集), 0,
0%
私立高校(推
薦), 0, 0%
私立高校(一
般), 0, 0%
定時制・通信
制, 0, 0%
アウトプット アウトカム
- 52. ⒸNPO Asuiku All Rights Reserved51
講演・講師、執筆・委員の実績
講演・講師
執筆
東北大学「日米大学 市民活動・社会イノベーション ワークショップ」パネラー
産業技術大学院大学 「InfoTalk」 講師
未来仙台市「キックオフイベント」スピーカー
東北大学「地域経営論」ゲスト講師
SVP東北 「ネットワークミーティング」 スピーカー
東京工業大学「ノンプロフィットマネジメントコース 公開講座2014」 講師
東日本大震災復興支援財団「寄付者報告会」スピーカー
「石巻市の生活困窮者支援を考えるシンポジウム」パネラー
みやぎ生協「定期合同学習会」講師
東北大学教育学部 ゲスト講師
JICA「ノンフォーマル教育研修」講師
NPO法人ハーベスト「公教育の未来フォーラム in せんだい・みやぎ」パネラー
「月刊ゆるる 2014年11月号」寄稿
委員
仙台市市民公益活動促進委員会 第8期
2014年度仙台市母子家庭等自立促進計画策定協議会委員
- 53. ⒸNPO Asuiku All Rights Reserved52
メディアでの紹介
仙台市震災復興地域かわら版
「みらいん」 「続ける支援」
日経新聞2014年4月8 「経済教室」
みやぎ生協生活情報誌
「RaKu:Me(ラクミー)」5月号 「所得の差を学習の差にしない 貧困の連鎖を止める 3者協同の学習サポート事業」
日経MJ 2014年5月9日 「被災地の塾にネット教材」
現代ビジネス 「東北から起ちあがる100人」
仙台市 「せんだい若者向けポータルサイト YOUTH STYLE」
朝日新聞 2014年9月17日 「学ぶ機会 狭めたくない」
ハフィントン・ポスト韓国版 「쓰나미가 덮쳤던 도호쿠에서 희망을 찾다」
河北新報 2014年11月11日 「中学生に起業体験講座」
河北新報 2014年12月7日 「脱貧困へ学習支援取り組み広がる 仙台、岩沼」
ダイアモンド・オンライン 「成績下位の子をもれなく底上げする威力 貧困層向け塾に広がるeラーニング活用」
毎日新聞 2015年3月11日 「教育・医療・福祉:学習支援、ニーズに合わせ」
計12回
- 54. ⒸNPO Asuiku All Rights Reserved53
寄付者数の推移
2014年度の寄付者は横ばいだったが、クレジットカードによる毎月寄付者(マンスリーサポーター)が増加した。
※2014年度の大口寄付(100万円以上)
有限責任あずさ監査法人
ベネッセ募金
日本フィランソロピー協会(岡本和久氏)