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2022-03-30 Hatena Engineer Seminar #19 カクヨム編 https://hatena.connpass.com/event/241412/
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グルーミングしながら進めるプロダクト開発
1.
Hatena Engineer Seminar
#19 id: グルーミングしながら進めるプロ ダクト開発 カクヨムの10年を見据えた技術 2022.03.30 onk
2.
● 大仲 能史
a.k.a. id:onk ● 芸歴 18 年 ● サーバサイドとインフラが得意な フルスタックエンジニア 自己紹介
3.
今日のテーマ グルーミング
4.
グルーミング グルーミングまたは毛繕いとは、動物が体の衛生や機能維持などを目的 として行う行動である。一部分は後天的に習得され、以降の世代へと伝 播する場合もある(湯、土、木の葉、砂塵の利用など)。毛繕い、羽繕い、 ノミ取りなどが含まれる。自分自身に対して行うセルフグルーミング (personal grooming)と、他の個体に対して行う社会的グルーミング (social groomingあるいはallogrooming)がある。 https://ja.wikipedia.org/wiki/グルーミング
5.
社会的グルーミング ● 集団の絆を維持するための「社交」 ○ 肉体的な接触を伴ったり、単に会話をし たり、コミュニケーションが必要 ●
大きなグループを維持するには、 グルーミングに時間を費やす必要がある
6.
今日の話 カクヨムチームが開催している定例では、意識的にグルーミングを取り入 れている。各会の設計と、グルーミングの効能を読み解いていく。
7.
● スクラム開発 ● 昼会 ●
スプリント会 ● 週次、月次、四半期の会 ● まとめ お品書き
8.
スクラム開発
9.
スクラム開発とは ● イテレーティブな開発手法の一つ ⇔
ウォーターフォール開発 ○ 一定期間ずつに区切って(スプリント) ○ 成果物を作っていく ● スプリント内では以下のイベントをやっていく ○ スプリントプランニング ○ デイリースクラム ○ スプリントレビュー ○ スプリントレトロスペクティブ
10.
スクラム開発とは ● スプリントプランニング ○ このスプリントで何を作るかを決める ○
ここで決めたものをスプリント内で作りきる ● デイリースクラム ○ いわゆる「朝会」 ○ 困りや不安を引き出し、解決する
11.
スクラム開発とは ● スプリントレビュー ○ 作ったものをみんなで眺める ○
ゴールを達成できているか ○ 更に価値を高められるか ● スプリントレトロスペクティブ ○ レトロスペクティブ=ふりかえり ○ 次スプリントでもっと上手くやるための教訓を引き出す
12.
スクラム開発とは ● 以下を繰り返して、不確実なプロジェクトを達成する開発手法 ○ 細かくリリースを繰り返して価値を探索する ○
イテレーションが進むと、より上手く進められる プランニング 設計・開発 リリース ふりかえり プランニング 設計・開発 リリース ふりかえり プランニング 設計・開発 リリース ふりかえり
13.
僕らのスクラム ● 10人程度の開発メンバー ○ 企画2、デザイナー3、エンジニア6 ●
2週間スプリント(月〜翌金) ● 昼会(毎日30分+30分) ○ デイリースクラム ● スプリント会(最後の金曜に1時間半) ○ スプリントレトロスペクティブ+スプリントプランニング ● スプリントレビューは柔軟に開催している
14.
コミュニケーションツール ● Slack ○ テキストチャット、Huddle ●
Google Meet ○ ビデオ会議 ● Scrapbox ○ 同時編集できるWiki的なツール ● Asana ○ プロジェクト管理ツール ● GitHub、Figma
15.
昼会
16.
● 一般的なデイリースクラムは「15分以内」と言われている ● 僕らの昼会は1時間使っている ○
前半:チーム全員で30分 ○ 後半:エンジニアだけで30分 ○ 今のチームだと、これで良いと考えている 昼会
17.
● Scrapboxを映しながらGoogle Meetに集合する
○ 同時編集できる議事録ツールは最高 ● アジェンダ ○ 司会者のコーナー ○ 近況報告 ○ 周知 ○ Asana確認 ○ 相談・会話したいこと ○ 掲示板(非同期) ○ 雑談 ○ ジブリ制作日誌コーナー 全体昼会
18.
● 司会者のコーナー ○ 数字の共有とか ○
みんなに檄を飛ばしたい内容とか ■ 放っておくとチームの熱は自然と下がっていくので、 定期的にくべる ■ 例えば、我々の仕事はどんな意味があるのか、サポーター ズパスポートを通じて何を成し遂げたかったのか 全体昼会
19.
● 近況報告 ○ 今日の気持ち/体調(ニコニコカレンダー) ○
やったこと、やること、困りポイント ● 周知 ● Asana確認 ○ マイルストーンが毎日何かしらあるので、その確認 ■ 今日明日で終わらせなきゃいけないものって何だっけ 全体昼会
20.
● 相談・会話したいこと ○ ここに書いておくと昼会の場で話す ●
掲示板(非同期) ○ ここに書いておくと非同期で話す ○ Slackで声を掛けるほどでもない認識合わせによく使う ○ 非同期の場が明示されていると、定例まで遅延してしまう現象を 減らせる ■ 昼会まで待たずに会話が行われて、物事が進む 全体昼会
21.
● 雑談 ○ マジで雑談 ○
先週の雑談から抜粋 ■ ■ 全体昼会
22.
● コロナ禍で雑談コーナーの掘り下げが増えた ○ 顔合わせが減り、グルーミングが足りなくなった感覚 ●
相手が血が通った人間であることを知らせる場 ○ 人間味のあるエピソードであればあるほど良い ● 誰がどの話題で食いつきが良かったかを徐々に把握していく ● チーム内の役割分担が成立すると最高 ○ ボケ、ツッコミ、かぶせ ○ こういう発言をすると拾ってくれるだろう、という安心感 全体昼会
23.
● ジブリ制作日誌コーナー ○ https://www.ghibli.jp/diary_m/diary.html ●
もともとは雑談の中の一幕だったが、独立コーナー化 ○ 雑談が無いときに必ず1つはネタがある安心感 ○ 自分たちの働き方を、比較しながら眺めることができる ● 25年前の今日の日記 ○ もののけ姫の 公開が1997-07 全体昼会
24.
● エンジニアだけで昼会の延長戦 ● アジェンダ ○
マージされたPR一覧 ○ 日誌欄 エンジニア昼会
25.
● マージされたPRを1つずつ眺める ○ チーム内プロジェクトが複数ライン走っている ■
インフラとか、コンテスト運用とか ■ 各プロジェクトは企画1、エンジニア1〜2、デザイナー1 ○ 隣のプロジェクトのPRは実装方針も曖昧にしか知らない ○ 毎日すべてのPRを眺めることで、把握できる エンジニア昼会
26.
● 毎日すべてのPRを眺めることで、把握できる ○ 暮らしているだけで脳内マップが育っていく ■
実装や問い合わせ対応で担当していなくても、なんとなく雰 囲気を知っているコードが自然と増える ○ 障害対応の初速が全然違う ■ 「最近変更していた〜が原因か?」という勘所がある。実装 をイメージできる ○ レビュアー以外でも気になりをコメントしやすい エンジニア昼会
27.
● 日誌欄 ○ エンジニアとしてのグルーミングの場 ○
日々の暮らしの中での気になりを会話する ■ レビュー時にコメントしたけど全員に伝えたいものとか ■ 実装する上で悩んでいることとか ○ エンジニア向けの雑談も行う エンジニア昼会
28.
● レビュー時にコメントしたけど全員に伝えたいものとか ○ ●
実装する上で悩んでいることとか ○ エンジニア昼会
29.
● 参考になりそうな隣のチームの面白話とか ○
● 技術ネタの雑談とか ○ ○ エンジニア昼会
30.
● 技術ネタの雑談はかなり意識している ○ 参加しているだけで新しい話題にキャッチアップできる ○
話題に対して、メンバーがどう感じているかを認識できる ● みんながその方向が良さそうと感じていたら、自分も時間を使おうか なという気持ちになる ○ 「本当はもっと○○だったら嬉しいと思ってるんだよね〜」 ○ 変化のキッカケを雑談から生み出したい エンジニア昼会
31.
スプリント会
32.
スプリント会 ● 各スプリントの最後にやっている ○ 隔週金曜、1時間半 ●
スプリントレトロスペクティブ+スプリントプランニングの場 ● アジェンダ ○ プロジェクト毎のレビュー ○ スプリント計画 ○ ふりかえり
33.
プロジェクトごとのレビュー ● チーム内プロジェクトが複数ライン走っている ○ インフラとか、コンテスト運用とか ○
各プロジェクトは企画1、エンジニア1〜2、デザイナー1 ● 各プロジェクトの健康度をAsana上で報告する ○ ○ 報告するのは各プロジェクトのPjMロールの人 ● 各プロジェクトの期限超過タスクの確認、調整
34.
スプリント計画 ● ロードマップの確認 ○ 直近数ヶ月の開発計画を確認する ○
プロジェクト体制早見表 ● 次スプリントで達成するマイルストーンやリリース予定の確認 ● 「要対応」プロジェクトの調整 ● 次スプリントのタスク洗い出し&アサイン
35.
ふりかえり ● GKPTでふりかえる ○ Good、Keep、Problem、Try ●
ファミ通クロスレビュー方式でコメントを記入する ○ 各内容に、各人がコメントを付けられる
36.
週次、月次、四半期の会
37.
週次、月次、四半期の会 ● 週次 ○ 各プロジェクトの定例 ○
プロジェクト間の関連が薄く、全体昼会だと話題が出てきづらいので、独立し た場を用意した ○ スプリントレビューは主にここで行われている ● 月次 ○ PWG(Performance Working Group) ■ サービスのレスポンス速度やエラー率、発報されたアラートや障害など を3ヶ月ぐらいの目線で確認し、キャパシティプランニングを行ったり、監 視設定や根本対策に思いを馳せたりする場
38.
週次、月次、四半期の会 ● 月次 ○ エンジニア会 ■
本来やった方が良いこととか、バックログにねじ込みたいタ スクとかを会話する場 ■ ここの会話で優先度が変わることは結構ある ● 四半期 ○ どうなっていたい会
39.
どうなっていたい会 スクロールバーがこの短さになるぐらい ざっくばらんに会話している
40.
● チームのベースは2週間スプリントのスクラム開発 ● 粒度の違うコミュニケーションを組み合わせている ○
チーム内プロジェクトは週次で定例を持つとか ○ 月次でインフラの会や、エンジニアの会があるとか ● 気づきを自然と共有できる場を提供している ○ 関連する人だけの場にして、言い出しづらい要因を減らす まとめ
41.
● 各人の「思い」を引き出しやすい場を意識して作っている ○ 誰が何をやりたいか、誰がどこに不満を持っているか ○
認識を揃えて、加速したい ● これが出てくるチームにするためにグルーミングが必要 ○ リモートだと意識して雑談コミュニケーションを取らないと、関係 性を作りづらい ○ 関係性=反応を想像できる=言い出しやすさに繋がる まとめ
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