Editor's Notes
- まず初めに国内の余暇市場、スポーツ部門市場の推移を見てみました。
年々減少傾向にあると言えます。
- 見るスポーツ… スポーツ興行団や競馬・競艇
するスポーツ… アウトドアや運動競技への参加
支えるスポーツ…マスメディアやスポーツ用品産業等
- こちらはスポーツ産業の国内総生産の内訳のデータです。
見るスポーツの注目してみると全体の11.6%。
その中でもスポーツ興業団の市場規模は全体の1.1%ほどしかありません。
- こちらは各国の主要スポーツリーグの総収益です。
日本の主要リーグであるJリーグや日本プロ野球を
イギリスのサッカーリーグ「プレミアリーグ」アメリカの野球リーグ「MLB」と比較してみると
その規模は約四倍ほどの差があり日本のスポーツチームの市場規模はまだまだ小さいですが
逆にまだまだ伸びしろがあると考えました。
- 企業チーム
…企業が所有するスポーツチームのこと。主に広告・宣伝効果を期待している。実業団チームとも呼ばれる。
地域密着型チーム
…1つの企業に依存せず、地域密着を目指し、地元企業や自治体に支えてもらうスポーツチーム
- 見るスポーツである観戦型のスポーツチームは企業が所有するチームが多くを占めていました。
しかし1990年代後半から2000年代前半にかけては多くの企業チームが廃部・休部となりました。
- その理由の多くが業績不振等による経済的な理由となっています。
そのため日本のスポーツ界は転換期を迎えており
一つの企業に依存せず、地域密着を目指し、スポンサーや自治体と共に地域に根を張る
地域密着型チームが注目されています。
- スポーツビジネスの収入源は①チケット収入②放映権収入③スポンサーシップ収入④グッズ・飲食収入の四つが中心です。
入場者数が増えれば、スタジアムでの入場収入と同時にグッズや飲食収入が増える事からスポーツファンは重要な顧客といえます。
さらに地域密着型チームでは、地域の様々な企業に支援してもらうのでスポンサーシップ収入を得ることができます。
このチケット収益とスポンサー収益でチームの経営は成り立っています。
- こちらは地域密着型スポーツの主要リーグの年間観客者数の推移です。
Jリーグ、プロ野球リーグ、bjリーグとも観客数は増加傾向にあるといえます
- どちらも2012年度のデータです。
上位のチームと下位のチームの観客動員数や純利益を比較してみると差が大きいことがわかります。
また順位は普通ですが多くの日本代表選手を抱えるFC東京等は高い数字となっています。
ガンバ大阪に関しては順位は3位から17位に落ちたことから前年度に比べて純利益は6億4400万円減少しました。
このことからスポーツビジネスは実力や人気に左右される傾向にあるといえます。
- 一方こちらはマイナースポーツリーグの年間観客者動員数の推移です。
地域密着型のマイナースポーツリーグの代表例として
BCリーグ、四国、女子プロ野球の年間観客者動員数をあげました。
どれらも減少傾向にあるといえます。
- これらの研究背景から、企業チームではなく地域にさせてもらうチーム作りが必要となってきていることがわかりました。
しかし、実力のないリーグやチーム、人気のない競技ではファンやスポンサーの獲得が困難であり、経営が厳しい状況である。という問題があります。
そのため、チームや競技の魅力を知ってもらう取り組みが必要であると考えました。
- 成功要因としては2つあり、
低資金の会費を企業や個人から募る仕組みを導入したことと
採算度外視で無料招待券を配布し、サッカーに興味のない方にもまずはスタジアムに足を運んでもらいサッカー観戦の魅力を伝える戦略を導入しました。
- (始めたのは2001年)
招待券配布の効果によって2003年にはリーグ1位の集客数となり現在も高い水準を保っています。
- 3.スポーツセンターさんを初め、地域の方・企業が支援したくなるようなスポーツチームとはどのようなスポーツチームであるか?
地域愛、郷土愛を感じるチーム。
地元出身選手が多いにこしたことはないですが、例え県外出身者のチームであっても
地域の活性化に前向きで地域のイベント等に積極的に関わるようなチームは応援したいという気持ちになります。
競技種目は問いません。
地域に根付いた競技や伝統的な競技(例えばクロスカントリースキーの選手を長年輩出しているなど)であれば、
なお結構。団体競技・個人競技も問ません。
ただし、企業関係者に話を聞くと、業績・景気の関係からチームを持つことは無理という反応で、
選手1名なら、または個人競技なら、数年間なら(選手を数年間のみ雇用)、
という答えが多いところです。
- マイナーチームは媒体への露出も少なく、商業ベースにおける企業協賛は難しいので、存続していくためには地域(住民や行政、企業)の
理解が不可欠です。チームは地域の理解を得るための努力を(競技レベル向上だけでなく)する必要があると考えます
新潟広域スポーツセンターさんでは、ラグビー、水球、アイスホッケー等を支援。
- →現在取り組んでいるプロジェクトに「マイタウンスポーツ推進事業」がある。地域のシンボルとなるスポーツを振興し、定着させるため、地域住民が主体となって特定のスポーツに参加できるための環境整備などを行い、地域におけるスポーツの振興を図る活動がある。
例として、柏崎市では数年前から水球の普及活動に見事に成功し、「水球のまち柏崎」として有名となった。
活動の成功例として、柏崎市では、ジュニアから、高校、大学、社会人のすべてのカテゴリー(男女)で水球のできる町として全国から注目されるようになった。
- 「トキめき新潟国体」水球会場として盛り上がり、ジュニアから高校・大学・社会人のすべてのカテゴリー(男女)で水球のできる柏崎市は全国から注目されています。小学生への普及と2012北信越かがやき総体(インターハイ)開催やブルボンKZの活躍などで全国と県民・市民への浸透を図り「水球のまち 柏崎」を目指しています。
- トキめき新潟国体」ラグビーフットボール会場として盛り上がり、タグラグビーを小学校の授業に取り入れてもらうための環境づくりとジュニアの普及に取り組んでいます。複数の中学校による合同ラグビー部(新発田市中学校ラグビー部)の実施、市内の高校・大学でのラグビー部の創部、女子選手の活躍、NPO法人新発田市総合型地域スポーツクラブ「とらい夢」を運営母体とする社会人クラブチームTrymu.R.F.C「BREAKERS」(ブレイカーズ)の発足により、全国と県民・市民への浸透を図り「ラグビータウン しばた」を目指しています。
- 総合型スポーツクラブのアルビレックスグループの中の1つです
日本唯一の陸上競技のプロチームです。
主な事業内容はジュニアからトップチームの選手、指導者の育成
マラソン大会等のイベントの運営
- アルビレックスランニングクラブは観戦型のスポーツチームではないのでチケット収益というものがないので、マラソン大会等の陸上イベントを企画・開催することでイベント収入を得ています。
- まったく応援してもらえないと運営は厳しい
競技によっては、まだ周囲の理解が少ない
- →ただ単に資金を援助を求めるのではなく、お互いに協力し合える関係となる事を求め、理念が一致した企業が現在のスポンサーとなった。顕著な例として、「クスリのコダマ」というドラッグストアのチラシに、コダマ主催のランニングのイベントの無料参加券などを添付し、コダマにも客足が増えるような、互いに助け合う形となる戦略をとった結果、現在もスポンサーとして協同関係となっている。
- バルドラール浦安は観戦型のスポーツチームであるので、試合観戦によるチケット収益があります。
Fリーグはテレビ放映がないので放映権収益はない
- バルドラール浦安が取り組んでいるファン獲得戦略として
小・中学生をホームでの試合の際に、無料で試合に招待しています。
狙いとしてはとくに小学生などは家族や保護者とともに来場するケースが多く、そのからのチケット収益を増やすことと、
試合観戦をし、フットサルに興味を持った子供にバルドラールのフットサルスクールに加入してもらうことが目的です。
現在では地元浦安のみならず、市川や柏にもスクールを開講しています。
- バルドラール浦安では、スポンサーとの様々なイベントを開催しています。
イベントでは、チーム側は選手を派遣して競技の普及活動やチームのPR活動し、
スポンサーである企業側はイベント会場での商品のサンプルの配布を行うことによる商品のPR効果
を目的としています。
そのほかにもスポンサーである専門学校で選手をコーチとして派遣してフットサル競技の普及活動を行っている。