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1
広報理論に関する若干考察
鈴木幹久
2
最初におさらい
3
Public Relations= 「広報」 ?
        むしろ「公
共関係」 ?
オピニオンショーケースでの
問題提起
4
幾つかの課題感
1. 理論研究、学(体系・包括)への挑
戦
2. 公共性と PR
3. 欧米の研究とわが国の研究
5
1. 理論研究、学(体系・包括)への挑戦
「学」
 対象が普遍性を持っている、ある歴史的経過を経ている、
その中で研究の積み上げによる論理の構築がしっかりと行なわれている、
その構築の構成要素となるものがふつう各論として展開される、といった条件を備えている
「論」
 学と呼ばれるほど高い普遍性は持たないけれども、
対象に関して「学」に要請されるのと同じくらい厳密な検証や論証を経て、
構築される内容を有するものに与えられる名称
”(藤川正信  図書館情報学の中心課題:記号,情報,人間
( Journal of Library and Information Science,Vol.10.73 項)
つまり、学問を構成する要素として「論」があり、
分類、整理、体系化すると「学」になる。
学問( Science )と論・研究 (Study) 。
6
Public Relations Review の
Table of Contents
 Activism
 Advertising and marketing
 Business credibility and ethics
 Career enchancement
 Consumer relations
 Corporate social responsibility
 Crisis management
 Dissertations and theses
 Diversity
 Employee communication and
relations
 Health communication
 History
 International and intercultural
isssuues
 Leadership
 Legall and regulatory issues
Management
Media relations
Newspapers and print publications
New technology and social media
Non-profit public relations
Political communication
Profession
Public Affairs
Public diplomacy
Radio and television
Reputation management
Research and measurement
Schools and public relations students
Theory development
Web sites of interest for practitioners,
scholars and students
Writing techniques
7
学術的射程領域
個人が所属する集団、組織、地域、国家の視点 社会学
他者との相互影響関係の場にいる個々人 社会心理学
主観的な個人としての意識
知覚、欲求、学習、意識などの心的諸機能を持つ人
心理学
細胞や神経線維などの生理学的実態としての人 生理学
8
LEVEL FIELDS
Anthoropology
Soc ial Anthoropology
Soc ial Ps yc hology
Ps yc hology
Phys iologic al Ps yc hilogy
Phys iology
Foudame ntal Comple x
Soc iology
Cybe rne tic s Sys te ms Re s e arc h Bus ine s s Ec onomic s Politic al
Sc ie nc e
FOCAL VARIABLE FIELDS
Libe rating the Intte lle c tual Domain From the Prac tic e : Public Re lations , Ac tivis m, and the Role of the Sc holar
(David M. Doz ie r and Martha M. Lauze n, 2001)
Communic ation J ournalis m Public Re lations
Intellectual
domain
Social Institution
9
PR is art or science?
• PR は art である ?
• PR を art から science へ。理論の確立を目指
す ?
10
理論というトレンド
従来のパブリック・リレーションズ
の研究
• 経営学的アプローチ
• 実学的志向
• Organizational target の志向
 ↓
• より学術的志向の強い
• 人文社会科学的アプローチの充実
11
 新しい PR 研究
こうした新しい代替的な方法論に基づく論文が
多く掲載されるようになった。
•『 Public Relations Review 』
•『 Journal of Public Relations Research 』
 ↓
パブリック・リレーションズとともに登場するキーワード
•批判理論、フェミニズム、ポストモダニズム、
構造主義、コミュニタリアニズムなどといった多彩さ
12
理論研究の進展
 Direct contribution t
o theory development 
•Sallot et al 、 2003
20 % of articles
    in Public Relations Review and
     Journal of Public Relations Research
 
•Ferguson , 1984
4% of articles
in Public Relations Review
13
Excellent theory
( Grunig,& Dozier 2006 )
1.Program level like media relations
2.Functional Level, communication department
3.Organizational level, management
4.Social level, contribution to society
•Paradigm:
Public relations as a strategic management function,
organizational effectiveness
14
3 つのアプローチ
(Toth , 2009 )
1. Excellence theory
+
1. Rhetorical perspective
2. Critical perspective
15
Rhetorical perspective
Rhetoric = Accommodation, mitigation, collaboration, relationship
例えば・・・
• 社会構築主義 ( Gordon ・ Pellegrin   2008 )
Conceptions of reality are created through social interaction.
• Constitutive analysis, normative perspective
 ( Stokes, 2005 )
• イソクラテス、クインティリアヌスなどの修辞学
16
Critical approach
(Dozier & Lauzen, 2000)
Liberating the Intellectual Domain from the Practice of Public Relations
実務から解放をめざす学術志向
17
主として、フェミニスト批評、ポストモダニズム、また市民社会
•例えば Postmodernism の場合
   (Derina R. Holtzhausen, 2002)
Stop theorizing public relations as function of organizations to manage
communication
キーワード:個人、倫理、異なる意見の調整、反実証主義、即時性
具体的な事象:
•オサマ・ビン・ラディンのVTR
•アメリカの途上国への干渉
•タイのHIV問題
Critical approach
18
Prominent Social Theorists and Their Significance for Public Relations,
第 56 回国際コミュニケーション学会、ドイツ、 2006
↓
Public Relations Reviews in Fall, 2007
↓
2009 年『 Public Relations and Social Theory 』
例えば・・・
•フーコー  A toolbox for public relations: The oeuvre of Michel Foucault
•ハーバーマス On Jurgen Habermas and public relations
•ウェーバー T he re-enchantment of social institutions: Max Weber and public relations
ロバート・パットナム、ブルーノ・ラトゥール、アーヴィング・ゴッフマ
ン 、ニクラス・ルーマン、アンソニー・ギデンズ 、ピエール・ブルデュ
ー 、ピーター・ L ・バーガー 、ウルリッヒ・ベック、 Dorothy Edith
Smith 、ガヤトリ・ C ・スピヴァク
Social Theory
19
•これらの接近
コミュニケーション理論、批評理論、修辞学、社会構築主
義、談話分析、規範理論、正統性等
•これに加えて
パブリック・リレーションズを明示的に取り扱っていない
が、パブリック・リレーションズに有益な研究
20
Public とは?
  社会心理学のいうところの「社会」に相当?
「他者が実際に存在したり、想像の中で存在したり、ある
いは存在することがほのめかされていることによって、個
人の思考、感情、および行動がどのような影響を受けてい
るか、と理解し説明する試み」( Allport )
② 公共性への接近
21
企業における社会関係資本とパブリックリレーションズ
(北見幸一、 2009 )
• Public Relations は日本語で「広報と訳出され、日本で
宣伝的な用語として定着した「 PR 」との混同もあり、
Public Relations は本来の意味を喪失しているように思
われる。
• Public Relations は、その言葉通り「公衆( Public) との
良好な関係つくり( Relations )がその原点のはずであ
る。
22
”公共関係“学 事始 ( 小野豊和、2007 )
• ”中国がPublic Relationsを 公共関係“としたこと
は辞書を引くと明解である。Public Relationsを
直訳すると「公共との関係」である。
• ところが、日本においては、Public Relationsを
PRと略して使うようになると、その本来の意味が歪められ齟齬が
生じることにことになったのである。
23
公共哲学的接近
• 意見の多義性すなわち各人のパースペクティブを尊重し
” ”たアレントの 複数性 に公共性の萌芽を見出す。
• 世界観や価値観が違う人々の相互交渉の場を公共(Pu
blic)と規定することで、パブリック・リレーショ
ンズの基本的な位置づけを図る。
24
アレント
• 「公共的」という用語は、世界そのものを意味している
。
• 私たちが見るものを、やはり同じように見、私たちが聞
くものを、やはり同じように聞く他人が存在するおかげ
で、私たちは世界と私たち自身のリアリティを確信する
ことができるのである。
• 公共的領域のリアリティは、数知れないパースペクティ
ヴとアスペクトが同時に存在することにかかっている。
25
リップマン
「このような人々の脳裏にあるもろもろのイメージ、つま
り頭の中に思い描く自分自身、他人、自分自身、他人、自
分自身の要求、目的、関係のイメージが彼らの世論という
わけである。」
•擬似環境  pseudo-environment :
人間の認識能力が、外部からの情報に対応していくなかで
、生成されるイメージの世界
26
Public とは何か
• 群集 
  ギュスターヴ・ル・ボン    19 世紀末
 感情的で、非合理的、衝動的で暗示にかかりやすい人々
• 公衆  
   ガブリエル・タルド   20 世紀初頭
   物理的に極めて広範囲に散らばって居住しながら、新聞という
マスメディアによって情報や見解、感情を共有している人々
• 大衆
   ホルクハイマー   1930 年代~
   教養や批判精神まで管理され、国家や資本の被支配者として個
性や理性をなくしてしまった人々
27
散らばった議論の収拾を目指して
28
はじめに
• 「広報の理論は実践から生れ、そして実践を通じて展開される。
• 広報に於いては、特に理論が実践のなかで呼吸し、実践の指針おち
てその中に生かされていなければならない。
• 理論と実践との緊密な結合と、相互作用によってのみ、広報の社会
組織力は実現される。
• 広報の社会学的・心理学的根拠を理解することが、広報の社会意識
に対する適応的認識と、その可変力を支配することになるのである
。
• 広報理論なくして、広報の活動はあり得ないであろう。」
( 小山、 1953 )
29
広報理論の困難
( Balan と Davis 、 2007 )
• 重要な、興味深い人間行動のほとんどは、測定するのが困難である
。
• 人間の行動はあまりにも複雑すぎる。
• 人間は目標をもち、自分で行動を振り返って考えることができる。
• 因果性の単純な論理は、私たち自身に適用された場合には困惑する
ことがある。
30
理論の要件(山村、第 4 回発表資料)
 ・類型論
 ・予測と説明 
 ・理解感
 ・抽象性
 ・関連する分野の研究者間の合意
 ・経験的妥当性
「学」を可能にする条件  (上野、
2006 )
 ・範囲
 ・一貫性
 ・検証可能性
 ・想像性
目指すべき方向性
31
1. メディア・リレーションズの検討
   -理論に関する議論の一例とし
て
2.広報理論のマッピング
3.福島に関する 3 つの考察
     -現実を踏まえ、
     -魅力的に!?
 
目次
32
メディア・リレーションに関する理論的整理
( Zoch と Mollenda 、 2006 )
1.フレーミング
2.情報補助
3.議題設定効果
33
1.フレーミング
( Goffman 、 1974 )
• シンボリック相互作用論や社会構築理論といった社会心理学の理論に期限
を持つ考え方。
• 「私たちが自分自身や他者や社会的世界について形成している予期は、社
会生活の基本要素の 1 つである」
• フレームとは、「ある時点のある社会状況を理解するために用いられる特
定の予期のこと」である。
• フレーミング効果とは、「情報を提示する際の表現方法を変えると、その
事象を心的に構成する枠組み(フレーミング)が変わり、主観的価値が変
動すること」を指す。
• 例えば、問題提示の表現の違いで、人の印象や意思決定は大きく変わるこ
とがある。コップに半分入った水に対して、「もう半分しか残っていな
い」というのか、「まだ半分も残っている」と表現するかでは、人が受け
る心象は大きく異なる。
34
フレーミングの要素
解釈        :  起きている事象の解釈
( Bateson,1954 )
選択的注意喚起:  描写された事象の特定の面を選択的に注意喚起
する( Entaman,1993 )
取捨選択     :  補強するキーワード、フレーズ、逸話、写
真、人物、情報源を取捨選択する
( Entaman,1993 )
確立        :  関連するテーマで常に紹介されるフレー
ムとして確立させる。( Hallahan,1999)
35
情報補助  Information Subsudies
Gandy ( 1982 )
◆2 つの経済的な意味
•組織体にとっては、自分たちの視点を主張するコスト
•メディアによっては、無料あるいは著しくコストのかからない整った情報を
受け取ることで、彼らのリソースを節約することができる
◆Gandy は情報を商品とみなしている。情報源は、メディアとの価値交換が実現
し、メディアが容易にあるテーマについて理解できるように整えられた情報を
提供することで、メディアの調査等の作業を軽減するというものである
◆ 情報補助は、直接補助と間接補助に分けることができる。
・直接補助とは、メディアがメディア・リレーションズ専門家から得る整えら
れた情報のことであり、
・間接補助は、主にロビイストが用いるメディア掲載を用いた政治家への働き
かけを意味する。政治家は多くの場合、ある人の意見よりもメディアを通した
事実(間接的に補助された情報)を意思決定に反映させる。そのため、ロビイ
ストは政治家を説得するため、直接自ら整えた情報と、政治家が客観的な情報
とみなす間接的な情報の両方を使って、立法府に影響を与える。
36
情報補助の品質
・実際的な影響
・情報源の傑出性
・情報源としての信頼性
・主要視聴(読)者にとっての魅
力性
・メディアのニーズにあった体裁
・最高責任者へ取材が可能
・伝統的なニュースバリュー
37
議題設定( agenda-setting) 効果
( McCombs and Shaw, 1972 )
• 議題設定( agenda-setting) 効果とは、「マスメディアによってあ
るトピックや争点が強調されるほど、受けて側もそのトピッ
クや争点を重要なものだと認知するようになるという」もの
である。
• 「政治決定の場において、ある論点が重要な論点になってい
く複雑なプロセス」を指し、議題設定よりも「マクロなレベ
ルの理論」となる議題構築( agenda-building )という言葉を使
うこともある。。いずれにしても誰が議題を設定するのかと
いう点については、様々な意見がある。
38
集団的・相互的プロセ
ス
Lang   & Lang(1981)
有権者のアジェンダ
の
調和プロセス
Walters & Gray(1996)
相互的アジェンダプロ
セス
Johnson et al. (1996)
循環的関係プロセス
Coebett & Mori (1999)
初期 メディアが事件、活動
、団体等を取り上げる
。
有権者は課題のアジ
ェンダを候補者に準
備する。
実社会の状況が、議題
設定プロセスを始動す
る。
課題が社会に出現する
。
第 2 期 注意の対象がフレーム
化される。
有権者と候補者はメ
ディアに、アジェン
ダを用意する。
メディアは課題の掲載
を増やす。
利害関係のあるグルー
プが、その課題に関わ
り、意見を形成する。
第 3 期 対象や事件が 2 次的な
象徴と関連ズけられ、
持続的な話題となる。
メディアは社会の異
なる候補者や業界の
アジェンダを系統立
てて報じる。
一般市民は、実社会の
状況とメディアの掲載
から注意が必要な点を
見つける。
利害関係のあるグルー
プが、メディアや一般
市民に働きかける。
最終期 スポークスパーソンが
要望を述べ、メディア
の関心を操る。
オピニオン・リーダー
が一般市民の関心に反
応する。
メディアの掲載が、一
般市民、理解関係のあ
るグループ、政治家に
影響を与える。
異なる議題設定プロセスの見解
39
これらをどういった全体像のなかで
位置づけるのか
1. フレーミング
2. 情報補助
3. 議題設定効果
40
理論の仕分け①
デニス・マクウェル( 1994 )を参考
社会科学理論 研究事例や観察に基づいて一般化を試みるなかで得られる
、慎重に熟慮された知識。
規範理論 メディアがどのように社会と関わりをもつべきかを論じる
。
批判理論 公然とある価値を支持し、そうした価値
を用いて現状を評価し批判する理論。マ
スメディアの社会的役割を解釈するのに
、従来と異なる方法を提示する。( mc
t)
常識理論 公衆の一員としてマス・メディアを直接
に経験に利用することを通じて、マス・
メディアについて抱く考え
実務理論 現場で仕事をしている人たちが抱いてい
る考え
41
42
情報の発信者 政府、企業、(個
人)
社会学、政治学から主として導かれる。
歴史学、経済学、哲学からも導かれるこ
とがある。
メディア テレビ、新聞 メディアの内容、テクストと意味の世界
に焦点を当てるアプローチ。
情報の受け手 視聴者、読者 選択、選考、動機付け、メディアの利用
を通じて、公衆の側からの研究するアプ
ローチ。公衆による反応と公衆に対する
効果へのアプローチ。
理論の仕分け②
デニス・マクウェル( 1985 、 1994 )、 Baran と Davis ( 2007 )を参考
43
① 社会科学理論 規範理論
② 実務理論 ③ 常識理論 ④ 批判理論
A. 情報の発信者 機能分析アプローチ
(大衆社会論~)限定効果
説~中庸効果論
補強効果論・現象論的理論
多元的エリート論
パブリック・リレーシ
ョンズ(プロパダン
ダ)
(ソーシャル)マーケ
ティング理論
開発コミュニケーショ
ン理論
大衆社会論
魔法の弾丸理論
マルクス主義的アプロ
ーチ
ⅰ( 政治 ) 経済学理論
ⅱ メディア・ヘゲモニ
ー理論 
ⅲ フランクフルト学派
の批判理論
ⅳ カルチュラル・スタ
ディーズ
B. メディア 技術決定論
記号学的パースペクティブ
議題設定効果
プライミング効果
フレーム理論
ニュース制作研究 社会的責任論 自由主義理論
権威主義理論
思想の市場理論
発展メディア理論
民主的参加理論
C. 情報の受け手 シンボリック相互作用論
現実の社会的構成
能動的オーディエンス理論
受容分析
情報処理理論
メディア・システム依存理
論
培養分析
メディア・リテラシー
論
自由主義的多元論
ポストモダニズム
44
A. マクロ理論:
社会学、政治学から主として導かれる。歴史学、経済学、哲学からも導かれるこ
とがある。
→ 情報の流れ理論:ある意図した効果を得るために、メディアからオーディエン
スへ情報がどのように伝わるかについて検討する理論。
情報普及理論:イノベーションが多様なコミュニティにどのように紹介され、採
用されるかを説明する理論。 1962 年、エベレット・ロジャース。
情報源優位理論:あるエリートが情報源になっているという視点から、情報が伝
わる仮定を検討する理論。
A-① 機能分析アプローチ:「システムが均衡状態にある」社会において、メディ
アがどのように貢献しているかという研究。通常、価値中立的である。マー
トン、 1960 年代。
A-① 限定効果論:メディアが間違いなく効果をもっていると思われる場合でも、
その効果は他の社会的要素、例えば友人や社会手段を通じて「濾過されて」
いるという理論。
限定効果説:その効果はさまざまな仲介あるいは媒介する変数によって弱められ
るため、メディアは非常に小さい、もしくは限られ効果しかもたないという
理論。
  2 段階の流れ仮説:メッセージがメディアからオピニオン・リーダーを通じて
フォロワーへ伝わるという考え。
45
A-① 態度変容理論
 個人差理論:個々人の心理的性質の違いが、メディアから受ける影響を人によって異
なるものにする。
 社会カテゴリー理論:ある集団あるいは集合体の成員は、メディア刺激に多かれ少な
かれ同じように反応するという考え。
認知的一貫性:意識的、無意識的にかかわらず、人は自分の現在の見方を維持しようと
する。
認知的不協和:自分がもっている既存の態度と矛盾する情報は、心理的不快ないし心理
的不協和を引き起こす。
選択的過程(選択的接触、選択的知覚、選択的記憶)
A-① 補強効果論・現象論的理論( 1960 年、ジョセフ・クラッパー)
メディアが効果の唯一の原因であることはまれで、他の社会的要因と比べてもメディア
の影響力は比較的小さいとする理論。
A-① 多元的エリート論:メディアから政治情報は、すでに政治についてよく知っていた
り、政治活動に関わっているほんの一握りの人々に情報を伝えることを除けば、ほと
んど役に立っていないとする理論。
A-① 知識格差理論
A-① 沈黙の螺旋理論:メディアによって、社会で支配的な意見である、と報道された意
見に相反する意見をもっている人は、他社に拒否されるのを恐れて、その意見を表明
しなくなる、という考え。( mct)
A-① メディア進入理論:エリート多元主義の現代版。デニス・デイビス( 1990 )。メ
46
A-② プロパガンダ:
16 世紀、反宗教改革の中で考案。特定の信念や期待を広めるために、
ありとあらゆるコミュニケーションを利用する行動。大衆操作の技
法。第 1 次世界大戦、第 2 次世界大戦で多用される。総力戦下の宣
伝技法。
ハロルド・ラスウェル、ウォルター・リップマン、デューイ * 反プロ
パガンダ
← 行動主義とフロイト心理学の影響を受ける
行動主義:人間のすべての行動は、外部もしくは環境から受ける刺激
に対す得る条件反応である。
フロイト心理学:人間の行動は個人のイド、エゴ、スーパーエゴ間の
葛藤の産物であるとする。
A-② .ソーシャル・マーケティング理論:社会的に価値の或る情報を
広めることに関する中範囲理論。(このうちの 1 つが、効果ヒエラ
ルキー・モデル。:説得効果を、その効果の達成に必要な時間と労
力に応じて区別することを求める実用的な理論。)
A-② .開発コミュニケーション理論:社会的に有益な目的を促進する
ために、戦略的・意図的にコミュニケーションを利用すうこと。
47
A-③ 大衆社会論:
メディアには大きな影響力があるが、しばしば否定的な役目もあると考える、
ヨーロッパの産業社会に関する見通し。( mct )
19 世紀末、近代化がもたらした混乱を理解使用する過程でエリートたちの間
から登場した。(アンチテーゼは大衆娯楽理論:一般の人々をリラックス
させたり、あるいっは楽しませたりするという理由で、テレビや他のマス
メディアは重要な社会的機能を果たしていると主張する理論。 1966 年、ハ
ロルド・メンデルスゾーン)
 
・メディアは社会にとって有害でガンのような存在であり、したがって取り除
かれるか完全に再構築されなければならない(→放送機関の統制)
・メディアは一般の人々の精神にまで到達し、直接その精神に影響を与える力
をもっている。※直接効果仮定
・人々の精神が一旦メディアに感染すると、長期にわたってありとあらゆる悪
い影響を及ぼし、個人の生活を荒廃させるだけでなく、より大きな規模の
社会問題を引き起こす。(実証性?因果関係?)
・一般の人々は、以前は操作されないよう伝統的な社会制度によって守られて
いたが、今は伝統的な社会制度から孤立し、切り離されているため、メデ
ィアの影響を受けやすい。
・マスメディアが引き起こす社会的混乱を解決するには、必然的に全体主義的
な社会体制が必要となる。
・マスメディアは必然的に上質の文化を堕落させ、全体として文明を後退させ
る。
48
構造機能論:政治的に妥協した一定の制度的ルールの範囲内で、自己規制的、事故修正的な活動を行
うものとしてメディアを捉える。多元論的、主意主義的概念。メディアを政治的変動の源泉でなく、
社会を維持する手段
A-③ :魔法の弾丸理論
魔法の弾丸理論:メディアは人々の心に(弾丸のように)突き刺さり、即座に効果を生み出すという
1920 年代に登場した理論。
A-④ マルクス主義的アプローチ:
   いかなる時代にも、支配階級の思想が支配的な思想になるという考え方。
   ⅰ ( 政治 ) 経済学理論
    (イデオロギーが経済的基盤に依存していると考え、所有構造の実証分析とメディア市場の
影響力が作用する仕方を研究) * 制度に注目
   イニス(コミュニケーションに内在するバイアス)
   チョムスキー:5つのフィルター
       第 1 フィルター マスメディアの規模、所有、利益志向
       第 2 フィルター 広告という営業許可装置
       第 3 フィルター マスメディアの情報源 
       第 4 フィルター 「集中砲火」とその仕掛け人
       第 5 フィルター 制御メカニズムとしての反共思想
   ⅱメディア・ヘゲモニー理論  * メッセージ注目
   ⅲフランクフルト学派の批判理論(否定主義、文化的エリート主義)
     ~社会文化的アプローチ  * メッセージと公衆に注目
   ⅳカルチュラル・スタディーズ
   文化の商品化論:地域に根ざした文化と直接競合するかたちで、文化が大量に生産され流通さ
れる場合に、何が起こるのかを研究する。
49
• 2.メディア
• メディアの内容、テクストと意味の世界に焦点を当てるアプローチ
:テクスト分析。
• B-① .技術決定論:すべての社会的・政治的・文化的変化は、必然
的に技術の発展と普及にもどづいていると考える。マクルーハン。
• B-① .記号学的パースペクティブ:
• 情報の意味は、制作者の意図や受け手の感じ方と必ずしも一致せず
、シンボル体系の論理から導出される
• ・テクストの顕在的、表面的な意味ではなく、潜在的、内包的な意
味を扱う
• ・書かれ受け手と効果た言葉の分析だけでなく、写真、音声、身振
りなど、意味を運ぶために意識的に利用される手段まで広く分析す
る
• B-① .プライミング効果:メディアでの提示によって、現実におい
てもそのことに関して同じよな考えをもつ可能性が高くなるという
見解。
•
• B-① フレーム理論:私たちが、日常生活の状況やそこで暮らす人々
50
B-② .ニュース制作研究:日常的なニュース制作の慣行が、どのようにして
必然的に、内容を歪曲し偏向して生産するのかについての研究。
B-③ .社会的責任論:メディアは完全に自由であるべきと考え、他方で、メ
ディアには外部からの規制が必要であると考える代わりに、メディア産業
や市民がその責任をもつとする規範理論。    
B-④ .自由主義理論:人々は、善良で、理性的で、悪い思想と良い思想を判
断できるとする規範理論。
Cf. 1644 ミルトン『アレオパジティカ』自由調整作用。
 ⇔
B-④ .権威主義理論:すべての形態のコミュニケーションを、支配階級のエ
リートや権威者の統制下におくべきだとする規範理論。
B-④ .思想の市場理論:自由市場においては、すべての思想は人々に提示さ
れるべきであり、公衆はその「市場」から最もよいものを選択するだろう
という考え。
B-④ .発展メディア理論:メディアが国に有益な発展計画を必ず支援するよ
うに、政府とメディアが協力するよう求める規範理論。
B-④ .民主的参加理論:メディアが、草の根レベルで文化的多元主義を支援
するよう主張する規範理論。
51
受け手に関する議論
選択、選考、動機付け、メディアの利用を通じて、公衆の側からの研究するアプローチ
、公衆による反応と公衆に対する効果へのアプローチ
C-① 相互作用主義:コミュニケーション体験の間主観性を強調する。効果はいかように
も変化する可能性があり、それは受け手の状況と資源に依存する。(ミード~ブルー
マー、シュッツ、デーヴィス・バラン)
C-① シンボリック相互作用論 : 人々はシンボルに意味を与えるが、その意味が人々を管
理すうようになるという理論。
C-① 現実の社会的構成:人々が現実についての常識を共有していることを理由に、意味
のやりとりが続いていくことを想定した理論。
C-① 能動的オーディエンス理論:人々がメディアを使って何をするのか調べることに焦
点を当てた理論。
C-① 受容分析:メディア内容の、ある特定の形態を、さまざまなタイプのオーディエン
ス個々人がどのひょうに理解するかに焦点を当てた分析
52
C-① 情報処理理論:機械のアナロジーで解釈を行う理論。( mct)
C-① メディア・システム依存理論
個人が、自分の要求をメディア利用によって充足させることに依存していれば
いるほど、その個人の日常生活でメディアが果たす役割はより重要になり、し
たがってその個人へのメディアの影響力はより強くなる、という考え。( mct)
C-① 培養分析
テレビが世界観を「培養」もしくは形成するという理論。その世界観は不正確
である可能性があるが、人々がそうだと信じることによって現実になると考え
る。( mct)
C-③ メディア・リテラシー論
C-④ 自由主義的多元論:社会を互いに競争し合う集団と利害の複合体と考えて
おり、どの集団も常に支配的地位を占めていることはない」(ギュ―ルヴィッ
チら)
C-④ ポストモダニズム:近代的社会秩序は維持できるものでなく、必然的に自
己破壊をもたらすという理論。
53
福島第一原発事故を想定しながら、
以下 3 点について検討
① 広報技術論
② 広報公共論
③ 広報社会構築主義
54
① 広報技術論
55
① 社会科学理論 規範理論
② 実務理論 ③ 常識理論 ④ 批判理論
A. 情報の発信者 機能分析アプローチ
(大衆社会論~)限定効果
説~中庸効果論
補強効果論・現象論的理論
多元的エリート論
パブリック・リレーシ
ョンズ(プロパダン
ダ)
(ソーシャル)マーケ
ティング理論
開発コミュニケーショ
ン理論
大衆社会論
魔法の弾丸理論
マルクス主義的アプロ
ーチ
ⅰ( 政治 ) 経済学理論
ⅱ メディア・ヘゲモニ
ー理論 
ⅲ フランクフルト学派
の批判理論
ⅳ カルチュラル・スタ
ディーズ
B. メディア 技術決定論
記号学的パースペクティブ
議題設定効果
プライミング効果
フレーム理論
ニュース制作研究 社会的責任論 自由主義理論
権威主義理論
思想の市場理論
発展メディア理論
民主的参加理論
C. 情報の受け手 シンボリック相互作用論
現実の社会的構成
能動的オーディエンス理論
受容分析
情報処理理論
メディア・システム依存理
論
培養分析
メディア・リテラシー
論
自由主義的多元論
ポストモダニズム
56
広報=パブリック・リレーションズ
=マス・コミュニケーション=プロパガンダ
プロパガンダ(宣伝、大衆操作)
↓
WW1 (欧州)
「 20 世紀の初頭のアメリカの保守的なエリートたちは、プロパガンダを、終わりのない無意味な戦争
でお互いを殺しあうことにこだわる、気の狂ったヨーロッパ人が発明した破壊的コミュニケーションで
あると考えていた。」
↓
・マス・コミュニケーション
・パブリック・リレーションズ
パブリック・リレーションズは「マス・コミュニケーションの意で使用されてきた経緯もある」(難波
、 2010 )
「プロパガンダとパブリック・リレーションズについて「この二つをほとんど同じ意味で使っている」
(中田、 2011 )
↓
WW 2(欧米日)
「政府の広報活動に対する評価の明暗を総力戦の勝敗に還元することはできないはずである。一方をナ
チ「宣伝」と呼んで批判し、もう一方をニューディール「広報」と呼んで称揚するようでは、研究は個
別化された事象研究にとどまり、広報研究は全体像を見失うであろう。」
「総力戦体制の分析で、合理的で自由な民主主義国家(アメリカ・イギリス)と非合理的で専制的な
ファシズム国家(ドイツ・日本)という旧式なイデオロギー図式は無効である。」
佐藤( 2005 )
↓
総力戦が終了、分化の時代へ
ラジオ
インターネット
テレビ
57
(中田安彦、 2011 )
• プロパガンダやパブリック・リレーションズについて、「戦争宣伝
によって薄汚れてしまったけれども、この行為自体は現代社会、民
主社会、ひいては人類社会にとって必要不可欠なものである」と考
えていたとしている。
• 「だから、ソーシャル・メディアの登場は確かにうまくいけば、大
衆の覚醒になる可能性もあるが、一方で新しい情報戦の始まりにす
ぎない可能性もある。テクノロジーは進化していくが、そのテクニ
ックは昔とそれほど変わらない。冒頭に述べたように、プロパガン
ダという言葉は、最初は宗教の分野、次に戦争遂行で使われ、現在
はパブリック・リレーションズと名前を変えてビジネスの場面で使
われている。どの場合にも「何かを大衆に信じされる」という説得
の技術であるという「本質」はまったく変化していない。私たちが
このバーネイズの古典「プロパガンダ」から学べるのはそういう教
訓なのである。
58
Rosie the Riveter
59
60
61
ヒトラー 宣伝の 4 原則
• 宣伝の相手は誰だ、民衆だ、知的階級ではない。
• 宣伝の目標は何だ、感情だ、理性ではない。
• 宣伝の形式は何だ、七面倒くさい理論ではない、単純な標語
だ。
• 宣伝のやり方は何だ、同じ事を一千回も繰り返すことだ。
62
ヨーゼフ・ゲッベルス
ナチスドイツのプロパガンダ専門家
• 「十分な繰り返しとその人に関する心理学的な理解があ
れば、四角がじつは丸であると証明することも不可能で
はない。結局何が四角で何が丸なのか。それらは単なる
言葉であり、言葉は思想に偽装の衣をまとわせるところ
まで作り上げることができる。」
• 「もし人々がもっと合理的で、知的であれば、 1 対 1 で
落ち着いて彼らにものごとを説明できる。しかし、大部
分の人々、特に最も助けを必要としている人々はそうで
はない。大部分の人々は政治などの重要な問題になって
くると、まるで子どもである。そのような人々が理性的
な話に耳を傾けると期待できるだろうか。それは無理で
ある」
63
「プロパガンダは神話形成過程の一部である。両者に於て同じ心理的機制が働いて
いるが、プロパガンダに於ては意識的伝説が想像される。観念や態度と結びついた
言葉や絵画の感情的連合がわれわれい一定の表象を与える。示唆の技術を通じてプ
ロパガンヂストはこの連合を行おうとする。彼は或るものを恐れ、怒りを起こすよ
うに計算された事件の記述、新しい説話、説明を加え、我々に受け入れられるよう
にし、新しい伝説を享受され、それに参加するようにさせるものである。」(小山
、 1953 )
64
• 「ナチズムは宣伝操作の運動ではなくむしろ危機における合意形成
の運動であり、メディア政策においても反動化ではなく近代化の推
進者だった。・・・ワイマール体制(利益集団型民主主義)に対し
てヒトラーは国民革命(参加型民主主義)を提示したのである。つ
まり、ヒトラーは大衆に「黙れ」といったのではなく「叫べ」と
いったのである。」(佐藤)
• 「(計画化された社会は)ファシズムのそれであれ、共産主義のそ
れであれ、国家資本主義(ニュー・ディール)のそれであれ、すべ
て軍事組織のパターンに接近する傾向を有している。参謀閣僚たち
が計画を立て、将校たちが指揮し、兵卒たちは厳しい規律の下にお
かれる。」 (リップマン、 1934 )
• 「わが党のすべての実際活動において、およそ正しい指導は、大衆
のなかから大衆のなかへ、でなければならない。それはつまり、大
衆の意見(分散した、系統だっていない意見)を集中し(研究をつ
うじて、集中した、系統だった意見にし)、これをふたたび大衆の
なかへもちこんで、宣伝と説明をおこない、これを大衆の意見にし
、これを大衆に堅持させ、行動にうつさせ、また大衆の行動のなか
でそれらの意見が正しいかどうかを検証する。そのあとで、さらに
大衆のなかから意見を集中し、ふたたび大衆のなかへもちこんで堅
持させる。」毛沢東、 1968
• 「広報を重要な政治工作の一部分として取上げ、その科学的訓練と
65
広報道具論
「かく宣伝はその感覚的姿態によって知性の目を幻惑し、理性を盲目
化するとしても、宣伝それ自体は善でも悪でもない。
 それは単なる道具に過ぎない。而もそれは鋭利な精神的刃物である
。
 狂人が刃物で殺傷しても、それは刃物の責任ではないんと同じよう
に、仮令宣伝の結果が悪を普及したとしても、それは宣伝の責任では
ない。
善とか悪とかは、宣伝以外の基準即ち社会的規範によって判断される
ものだからである。」
(小山、 1953 )
66
社団法人日本パブリック・リレーションズ協会 倫理綱領宣言
本協会とその会員は、正しいパブリックリレーションズ活動が、 21 世紀の日本の個人
、企業、団体、機関、国家などの相互理解と協調の増進により高く貢献するとの認識
に立ち、その活動を通じて社会的、国際的な友好関係の豊かな発展、平和の確立に寄
与することを目的とし、この達成のために、各自がその社会的責任と職務的使命感に
徹することを宣言します。
•れわれは、パブリックリレーションズの諸活動を企画、実施するに当たって、常に公衆
の利益を重んじ、個人の尊厳と名誉の尊重に深甚なる配慮をもって行動することを誓いま
す。
•われわれは、パブリックリレーションズの諸活動を真実、公正、正確の信条のもとに実
施し、いやしくもその品位を損なうような行動を取らないことを誓います。
•われわれは、社会から指弾を受けたり、職務上の名誉を傷つけるような反社会、反道徳
的な活動をしないことを誓います。
•われわれは、言論・報道機関の社会に果たす役割を尊重し、その機能を相互に啓発し、
高め合うことにあり、かりそめにも意図的に虚偽の情報や、誤解を招くような情報を流布
しないことを誓います。
•われわれは、その業務を通じて知り得た情報を当該関係者に無断で公表したり、またそ
の情報を利用して、他に不利益や損害を与えるような行動をしないことを誓います。
•われわれは、常にパブリックリレーションズ活動に関する知識の自己啓発と、技量の向
上に務め、各自の職能の熟達をはかることを誓います。
•われわれは、パブリックリレーションズ活動を通じてわが国企業が国の内外を通じ、倫
理観に満ちた社会人であり、かつよき企業市民として行動するよう協力することを誓いま
す。
•われわれは、パブリックリレーションズ活動を通じ、地域環境の保護ならびに向上を推
進することを誓います。
67
社団法人 日本広告業協会広告倫理綱領 < 昭和 46 年 5 月 25 日制定 >< 平成 16 年 5 月 28 日改
定 >
 
私たちは、企業と生活者、企業と企業、企業と社会、社会と個人等を結ぶ広告を中心とした様々なコ
ミュニケーション・サービスの担い手として、広告が社会に与える影響の重大さを認識し、広告業本
来の社会的責任を果たすことにより、豊かで文化的な社会づくりに貢献することを使命とします。
 私たちは、広告主、媒体社および協力会社とともに、それぞれの主体的立場を尊重し、たがいに協
力して、これらの使命を達成するために最大限の努力を払い、次の綱領およびクリエイティブ・コー
ドを定めて広告倫理の向上に寄与しようとするものであります。
1. 広告は、真実を示し、社会の信頼にこたえるものでなければならない。
1. 広告は、関係法令や倫理規範を遵守するとともに、人権を尊重し、公正な表現を行うものでなけれ
ばならない。
1. 広告は、健全な社会秩序や善良な習慣をそこなうものであってはならない。
1. 広告は、品位を重んじ、明るく、すこやかな生活づくりに貢献するものでなければならない。
1. 広告は、生活者利益を優先する情報を提供するものでなければならない。
1. 広告は、効果的で、効率的なコミュニケーションを通じて、最適なソリューションに貢献するもの
でなければならない。
 クリエイティブ・コード
1. 広告は、創造性を追求し、人々の心に喜びや感動を与えるものにしよう。
1. 広告は、社会の規範や秩序の上に立って表現の可能性を追求しよう。
1. 広告は、創造性を尊び、第三者の権利を侵害してはならない。
1. 広告は、虚偽や誇大な表現をすることなく、真実を伝えなければならない。
1. 広告は、あいまいな用語や内容で、誤解を招くような表現をしない。
1. 広告は、他をひぼう、中傷してはならない。
1. 広告は、人権に配慮し、不当な差別的表現をしてはならない。
1. 広告は、品位を保ち、不快な印象を与える表現をしない。
1. 広告は、幼少年の健全な成育の妨げにならないように配慮しよう。
1. 広告は、簡潔な表現を用い、わかりやすく、受け入れやすいものにしよう
68
社団法人日本民間放送連盟 放送倫理基本綱領
1996( 平成 8) 年 9 月 19 日制定
日本民間放送連盟と日本放送協会は、各放送局の放送基準の根本にある理念を確認し、放送に期待されている使命を
達成する決意を新たにするために、この放送倫理基本綱領を定めた。
• 放送は、その活動を通じて、福祉の増進、文化の向上、教育・教養の進展、産業・経済の繁栄に
役立ち、平和な社会の実現に寄与することを使命とする。
• 放送は、民主主義の精神にのっとり、放送の公共性を重んじ、法と秩序を守り、基本的人権を尊
重し、国民の知る権利に応えて、言論・表現の自由を守る。
• 放送は、いまや国民にとって最も身近なメディアであり、その社会的影響力はきわめて大きい。
われわれは、このことを自覚し、放送が国民生活、とりわけ児童・青少年および家庭に与える影
響を考慮して、新しい世代の育成に貢献するとともに、社会生活に役立つ情報と健全な娯楽を提
供し、国民の生活を豊かにするようにつとめる。
• 放送は、意見の分かれている問題については、できる限り多くの角度から論点を明らかにし、公
正を保持しなければならない。
• 放送は、適正な言葉と映像を用いると同時に、品位ある表現を心掛けるようつとめる。また、万
一、誤った表現があった場合、過ちをあらためることを恐れてはならない。
• 報道は、事実を客観的かつ正確、公平に伝え、真実に迫るために最善の努力を傾けなければなら
ない。放送人は、放送に対する視聴者・国民の信頼を得るために、何者にも侵されない自主的・
自律的な姿勢を堅持し、取材・制作の過程を適正に保つことにつとめる。
• さらに、民間放送の場合は、その経営基盤を支える広告の内容が、真実を伝え、視聴者に役立つ
ものであるように細心の注意をはらうことも、民間放送の視聴者に対する重要な責務である。
• 放送に携わるすべての人々が、この放送倫理基本綱領を尊重し、遵守することによってはじめて
69
社団法人日本新聞協会 新聞倫理綱領
 
21 世紀を迎え、日本新聞協会の加盟社はあらためて新聞の使命を認識し、豊かで平和な
未来のために力を尽くすことを誓い、新しい倫理綱領を定める。
• 国民の「知る権利」は民主主義社会をささえる普遍の原理である。この権利は、言論・表現の自由のもと、高い
倫理意識を備え、あらゆる権力から独立したメディアが存在して初めて保障される。新聞はそれにもっともふさわし
い担い手であり続けたい。
•おびただしい量の情報が飛びかう社会では、なにが真実か、どれを選ぶべきか、的確で迅速な判断が強く求められ
ている。新聞の責務は、正確で公正な記事と責任ある論評によってこうした要望にこたえ、公共的、文化的使命を果
たすことである。
•  編集、制作、広告、販売などすべての新聞人は、その責務をまっとうするため、また読者との信頼関係をゆるぎ
ないものにするため、言論・表現の自由を守り抜くと同時に、自らを厳しく律し、品格を重んじなければならない。
•自由と責任
• 表現の自由は人間の基本的権利であり、新聞は報道・論評の完全な自由を有する。それだけに行使にあたっては
重い責任を自覚し、公共の利益を害することのないよう、十分に配慮しなければならない。
•正確と公正
新聞は歴史の記録者であり、記者の任務は真実の追究である。報道は正確かつ公正でなければならず、記者個人の立
場や信条に左右されてはならない。論評は世におもねらず、所信を貫くべきである。
•独立と寛容
新聞は公正な言論のために独立を確保する。あらゆる勢力からの干渉を排するとともに、利用されないよう自戒しな
ければならない。他方、新聞は、自らと異なる意見であっても、正確・公正で責任ある言論には、すすんで紙面を提
供する。
•人権の尊重
新聞は人間の尊厳に最高の敬意を払い、個人の名誉を重んじプライバシーに配慮する。報道を誤ったときはすみやか
に訂正し、正当な理由もなく相手の名誉を傷つけたと判断したときは、反論の機会を提供するなど、適切な措置を講
じる。
•品格と節度
公共的、文化的使命を果たすべき新聞は、いつでも、どこでも、だれもが、等しく読めるものでなければならない。
記事、広告とも表現には品格を保つことが必要である。また、販売にあたっては節度と良識をもって人びとと接すべ
70
・新古典派的パースペクティブ
・原子力 PR の手段および成功を評価しないのか?
① 広報技術論の含意
71
② 広報公共論
72
① 社会科学理論 規範理論
② 実務理論 ③ 常識理論 ④ 批判理論
A. 情報の発信者 機能分析アプローチ
(大衆社会論~)限定効
果説~中庸効果論
補強効果論・現象論的理
論
多元的エリート論
パブリック・リレーショ
ンズ(プロパダンダ)
(ソーシャル)マーケ
ティング理論
開発コミュニケーション
理論
情報補助
大衆社会論
魔法の弾丸理論
マルクス主義的アプロ
ーチ
ⅰ( 政治 ) 経済学理論
ⅱ メディア・ヘゲモニ
ー理論 
ⅲ フランクフルト学派
の批判理論
ⅳ カルチュラル・スタ
ディーズ
B. メディア 技術決定論
記号学的パースペクティ
ブ
議題設定効果
プライミング効果
フレーム理論
ニュース制作研究 社会的責任論 自由主義理論
権威主義理論
思想の市場理論
発展メディア理論
民主的参加理論
C. 情報の受け手 シンボリック相互作用論
現実の社会的構成
能動的オーディエンス理
論
受容分析
情報処理理論
メディア・システム依存
理論
培養分析
メディア・リテラシー
論
自由主義的多元論
ポストモダニズム
.
73
「今日の<プロパガンダ=宣伝>研究は広報学の枠組みにおいて進められるべ
きだろう。キーワードは〈公共性である〉」
佐藤卓巳『プロパガンダの世紀』と広報学の射程
―― ファシスト的公共性とナチ広報」
(『広報・広告・プロパガンダ』、
ミネルヴァ書房、 2003 年所収)公共とは何なのだろうか?
コミュニケーション研究がめざすひとつの地平として「公共性」を構想するこ
との必要を感じるのはまさに時代の要請だろう。
上野征洋『広報研究』第 9 号オピニオン欄
公共性を創出するものは「人と人とのコミュニケーション」であるといわれる
が、その重要性を指摘したユルゲン・ハーバーマスは、広報技術が「公共性を
支配しはじめた」といい、公共圏の自律性を失わせたとしている(ユルゲン・
ハーバーマス、 1962 )。
しかし、現在進みつつある企業における社会とのコミュニケーションの方向性
は、今後の社会科学のキーワードとなるつつある「公共性」、「公共哲学」と
合致していく可能性を持っている。広報、パブリック・リレーションズのこれ
からの方向はまさにそこにあるのではないか。
(猪狩、 2006 )
74
広報の公共性
• マクウェルの公共性の観点からのマスメディアを検討
• 社会におけるコミュニケーションに関する基礎的価値として、近代
西洋社会の基本的価値観に一致するものと断った上で、自由、平等
、秩序の3つを基礎的価値として提示している。
• 自由とは、信条、言論、社会運動、集会、結社、情報へのアクセス
などのコミュニケーションへの権利
• 平等とは、権利の平等、法の前での平等、社会制度の公正性といっ
たもの
• 第 3 の秩序とは「もっとも多様な定義や評価が可能」な価値である
が、ここではルール、枠組み、規制といった言葉で置き換えること
ができるものとする。
75
• 自由(自らの意思で情報にアクセスできる)、
平等(だれでも公平に情報にアクセスできる)
、秩序(ただし、それらは一定のルールに則っ
て運用される)
• 情報公開体制・ポリシーのようなものを導きだ
すことができないか。
76
『 PR 政策』土屋好重
Donald T. Ckark のパブリックの分析を引用している。
•公衆的
•公開的
•公共的
77
野田信夫「企業の近代的経営」
( 1951 )
• パブリック・リレーションズを公共関係活動と紹介。
• Publicit yは公開業務と訳し、メディアを含めた社会への
公開=ディスクロージャーという原則論を重んじている
。
• また、 Agnew and Houghton ( 1941 )を引いて、「公開業
務は広告と区別されなければならない。広告は販売の促
進が目的で、公開は教育を本質とする。」としている。
78
• 「教育は判断の自由を目的とするものであるが
、宣伝は思慮なく、既に用意された意見を与え
ること」
(小山、 1953 )
• 教育者はいかに考えるべきかをじっくりと養い
、宣伝者は早急に何を考えるべきかを刷り込む
もの。
  公開業務=教育=判断の自由を目的とするも
の
79
企業の情報開示の構造
(日本 IR 協議会、 2010 )(日本 PR 協会、 2011 )
法廷開示
適時開示
任意開示
広報・
PR
法 モラル
実証的 技巧的
◆ 広報・ PR
企業情報 ブランド情報
◆ 任意開示
経営情報・経営計画
研究開発、設備投資
M&A の方針、 CSR 情報
知的財産情報
◆ 適時開示
決算短信・業績見通しの修正
セグメント情報
定款偏向、買収防衛策
コーポレートガバナンス報告
書
◆ 法定開示
会社法に基づく開示
金融証券取引法に基づく開示
(有価証券報告書など)
コーポレートガバナンス情報
リスク情報、大株主情報
内部統制報告書
80
『情報公開法』 (松井茂記、 1996 )
情報公開の不可欠性を的確に表現した言葉として、
ジャームス・マディソン「人民が情報をもたず、情報
を入手する手段をもたないような人民の政府というの
は、喜劇への序章か悲劇への序章か、あるいはおそら
く双方への序章に過ぎない。知識をもつ者が無知な者
を永久に支配する。そしてみずからの支配者であらん
とする人民は、知識が与える権力でもってみずからを
支配しなければならない」
情報公開法を支える理念として「国民の知る権利」を
挙げる。
「情報公開なくしては、民主主義はありえないのであ
る。」
81
情報公開:
政府の行政情報を、国民・住民に公開すること
政府の行政情報の公開を原則として義務づけ、国民・住民
に情報開示請求権保障する
「したがって、しばしば情報公開制度と混同されているが、情報公開と広報と
は別のものと考えるべきである。広報と言うのは、政府の側で一定の情報を国
民・住民の便宜のために提供するものである。これはあくまで一定の行政目的
のために、政府の立場から情報を選択し、裁量的に提供するものである。
 これに対し情報公開は、国民・住民の側から公開請求があった場合、政府は
一定の例外事由に該当しない限り情報を公開しなければならないとするもので
ある。政府にとって都合が悪いものでも、隠すことは許されない。公開するか
どうかは、政府の裁量の問題ではない。定められた例外事由に該当しない限り
は、公開しなければならないのである。したがって、広報がどんなに充実して
いても、それは情報公開制度の代わりにはなりえないのである。」
82
「戦前の日本では、情報公開という観念自体が成立する余地はな
かった。 というのは、大日本帝国憲法(明治憲法)は、天皇主
権の立場に立脚していた。国民は、天皇の「臣民」ととらえられ
、統治に参加する権利を有していなかった。行政の内部に関する
ことは、天皇および内閣の専属的な事項と考えられ、国民の関与
すべきこととは考えられなかった。」
「日本国憲法は、このような仕組みを大きく変更した。日本国憲
法は国民主権を宣言した。・・・情報公開はこのようにして日本
国憲法によって樹立された民主主義原理にとって、不可欠の制度
であった。」
83
瀬川裕英  2001
『公開性としての公共性』 -情報公開と説明責任の理論的
意義
「公共性を徹底的に「公開性」として捉えるべきである。」
「共同性は二人から、公共性は三人から始まる」
← アレント「公共圏は、行為者や制作者ではなく、批評家や
観察者によって構成される」
公開性の効果
・内部効果(議論のよどみ、偏在する権力を除外)
・外部効果(第三者への影響力、またフィードバック)
「公共的なものだから情報公開するのではなく、情報公開に
よって初めて公共性が生まれたと考えねばならない。」
84
行政機関の保有する情報の公開に関する法律
• 第一条「この法律は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示
を請求する権利につき定めること等により、行政機関の保有する情
報の一層の公開を図り、もって政府の有するその諸活動を国民に説
明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と
批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とす
る。」
• 企業に書き換えれば「憲法の理念にのっとり、企業情報の開示を請
求する権利につき定めること等により、企業の保有する情報の一層
の公開を図り、もって企業の有するその諸活動を市民に説明する責
務が全うされるようにするとともに、市民の的確な理解と批判の下
にある公正な企業経営の推進に資することを目的とする。」
85
• 「さらに情報公開という言葉で企業の営業上の秘密の一般消費者へ
の公開までも含める人もいるが、これも次元の異なる問題と考える
べきである。
   企業と消費者は私的な関係であり、国民・住民と政府の間の関
係とは違う。情報公開制度はあくまで政府の公文書の公開を国民・
住民に保証する制度なのである。もちろん、政府が企業の営業上の
秘密をもっている場合には、その秘密を含む公文書は情報公開制度
の対象となる。したがって、その場合には当然企業の営業上の秘密
も情報公開制度の枠組みの中で公開されるべきかどうかが検討され
なければならない。しかし、国民・住民は、企業に対して営業上の
秘密の公開を求める権利をもっているわけではない。」
  情報公開法第五条 不開示情報
   ・個人情報 ・法人情報 ・国の安全情報 ・公共の安全情報
   ・審議・検討などに関する情報 ・事務・事業に関する情報
86
<パブリック>の原則 
(ジェフ・ジャービス、 2011 )
• 僕らには接続する権利がある
• 僕らには言論の自由がある
• 僕らには集会と行動の自由がある
• プライバシーとは「知る」倫理だ
• パブリックとは「シェアする」倫理だ
• 僕らの組織の情報は「原則公開」、必要に応じて非公開
だ
• パブリックなものとはみんなにとっていいことだ
• すべての情報は平等だ
• インターネットは開かれ、広くいきわたり続けるべきだ
87
「現実に目の前にある公共圏を見てほしい。僕らはこぎれいでも
従順でも高尚でも文学的でもない。
僕たちは数多くの公共の領域に属し、その多様で重層的な声が今
やみんなの耳に届いている。
これまでにサロンや印刷物で語られたより、ずっと多くの声が。
それは不協和音だ。それが自由というものだ。誰にも統制されな
い。
それこそが本質なのだ。僕らはきっと、パブリックの概念の進化
のなかの次の段階にいる。
社会とはただ一つの集合体、つまり均一な大衆だという概念から
抜け出すチャンスは今だ。」
88
C.W. ミルズ『社会学的想像
力』
マス パブリック
意見を聞く側の人々より言う側の
人々のほうが圧倒的に少ない。彼ら
はマスメディアに影響される。
実際に誰でも意見を言ったり聞いた
りできる。
個人がマスに向かって言い返すのは
難しいか、不可能である。
パブリックに公開された意見に、即
座に効率良く返答する機会がある。
意見が実現されるかどうかは、当局
次第である。
意見をすぐに効果的な行動に移すた
めの方法が探し出される。たとえそ
れが既存の権威に反するものであっ
ても。
マスはさまざまな機関から自立でき
ない。
権威をもつ機関はパブリックに浸透
しない。したがって多かれ少なかれ
パブリックは自立している。
89
「プライベートな人生を送る者、つまり奴隷のようにパブ
リックな領域に入ることが許されず、野蛮人のようにそう
した領域を築くことを選ばないものは、全き人間とは言い
難い。」
ハンナ・アレント 人間の条件
「プライバシーという言葉は、ラテン語の『奪われた』と
いう語が起源です。みんながするような仕事に恵まれない
、つまり人間の完全で適切な機能を『奪われた』という意
味でした」
パトリシア・メイヤー・スパックス
『プライバシー―十八世紀の人間を隠す』
( privacy:Concealing the Eighteenth-Century Self )
90
斉藤純一 『公共性』
国家に関する公的な
( official) ものという意味
この意味での「公共性」は、
国家が法や政策などを通じて
国民に対して行う活動を指す
。
公共事業、公共投資、公的資金
、公教育、考案
対比:民間における私人の活動
特定の誰かにではなく、
すべての人々に関係する
共通のもの( common )と
いう意味
この意味での「公共性」は、
共通の利益・財産、共通に妥
当すべき規範、共通の関心事
などを指す。
公共の福祉、公益、公共の秩序
、公共心
対比
私権、私利・私益、私心
誰に対しても開かれてい
る( open )という意味
この意味での「公共性」は、
誰もがアクセスすることを拒
まれない空間や情報などを指
す。
公然、情報公開、公園
対比
秘密、プライバシー
91
「ジャーナリズムやよりアカデミックな言説に近年盛んに登場
する「公共性」あるいはそれに類似する用語、つまり「公共
(的)空間」、「公共(的)領域」、「公共圏」、それに「公
開性」といった言葉は相互にどのように異なるのか、という問
題である。・・・
「公開性」という言葉は論議のプロセスや情報が外部に開かれ
ているという限定した意味合いで用いる。これに当たる英
”語 publicity” はそのまま「パブリシティ」という日本語にもなっ
ているが、それは、「パブリシティを高める」(知名度をあげ
る)というように使用されるマーケティングや広告の戦略用語
でもあり、開かれていることの批判的な含意を重視する本書で
は用いない。」
92
「新聞と政策-新聞学入門-」(ハンス・ A ・ミュンス
ター、 1935 )は、ドイツ新聞学の教科書として随一と当時からされ
ており、「歴史学的文芸学的な新聞学に満足せず、・・・経験的な社
会科学の問題設定と方法論を導入した」(佐藤、 1994 )ものと歴史
的評価も高い。 1940 年には日本においても内閣情報部によって翻訳
され、研究された。
このなかでは、(新聞の)公示性について、「公的に影響を及ぼす、
あるいは公的効果を意図して行われる表示及びその伝達を意味するに
他ならない」としている。ラテン語の Publicus 、 Publice 、またギリ
シャ語の Polotiks に、公示性の語源をさかのぼり、いずれも国民およ
び国家に関する事務を意味していると指摘している。また、「公的に
影響を及ぼす」ことを「政治的意見構成に影響する」と言い換えるこ
ともできるとしている。まとめとして「公示性の学は、人間相互の意
思の疎通及び可能性の大きな領域中からその研究領域として人間の政
治的意見構成及び意見培養に役立つ表示者を取り出すのである。」と
書いている。
93
松井茂記、「情報公開法」、 1996
1989 年 1 月に東京電力福島第 2 原発三号炉で
再循環ポンプの水中軸リングが破損し、
炉内に金属片が流入する事故
• 国内では事故の原因は軸受けリングの溶接不良にあると説明
• ある市民グループがアメリカの情報公開法に基づいて情報公開を求
めたところ、再循環ポンプを設計したアメリカのメーカーが、アメ
リカの原始力規制委員会に提出していた報告の中で、日本で用いら
れている同型同規模の軸受けリングには構造的な問題があると報告
していた。
94
② 広報公共性論の含意
・情報公開という公共性について
・「企業の情報公開法」の可能性
95
③ 広報社会構築主義
96
① 社会科学理論 規範理論
② 実務理論 ③ 常識理論 ④ 批判理論
A. 情報の発信者 機能分析アプローチ
(大衆社会論~)限定効
果説~中庸効果論
補強効果論・現象論的理
論
多元的エリート論
パブリック・リレーショ
ンズ(プロパダンダ)
(ソーシャル)マーケ
ティング理論
開発コミュニケーション
理論
情報補助
大衆社会論
魔法の弾丸理論
マルクス主義的アプロ
ーチ
ⅰ( 政治 ) 経済学理論
ⅱ メディア・ヘゲモニ
ー理論 
ⅲ フランクフルト学派
の批判理論
ⅳ カルチュラル・スタ
ディーズ
B. メディア 技術決定論
記号学的パースペクティ
ブ
議題設定効果
プライミング効果
フレーム理論
ニュース制作研究 社会的責任論 自由主義理論
権威主義理論
思想の市場理論
発展メディア理論
民主的参加理論
C. 情報の受け手 シンボリック相互作用論
現実の社会的構成
能動的オーディエンス理
論
受容分析
情報処理理論
メディア・システム依存
理論
培養分析
メディア・リテラシー
論
自由主義的多元論
ポストモダニズム
..
97
現実はもとからそこにある客観的な存在ではなく
、それはあくまで人間の手によって作り出された
ものである。それは人間が他の人間とともに生み
出す共同的な構成物である。
(バーガー、ルックマン、山口節郎訳『現実の社会的構成』新曜社
、 2003 )
社会構成主義
98
アプローチの仕方
相対的構成主義者の科学観 実証的経験主義者の科学観
・科学は社会的過程であり、文化的・社
会的・政治的・経済的要因を考慮しなけ
れば理解不可能である。
・科学は主観である。
・科学は状況に依拠する。
・真実とは、主観的評価であり、それは
ある理論が問題としている状況の外では
適切には推論することのできないもので
ある。
・変化を受けずに測定されうるものはな
い。
・対象者は能動的であり、研究者の協働
作業者である。
・科学は社会的過程であり、文化的・社
会的・政治的・経済的要因を考慮しなく
ても、理解可能である。
・科学は客観的である。
・科学は外側の世界を支配する普遍的な
法則を発見することができる。
・科学は論理のフォーマルな規則に従う
ので、合理的である。
・測定手続きは測定されるもに影響を及
ぼさない。
・研究者と対象者とは距離をおいており
、対象者は受動的である。
Is Science Marketing?  ( J.Paul Peter  & Jerry C. Olson 、  1983 )
99
社会構成主義
現実は言語に基づくコミュニケーションによっ
て、
社会的に構成される。
言語主義
相互作用主義
反実在論
反普遍主義
過程主義
(社会的構築主義への招待、 V.Burr  、川島書店、 1997 )
100
1. 動物は相互に異なる
2. 人間は相互に異なる
3 . 諸感覚は互いに異なる
4 . 状態に応じて感じ方は異なる
5 . 位置によって事物の見方は異なる
6 . 純粋でない、入り混じった物を知覚している可能
性
7 . 事物の量と構成を性格に把握できない
8 . あらゆるものは相対的である
9 . 頻繁なものと稀なもので感取の仕方が変わる
10 . 生き方、習慣、法律、信条によって物の見方は
異なる
懐疑主義(ピュロン主義)
判断留保、 10 の方式
101
• 具体的事象
 準拠集団、役割、組織、社会問題、子ども、高
齢者、ジェンダー、病気・死、公衆衛生、自我
、信条
• 哲学・思想  ポストモダニズム
102
メディア・リテラシー
•鈴木( 1997 )「市民がメディアを社会的文脈でクリティカルに分析し、評価
し、メディアにアクセスし、多様な形態でコミュニケーションを創りだす力」
•Masterman 1985
「メディア・リテラシーの最終的な目標は、単にクリティカルな分析にあるの
ではなく、メディア社会を生きる人間の主体性の確立にあると
基本的な考え方
「メディアは構成され、コード化された表現である」
「メディアは現実を構成する」
明らかに「現実は社会的に構築される」という社会構築主義に立つものであ
り、、社会構築主義の相対性・反実在性・過程重視の上に、メディア・リテラ
シーもまた立脚するものであるということである。
実務の倫理、メディアの社会的責任等にばかり議論が終始していなかったか
103
8 つのキーコンセプト
・メディアはすべて構成されたものである。
・メディアは現実を構成する。
・オーディアンスがメディアから意味を読み取る。
・メディアは商業的意味をもつ。
・メディアはものの考え方(イデオロギー)と価値観を伝
えている。
・メディアは社会的・政治的意味をもつ。
・メディアの様式と内容は密接に関連している。
・メディアはそれぞれ独自の芸術様式をもっている。
カナダのオンタリオ州の学校教育
104
• メディア・リテラシーの前提にはヘゲモニー理論がある
。
• また、メディア・リテラシーの議論は、カルチャラル・
スタディーズの領域にある。
• 「文化的ヘゲモニー」を通じて支配的イデオロギーを促
進することで思考を形成するとしている。つまりメディ
アとは、被支配階級に対する経済的・政治着て統制を維
持するために、支配階級が社会的・文化的リーダーシッ
プを行使する能力なのである。」
( A. シルバーブラッド、 2001 )
105
メディアを支配体制の産物として、それ自体を強化する
機能をもつものとして捕らえるカルチュアル・スタディ
ーズの立場は、メディアが構成する世界観を次のように
特徴づけている。
・集団の利益よりも自我を優先する世界
・目先の満足の世界
・複雑な問題の単純な解決策を望む世界
・政治システムを機能障害とみるシニカルな世界
・ロマンティックな理想で動いている世界
・消費主義が主要なイデオロギーとなっている世界
・スタイルこそが重要な世界
・民主的というよりもヒエラルキー的な世界
・現状に満足している世界
106
パブリック・リレーションズに対する視線
• 「 PR(Public Relations )」産業の世界的成長。 PR 産業は
1980 年代初頭以来、 4 年ごとに規模が倍増しており、
このことは政府や企業手段による情報管理が増えている
ことを意味している。」
• 「マーケティング・ PR ・スポンサーなどの販促技術や
、現在メディアに浸透して広告と番組の違いを実質的に
時代遅れにしてしまった多くの広告技術に対する、批判
的なアプローチの展開」
マスターマン( 1997 )
107
「ショック・ドクトリン」 ナオミ・クレイン
クレインは CIA のマインド・コントロール
の手法として、人を隔離しあらゆる刺激から
遮断した状態にした後、大きなショックを与
えると、人は容易に意のままに動くようにな
るという方法を挙げた上で、社会においても
ある閉塞感の中にあって例えば 9/11 のよう
な大きな不安が発生した時、為政者にとって
は大きな政策転換を容易に可能とするという
ような事例を多く挙げている。
108
「宣伝は好機に投ずることが必要」、「例えば人心の平静なる時に宣伝してもあ
まり効果がありませんが、動揺し始めたときにこれをやるか、あるいは世論が
不統一であるというような時に始めると、多大の効果を収めることが出来るの
であります。」
「思想戦講習会講義速記」
(情報局極秘資料 昭和 13 年)
清水盛明「戦争と宣伝」
「アジテーションはかくして被広報者の精神的均衡を破壊し、安定感を喪失せ
しめることによって、示唆感応の状態を作り出すところの否定的広報であり、
抵抗力を破壊し、弱め、最後に新たなる広報内容が浸潤する地盤を作り出すこ
とである。」
アジテーションとは「既存の意識内容の錯乱によって、その強度性を弱めるも
のであって、その抵抗力の弱化状態に乗じて、自己の促進的な広報内容を注射
する」こと。
(小山、 1953 )
109
• わずかここ 100 年を辿ってみても、ヒトラー、スターリ
ン、毛沢東など多くの為政者が大量虐殺を行い、ショッ
クを創造し宣伝力を強めてきた。
• 大陸人の危機とは、戦争・ジェノサイド・感染症である。
対して、日本における危機は地震・雷・火事・親父。
(山本七平)
• 現在の日本を形作る最大のショック・ドクトリンは終戦
である。戦後、真実の再構成は文字通り「真実はかう
だ」といってなされた。
• 大震災後のショック・ドクトリンは TPP? 増税?ハシズ
ム?
110
ナラティブ・コンストラクション論
社会構築主義に基礎を置く理論。自我は社会的に構成され、とりわけ
言語によって社会的に構成され、そして自我はナラティブによって構
成されるとする考え方。ナラティブ・セラピーなど人の社会との適応
に応用される。
ガーゲン「ひとは自分を他者に語ることによって自分を知るようにな
り、語りなおすことによって自分を再構成するようになる。ナラティ
ブの変更によって自我の変容がもたらされる」として、ナラティブは
自己の内省を通じて展開され、自らの個人的なコンテクストから社会
的なコンテクストへの移行が、言語を用いた他者との関係を通じて実
現し、より本来的な自己が表現される」
パブリック・リレーションズは、組織体と公共との関係性を考えるも
のであり、例えば危機においてはその緊張関係の緩和を図るものであ
る。社会構築主義を通じた組織体と公共、個人と他者(社会)という
アナロジーの展開。
111
ナラティブ・セラピー
• 伝統的なセラピーがセラピストの優位的な立場を前提
• ナラティブ・セラピーは、セラピストと相談者の立場を対等に置き、治療
は両者の共同実践と考え、相談者自身によるナラティブを通じた治療に主
眼をおいている。
• 震災を癒す対話。デジタル・ストーリー・テリング。物語( Narrative )を
物語ること( Storytelling )の重要性。(清水、 2011 )
• 科学者と一般市民は、そして危機災害時の当事者と部外者は、ナラティブ
による共同実践によって、新たな真実を構築していくのである。
• 実際には、震災以前から、集会、議会、メディア等を通じた複雑で多重的
なコミュニケーションを通じて真実が構成されてきた経緯があり、震災後
も同様に複雑で多重のコミュニケーションを通じて、新たな真実が構成さ
れていく。
112
③ 広報社会構築主義の含意
・情報の受け手に反省はないのか
・再生への道塗は?
113
結びにかえて -幾つかの議論の投げかけ
1.メディア・リレーションズに関する議論: ⇒理論考察の方
向性
2.全体像・マッピング: ⇒分類の妥当性
               ⇒広報=パブリック・リレー
ションズ
              =マス・コミュニケーション=
プロパガンダ
3.広報技術論:  ⇒新古典派パースペクティブへの批評
4.広報公共論:  ⇒情報公開という公共論、企業への適応可
能性
5.社会構築主義: ⇒メディアリテラシー、ショックドクトリ
ン

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