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情報技術を活用した
理想的な公共関係実現に向けた
具体的な提案
鈴木幹久
おおざっぱな前提とする世界
広報・情報発信 広聴・情報収集・調査
1 to N N to 1
おおざっぱな前提とする世界
ネット(ワーク)の世界
N to N (1 to 1)*N
理想的な広報のかたち
(1 to 1)*Nの具体的なかたち
導入状況
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送でもできますか。
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行っておりません。郵送による手続を
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い合わせください。
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ユーザーの入力内容 ボットの回答
防犯灯の電球が切れてい
るので換えて欲しいのです
が。
防犯灯の維持管理は、防犯灯を設置した自治
会・町内会が行っておりますので、会長や組長な
ど、自治会・町内会の役員の方へ報告、相談を
お願いします。
印鑑登録できる印鑑に決
まりがありますか。
印鑑の大きさや長さ(高さ)、材質に制限がありま
す。大量生産されたものでない印(自分専用に
彫った印鑑)に限ります。
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市役所では、郵送による加入手続は行っており
ません。郵送による手続を希望する場合は、年
金事務所へお問い合わせください。
1日に何度も同じ
問い合わせに対応
定型文のやりとりは
ボットが対応
よくある質問は
chatbotが解決
住民票はどこで発行していますか。
電話やメール :
1対1のコミュニケーション
同時対応できない!
チャットボット
非常時対応にも有効
多数同時対応が可能
x
開庁時間のみ
24時間対応
住民満足度向上とコスト削減を両立
背景
ミレニアル世代(1981~1996生まれ)の下
Z世代(1995~2008年生まれ)
• PCを使わない(使えない)、→スマホあるし
• 電話を使わない(気持ちが悪い)、 →LINEでいいじゃん
• タイプしない(できない)、 →音声入力の方が早い
小まとめ
• (1 to 1)*Nが志向されるべき
• 費用はかからない方がよい
• 若年世代は新しいインターフェースでないと対応できない
→情報技術の進展により(自然言語処理、音声入出力)、
小コストでも、 (1 to 1)*Nのコミュニケーションができる
可能性が広がっている。
公共コミュニケーションの可能性が拡がる
今後、どのような分野に行かされるべきか
広報紙
コールセンター
多数の人にとって重要な情報
情報の種類は少ない
少数の人にとって重要な情報
情報の種類は限りなく多い
全体量はイコール
情報技術の魅力
よりそいホットライン
一般社団法人 社会的包摂サポートセンター
24 時間 365 日いつでも、誰でも、どこからで
も、何でも、無料で相談できる電話相談
平成 23 年 10 月に仙台において、 被災 3 県を対象とした何でも電話
相談としてス タートした。当初は、東日本大震災の被害の実態を目
の当たりにした、災害被害を経験した自治体の首長経 験者と全国で
各分野の支援を行ってきた実践者有志による自主事業(厚生労働
省)
• 生活困窮者
• 高齢者
• 外国人
• セクシュアルマイノリティ
• DV・性暴力被害者
• 障がい者
• ホームレス
• 多重債務者
• ひとり親世帯など
電話をかけてくる人
• 38.5 万件(接続完了数)
1日1000件!
• 接続完了率 3.54%(電話がつながる確率)
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• オペレーターは数十人いるが、予算制約あり
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