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mikihisa suzuki
危機とは、短期に早急な対応が求められる場面であるが、政府はこれを誤ることが多い。適切な判断材料に基づいて判断しないことがその原因と考えられる。ここでは、なぜ政府が適切な判断材料に戻づいて判断しないのかを考察する。
価値観の多様性と、それに基づく考察
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mikihisa suzuki
我が国において社会は成熟し、多様性の時代を迎えていくと言われている。多様性とは一般に人種や思想信条の多様性を認め、その多様性が社会の豊かさにつながるとの考え方であり、今日その促進が謳われている。国際的には人種、民族に関わる社会参画が指されている一方、国内では男女の共同参画やLGBTの人権などの意味合いで使われる場面が多い。LGBTを社会的に認める、或いは働き方の多様性を認めるといった具体的な運動の根底にあるものは、人はそれぞれに異なり、それぞれに異なっていることを互いに尊重し合うということであり、つまりはそれぞれの価値観、社会全体としては人々の“価値観の多様性”を認めるということである。 人々の価値観をアンケート調査して測定したものをベースに社会の多様性を算出する方法を提案する。その上で、社会の価値観の多様性について何らかの法則性がないか、メディア接触、国際比較などの観点で探索した結果を報告する。具体的には世界価値観調査の二次分析。
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本来の広報のかたち考える―ジャック・エリュールの広報論を起点にして
本来の広報のかたち考える―ジャック・エリュールの広報論を起点にして
mikihisa suzuki
広報は組織体のマネジメント機能として論じられ、企業のコミュニケーション活動と同義で扱われることも多いが、かつては国家および社会運営の方略そのものであった。社会運営の方略としての広報とは、すなわちいかに社会的意思決定を行っていくのかという問題であり、民主的社会の集合的意思決定の技術としての広報のあり方を問うことになる。民主的な社会の意思決定における市民の直接の関与は、間接民主主義の形態においては選挙が中心となる。選挙のための社会的コミュニケーションとしては、選挙における判断材料となる情報提供が重要と考えられており、現在ではマスメディアがその役割を担っているというのが一般的な理解である。しかし、このマスメディアと選挙を通じた社会的意思決定は、本来的な民主主義と呼べるのだろうか。或いはそもそも、本来的な民主的な社会とはどのような社会だろうか。本稿では、1960年代にこの問いに対峙し思考したジャック・エリュールの広報論1)を手がかりに、新しい広報論を検討する。エリュールの描く民主主義は理想的であり、洞察する広報は現実的でグロテスクでもある。理想はつい見捨てられがちであり、現実はつい目をそむけがちである。本稿では、理想的で本来的な民主的社会のかたちを確認し、それに資する広報を実現する方法を考える。
広報の基礎的命題についての考察
広報の基礎的命題についての考察
mikihisa suzuki
本稿では広報の基礎的命題について検討する。広報の基礎的命題とは、政治学における権力とは何か、経済学における富とは何かに相当するような広報研究における根本問題の特定を試みることである1)。検討にあたっては、まず、佐藤(2000)の指摘する広報研究における「断層」の解決を図る。断層とは第二次世界大戦の敗戦を機に我が国において寸断された、戦前・戦中と戦後の広報研究の非連続性のことである。断層考察の基点として2点、戦争との関連が大きかった国際広報の分野と、戦前の広報研究の中心として小山栄三(1954)の思想を設定する。国際広報に対しては、国際関係論の新しい理論であるコンストラクティビズムからアプローチし、結果として主観主義という世紀的な思想的潮流の有用性を確認する。小山の思想については科学志向と機能主義をその特徴として指摘し、その規範論の欠如に伴う問題点を確認した上で、コンストラクディビズムと同様の主観重視の思想であるプラグマティズムと科学社会論から広報の規範に関わる考察を深め小山の広報論を更新し、市民的公共性と広報の連関を確認する。さらに、主観主義を一層哲学的に深めた議論である実存論から、時間性や創造性に関する広報研究の可能性について言及する。最後に、以上の検討を踏まえて、広報の基礎的命題について一旦の結論を記す。
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パブリック・ディプロマシーの政策評価に基づく重点領域の考察 ― 米中露による対日パブリック・ディプロマシーの検証から
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mikihisa suzuki
第一次世界大戦に始まった近代パブリック・ディプロマシーの歴史は100年を超えるに至った。今日パブリック・ディプロマシーは、第二次世界大戦以来の大きなテーマになっている。日本でも各省庁が対外情報発信戦略に取り組んでいる。興隆するパブリック・ディプロマシーだが、その評価フレームは定まっていない。適切な重点領域を設定し、限られたリソースで最大の成果を上げるために、適切なフレームワークに基づく実証研究と示唆出しが求められている。 パブリック・ディプロマシーの政策運用においては、ニュース戦略などの短期的施策である短期メディアと、製品輸出や交流プログラムなどの長期的施策である短期メディアのどちらを重視するかという判断が求められる。対日パブリック・ディプロマシーにおいても、各国とも短期メディアと長期メディアの両面で施策を展開しているが、そのウェイト付けについては論争がある。本研究では、メディアを短期、中期、長期に分け、パブリック・ディプロマシーの興隆に合わせて発展した国家ブランディング論のフレームワークを用いて構造方程式モデリングを適用し、いずれのメディアのどちらが有効であるかを検証した。 調査結果は、中期メディアの有効性を示唆した。米国のハリウッド映画や野球文化が果たしている日本人の米国への心象は非常に大きく有効であるとの結果である。翻って日本の対外パブリック・ディプロマシーにおいては、経済産業省などが推進するCOOL JAPANなどの日本製品の輸出が、官邸主導で推進されている外国メディアによる日本報道の増大試施策以上に有効との示唆が導き出される。ただし、報道対策によるニュース流通の増大は、長期には遅いメディアに影響を与え、有効性を発揮する。すなわち、ニュース報道などの短期メディア対策にあたっては長期的視点が求められ、製品や文化などの長期メディア対策にあたっては、短期的視点が求められるということになる。
自治体住民意識のブランド理論適用に関する 構造方程式モデルによる検証 ―静岡県と京都府の比較―
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新しい広報論について ―ジャック・エリュール「プロパガンダ」論を起点に
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