高等学校における情報教育の現状
技術士(総合技術監理・情報工学)
中野由章
info@nakano.ac
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自己紹介
 日本IBM大和研究所→三重県立高校→
千里金蘭大学→大阪電気通信大学→
神戸市立科学技術高校教諭兼
大阪電気通信大学客員准教授
 情報処理学会
 情報オリンピック日本委員会
 技術士(総合技術監理・情報工学)
 USJ公認「パークの達人」
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高校の学科数(本科)
 全体
 6800
 普通科
 3833(56.4%)
 総合学科
 355(5.2%)
 工業科
 542(8.0%)
 商業科
 655(9.6%)
 情報科
 29(0.4%)
0% 20% 40% 60% 80% 100%
普通科
総合学科
工業科
商業科
情報科
その他
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高校の生徒数(本科)
 全体
 331万人
 普通科
 240万人(72.4%)
 総合学科
 17万4千人(5.2%)
 工業科
 26万人(7.9%)
 商業科
 20万9千人(6.3%)
 情報科
 3千人(0.1%)
0% 20% 40% 60% 80% 100%
普通科
総合学科
工業科
商業科
情報科
その他
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情報教育の芽生え
昭和45年:高等学校学習指導要領改訂
 工業や商業
 情報に関する科目
 標準的な学科
 情報技術科(工業)
 情報処理科(商業)
工業科(昭和48年度)
情報系科目
 情報技術実習
 プログラミング
 数値計算法
 システム工学
 電子計算機*
 プログラム理論*
 *:「プログラミング」
先修
情報技術科
 電子計算機に関する知
識と技術を習得させ,
電子計算機を利用する
工業生産,電子計算機
の製造などの諸分野に
おいて,情報処理,製
造,管理,運用,保守
などの業務に従事する
技術者を養成する。
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工業科(平成25年度)
情報系科目
 情報技術基礎
 電子情報技術
 プログラミング技術
 ハードウェア技術
 ソフトウェア技術
 コンピュータシステム技術
普通科における情報教育
 昭和60年:情報化社会に対応する初等中等
教育の在り方に関する調査研究協力者会議
第一次審議とりまとめ
 独立した選択科目の設置について検討する必
要
 昭和61年:臨時教育審議会「教育改革に関
する第二次答申」
 情報活用能力の育成が重要
まずは中学校から
 昭和62年:教育課程審議会答申
 情報の理解,選択,処理,創造などに必要な
能力及びコンピュータ等の情報手段を活用す
る能力と態度の育成が図られるよう配慮
 平成元年:学習指導要領改訂
 中学校の技術・家庭科に「情報基礎」新設
 「数学」「理科」などでコンピュータに関す
る内容
情報教育の体系化
 平成8年:21世紀を展望した我が国の教育
のあり方について(中央教育審議会第一次
答申)
 情報教育の体系的な実施
 「影」の部分への対応
 平成9年:情報化の進展に対応した初等中
等教育における情報教育の進展等に関する
調査研究協力者会議第一次報告
 情報活用能力
情報活用能力
 情報活用の実践力
 情報の科学的な理解
 情報社会に参画する態度
中学校平成14年度
高校平成15年度
 中学校「技術・家庭」
 情報とコンピュータ
 すべての生徒に履修させる
 高校「情報」
 新設
 普通教科(現・共通教科)
 必履修
 専門教科
共通教科「情報」
平成15年度〜
 情報A
 情報活用の実践力
 情報B
 情報の科学的な理解
 情報C
 情報社会に参画する態度
平成25年度〜
 社会と情報
 情報社会に参画する態度
 情報の科学
 情報の科学的な理解
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専門教科「情報」
 基礎的科目
 情報産業と社会
 情報の表現と管理
 情報と問題解決
 情報テクノロジー
 総合的科目
 課題研究
 情報システム実習
 情報コンテンツ実習
(平成25年度実施のもの)
 情報システム系科目
 アルゴリズムとプログ
ラム
 ネットワークシステム
 データベース
 情報コンテンツ系科目
 情報メディア
 情報デザイン
 表現メディアの編集と
表現
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学習指導要領のねらい
 生きる力
 確かな学力
 豊かな人間性
 健康と体力
 確かな学力
 知識や技能はもちろんのこと,これに加え
て,学ぶ意欲や自分で課題を見付け,自ら学
び,主体的に判断し,行動し,よりよく問題
解決する資質や能力等まで含めたもの.
PISA
 経済協力開発機構(OECD)による
国際的な生徒の学習到達度調査
 知識や技能を,実生活の様々な場面で直面す
る課題にどの程度活用できるかを評価
 調査分野
 読解力
 数学的リテラシー
 科学的リテラシー
 問題解決能力(2003年)
 ディジタル読解力(2009年)
ディジタル読解力
 ディジタル・テキストの読解力
 ICTリテラシーに関する知識・技能
 ホームページへのアクセス
 ボタンのクリック
 コピー&ペースト
 eメールの送受信
 ウェブの掲示板への書き込み等
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共通教科「情報」目標
情報及び情報技術を活用するための知識と技
能を習得させ,情報に関する科学的な見方や
考え方を養うとともに,社会の中で情報及び
情報技術が果たしている役割や影響を理解さ
せ,社会の情報化の進展に主体的に対応でき
る能力と態度を育てる。
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「社会と情報」目標
情報の特徴と情報化が社会に及ぼす影響を理
解させ,情報機器や情報通信ネットワークな
どを適切に活用して情報を収集,処理,表現
するとともに効果的にコミュニケーションを
行う能力を養い,情報社会に積極的に参画す
る態度を育てる.
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「情報の科学」目標
情報社会を支える情報技術の役割や影響を理
解させるとともに,情報と情報技術を問題の
発見と解決に効果的に活用するための科学的
な考え方を習得させ,情報社会の発展に主体
的に寄与する能力と態度を育てる
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「情報技術基礎」目標
社会における情報化の進展と情報の意義や役
割を理解させるとともに,情報技術に関する
知識と技術を習得させ,工業の各分野におい
て情報及び情報手段を主体的に活用する能力
と態度を育てる
「社会と情報」内容
(1) 情報の活用と表現
ア 情報とメディアの特徴
イ 情報のディジタル化
ウ 情報の表現と伝達
(2) 情報通信ネットワークと
コミュニケーション
ア コミュニケーション手段の
発達
イ 情報通信ネットワークの仕
組み
ウ 情報通信ネットワークの活
用とコミュニケーション
(3) 情報社会の課題と情報モ
ラル
ア 情報化が社会に及ぼす影響
と課題
イ 情報セキュリティの確保
ウ 情報社会における法と個人
の責任
(4) 望ましい情報社会の構築
ア 社会における情報システム
イ 情報システムと人間
ウ 情報社会における問題の解
決
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「情報の科学」内容
(1) コンピュータと情報通信
ネットワーク
ア コンピュータと情報の処理
イ 情報通信ネットワークの仕
組み
ウ 情報システムの働きと提供
するサービス
(2) 問題解決とコンピュータ
の活用
ア 問題解決の基本的な考え方
イ 問題の解決と処理手順の自
動化
ウ モデル化とシミュレーショ
ン
(3) 情報の管理と問題解決
ア 情報通信ネットワークと問
題解決
イ 情報の蓄積・管理とデータ
ベース
ウ 問題解決の評価と改善
(4) 情報技術の進展と情報モ
ラル
ア 社会の情報化と人間
イ 情報社会の安全と情報技術
ウ 情報社会の発展と情報技術
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「情報技術基礎」内容
(1)産業社会と情報技術
ア 情報化の進展と産業社会
イ 情報モラル
ウ 情報のセキュリティ管理
(2)コンピュータの基礎
ア 数の表現と演算
イ 論理回路
ウ コンピュータの動作原理
(3)コンピュータシステム
ア ハードウェアとソフトウェア
イ オペレーティングシステムの
基礎
ウ アプリケーションソフトウェ
アの利用
エ ネットワーク
(4)プログラミングの基礎
ア 流れ図
イ データの演算と入出力
ウ 基本的なプログラミング
(5)コンピュータ制御の基礎
(6)情報技術の活用
ア 情報の収集と活用
イ マルチメディアの活用
中学校(技術・家庭)
技術分野 D 情報に関する技術
(1)情報通信ネットワークと情報モラル
ア コンピュータの構成と基本的な情報処理の仕組み
イ 情報通信ネットワークにおける基本的な情報利用の仕
組み
ウ 著作権や発信した情報に対する責任,情報モラル
エ 情報に関する技術の適切な評価・活用
(2)ディジタル作品の設計・制作
ア メディアの特徴と利用方法,制作品の設計
イ 多様なメディアを複合し,表現や発信
(3)プログラムによる計測・制御
ア コンピュータを利用した計測・制御の基本的な仕組み
イ 情報処理の手順を考え,簡単なプログラムが作成
社会と情報(日文)
1. 情報の活用と表現
 情報とメディアの特徴
 情報の表現と伝達
 情報のディジタル化
2. 情報通信ネットワーク
とコミュニケーション
 コミュニケーションとメ
ディア
 情報通信ネットワークの
活用とコミュニケーショ
ン
 情報通信ネットワークの
しくみ
3. 望ましい情報社会を構
築するために
 情報化が社会に及ぼす影
響と課題
 情報社会における情報シ
ステム
 サイバー犯罪とセキュリ
ティ対策
 よりよい情報社会を目指
して
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情報の科学(日文)
1. コンピュータによる情報の処理と表現
2. ネットワークがつなぐコミュニケーショ
ン
3. 情報システムが支える社会
4. 問題の発見・分析と解決の方法
5. 問題の解決と処理手順の自動化
6. モデル化と問題解決
7. 情報通信ネットワークと問題解決
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「情報」の教員
 15日間の現職教員認定講習で免許を得た教
員が中心
 新規採用
 70近くある都道府県・政令指定都市の教育委
員会のうち,毎年およそ15程度が実施
 1人ないし若干名(大阪府を除く)
 情報以外の免許所有が受験要件になっている
場合が多い
情報の大学入試
 大学入試センター試験「情報関係基礎」
 http://www.dnc.ac.jp/data/
 受験教科として「情報」を選択できる大学
 全国でおよそ20ほど
 情報入試研究会
 http://jnsg.jp
高校の情報科
 情報科でなくてもよいのでは?
 情報活用の実践力
 情報社会に参画する態度
 情報科でなければならない!
 情報の科学的な理解
 「情報の科学的な理解」を中心とするべき
 「情報技術基礎」のバランスの良さ
 「情報技術基礎」をベースに

高等学校における情報教育の現状