課題解説 その7
LTIシステムとz変換
• 復習
• 課題43 連続時間と離散時間のインパルス関数

• 課題44 2次元離散時間信号の因果性
• 課題45 LTIシステムの出力の因果性の証明

• 課題46 IIRフィルタがLTIシステムであることの証明
• 課題47 システム関数の安定性条件
• 課題48 非線形フィルタの周波数特性
LTIシステムの復習1
• 入力x[n]があり何かしらの変換を行って出力された応答をy[n]

としたとき
𝑦 𝑛 = 𝐿[𝑥[𝑛]]
と表す
• この講義ではLは線形時不変システム(LTI)であるとする
• 線形…𝐿 𝑎𝑥1 𝑛 + 𝑏𝑥2 𝑛

= 𝑎𝑦1 𝑛 + 𝑏𝑦2 [𝑛]

• 時不変…y 𝑛 = 𝐿[𝑥[𝑛]] ↔ 𝑦 𝑛 − 𝑘 = 𝐿[𝑥[𝑛 − 𝑘]]

• LTIシステムであることは以下の式が成り立つ(下式の立式に

上二つの式を用いる)
𝑦 𝑛 =

∞
𝑘=−∞

𝑥 𝑘 ℎ[𝑛 − 𝑘]

• hはシステムのインパルス応答である(ℎ 𝑛 = 𝐿[𝛿[𝑛]])
• 要するに入力とシステムのインパルス応答の畳み込みで求まる
LTIシステムの復習2
LTIシステムの種類
• 有限長インパルス応答システム(FIR)

• インパルス応答

単位インパルス𝛿[𝑛]をシステム
に入力した時の応答
ℎ 𝑛 = 𝐿[𝛿[𝑛]]

• インパルス応答の長さが有限
• 𝑦 𝑛 =

𝑀
𝑘=0

𝑥 𝑛 − 𝑘 ℎ[𝑘]

• 無限長インパルス応答システム(IIR)
• インパルス応答の長さが無限
• 通常の畳み込みの計算は無限の総和になるため計算できないが,再帰
的に計算すれば有限の総和で計算可能
𝑀
𝑁
• 𝑦 𝑛 = 𝑘=0 𝑎 𝑘 𝑥 𝑛 − 𝑘 − 𝑘=0 𝑏 𝑘 𝑦 𝑛 − 𝑘
• 例:ℎ 𝑛 = 𝛼 𝑛 𝑢0 [𝑛]の場合(𝑢0 [𝑛]はステップ関数)

𝑦 𝑛 = ∞ 𝛼 𝑘 𝑥 𝑛 − 𝑘 = ∞ 𝛼 𝑘 𝑥 𝑛 − 𝑘 + 𝛼 0 𝑥[𝑛]
𝑘=0
𝑘=1
∞
𝑙+1 𝑥 𝑛 − 𝑙 + 1
=
+ 𝑥[𝑛] (𝑙 = 𝑘 − 1)
𝑙=0 𝛼
= 𝛼 ∞ 𝛼 𝑙 𝑥 (𝑛 − 1) − 𝑙 + 𝑥[𝑛]
𝑙=0
= 𝛼𝑦 𝑛 − 1 + 𝑥[𝑛] と記述できる.一般化すると上式になる
LTIシステムの復習2
LTIシステムの性質と条件
• 因果的なシステム

入力が未来の出力から
決まってしまうとリアルタ
イムの処理を行うことが
できない

• 出力が過去の入力のみから決まる
• ℎ 𝑛 =0

?

𝑛<0
?

不安定なシステムは実
用的ではない

現在

• 安定なシステム
• 入力が有界なら出力も有界
• ∞
𝑛=−∞ ℎ 𝑛 < ∞
z変換の復習
• 定義

𝑋 𝑧 =

∞
𝑛=0

𝑥 𝑛 𝑧 −𝑛

• z変換はラプラス変換の離散化したものである
• 導出はフーリエ→ラプラスの時と同様に離散フーリエから始め

る
• 離散フーリエに1.𝑒 −𝑐𝑛 をかける2.単位ステップ関数をかける3.𝑒 𝑐+𝑗𝜔𝑛 を

zと置く
• このようにzを置くことによって特性がわかりやすくなる

• ディジタルフィルタをz変換して記述するとn時刻分の遅延を

𝑧 −𝑛 で表すことが出来る.
課題43
連続時間インパルス関数の𝛿(𝑡)と離散時間インパル
ス関数𝛿[t]の違いを述べなさい.
課題43
ヒントにあるように…

• 両者の周波数特性を比較してみよう

𝛿(𝑡) ↔ 1

𝛿[𝑡] ↔

∞
𝑛=−∞

-π<Ω<πでずっと
離散値1を出力する

𝛿 𝑛 𝑒 −𝑗nΩ

時間領域

周波数領域
課題44
2次元離散時間信号の処理において,因果的,非因
果的はどのように定義すればよいのだろうか?
つまり,1次元の場合は,時間という全順序が あるが、
2次元(以上)の場合は,順序自身を定義しなければ
ならない.
制御理論も含め,いわゆる信号処理分野では,因果
性を想定した理論が主流であるが,画像処理では,因
果性はほとんど気にされない.
この理由を考察しなさい.
課題44
2次元離散信号の順序関係を定義しよう
• ここでは○は●よりも前と定義

する
• この定義において,因果的と

いうのは●を求めるときに○
のみの情報を用いて決定する
ということである.
実際画像処理においては画素間の因果関係は存在しない
→因果性は気にしなくてもよいので非因果的フィルタが用いられる
課題45
LTIシステムにおいてx[n]が因果的であるならばy[n]も
因果的であることを証明しなさい
課題45
因果的なシステムにおいて以下が成り立つ
ℎ 𝑘 = 0 (𝑘 < 0)
∞
𝑦 𝑛 = ∞
𝑘=−∞ 𝑥 𝑘 ℎ[𝑛 − 𝑘] =
𝑘=0 𝑥 𝑘 ℎ[𝑛 − 𝑘]

さらにx[n]が因果的であるならば𝑥 𝑘 = 0 (𝑘 < 0)を満たす.
以上より𝑦 𝑘 = 0 (𝑘 < 0)となりyは因果的になることが証明さ
れた.
課題46
定係数線形差分方程式がLTIシステムであることを証
明しなさい
課題46
LTIシステムである↔線形性・時不変性を満たす
• 線形性

𝑦1 𝑛 =

𝑀
𝑘=0
𝑀
𝑘=0

𝑎 𝑘 𝑥1 𝑛 − 𝑘 −

𝑁
𝑘=1
𝑁
𝑘=1

𝑏 𝑘 𝑦1 [𝑛 − 𝑘]

𝑦2 𝑛 =
𝑎 𝑘 𝑥2 𝑛 − 𝑘 −
𝑏 𝑘 𝑦2 [𝑛 − 𝑘]
𝑝𝑦1 𝑛 + 𝑞𝑦2 𝑛 =
𝑀
𝑁
𝑘=0 𝑎 𝑘 {𝑝𝑥1 𝑛 − 𝑘 + 𝑞𝑥2 𝑛 − 𝑘 } −
𝑘=1 𝑏 𝑘 {𝑝𝑦1 𝑛 − 𝑘 + 𝑞𝑦2 𝑛 − 𝑘 }
• 時不変性

𝑛 → 𝑛 − 𝑙とすると
𝑀
𝑦 𝑛 − 𝑙 = 𝑘=0 𝑎 𝑘 𝑥 𝑛 − 𝑙 − 𝑘 −

𝑁
𝑘=1

𝑏 𝑘 𝑦 [𝑛 − 𝑙 − 𝑘]
課題47
インパルス応答h[n]が絶対総和可能の時システム関
数の極𝑧 𝑛 がすべてz平面の単位円内に存在することを
証明しなさい
課題47
ℎ[𝑛]が絶対総和可能↔ ∞
𝑛=−∞ ℎ 𝑛 < ∞
極𝑧 𝑛 がすべてz平面の単位円内に存在する↔ 𝛽 𝑛 < 1
伝達関数H[z]が以下の形で表せるとする
𝐻 𝑧 = 𝐶

𝑀 (1−𝛼 𝑧 −1 )
𝑚
𝑚=1
𝑁
−1
𝑛=1(1−𝛽 𝑛 𝑧 )

部分分数分解して
𝐴1
𝐴2
𝐵1
𝐵2
𝐵𝑁
𝐻 𝑧 = 𝐴0 +
+ 2 + ⋯+
+
+ ⋯+
−1
−1
𝑧
𝑧
1 − 𝛽1 𝑧
1 − 𝛽2 𝑧
1 − 𝛽 𝑁 𝑧 −1
これを逆z変換すると
ℎ 𝑛 = 𝐴0 𝛿 𝑛 + 𝐴1 𝛿 𝑛 − 1 + 𝐴2 𝛿 𝑛 − 2 + ⋯ + 𝐵1 𝛽1𝑛 + 𝐵2 𝛽2𝑛 + ⋯
h[n]が絶対総和可能なので|𝛽 𝑛 | < 1よって極は全て単位円内に存在する
課題48
メディアンフィルタやヘッジ保存スムージングといった非
線形フィルタの周波数特性はどうなるか考えてみよう
課題48
そもそも非線形フィルタの場合はLTIシステムの基礎式(畳み込
みの式)を定義できないので伝達関数を定義することができない
MATLAB演習の拡張版で見せたメディアンフィルタは非線形フィ
ルタである
10

34

78

10

34

78

13

99

89

13

36

89

45

36

16

45

36

16

5番目の数値をとる

10,13,16,34,36,45,78,89,99

ディジタル信号処理 課題解説 その7