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Digital Image Processing
Chapter 5 – Image Restoration and Reconstruction-
From “Adaptive Filters” to
“Linear, Position-Invariant Degradations”
北田 俊輔
1
目次
5. 画像の復元と再構築
5.3.3 適応フィルタ (P352)
5.4 周波数領域フィルタによるノイズの低減
5.4.1 バンドリジェクトフィルタ(P357)
5.4.2 バンドパスフィルタ (P358)
5.4.3 ノッチフィルタ (P359)
5.4.4 最適ノッチフィルタ(P360)
5.5 線形ポジションインバリアント劣化 (P365)
2
適応フィルタ
3
適応フィルタ - Adaptive Filters -
• 適応局所ノイズ低減フィルタ
• 適応メディアンフィルタ
𝑚 × 𝑛のフィルタ𝑆 𝑥𝑦
統計的特性を考慮
4
適応局所ノイズ低減フィルタ1
𝑓(𝑥, 𝑦)
元画像𝑓の
点 𝑥, 𝑦 における輝度値
𝑔(𝑥, 𝑦)
ノイズ画像𝑔の
点(𝑥, 𝑦)における輝度値
𝜎 𝜂
2
付加したノイズの分散
𝑚 𝐿
𝑆 𝑥𝑦における
輝度値の局所平均
𝜎𝐿
2 𝑆 𝑥𝑦における
輝度値の局所分散
5
• 各変数の定義
適応局所ノイズ低減フィルタ2
6
• フィルタ 𝑓の仕様について
𝜎𝜂
2
≤ 𝜎𝐿
2
とすると,
(5.3-12)
1. 𝜎𝜂
2 = 0のとき,𝑔(𝑥, 𝑦)の値を返す
2. 𝜎𝐿
2
> 𝜎𝜂
2のとき,𝑔 𝑥, 𝑦 に近い値を返す
3. 𝜎𝐿
2
= 𝜎𝜂
2のとき,𝑆 𝑥𝑦内で算術平均値を返す
1. 付加したノイズの分散が0のとき,𝑔 𝑥, 𝑦 の値を返す
2. 𝑆 𝑥𝑦におけるコントラスト値 > ノイズの分散のとき,𝑔(𝑥, 𝑦)に近い値を返す
3. 𝑆 𝑥𝑦におけるコントラスト値=ノイズの分散のとき,算術平均値を返す
𝑓 𝑥, 𝑦 = 𝑔 𝑥, 𝑦 −
𝜎𝜂
2
𝜎𝐿
2 [𝑔 𝑥, 𝑦 − 𝑚 𝐿]
適応局所ノイズ低減フィルタ3
7
• フィルタリングの問題
𝜎𝜂
2の値が未知である
• 対処方法
• 条件確認を組み込む
• 負数を認める実装
→ 𝜎𝜂
2
> 𝜎𝐿
2
のような状態が発生してしまうかも
→ 非線形になってしまう
→ 輝度情報の損失
適応局所ノイズ低減フィルタ4
8
図5.13(a)
平均0分散1000の
ガウスノイズを
付加した画像
図5.13(b)
7 × 7の算術平均
フィルタリング
図5.13(c)
7 × 7幾何平均
フィルタリング
図5.13(c)
𝜎 𝜂
2
= 1000の適応
フィルタリング
a
c
b
d
適応メディアンフィルタ1
𝑧 𝑚𝑖𝑛 𝑆 𝑥𝑦における最小の輝度値
𝑧 𝑚𝑎𝑥 𝑆 𝑥𝑦における最大の輝度値
𝑧 𝑚𝑒𝑑 𝑆 𝑥𝑦における輝度値の中央値
𝑧 𝑥𝑦 点(𝑥, 𝑦)における輝度値
𝑆 𝑚𝑎𝑥 𝑆 𝑥𝑦の最大サイズ
9
• 各変数の定義
適応メディアンフィルタ2
1 Stage A {
2
3 A1 = zmed-zmin
4 A2 = zmed-zmax
5
6 if A1 > 0 AND A2 < 0
7 go to Stage B
8 else
9 increase the window size
10
11 if window size < Smax
12 repeat Stage A
13 else
14 output zmed
15 }
16 Stage B {
17
18 B1 = zxy - zmin
19 B2 = zxy - zmax
20
21 if B1 > 0 AND B2 < 0
22 output zxy
23 else
24 output zmed
25 }
10
適応メディアンフィルタ3
11
図5.14(a)
ごま塩雑音を
付加した画像
図5.14(b)
7 × 7メディアン
フィルタを施した画像
図5.14(c)
適応メディアン
フィルタを施した画像
周波数領域における
フィルタリングによる
周期性ノイズの低減
12
周波数領域フィルタリング
• 帯域除去フィルタ - Bandreject Filter -
• バンドパスフィルタ - Band pass Filter -
• ノッチフィルタ - Notch Filter –
13
フーリエ変換を行うことで,
輝度を各周波数成分に分けることができる
フィルタリングで特定の周波数を取り出して
実空間の画像に戻す(逆フーリエ変換)ことで
様々な画像処理を施せる
帯域除去フィルタ1
周波数領域内でおおよそ既知であるノイズ成分を
除去するのに適している
14
→ ノイズの周波数成分が既知のとき,その周波数成分を
フィルタを用いて0にすることで,ノイズを除去できる.
帯域除去フィルタ2
15
• 帯域除去フィルタ
理想 𝐻 𝑢, 𝑣 = 0 𝑖𝑓 𝐷0 −
𝑊
2
≤ 𝐷0 +
𝑊
2
1 𝑜𝑡ℎ𝑒𝑟𝑤𝑖𝑠𝑒
バターワース
𝐻 𝑢, 𝑣 =
1
1 +
𝐷𝑊
𝐷2 − 𝐷0
2
2𝑛
ガウシアン
𝐻 𝑢, 𝑣 = 1 − 𝑒−
𝐷2−𝐷0
2
𝐷𝑊
2
帯域除去フィルタ2
16
• インパルスノイズの特徴
𝑣
𝑢
ノイズ成分
• 変換先において互いに鏡像
• sinのフーリエ変換で表しやすい
• 互いに複素共役
帯域除去フィルタ3
17
図5.16(a)
sin波ノイズを
付加させた画像
図5.16(b)
(a)のフーリエ
スペクトル
図5.16(c)
バターワース
帯域除去フィルタ
図5.16(d)
フィルタリング
結果
a
c
b
d
バンドパスフィルタ1
18
• 帯域除去フィルタとの関係
バンドパスフィルタは
帯域除去フィルタと逆の動作をする
バンドパスフィルタ𝐻 𝐵𝑃(𝑢, 𝑣)と帯域除去フィルタ
𝐻 𝐵𝑅(𝑢, 𝑣)は,
の関係がある.
𝐻 𝐵𝑃 𝑢, 𝑣 = 1 − 𝐻 𝐵𝑅(𝑢, 𝑣) (5.4-1)
バンドパスフィルタ2
19
• バンドパスフィルタの性質
• 直接バンドパスフィルタリングは行わない.
• 選択した周波数帯の効果を分離するのに有効
→ 一般的に多くの画像情報を削除してしまう
ノッチフィルタ1
20
• どんなフィルタ?
前もって定義した周波数近傍を除去/通過させる
フィルタである.
例として除去を行うノッチリジェクトフィルタは
と表すことができる.
𝐻 𝑁𝑅 𝑢, 𝑣 =
𝑘=1
𝑄
𝐻 𝑘 𝑢, 𝑣 𝐻−𝑘(𝑢, 𝑣) (4.10-2)
→ ハイパスフィルタを組み合わせたもの.
ノッチフィルタ2
21
図5.18(a)
理想
ノッチフィルタ
図5.18(b)
バターワース
ノッチフィルタ
図5.18(c)
ガウシアン
ノッチフィルタ
cb
a
ノッチフィルタ3
22
• ノッチ パス/リジェクト フィルタの関係
ノッチパスフィルタとノッチリジェクトフィルタの
関係は,
ノッチパスフィルタとノッチリジェクトフィルタは
逆の動作をするフィルタである.
𝐻 𝑁𝑃 𝑢, 𝑣 = 1 − 𝐻 𝑁𝑅(𝑢, 𝑣) (5.4-2)
ノッチフィルタ4
23
図5.19(a)
海岸の衛星写真
図5.19(b)
aのスペクトル
図5.19(c)
bにノッチパス
フィルタを通した
結果
図5.19(d)
空間雑音パターン
図5.19(e)
ノッチリジェクト
フィルタを施した
a
e
b
c
d
最適ノッチフィルタリング1
24
• ノッチフィルタリングの弊害
単一のノイズ成分ならばノッチフィルタを掛ける
ことで軽減することができる.
しかしながら,複数のノイズ成分が存在する場合,
単純にノッチフィルタリングを行ってしまうと,
多くの画像情報を損失させてしまう.
また一般的に,ノイズ成分は単一のものではない.
最適ノッチフィルタリング2
25
図5.20(a)
火星の衛星写真
図5.20(b)
フーリエスペクトラム
最適ノッチフィルタリング3
26
• ノッチフィルタリングを最適化
1. 画像のノイズを分離する
2. 劣化画像からノイズに重み付けしたものを引く
復元画像 = 劣化画像 − 𝕨 × ノイズ
最適ノッチフィルタリング4
27
• 画像のノイズを分離する1
ノッチパスフィルタを用いて,ノイズの成分を
取り出す.
ノイズに関連している成分のみを通過させる場合,
ノイズに対するフーリエ変換は
の式で与えられる.
𝐺(𝑢, 𝑣)はノイズ画像のフーリエ変換である.
𝑁 𝑢, 𝑣 = 𝐻 𝑁𝑃 𝑢, 𝑣 𝐺(𝑢, 𝑣) (5.4-3)
最適ノッチフィルタリング5
28
• 画像のノイズを分離する2
𝐻 𝑁𝑃(𝑢, 𝑣)の形状については一概に決まらないので,
𝐺(𝑢, 𝑣)のスペクトルを観察しつつ,対話的に決定.
𝐻 𝑁𝑃(𝑢, 𝑣)の形状が決定した場合,空間領域内に対応
する式は
となる.
𝜂 𝑥, 𝑦 = ℑ−1 𝐻 𝑁𝑃 𝑢, 𝑣 𝐺 𝑢, 𝑣 (5.4-4)
最適ノッチフィルタリング6
29
• 画像のノイズを分離する3
ノイズ画像𝑔(𝑥, 𝑦)は元画像𝑓(𝑥, 𝑦)にノイズが
付加されたものである.
𝜂(𝑥, 𝑦)が既知なら,𝑔(𝑥, 𝑦)から𝑓(𝑥, 𝑦)を引くことで,
ノイズを除去することができる.
しかしながら,真のパターンの近似値しか得られない.
最適ノッチフィルタリング7
30
• 劣化画像からノイズに重み付けしたものを引く1
𝜂 𝑥, 𝑦 の推定値に存在していない成分の影響を
最小化したい.
代わりに𝑓(𝑥, 𝑦)の推定値 𝑓(𝑥, 𝑦)を得るために,
𝜂(𝑥, 𝑦)の加重部分𝑤(𝑥, 𝑦)を𝜂(𝑥, 𝑦)にかけたものを
𝑔(𝑥, 𝑦)から引くことで最小化できる.
𝑓 𝑥, 𝑦 = 𝑔 𝑥, 𝑦 − 𝑤 𝑥, 𝑦 𝜂(𝑥, 𝑦) (5.4-5)
最適ノッチフィルタリング8
31
• 劣化画像からノイズに重み付けしたものを引く2
推定値 𝑓(𝑥, 𝑦)の分散について,指定範囲の近傍で
最小になるよう,𝑤(𝑥, 𝑦)を決定する.
最適ノッチフィルタリング9
32
• 劣化画像からノイズに重み付けしたものを引く3
- 具体例 -
点(𝑥, 𝑦)において,(2𝑎 + 1)と(2𝑏 + 1)サイズの近傍に
ついて考えてみる.
(2𝑎 + 1)
(2𝑏 + 1)
点(𝑥, 𝑦)
最適ノッチフィルタリング10
33
• 劣化画像からノイズに重み付けしたものを引く4
点(𝑥, 𝑦)における 𝑓 𝑥, 𝑦 の局所分散𝜎2(𝑥, 𝑦)は
で表すことができる.ここで 𝑓 (𝑥, 𝑦)は,
𝜎2
𝑥, 𝑦 =
1
2𝑎 + 1 2𝑏 + 1
𝑠=−𝑎
𝑎
𝑡=−𝑏
𝑏
𝑓 𝑥 + 𝑠, 𝑦 + 𝑡 − 𝑓 𝑥, 𝑦
2
(5.4-6)
𝑓 𝑥, 𝑦 =
1
2𝑎 + 1 2𝑏 + 1
𝑠=−𝑎
𝑎
𝑡=−𝑏
𝑏
𝑓(𝑥 + 𝑠, 𝑦 + 𝑡) (5.4-7)
最適ノッチフィルタリング11
34
• 劣化画像からノイズに重み付けしたものを引く5
(5.4-5)を(5.4-6)に代入すると,
となる.
𝜎2
𝑥, 𝑦 =
1
2𝑎 + 1 2𝑏 + 1
𝑠=−𝑎
𝑎
𝑡=−𝑏
𝑏
{[𝑔(𝑥 + 𝑠, 𝑦 + 𝑡)
−𝑤 𝑥 + 𝑠, 𝑦 + 𝑡 𝜂(𝑥 + 𝑠, 𝑦 + 𝑡)]
− 𝑔 𝑥, 𝑦 − 𝑤 𝑥, 𝑦 𝜂 𝑥, 𝑦 }2
(5.4-8)
最適ノッチフィルタリング12
35
• 劣化画像からノイズに重み付けしたものを引く6
近傍では𝑤 𝑥, 𝑦 が一定だとすると,
−𝑎 ≤ 𝑠 ≤ 𝑎かつ−𝑏 ≤ 𝑡 ≤ 𝑏の範囲で
と近似することができる.また,
である.
𝑤 𝑥 + 𝑠, 𝑦 + 𝑡 = 𝑤(𝑥, 𝑦) (5.4-9)
𝑤 𝑥, 𝑦 𝜂(𝑥, 𝑦) = 𝑤(𝑥, 𝑦) 𝜂(𝑥, 𝑦) (5.4-10)
最適ノッチフィルタリング13
36
• 劣化画像からノイズに重み付けしたものを引く7
近似式(5.4-9),(5.4-10)を利用すると,(5.4-6)は
となる.
𝜎2 𝑥, 𝑦 =
1
2𝑎 + 1 2𝑏 + 1
𝑠=−𝑎
𝑎
𝑡=−𝑏
𝑏
{[𝑔(𝑥 + 𝑠, 𝑦 + 𝑡)
−𝑤 𝑥, 𝑦 𝜂(𝑥 + 𝑠, 𝑦 + 𝑡)]
− 𝑔 𝑥, 𝑦 − 𝑤 𝑥, 𝑦 𝜂 𝑥, 𝑦 }2
(5.4-11)
最適ノッチフィルタリング14
37
• 劣化画像からノイズに重み付けしたものを引く8
この𝜎2(𝑥, 𝑦)を最小化することで,𝑤(𝑥, 𝑦)の解を得る
ことができる.したがって,
を解くことになる.
𝜕𝜎2 𝑥, 𝑦
𝜕𝑤 𝑥, 𝑦
= 0 (5.4-12)
最適ノッチフィルタリング15
38
• 劣化画像からノイズに重み付けしたものを引く9
結果的に,𝑤(𝑥, 𝑦)は
ということになる.
𝑤 𝑥, 𝑦 =
𝑔 𝑥, 𝑦 𝜂(𝑥, 𝑦) − 𝑔(𝑥, 𝑦)𝜂(𝑥, 𝑦)
𝜂2 𝑥, 𝑦 − 𝜂2(𝑥, 𝑦)
(5.4-13)
𝑔 𝑥, 𝑦 𝜂 𝑥, 𝑦 =
1
(2𝑎 + 1)(2𝑏 + 1)
𝑠=−𝑎
𝑎
𝑡=−𝑏
𝑏
𝑔 𝑥 + 𝑠, 𝑦 + 𝑡 𝜂(𝑥 + 𝑠, 𝑦 + 𝑡)
𝜂2(𝑥, 𝑦) =
1
(2𝑎 + 1)(2𝑏 + 1)
𝑠=−𝑎
𝑎
𝑡=−𝑏
𝑏
𝜂2
(𝑥 + 𝑠, 𝑦 + 𝑡)
最適ノッチフィルタリング15
39
• 最適ノッチフィルタリングで画像を復元
1. 𝑤(𝑥, 𝑦)が必要なので,(5.4-13)を計算
2. (5.4-5)を計算して復元画像 𝑓(𝑥, 𝑦)を得る
𝑤 𝑥, 𝑦 =
𝑔 𝑥, 𝑦 𝜂(𝑥, 𝑦) − 𝑔(𝑥, 𝑦)𝜂(𝑥, 𝑦)
𝜂2 𝑥, 𝑦 − 𝜂2(𝑥, 𝑦)
(5.4-13)
𝑓 𝑥, 𝑦 = 𝑔 𝑥, 𝑦 − 𝑤 𝑥, 𝑦 𝜂(𝑥, 𝑦) (5.4-5)
𝜂 𝑥, 𝑦 = ℑ−1 𝐻 𝑁𝑃 𝑢, 𝑣 𝐺 𝑢, 𝑣 (5.4-4)
最適ノッチフィルタリング16
40
図5.21
図5.20(a)のフーリエスペクトラム
(シフト処理をしていない)
図5.20(a)
火星の衛星写真
図5.20(b)
フーリエスペクトラム
最適ノッチフィルタリング17
41
図5.22(a)
𝑁(𝑢, 𝑣)のフーリエスペクトラム
図5.22(b)
𝜂(𝑥, 𝑦)のノイズパターン
最適ノッチフィルタリング18
42
図5.23
最適ノッチフィルタリング
を施した画像
図5.20(a)
火星の衛星写真
線形ポジション・
インバリアント劣化
43
線形ポジション-インバリアント劣化1
• 「ポジション・インバリアント」って?
インパルス応答がポジション(シフト)によらない
44
0 𝑎 0 𝑎
𝑥
𝑥
ℎ(𝑥) ℎ(𝑥 − 𝑎)
ℎ(𝑥) ≠ ℎ(𝑥 − 𝑎)
ポジション・インバリアント ポジション・バリアント
[参考] http://www.cfme.chiba-u.jp/~haneishi/class/5_2syuhasukukan.pdf
線形ポジション-インバリアント劣化2
• 2次元画像の場合の「ポジション・インバリアント」
インパルス応答 = 点光源に対するレンズによる像
(点拡がり関数(Point spread function)とよぶ)
45
ポジション・インバリアント ポジション・バリアント
𝑓 𝑥, 𝑦 = 𝛿(𝑥, 𝑦) g 𝑥, 𝑦 = ℎ(𝑥, 𝑦)
𝑃𝑆𝐹がポジション
によって異なる
[参考] http://www.cfme.chiba-u.jp/~haneishi/class/5_2syuhasukukan.pdf
線形ポジション-インバリアント劣化3
• 線形システムについて
重ねあわせの原理が成り立っている系.
46[参考] http://www.cfme.chiba-u.jp/~haneishi/class/5_2syuhasukukan.pdf
𝑓0
𝑓1
𝑓2 𝑓(𝑥)
𝜏
𝑥
𝑥
𝑥
𝑔(𝑥)
𝐻 𝑓0 𝛿 𝑥 = 𝑓0ℎ 𝑥
𝐻 𝑓1 𝛿 𝑥 − 𝑑 = 𝑓1ℎ 𝑥 − 𝑑
𝐻 𝑓2 𝛿 𝑥 − 2𝑑 = 𝑓2ℎ(𝑥 − 2𝑑)
…
入力画像:
𝑓 𝑥 = 𝑓0 𝛿 𝑥 + 𝑓1 𝛿 𝑥 − 𝑑 + 𝑓2 𝑥 − 2𝑑 + ⋯
出力画像:
𝑔 𝑥 = 𝑓0ℎ 𝑥 + 𝑓1ℎ 𝑥 − 𝑑 + 𝑓2 𝑥 − 2𝑑 + ⋯
𝑔 𝑥 = 𝐻[𝑓(𝑥)]
線形ポジション-インバリアント劣化4
• 線形演算子の性質1
復元段階前の入出力の関係
である.ここで,𝜂 𝑥, 𝑦 = 0で
となるような場合を考える.
47
𝑔 𝑥, 𝑦 = 𝐻 𝑓 𝑥, 𝑦 + 𝜂(𝑥, 𝑦) (5.5-1)
𝑔 𝑥, 𝑦 = 𝐻[𝑓 𝑥, 𝑦 ]
線形ポジション-インバリアント劣化5
• 線形演算子の性質2
𝑎,𝑏がスカラであり,任意の2つの画像
𝑓1 𝑥, 𝑦 ,𝑓2(𝑥, 𝑦)を入力した時,
𝐻が線形であるとすると,
を満たす.
48
𝐻 𝑎𝑓1 𝑥, 𝑦 + 𝑏𝑓2 𝑥, 𝑦
= 𝑎𝐻 𝑓1 𝑥, 𝑦 + 𝑏𝐻[𝑓2(𝑥, 𝑦)]
(5.5-2)
線形ポジション-インバリアント劣化6
• 線形演算子の性質3
𝑎 = 1,𝑏 = 1であるとき,(5.5-2)は,
を満たす.
これは「加法性」と呼ばれている.
2つの入力の和に対する応答が2つの応答の和に等しい
49
𝐻 𝑓1 𝑥, 𝑦 + 𝑓2 𝑥, 𝑦
= 𝐻 𝑓1 𝑥, 𝑦 + 𝐻[𝑓2 𝑥, 𝑦 ]
(5.5-3)
線形ポジション-インバリアント劣化7
• 線形演算子の性質4
𝑓2 𝑥, 𝑦 = 0であるとき,(5.5-2)は,
を満たす.
これは「同次性」と呼ばれている.
任意の入力の定数倍への応答は,
入力に対する応答を定数倍したものに等しい 50
𝐻 𝑎𝑓1 𝑥, 𝑦 = 𝑎𝐻[𝑓1 𝑥, 𝑦 ] (5.5-4)
線形ポジション-インバリアント劣化8
• 線形演算子の性質5
線形演算子は,「加法性」および「同次性」
両方の性質を有している
51
𝐻 𝑓1 𝑥, 𝑦 + 𝑓2 𝑥, 𝑦
= 𝐻 𝑓1 𝑥, 𝑦 + 𝐻[𝑓2 𝑥, 𝑦 ]
(5.5-3)
𝐻 𝑎𝑓1 𝑥, 𝑦 = 𝑎𝐻[𝑓1 𝑥, 𝑦 ] (5.5-4)
線形ポジション-インバリアント劣化8
• 線形ポジションインバリアントシステム1
𝑔 𝑥, 𝑦 = 𝐻[𝑓 𝑥, 𝑦 ]が成り立つ時,
任意の𝑓(𝑥, 𝑦)や𝛼,𝛽において,以下の
が成立する時,ポジションインバリアントである.
52
𝐻 𝑓 𝑥 − 𝛼, 𝑦 − 𝛽 = 𝑔(𝑥 − 𝛼, 𝑦 − 𝛽) (5.5-5)
線形ポジション-インバリアント劣化9
• 線形ポジションインバリアントシステム2
(4.5-3)の定義を利用すると𝑓(𝑥, 𝑦)は,
と表すことができる.
53
𝑓 𝑥, 𝑦 =
−∞
∞
−∞
∞
𝑓 𝛼, 𝛽 𝛿 𝑥 − 𝛼, 𝑦 − 𝛽 𝑑𝛼𝑑𝛽 (5.5-6)
−∞
∞
−∞
∞
𝑓 𝑡, 𝑧 𝛿 𝑡 − 𝑡0, 𝑧 − 𝑧0 𝑑𝑡𝑑𝑧 = 𝑓 𝑡0, 𝑧0 ⋯ (4.5 − 3)
線形ポジション-インバリアント劣化10
• 線形ポジションインバリアントシステム3
𝜂 𝑥, 𝑦 = 0と仮定した場合,(5.5-6)に(5.5-1)を
代入すると,
と表すことができる.
54
𝑔 𝑥, 𝑦 = 𝐻 𝑓 𝑥, 𝑦
= 𝐻
−∞
∞
−∞
∞
𝑓 𝛼, 𝛽 𝛿 𝑥 − 𝛼, 𝑦 − 𝛽 𝑑𝛼𝑑𝛽
(5.5-7)
𝑔 𝑥, 𝑦 = 𝐻 𝑓 𝑥, 𝑦 + 𝜂 𝑥, 𝑦 ⋯ (5.5 − 1) 𝑓 𝑥, 𝑦 =
−∞
∞
−∞
∞
𝑓 𝛼, 𝛽 𝛿 𝑥 − 𝛼, 𝑦 − 𝛽 𝑑𝛼𝑑𝛽 ⋯ (5.5 − 6)
線形ポジション-インバリアント劣化11
• 線形ポジションインバリアントシステム4
𝐻が線形演算子であり,加法性を利用して
展開してみると,
と表すことができる.
55
𝑔 𝑥, 𝑦 =
−∞
∞
−∞
∞
𝐻 𝑓 𝛼, 𝛽 𝛿(𝑥 − 𝛼, 𝑦 − 𝛽) 𝑑𝛼𝑑𝛽 (5.5-8)
線形ポジション-インバリアント劣化12
• 線形ポジションインバリアントシステム5
𝑓(𝛼, 𝛽)が𝑥, 𝑦について独立であり,かつ同次性を
利用すると,
と表すことができる.
56
𝑔 𝑥, 𝑦 =
−∞
∞
−∞
∞
𝑓 𝛼, 𝛽 𝐻 𝛿(𝑥 − 𝛼, 𝑦 − 𝛽) 𝑑𝛼𝑑𝛽 (5.5-9)
線形ポジション-インバリアント劣化13
• 線形ポジションインバリアントシステム6
ここで,
とする.これは𝐻のインパルス応答と呼ばれている.
57
ℎ 𝑥, 𝛼, 𝑦, 𝛽 = 𝐻[𝛿 𝑥 − 𝛼, 𝑦 − 𝛽 ] (5.5-10)
𝑔 𝑥, 𝑦 =
−∞
∞
−∞
∞
𝑓 𝛼, 𝛽 𝐻 𝛿(𝑥 − 𝛼, 𝑦 − 𝛽) 𝑑𝛼𝑑𝛽 ⋯ (5.5 − 9)
線形ポジション-インバリアント劣化14
• 線形ポジションインバリアントシステム7
ここで,
とする.これは𝐻のインパルス応答と呼ばれている.
(5.5-1)で𝜂 𝑥, 𝑦 = 0なら,ℎ(𝑥, 𝛼, 𝑦, 𝛽)は
点(𝑥, 𝑦)における「インパルス応答」である.
58
ℎ 𝑥, 𝛼, 𝑦, 𝛽 = 𝐻[𝛿 𝑥 − 𝛼, 𝑦 − 𝛽 ] (5.5-10)
𝑔 𝑥, 𝑦 = 𝐻 𝑓 𝑥, 𝑦 + 𝜂 𝑥, 𝑦 ⋯ (5.5 − 1)
線形ポジション-インバリアント劣化15
• 線形ポジションインバリアントシステム8
インパルス応答は2次元画像においては点光源となり,
ℎ(𝑥, 𝛼, 𝑦, 𝛽)は一般的に
点拡がり関数( Point spread function )
と呼ばれている.
59ℎ 𝑥, 𝛼, 𝑦, 𝛽 = 𝐻[𝛿 𝑥 − 𝛼, 𝑦 − 𝛽 ] ⋯ (5.5 − 10)
線形ポジション-インバリアント劣化16
• 線形ポジションインバリアントシステム9
(5.5-9)に(5.5-10)を代入することで,
が得られる.これは,第一種重ねあわせ積分
(フレドホルム積分)と呼ばれている.
60
𝑔 𝑥, 𝑦 =
−∞
∞
−∞
∞
𝑓 𝛼, 𝛽 ℎ 𝑥, 𝛼, 𝑦, 𝛽 𝑑𝛼𝑑𝛽 (5.5-11)
𝑔 𝑥, 𝑦 =
−∞
∞
−∞
∞
𝑓 𝛼, 𝛽 𝐻 𝛿(𝑥 − 𝛼, 𝑦 − 𝛽) 𝑑𝛼𝑑𝛽 ⋯ (5.5 − 9) ℎ 𝑥, 𝛼, 𝑦, 𝛽 = 𝐻[𝛿 𝑥 − 𝛼, 𝑦 − 𝛽 ] ⋯ (5.5 − 10)
線形ポジション-インバリアント劣化17
• 線形ポジションインバリアントシステム10
𝐻がポジションインバリアントである場合,
(5.5-5)より,
このとき(5.5-11)は,
61
ℎ 𝑥, 𝛼, 𝑦, 𝛽 = 𝐻 𝛿(𝑥 − 𝛼, 𝑦 − 𝛽) (5.5-10)
𝑔 𝑥, 𝑦 =
−∞
∞
−∞
∞
𝑓 𝛼, 𝛽 𝐻 𝛿(𝑥 − 𝛼, 𝑦 − 𝛽) 𝑑𝛼𝑑𝛽 (5.5-9)
𝐻 𝛿(𝑥 − 𝛼, 𝑦 − 𝛽) = ℎ(𝑥 − 𝛼, 𝑦 − 𝛽) (5.5-12)
𝑔 𝑥, 𝑦 =
−∞
∞
−∞
∞
𝑓 𝛼, 𝛽 ℎ 𝑥 − 𝛼, 𝑦 − 𝛽 𝑑𝛼𝑑𝛽 (5.5-13)
線形ポジション-インバリアント劣化18
• 線形ポジションインバリアントシステム11
画像にノイズが存在するとき,線形劣化モデル
である(5.5-11)は,
と表すことができる.
62
𝑔 𝑥, 𝑦 =
−∞
∞
−∞
∞
𝑓 𝛼, 𝛽 ℎ 𝑥, 𝛼, 𝑦, 𝛽 𝑑𝛼𝑑𝛽 + 𝜂(𝑥, 𝑦) (5.5-14)
𝑔 𝑥, 𝑦 = 𝐻 𝑓 𝑥, 𝑦 + 𝜂(𝑥, 𝑦) ⋯ (5.5 − 1) 𝑔 𝑥, 𝑦 =
−∞
∞
−∞
∞
𝑓 𝛼, 𝛽 ℎ 𝑥, 𝛼, 𝑦, 𝛽 𝑑𝛼𝑑𝛽 ⋯ (5.5 − 11)
線形ポジション-インバリアント劣化19
• 線形ポジションインバリアントシステム12
𝐻がポジションインバリアントであるとき,
(5.5-14)は
と表すことができる.
63
𝑔 𝑥, 𝑦 =
−∞
∞
−∞
∞
𝑓 𝛼, 𝛽 ℎ 𝑥 − 𝛼, 𝑦 − 𝛽 𝑑𝛼𝑑𝛽 + 𝜂(𝑥, 𝑦) (5.5-15)
𝑔 𝑥, 𝑦 =
−∞
∞
−∞
∞
𝑓 𝛼, 𝛽 ℎ 𝑥, 𝛼, 𝑦, 𝛽 𝑑𝛼𝑑𝛽 + 𝜂(𝑥, 𝑦) ⋯ (5.5 − 14)
線形ポジション-インバリアント劣化20
• 線形ポジションインバリアントシステム13
(5.5-14)については,
のように畳み込み演算であることを示す
表記ができる.
64
𝑔 𝑥, 𝑦 = ℎ 𝑥, 𝑦 ★ 𝑓 𝑥, 𝑦 + 𝜂(𝑥, 𝑦) (5.5-16)
𝑔 𝑥, 𝑦 =
−∞
∞
−∞
∞
𝑓 𝛼, 𝛽 ℎ 𝑥, 𝛼, 𝑦, 𝛽 𝑑𝛼𝑑𝛽 + 𝜂(𝑥, 𝑦) (5.5-14)
線形ポジション-インバリアント劣化21
• 線形ポジションインバリアントシステム14
畳み込み理論において,周波数領域で
(5.5-16)を表現すると,
と表すことができる.
65
𝐺 𝑢, 𝑣 = 𝐻 𝑢, 𝑣 𝐹 𝑢, 𝑣 + 𝑁(𝑢, 𝑣) (5.5-17)
𝑔 𝑥, 𝑦 = ℎ 𝑥, 𝑦 ∗ 𝑓 𝑥, 𝑦 + 𝜂(𝑥, 𝑦) ⋯ (5.5 − 16)
線形ポジション-インバリアント劣化22
• 線形ポジションインバリアントシステム15
66
𝐺 𝑢, 𝑣 = 𝐻 𝑢, 𝑣 𝐹 𝑢, 𝑣 + 𝑁(𝑢, 𝑣) (5.5-17)
𝑔 𝑥, 𝑦 = ℎ 𝑥, 𝑦 ★ 𝑓 𝑥, 𝑦 + 𝜂(𝑥, 𝑦) (5.5-16)
実空間
コンボリューション
周波数空間
掛け算
ここまでのまとめ
• 適応フィルタリング
• 適応局所ノイズ低減フィルタ
• 適応メディアンフィルタ
• 周波数フィルタリング
• 帯域除去フィルタ
• バンドパスフィルタ
• ノッチフィルタ
• 最適ノッチフィルタリング
• 線形ポジション・インバリアント
67

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Editor's Notes

  1. 今回のセクションでは,「適応局所ノイズ低減フィルタ」と「適応メディアンフィルタ」の2つのフィルタについて見ていきます.これら2つのフィルタは,画像の中でmxnのウィンドウSxyて定義されるフィルタを動かしながら,統計的な特性に基づいて動作することになります.適応フィルタはこれまで出てきたフィルタリング手法よりもパフォーマンス面で優れていると言われています.
  2. ここで,適応局所ノイズ低減フィルタを定義する際に用いる記号について紹介します.f(x,y)は元画像fの,点(x,y)における値を指しています.g(x,y)はノイズ画像gの,点(x,y)における値を指しています.シグマイータの2乗は付加したノイズの分散を表しています.mLはウィンドウSxyにおける,画素値の局所平均を表しています.シグマLの2乗はウィンドウSxyにおける.画素値の局所分散を表しています.局所分散は今回コントラスト値を用いています.
  3. 適応局所ノイズ低減フィルタの仕様について見ていきます.1 ~, 2 ~, 3 ~.このような条件を満たすように設計をします.ここでわかりにくいので書き下してみると,1 ~, この場合はノイズがほとんどない状態を表しており,ノイズ付加画像の画素値g(x, y)と元画像の画素値f(x,y)が等しい場合です.2 ~, これはノイズの分散よりSxyにおけるコントラスト値がとても大きい場合,輪郭であったりエッジである場合があることが考えられます.3 ~, こういった状態のときは全体的に見られる特徴とウィンドウの範囲が同じような特徴を持っている場合に発生しまして,局所的なノイズは単純な平均化によって除去することができます.これらの条件に基づいて得られるfハットはシグマイータ小なりイコールシグマLの条件下で,このようになります.(1~3を確認する)
  4. ここで適応局所ノイズ低減フィルタの問題点について見ていきたいと思います.5.3-12の式においてシグマイータの2乗が未知の変数となります.これによってシグマイータの2乗小なりイコールシグマLの2乗の前提条件が崩れ,~のような状態が発生してしまう場合があります.このような状態が発生してしまう場合,割合が1にならないため,条件の確認を組み込む形を取らなくてはなりません.しかしながらこの処理を組み込むことはフィルタが非線形のものになることを表しています.次に負数を認めるような実装を行う方法が考えられます.負数が発生した場合に最終的に輝度値をリスケールすることで正の数にしようというものです.しかしながらこれは実際の値とは違うものになってしまうため,情報の損失が発生します.
  5. 前述で議論されていたメディアンフィルタは,インパルスノイズの空間密度が小さい場合,とてもよいパフォーマンスを発揮することがわかりました.このセクションではより高頻度なインパルスノイズについて,適応メディアンフィルタを施してみようというものです.通常のメディアンフィルタと比べ,適応メディアンフィルタはインパルスノイズでない領域に対して,細部の特徴を保存するような性質があります.また適応メディアンフィルタでもウィンドウSxyを用います.ここで各変数の定義を示したいと思います.~~~ これらからわかるように,適応メディアンフィルタはウィンドウ領域の統計的性質に合わせてウインドウサイズを変化させることがわかります.また,フィルタの出力は,ウィンドウSxyの中心,すなわち注目点の輝度値を置き換えるための出力となっています.B1・B2実験でやったようなもの.
  6. 適応メディアンフィルタのアルゴリズムについて見ていきたいと思います.~~~~ このアルゴリズムには3つのポイントが有り,1つ目はインパルスノイズを消すこと,2つ目はインパルスノイズでない他のノイズに対して平滑化を行うこと,3つ目はエッジにあらわれている細線や太線の歪みを減らすことです.
  7. 帯域除去フィルタは,周波数領域内でおおよそきちであるノイズ成分を除去するのに適しています.帯域除去フィルタはここに示すように,理想的な帯域除去フィルタ,バターワース帯域除去フィルタ,ガウシアン帯域除去フィルタをかけます.こういったフィルタは,ノイズの周波数成分が既知のとき,その周波数成分を0にするようなノイズは帯域除去フィルタで除去することができる
  8. 以下に帯域除去フィルタの詳細を示します.(既出なのでさらっと流す)
  9. ここでインパルスノイズの特徴について見ていきます.インパルスノイズはごま塩雑音とも呼ばれていまして,変換元に対して互いに鏡像の関係にあります.またインパルスノイズはsinのフーリエ変換で表すことができ,また互いに複素共役であるといった性質を持っています.
  10. ここで帯域除去フィルタを用いた例を紹介します.図aは様々な周波数のsin波ノイズを付加させた画像になっています.この画像のフーリエスペクトラムは図bとなります.ここでわかるように,ノイズ成分が変換先において近似円上にドットが現れていることがわかります.これらのドットを除去できるよう,バターワースの円対称帯域除去フィルタを適用します.逆フーリエ変換を施すと図dのようにノイズがきれいに除去されていることがわかります.前述したウィンドウを用いて直接空間領域をフィルタリングする手法では改善できないものとなります.
  11. バンドパスフィルタについて見ていきたいと思います.
  12. 次にノッチフィルタについて説明します.ノッチフィルタはりゅうが説明してくれたとおりのものです.
  13. 図5.18に理想的なノッチフィルタ.バターワースノッチフィルタ,ガウシアンフィルタをそれぞれ示しました.フーリエ変換の対称性のために,原点について対称的なペアが現れるようにフィルタを設計します.この場合ペアの数は2つですが,任意のペア数でも動作します.また,ノッチフィルタを適応する領域の形状は矩形や円形など,任意とすることができます.
  14. 具体例を見ていきましょう.図5.19のaはりゅうのスライドでも出てきた海岸の衛星写真です.ノッチフィルタリングを用いることで.画像をボケさせることなくノイズを除去できていることがわかります.図aのノイズパターンから,周波数空間である図bでは垂直軸にそって集中していることが想像できると思います.図bにノッチパスフィルタを施し,逆フーリエ変換すると図dの空間領域におけるノイズパターンが現れることがわかります.このパターンは図aのノイズパターンと密接に対応しています.こうしてノイズを分離し,適切なノッチパスフィルタを設計することで,式5.4-2を用いてノッチリジェクトフィルタを求めることができ,図eのような,きれいにノイズが除去された画像を生成することができます.
  15. 前述したノッチフィルタリングではノイズが乗った画像に対しても効果的にノイズを除去することができましたが,弊害もあります.
  16. この図5.20では,宇宙船から撮影した火星の衛星写真とそのフーリエスペクトラムを示しています.図aのノイズは先程の海岸画像のノイズと似ているように見えますが,スペクトラムを見てみると,さまざまなノイズ成分が現れていることがわかります.
  17. 複数のノイズ成分が存在する場合,単純にノッチフィルタリングをかけてしまうと,輝度情報が失われてしまう場合があります.ここではノッチフィルタリングを最適化する方法を考えていきたいと思います.まず1つめのステップとしてノイズパターンの主な周波数成分を分離するものです.2つめのステップは,劣化画像からノイズに重み付けしたものを引いてあげる,というものです.詳しく見ていきましょう.
  18. まずステップ1の画像のノイズを分離する作業です.ここではノッチパスフィルタを用いてノイズの成分を取り出します.
  19. ここで登場するwというのは重み付け関数や変調関数と言った名前で呼ばれていて,このwを最適化することにより,ノイズをきれいに除去できるようにします.
  20. 点(x, y)におけるfハット(x,y)の局所分散シグマ2乗は5.4-6の式で表すことができます.ここでfハットバー(x,y)はfハット(x,y)の平均値を表しています.
  21. ここから前述してきた最適ノッチフィルタリングの手法を適応させた例を示していきたいと思います.図5.20aのフーリエスペクトラムをシフト処理していないものとして図5.21を示します.
  22. 図5.22aはN(u,v)のフーリエスペクトラムです.ノイズ成分が現れていることがわかります.N(u,v)に逆フーリエ変換を施したものが図5.22bですが.これはノイズ画像にあらわれているノイズパターンが現れていることがわかります.
  23. ノイズが乗っていた画像に対して,最適ノッチフィルタリングを適応することで,ノイズが除去されたきれいな画像になっていることがわかります.
  24. 入力f(x)に対して,g(x)を出力するシステムをg(x)=H[f(x)]とする
  25. 加法性を利用すると積分記号は外に出すことができます.