2020/09/18 岡山県「新たな発見いっぱいの公共交通データ利活用セミナー」

1. 岡山県 公共交通データ利活用セミナー（2020.09.18）
総務省地域情報化アドバイザー
岐阜県中津川市定住推進課 柘植 良吾
自治体職員による
GTFSデータ整備と効果
～定住を推進するために公共交通にできること～

2. 自己紹介
• 中津川市定住推進部定住推進課
柘植 良吾（1978年生まれ）
r-tsuge@city.nakatsugawa.lg.jp
• 最近の主な担当業務
 IT化推進室（2009.04～2012.03）
✓ 庁内事務のIT化
 広報広聴課（2012.04～2015.03）
✓ 広報紙、HP、報道対応
 定住推進課（2015.04～）←Now!
✓ 公共交通

3. • 岐阜県南東部
✓ 名古屋から約1時間半
• 国調人口→78,883人
✓ 高齢化率 31.7%
• 面積→676.45㎢
✓ 琵琶湖より大きい
• リニア中央新幹線
✓ 2027年？開業
✓ 岐阜県駅、車両基地
岐阜県駅ができるJR美乃坂本駅周辺
中津川市はこんなところ

4. 地域公共交通網形成計画は職員自
ら作成。交通の計画としては異色
の方針を掲げる
中津川市はこんなところ
中津川市地域公共交通網
形成計画策定（2018.03）
✓ 今ある公共交通網を維持
していこう
✓ 定住推進のために
公共交通にできることは？
“定住推進課”所管の
特長を活かした施策設定

5. 経路検索の充実
取り組みのきっかけ

6. 中山道の石畳
取り組みのきっかけ
坂の宿場町
中津川市の観光地 中山道・馬籠宿
✓ 日本の原風景を感じることができる

7. 欧米からの来訪者が多いのが特徴
Q:国籍は？
3日間合計8便でアンケートを実施
（N=117）
◆北恵那バス馬籠線利用者アンケート
取り組みのきっかけ
欧州
33%
豪州
17%
北米
15%
日本
24%
その他地域
11%

8. 取り組みのきっかけ
以前は、中津川駅から馬籠宿への行き方を
インターネットで検索すると・・・
経路が見つかりません
徒歩で1時間58分…

9. 取り組みのきっかけ
バスが走っているのに検索されない
走っていないのと同じ！
✓ 移動手段の選択肢にならない！
✓ 利用機会を失う一因に！
✓ 観光地がなかったことに！
✓ 多言語での案内の充実が急務！
田舎の割には走っている

10. 自治体における
標準的なバス情報フォーマットの整備

11. 北恵那バス
✓ バス停数：198か所
✓ 路線数：15路線27系統
中津川市が取り組んだGTFS-JP整備
「その筋屋」で整備、Google公開、オープンデータ化
標準的なバス情報フォーマットの整備
市コミュニティバス
✓ バス停数：373か所
✓ 路線数：21路線（9地区）
「見える化共通
入力フォーマット」へ移行
「その筋屋」のデータを
バス会社へ移管
自治体バス会社
2018.01～07
2019.01 2020.04

12. 見える化共通入力フォーマットとは？
✓ GTFS-JPへの変換が簡単
✓ EXCELファイルなので、特別なソフトは不要
✓ 自治体職員でも理解しやすい様式
標準的なバス情報フォーマットの整備
停留所入力シート 時刻表入力シート

13. 今ある時刻表からコピペでＯＫ
標準的なバス情報フォーマットの整備
華麗にコピー＆ペースト

14. その筋屋 → 業務用、バス事業者向け
標準的なバス情報フォーマットの整備
見える化 → GTFS出力用、自治体向け
各種帳票の出力など運行計画を策定
既にある時刻表から そのまま入力
白紙の時刻表から
時刻表

15. JR→
北恵那バス→
名古屋鉄道→
中部国際空港→馬籠宿の検索結果
✓ 多言語対応もできました！
標準的なバス情報フォーマットの整備
スマホで検索できます！

16. 去年の夏の馬籠行き北恵那バスのようす
✓ 相変わらず外国人観光客でいっぱい
✓ コロナ禍の現在は・・・。
日本人の乗客は５人くらいでした
標準的なバス情報フォーマットの整備

17. Google経路検索をしていた！
のぞき見ゴメンナサイ！
標準的なバス情報フォーマットの整備

18. Google経路検索で馬籠行きのバスを知る
Q:馬籠行きのバスをどのように知りましたか？（複数回答有）
◆北恵那バス馬籠線利用者アンケート
標準的なバス情報フォーマットの整備

19. 自治体職員が
データを内製して感じたこと

20. • すべての公共交通が経路検索できる
＝公共交通網
• 広域的な対応が必要
データ整備の課題①
①自分の街の取り組みだけではダメ
✓ 人の移動に境界は関係なし

21. データ整備の課題①
中津川市周辺が経路検索できるように
✓ 市コミュニティバス（中津川市内）
✓ 北恵那バス（中津川市内）
✓ 濃飛バス（中津川市⇔下呂市）
✓ 東鉄バス（中津川市⇔恵那市）
✓ おんたけ交通（中津川市⇔南木曽町）
長野県南木曽町
下呂市
中津川市
データ整備に全面協力！
恵那市

22. ②データ更新を継続できる？
✓ 時刻やルートが変わったら自分で
メンテナンスできる？
✓ 人事異動で担当が変わったら…
データ整備の課題②
更新されないまま放置され、
迷惑を受けるのは利用者！

23. データ整備の課題②
データ整備を支援する仕組みが必要
✓ 岐阜県へ提案し、支援する体制を構築
GTFS-JP作成マニュアルを整備
担当者向けデータ整備勉強会を開催

24. ③GTFS-JP整備→経路検索ができて満足？
データ整備の課題③
乗り継ぎ案内チラシ
ツールのひとつとして
有効活用
✓ 現地の案内は十分？
✓ デジタル・アナログを問わ
ず提供していくことが大切

25. 公共交通
オープンデータの活用

26. 経路検索に載せるだけなら
データを作る（余分な?!）仕事が増えるだけ
“経路検索に載せる”業務が発生！
✓ ただでさえ色んな業務があるのに…
公共交通オープンデータの活用

27. データを作るのが仕事
データを活かす仕事につなげたい
公共交通オープンデータの活用
“経路検索に載せる”業務が発生！
✓ ただでさえ色んな業務があるのに…

28. クリスマスバスの事例
公共交通オープンデータの活用

29. 公共交通オープンデータの活用
クリスバスバスのバスロケーションサービス

30. 公共交通の魅力を引き出す
✓クリスマスバス：イベント性のある取り組み
✓バスロケ ：情報発信手段
公共交通オープンデータの活用
移動手段ではない「愉しみの公共交通」に

31. 公共交通オープンデータ
最先端田舎への挑戦！

32. リアルタイム経路検索（GTFS−RT）
遅延表示 アラート
公共交通オープンデータ最先端田舎への挑戦！ 利便性向上

33. バス発車時刻をわかりやすく案内
中津川駅前バス待合所
公共交通オープンデータ最先端田舎への挑戦！ 利便性向上

34. デジタルサイネージ「その看板」
オープンデータ
（GTFS-JP）
インターネット経由
時刻表は自動で差し替え
公共交通オープンデータ最先端田舎への挑戦！ 利便性向上

35. 運行計画を策定すれば自動的にGTFS生成
✓ データを作る目的でデータを作成しない
Before
「紙と鉛筆」
職人技のダイヤ編成
After
その筋屋導入
公共交通オープンデータ最先端田舎への挑戦！ 業務効率化

36. 運行実績のデータ化・見える化
✓ 定時性を向上するためのダイヤ編成に生かす
出典：太田恒平氏「ここまできた！標準的なバス情報フォーマット（GTFS-JP）」
公共交通オープンデータ最先端田舎への挑戦！ 業務効率化

37. 私たちが目指すこと

38. データ整備から始まる「地方バスの活性化」
✓ ワンソース・マルチユース
私たちが目指すこと

39. 私たちが目指すこと
バス利用者
情報伝達・露出機会増加
公共交通の認知度向上
公共交通の利便性向上
GTFS-JP整備・オープンデータ化は手段
✓ データ活用で付加価値を生み出す
住民・観光客の
乗車機会増加に貢献
１
２
３
わかりやすく使いやすい

40. 私たちが目指すこと
バス事業者＆担当者
運行のデータ化・見える化
ICT化で労力の軽減
業務効率化と改善
GTFS-JP整備・オープンデータ化は手段
✓ データ活用で付加価値を生み出す
“人にしかできない仕事”に
注力できる環境を創出
１
２
３
紙地獄からの脱却

41. 私たちが目指すこと
なんのためにデータ整備・オープンデータ化するの？
バス利用者 バス事業者＆担当者
地域公共交通網を守ることにつながる
“人にしかできない仕事”に
注力できる環境を創出
住民・観光客の
乗車機会増加に貢献

42. 中津川市を
公共交通で安心して移動できる街に
私たちが目指すこと
そして・・・

43. いつまでも
定住できる街に！
住みたくなる街に！
私たちが目指すこと