“そもそも”からはじめる
広報 PR 入門
中田 一会(きてん企画室 代表/プランナー)
2024.02.27
突然ですが
悩んでませんか?
イベント用に
チラシつくったけど
成果がでないなあ…
やっぱりSNS ?
いまどき動画?
うーん…
そもそも…
つ
情報は足りて
ますか?
ん?
つ
ちゃんと
配ってますか?
んん?
つ
チラシで
あってます?
んんん?
つ
つ
成果とは何?
そもそも目的は?
え、そこから?
つ
つ
“そもそも”から
見直しませんか !?
“そもそも”からはじめる
広報 PR 入門
中田 一会(きてん企画室 代表/プランナー)
2024.02.27
改めて自己紹介
広報PR
メディア
編集
ふたつの立場で働いてきました
自社メディアの編集・運営
広報
PR
東京アートポイント計画 メールマガジン
外部メディアへの発信・対応
広報
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デジタルものづくりカフェの取材風景
CC by FabCafe Tokyo
広報イベントの企画運営
広報
PR
東京アートポイント計画 Artpoint Meeting (発信イベント)
提供:アーツカウンシル東京/撮影:高岡弘
広報ツールの企画編集・発行
広報
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季刊LOFRWORK
CC by loftwork Inc.
スタッフの登壇・執筆サポート
広報
PR
東京アートポイント計画 Artpoint Meeting (発信イベント)
提供:アーツカウンシル東京/撮影:高岡弘
広報戦略の立案・実施
広報
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東京アートポイント計画 広報施策関係図(2016年)
広報戦略の立案・実施
広報
PR
東京アートポイント計画 広報戦略 実施資料(2016年)
マガジンハウス〈こここ〉
メディア
編集
マガジンハウス〈こここ〉
メディア
編集
マガジンハウス〈こここ〉
メディア
編集
年間約240本の記事を掲載
メディア
編集
広報
PR
メディア
編集
ふたつの立場で見えてきた
広報PRのポイントをお伝えします
つながってます
本日の流れ
1|基本編(そもそも広報って?)
2|実践編(メディア対応って?)
3|質疑応答+ディスカッション
1|基本編
広報はキャッチボール
えいっ
そもそも…
広報ってなんだ!?
広報【こうほう】Public Relations
“パブリックリレーションズ(広報/PR)
とは、企業、行政、学校、NPOなど
あらゆる組織体が、それを取り巻く多様
な人々との間に継続的な“信頼関係”を
築いていくための思考・行動である。”
(日本パブリックリレーションズ協会)
混同されがちだけど……
広報PRは、
広告・宣伝※とは違う。
※メディアの広告枠を購入する等、有償の情報発信
?
インターネット普及以前
知ってほしい! が、しかし、
直接届けるのは難しい…
▶外部メディア中心の広報活動
さまざまな
テーマ・読者を
抱えるメディア
▶外部メディア中心の広報活動
プレスリリース
記者会見
プレスツアー等
▶自社メディアも含めた広報活動
インターネット普及以降
直接コミュニケーション
できるようになった!
色々できるようにはなった!
でも一体なにからどうしたら……!?
つ
つ
つ
ムズカシー…
誰にでも発信の
チャンスが生まれた!
だからこそ難しい
少しシンプルに
考えてみましょう
たとえるなら…
“キャッチボール”
発信する人と、受け取る人のキャッチボール
(事業者・団体など) (顧客・観客など)
何よりも、狙って投げることが大事
何を?
誰に?
どうやって?
何よりも、狙って投げることが大事
誰に?
どうやって?
どこで?
いつ?
何を?
何回?
予算は?
誰から?
なぜ?
これらすべてを計画・実行すること=広報
コツは相手をよく見てボールを投げること
初級者? 上級者?
こっち⾒てる?
どの球がいい?
何が好き?
声かける?
忙しい? 暇そう?
距離は遠い? 近い?
受け取ってくれる?
⼤きな球でも
いけそう?
うーん
そして受け取ることも含めて
「広報活動」だと理解しておくこと
リアクション、感想、
要望、応援、共感、
クレーム…etc.
キャッチ
ボールだしね
と、いうようなことを
“キャッチボールシート”で
考えてみる
たとえば冒頭のチラシの話…
うーん…
??? とりあえず
チラシ?
たくさんの人?
……集客?
??? とりあえず
チラシ?
たくさんの人?
……集客?
設計がぼんやりしているとモヤモヤする!
地域とのつなが
りを活かし、商
店街イベントや
地域のお祭りと
連動したアート
ワークショップ
地域とのつなが
りを活かし、商
店街イベントや
地域のお祭りと
連動したアート
ワークショップ
優先順位
1. 市内の小学
生と保護者
2. 隣町含めた
親子世帯
3. アート
関係者
地域とのつなが
りを活かし、商
店街イベントや
地域のお祭りと
連動したアート
ワークショップ
優先順位
1. 市内の小学
生と保護者
2. 隣町含めた
親子世帯
3. アート
関係者
参加者事前登録100名
地域とのつなが
りを活かし、商
店街イベントや
地域のお祭りと
連動したアート
ワークショップ
親子イベントだと
一目でわかるチラシ
を、小学校、商店
街、公民館、駅など
で5000枚配布
優先順位
1. 市内の小学
生と保護者
2. 隣町含めた
親子世帯
3. アート
関係者
参加者事前登録100名
地域とのつなが
りを活かし、商
店街イベントや
地域のお祭りと
連動したアート
ワークショップ
親子イベントだと
一目でわかるチラシ
を、小学校、商店
街、公民館、駅など
で5000枚配布
優先順位
1. 市内の小学
生と保護者
2. 隣町含めた
親子世帯
3. アート
関係者
参加者事前登録100名
設計ができていれば改善もしやすい!
なおかつ
ウェブサイト チラシ トークイベント ツアーイベン
ト 体験会 試⾷会 試演会 説明会 クラウドファンディ
ング ファンクラブ 互助会 相談会 資料公開 登壇 回
覧板 掲⽰板 折込 広報誌インタビュー 座談会 デザ
インリニューアル 記者発表会 プレスリリース 展⽰
会 出店 出展 出張講座 スポークスマン オープンスタ
ジオ ワークショップ テレビ番組 ラジオ ポッドキャ
スト 雑誌 新聞 ネットメディア インフルエンサー ク
チコミ アワード 公募 投票 note X Instagram
facebook TikTok Youtube LINE ショート動画 コ
目的も手段もひとつじゃない!
と、いうことは
施策の数だけ、キャッチボールがある!
大変そう?
身近な例を
“逆算”してみるのもおすすめ
ここで質問です
この講座の情報に
どうやって
たどり着きましたか?
たとえば……
□ 定期的にアートノトの
ウェブサイトをチェックしてる
□ たまたまアーツカウンシル東京の
ウェブサイトでみつけた
□ 検索でたまたまたどり着いた
□ SNSでシェアされているのを見た
□ SNS広告にでてきて気になった
□ メールニュースで送られてきた
□ 美術館のチラシラックで
チラシを手にとった
□ 仕事相手に薦められた
実際に展開した施策
(オノコロさんに聞きました)
【広報】
チラシ
・配架・配布依頼:173件 3885枚
・折込委託(舞台芸術の公演):7000枚
・手配り、他:1500枚
メール
・情報拡散協力依頼:全69団体
・情報告知:企画者個人から約200通
ウェブ/SNSでの広報展開
・主催団体、運営団体、関係者アカウント
【広告】
・SNS動画広告:1本(1週間)
広報対象はアートマネジ
メントに関わる人
講座参加を促すことは
もちろん、アーカイブ
動画視聴や事業そのもの
の周知も狙ってます!
目的&手段
【事前申し込み数】
350名(2024/2/26時点)
※講座4回目(広報PR入門)のみの人数
※参加以外の事業周知の成果はPV数や
今後のアーカイブ視聴者数などでも計測可能
【流入経路】
1. アーツカウンシル東京 ウェブサイト
2. チラシ
3. 知人からの紹介
4. アーツカウンシル東京 メールニュース
5. アーツカウンシル東京 SNS
6. アートノトウェブサイト
7. その他ウェブメディアやイベント…
20〜40代の文化関係者が
主に参加されている
講座単体で成果を測るの
は難しいけど、まずまず
狙いどおりでは!?
成果
目的に合わせ、相手をよく見て、
いろいろなボールを、狙って投げる!
ここまでのまとめ
1、広報はキャッチボール
2、相手をよく見て投げる
3、目的・狙いを整理して実施
4、ちがったら修正する
5、常に“そもそも”に立ち戻る
(いったん対談へ)
2|実践編
相手を見てボールを投げる
メディアアプローチ
※あくまでひとつの
手段ですが
相手をよく見た結果、外部メディアに
取り上げてもらおうと考えたら…
うむ
“メディアアプローチ”を通じて
“パブリシティー”を狙います
何それ…
つ
パブリシティー【Publicity】
“企業や団体が、新聞、雑誌、テレビ、
ラジオなど各種の媒体(客観的な報道機
関)に対して、その意図している方針、
商品の特質などの情報を主体的に提供す
ることにより、対象媒体の積極的な関心
と理解のもとに、広く一般に報道しても
らう方法、およびその技術。”
(広報・マスコミハンドブック PR手帳2020年度版)
つまり……
外部メディアに
みずからアプローチして
広告ではなく
自主的に掲載してもらう
プレスリリース
記者会見
プレスツアー等
一般的なプロセス
計画
立案
いつ・何を・どこに
アプローチする?
素材
準備
リリース作成
キット作成
配信
連絡
メディア
リスト
取材
掲載
取材調整
記事確認
※とても簡略化しています
メリット/デメリット
いいところ
第三者の視点で
伝えてもらえる
読者・視聴者に
広く伝わる
広告費なし
※もちろん時と場合とメディアによって事情は変わります※
悩ましいところ
準備や調整が大変
必ず掲載される
とは限らない
内容の決定は
メディア側
という前提を
踏まえた上で…
3つのポイントに
絞って考えます
計画
立案
いつ・何を・どこに
アプローチする?
素材
準備
リリース作成
キット作成
配信
連絡
メディア
リスト
取材
掲載
取材調整
記事確認
【ポイント1】
メディア(相手)を
よく調べ、知った上で
アプローチしましょう
ふむふむ
メディアといってもいろいろ
新聞
ラジオ
テレビ
雑誌
ウェブ
メディア
調べるポイントの例
□ メディアのテーマ(専門性)はあってる?
□ 掲載されそうなコーナーはある?
□ どんな読者・視聴者がいそう?
□ 更新頻度はどのぐらい?
□ 類似情報は掲載されている?
□ 記事の雰囲気は好ましい?
調べるポイントの例
□ メディアのテーマ(専門性)はあってる?
→ 生活情報、アート、地域など色々ある
□ 掲載されそうなコーナーはある?
→ コーナーがないと載ることは難しい
□ どんな読者・視聴者がいそう?
→ 「媒体資料」などで公開されていることも
□ 更新頻度はどのぐらい?
→ 掲載可能性と情報を渡すタイミングが見える
□ 類似情報は掲載されている?
→ 似た企画があれば扱ってもらえるかも?
□ 記事の雰囲気は好ましい?
→ 記事のトーンや切り口にも相性があります!
相性のよさそうなメディアは
連絡先を調べてリストへ!
(そう、地道なんです)
ちなみに〈こここ〉でいえば…
「menu」や
「フッター(ページ下部)」に
連絡先があります!
多くのメディアが公開しています
話は戻って
ここでも大事なのは
相手の気持ち
(メディアは、行動原理と編集方針)
ここでもキャッチボールをしているのです
(あなた) (メディア)
メディアの気持ち(例)
(メディア)
読者が喜ぶ
いい情報を
届けたい!
体制と予算
には限界が
ある…
とにかく
早めに
ほしい…
※もちろん時と場合とメディアによって変わります※
それを知るためのリサーチ!
(あと日頃から気になった記事を
クリップしておくとGood!)
【ポイント2】
しっかり準備をして
塩梅よく情報を
提供してみよう!
ふむふむ
計画
立案
いつ・何を・どこに
アプローチする?
素材
準備
リリース作成
キット作成
配信
連絡
メディア
リスト
取材
掲載
取材調整
記事確認
準備の基本はプレスリリースとプレスキット
だから何それ…
つ
プレスリリース
プレス(メディア)向けに伝えたい情報
をまとめた文書のこと。企画の背景、ポ
イント、5W1H、関連画像、連絡先など
の情報がまとまっていて、そのまま記事
にできるぐらいの情報が良い。誇張や虚
偽は絶対NG、関係先にも必ず確認を!
PDFやウェブページなど形式はいろいろ
(中田によるざっくり解説。詳しくは各種書籍で)
プレスキット(メディアキット)
メディア向けに事業や企画の情報をまと
めたセットのこと。印刷物+ファイルで
しっかり用意する団体もあるが、イベン
ト画像やロゴデータなど、メディアが使
えるセットを用意しておければOK。画
像は高解像度で用意を。置き場所として
クラウドサービスを使うことが多い。
(中田によるざっくり解説)
プレスリリース プレスキット
※渡し方はいろいろ! 伝わりやすければOK※
チェックリスト
□ 情報の確認はとれている?
□ 初見の人が読んで意味がわかる?
□ 5W1Hで抜けはない?
□ 新規性、特異性、社会性などの
メディアが取り上げやすいポイントはある?
□ そのポイントはタイトルに入っている?
□ 虚偽・誇張はない?(例:世界一、業界初…)
□ 会期までに時間はある?
これらが整ったら配信です!
(配信サービス+直接連絡がおすすめ)
【ポイント3】
メディア運営者の
本音を想定しておく
参考まで
メディア運営をやってみてわかったこと
こんな問い合わせは嬉しい!
● 媒体の特色を理解したご連絡
● 早めに情報をいただける
● 画像素材や関連企画が豊富
● 実践・実績がわかりやすい
● 継続的に連絡をいただける
● SNSやブログなど情報が豊富
アリガトー!
こんな問い合わせがちょっと難しい…
● いきなりの「取材にきて!」
● 告知期間がみじかい
● 参加枠が少ない
● 情報が読み解きにくい
● 既に枠が埋まってしまった…
● 公開済み記事と内容が近い
ゴメンナサイ…
いい企画なのに…
という気持ちは
メディア側にもある!
と、いうことで
メディアの先に届けたい人がいることも忘れずに
(あなた) (メディア) (読者・視聴者)
本日のまとめ
広報は、キャッチボール
相手をよく見てボールを投げること!
そして受け取ることも含めて広報!
リアクション、感想、
要望、応援、共感、
クレーム…etc.
キャッチ
ボールだしね
そもそも…
広報(Public Relations)とは、
継続的な信頼関係を築く思考・行動。
一方的な「情報発信」をすれば
いいのではありません。
相手をみてボールを選んだり
相手からボールを受け取ることは
事業や表現活動にも活かせること。
あたまを柔らかくつかって
あの手この手を探りながら
狙いをもった“キャッチボール”を!
参考情報
さいごに
資料・書籍のご紹介
ぜひどうぞ
https://ki-ten.jp/3281/
広報施策を考えるキャッチボールシート
https://ki-ten.jp/1557/
届ける広報チェックシート
https://ki-ten.jp/3144/
ステークホルダー図を描くワークシート
https://tarl.jp/archive/27gijutsu/
Tokyo Art Research Lab
『思考と技術と対話の学校 基礎プログ
ラム2 [技術編] 2016 アートプロジェク
トの現場で使える27の技術』 p.88-89
クリエイティブな広報計画を立てる
きてん企画室 資料
他にもいろいろ
資料公開も”広報”です
おすすめの書籍
伝わる文章が
\ 書きたい! /
専門用語が
\ わからん! /
広報の全体像が
\ 知りたい! /
講義パートはひとまずここまで!
よいキャッチボールになりますように
“そもそも”からはじめる
広報 PR 入門
中田 一会(きてん企画室 代表/プランナー)
* Special Thanks! *
TOPECONHEROESダーヤマ「ダ鳥獣ギ画」https://chojugiga.com/

東京芸術文化相談サポートセンター「アートノト」 創造現場のビジネススキルはじめの一歩 第4回 “そもそも”から始める! 広報・PR入門