第2巻 第2章 ミーンシフトの原理と応用
                               2011.01.09




    「コンピュータビジョン最先端ガイド」勉強会
           @関東(第8回)
        6. ミーンシフトの応用(PP.74~)
        7. むすび(PP.77~)




                                @shirasy
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6 ミーンシフトの実装


  6.1 画像のセグメンテーションと平滑化
  6.2 動画像におけるトラッキング
  6.3 医用画像解析
  6.4 その他




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6 ミーンシフトの実装
6.1 画像のセグメンテーションと平滑化

  任意の入力画像を、あらかじめ決めた特徴量(feature)に
  基づいて、均一(homogeneous)な小領域に分割する手法

  ミーンシフトのクラスタ解析の手法を用いて、
  輝度値と空間変数の両方を考慮した領域分割を可能とする



  <輝度値>
  • グレースケール:{fm}:一次元の点集合
  • カラー画像:{fm}  :三次元のベクトル集合
                 (RGB色空間,L*a*b*色空間など)

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6 ミーンシフトの実装
6.1 画像のセグメンテーションと平滑化



 <特徴>
 画像の次元数に関わらず、輝度値の似ている小領域に分割可能。

 距離が大きく離れている画像でも、偶然やノイズにより輝度値が
 似ている場合、同領域にラベル付けされる。

    ラベル分布が空間的にhomogeneousでなくなる傾向あり




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6 ミーンシフトの実装
6.1 画像のセグメンテーションと平滑化
<対策>
 輝度値と空間変数の合成空間を特徴空間とする。

 空間と輝度値の両方に似通った領域への分割が可能
 [14,15]


 ym:画素xmにおける特徴量

 画素空間変数と、対応する画素値ベクトルの合成ベクトル
 ym=(xm,fm)とみなす。

 輝度値(range)と空間変数(space)の両方に対するカーネル
 幅(hr,hs)を準備
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6 ミーンシフトの実装
6.1 画像のセグメンテーションと平滑化
例)空間と輝度値の両方に似通った領域への分割
 [15] Mean shift: a robust approach toward feature space analysis.




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6 ミーンシフトの実装
6.1 画像のセグメンテーションと平滑化

 <応用例>
 • エッジ保存の平滑化アルゴリズム(領域分割アルゴリズムを
   部分的に利用)[14,15]

  ⇒ ガウス平滑化と比較し、エッジの平滑化をせずに輝度値分布の
    平滑化が可能

 • リモートセンシング画像[22]
 • ステレオ視によるレンジデータ[8,27,50]




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6 ミーンシフトの実装
6.2 動画像におけるトラッキング


<ミーンシフトトラッキング>
動画上の物体追跡・トラッキング問題
⇒実時間ロバストアルゴリズム[1,12,13,16,18,48,67,69,70]


  動画上のk番目のフレームにおける物体の現在位置をxkと
  すると、次のk+1番目のフレームにおいて、同物体の対応する
  ターゲット点xk+1を推定し、これを動画像上で繰り返す




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6 ミーンシフトの実装
6.2 動画像におけるトラッキング

 Bhattacharyya係数
 ⇒ヒストグラム間の類似度算出




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6 ミーンシフトの実装
6.2 動画像におけるトラッキング

 Bhattacharyya係数
 ⇒ヒストグラム間の類似度算出




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6 ミーンシフトの実装
6.2 動画像におけるトラッキング



<ミーンシフト物体追跡アルゴリズムの性能向上に向けて>

 • モーション解析精度の向上:複数の追跡推定結果を
   ロバストに情報統合[13]
 • アンサンブル物体追跡:Adaboostとミーンシフトを併用[1]
 • 大域的最大値探索[48]
 • 非対称のカーネルに拡張[70]




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6 ミーンシフトの実装
6.3 医用画像解析

<臨床医用画像解析問題>
  • 血管認識:コントラストを向上させたCT画像が対象[57]

  • 体内臓器の三次元領域分割:一般CT画像が対象[56]

  • 肺がんの早期発見を目的とした
    -スクリーニング:胸部CT画像が対象
    -肺結節(肺がんの陰影)のロバスト解析法[36,38]

  •病巣変化の定量解析:全身PET-CT画像が対象
    →三次元対応点の推定法(可変カーネル幅ミーンシフトによる
      ロバスト情報統合を応用)

  •皮膚がんの診断を目的とした
    -ほくろの自動解析法(体後背部二次元画像が対象)[31]
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6 ミーンシフトの実装
6.3 医用画像解析
•例)皮膚がんの診断を目的としたほくろの自動解析法
 [31] Counting moles automatically from back images.”




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6 ミーンシフトの実装
6.3 医用画像解析

<臨床医用画像解析問題以外>


 • 時系列に撮像された顕微鏡動画像上での細胞(がん等)追跡[18,69]
 • 拡散MRI画像の平滑化手法[53]




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6 ミーンシフトの実装
6.4 その他


  • テクスチャ解析
    -高次元特徴ベクトル[25]
    -文書部位推定[29]

  • カメラモーション認識[19]

  • 物体認識・向き推定[61]

  • 映画類型認識[44]

  • 低解像度画像の自動生成(画像の概要をまとめるために利用)[45]



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7 むすび


  7.1 実装上のヒント
  7.2 実装例の公開サイト
  7.3 実装コード例




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7 むすび
7.1 実装上のヒント

<計算量の問題への対応>

  効率的なシステム構築のため、ソフトウェアの実装段階では、
  適当な近似的処理の導入が重要



 例) CAMSHIFT:「詳解OpneCV」 PP.343参照

 ⇒ Meanshiftでのカーネルが簡略化されている(矩形カーネルを利用)




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7 むすび
7.2 実装例の公開サイト

         CAMSHIFT(Continuously adaptive mean-shift
                  :連続適応型平均値シフト)
             ※Meanshiftとの差分: 探索ウィンドウがサイズを調整する点




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http://www.youtube.com/watch?v=Qcj4e0SGxLI

20110109第8回CV勉強会(ミーンシフトの原理と応用:6章・7章)shirasy)