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観察研究の必須事項

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エビデンスの「質」を意識した研究計画への誘い:研究を始める前に知っておきたい研究報告の国際基準
http://t.co/r7okiho781

日本心理学会第78回大会
http://jpa2014.com/
公募シンポジウム SS-067
2014/09/11(木)
15:30-17:30

【企画代表者】
・土屋政雄 (労働安全衛生総合研究所)

【話題提供者】
・奥村泰之 (医療経済研究機構): 万延する研究報告の質の低さの問題への総合的対策
・竹林由武 (統計数理研究所): 観察研究の必須事項
・市倉加奈子 (東京医科歯科大学) : メタ分析の必須事項
・土屋政雄 (労働安全衛生総合研究所): 尺度研究の必須事項

【指定討論者】
・豊田秀樹 (早稲田大学): 統計学者の立場から
・熊野宏昭 (早稲田大学): 臨床の立場から

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観察研究の必須事項

  1. 1. 日本心理学会第78回大会公募シンポジウムSS-067 エビデンスの「質」を意識した研究計画への誘い: 研究を始める前に知っておきたい研究報告の国際基準 観察研究の必須事項 竹林由武 情報・システム研究機構 統計数理研究所 リスク解析戦略研究センター 医療・健康科学プロジェクト 2014年9月11日同志社大学RY302室
  2. 2. 観察研究の報告の質向上のための声明 計8誌で同時刊行 計4誌で解説論文の刊行 (Annals of Internal Medicine, Lancetなど医学系トップジャーナル) 以後、100誌を越える生物医学雑誌がSTROBEの支持を表明 Ann Intern Med. 2007;147:W-163–W-194 2 声明&解説論文の邦訳もある
  3. 3. 観察研究(observational study) 無作為割り付けを行わない研究の総称 コホート研究 (cohort study) 症例対照研究 (case control study) 横断的研究 (cross sectional study) 暴露アウトカム 暴露アウトカム 過去将来 調査(開始) 時点
  4. 4. 4 観察研究のエビデンスレベル レベルエビデンスの種類 1++ 質の高いメタ・アナリシス,RCTの系統的展望,バイアスのリスクが非 常に小さいRCT 1+ 良くできたメタ・アナリシス, RCTの系統的展望, バイアスのリスクが小 さいRCT 無作為化比較試験 1- メタ・アナリシス, RCTの系統的展望, バイアスのリスクが大きいRCT 2++ バイアスのリスクが非常に小さい観察研究の系統的展望 2+ バイアスのリスクが小さい観察研究 2- バイアスのリスクが大きい観察研究 3 症例シリーズ研究 4 専門家の意見 バイアスのリスクを小さくしないと、観察研究は無意味 AHRQ: http://www.guideline.gov/content.aspx?id=39324 観察研究
  5. 5. 5 測定の基本原則: 真の値= 測定値+誤差 誤差を小さくするのが、研究の質向上のキモ 偶然誤差(RE): 方向性を持たない偶然による誤差 random error 系統誤差(SE): 一定の方向性をもった誤差 systematic error =バイアス RE小SE小RE小SE大RE大SE大RE大SE小
  6. 6. STROBE声明の構成 該当節共通項目デザイン 特有項目 タイトルと抄録1項目 序論(I) 2項目 方法(M) 8項目1項目 結果(R) 2項目3項目 考察(D) 4項目 その他1項目 計18項目4項目 22項目 6 本日の話題 研究計画段階で 考慮しておくことで 研究の質向上に 寄与する事項を紹介
  7. 7. 研究計画段階での必須事項 根拠ある例数設計をする 信頼性と妥当性のある測定指標を選択する 選択・情報バイアスを最小限にする 交絡要因を測定する 7
  8. 8. 研究計画段階での必須事項 根拠ある例数設計をする 信頼性と妥当性のある測定指標を選択する 選択・情報バイアスを最小限にする 交絡要因を測定する 8 偶然誤差を減じる 系統誤差を減じる
  9. 9. 研究計画段階での必須事項 根拠ある例数設計をする 信頼性と妥当性のある測定指標を選択する 選択・情報バイアスを最小限にする 交絡要因を測定する 9
  10. 10. 標本サイズの設定根拠を示せ。 標本サイズを大きくすると偶然誤差が小さくなる 10 とにかく標本サイズ を大きくする 統計手法を用いて 例数設計をする 検定力・信頼区間に基づく方法で例数設計
  11. 11. 検定力 効果がある時に、効果ありと正しく判断する確率 研究結果 真の結果 効果なし(null=true) 効果あり(null=false) 効果なし (効果量=0) 正しい判断 (1-α) 第二種の過誤 (β) 効果あり (効果量≠0) 第一種の過誤 (α) 正しい判断 (1-β) 検定力.80が推奨(Cohen, 1992)
  12. 12. 検定力に基づく例数設計 一つが変化すると他の指標も変化する 例数設計に必要な情報 ① 効果サイズ② 有意水準③ 検定力
  13. 13. 検定力、標本サイズ、効果量の関係 重回帰分析の例 効果量= R2 (.01-.05),検定力=1-β (.80-.95),有意水準=α (.05) 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4 0.45 0.5 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0 Total sample size Power (1-β err prob) = 0.95 = 0.9 = 0.85 = 0.8 F tests - Linear mult iple regression: Fixed model. R² deviat ion f rom zero Number of predictors = 3. α err prob = 0.05 Effect size f²
  14. 14. 14 検定力は、一定の標本サイズ以上から横ばい → 標本サイズを大きくしすぎても無意味
  15. 15. 15 意味のある結果を得るためには,狭い信頼 区間の幅になるよう大きな標本サイズが必要 信頼区間は、推定の不確実性を反映する 1) 有意だし確実 2) 有意だけど不確実 3) 有意ではなく不確実 4) 有意ではなく確実 ( ) ( ) ( ) ( ) 0 効果量 理想的
  16. 16. 信頼区間に基づく例数設計 例数設計に必要な情報 ① 効果量② 信頼限界比③ 信頼区間幅 (99%, 95%, 90%) ( .30, .50, .90) 標本サイズは、 効果量によらず横ばい (効果量大きくなると) 検定力に基づく方法よりも、 大きな標本サイズが必要 Kelly & Rauch. Psychological Methods 2006, Vol. 11, No. 4, 363–385
  17. 17. 研究計画段階での必須事項 根拠ある例数設計をする 信頼性と妥当性のある測定指標を選択する 選択・情報バイアスを最小限にする 交絡要因を測定する 17
  18. 18. 信頼性と妥当性 18 高 信 頼 性 低 妥当性 高低 測定指標が 的外れだと、 推定結果は 歪む
  19. 19. 測定変数の評価・測定方法の詳細を示せ。 19 測定指標の信頼性•妥当性の詳細 > どのような集団でvalidateされているか > 信頼性•妥当性の指標を数値で示す 対象集団でvalidateされた指標を用いる 2 つ以上の群がある場合 測定方法の比較可能性を明記する 二つの群で,データ収集の方法に差がないか
  20. 20. 20 信頼性と妥当性の評価ポイント 信頼性 内的整合性 再検査信頼性 評定者間(内) 信頼性 妥当性 内容的妥当性 構成概念妥当性 基準関連妥当性 異文化妥当性 Vet, H. C. W., Terwee, C. B., Mokkink, L. B., & Knol, D. J. (2011) Measurement in medicine. A practical guide. Cambridge: Cambridge University Press. http://www.slideshare. net/yoshitaket/cosmin-takebayashi- 21816803
  21. 21. 研究計画段階での必須事項 根拠ある例数設計をする 信頼性と妥当性のある測定指標を選択する 選択・情報バイアスを最小限にする 交絡要因を測定する 21
  22. 22. バイアスの発生防止策を示せ 標本抽出データ収集統計解析 情報バイアス交絡 研究デザイン統計解析 選択バイアス○ × 情報バイアス○ × 交絡○ ○ 研究計画段階での 対処が不可欠 選択バイアス 22 研究の段階と発生するバイアス
  23. 23. 選択バイアス 23 調査対象者の選択方法によって生じる 曝露とアウトカムの関係の歪み 自己選択バイアスSelf-selection bias 健康労働者効果Healthy worker effect 入院バイアスAdmission bias 罹患者-有病者バイアスIncidence-prevalence bias 脱落バイアスWithdrawals bias 未回答者バイアスNon-respondent bias
  24. 24. 情報バイアス 24 曝露やアウトカムなどのデータ収集方法 によって生じるバイアス 診断バイアスDiagnostic bias 想起バイアスRecall bias 思案バイアスRumination bias 質問者バイアスInterviewer bias 測定バイアスMeasurement bias 誤分類バイアスMisclassification bias
  25. 25. バイアスへの対処方法 – データ取得の出所•方法の均一化(プロトコル作成) - 曝露やアウトカムの盲検化 コホート研究 - アウトカムによらない選択基準を定義する - 追跡による脱落を最小限にする 症例対照研究 – 暴露によらない選択基準を定義する - 可能な時は必ず人口集団を基盤とした標本抽出をする 25
  26. 26. 研究目的: 。 研究デザイン:症例対照研究 症例群:自殺が原因で死亡した人 これまでの自殺に関する症例対照研究の対照群: 現在生存している人⇒情報バイアスの可能性 本研究の対照群(バイアスへの対処): 自殺以外の原因で死亡した人 情報源= 最近家族や近親者の死亡を経験した人 ⇒ 生存している人を対照とした場合よりも 自殺者に関する情報源との比較可能性が高い. 事例: 26 中国における自殺のリスクファクターを検討す る
  27. 27. 研究計画段階での必須事項 根拠ある例数設計をする 信頼性と妥当性のある測定指標を選択する 選択・情報バイアスを最小限にする 交絡要因を測定する 27
  28. 28. 交絡 他の変数の存在によって生じる,暴露とアウ トカムの関係の過大or 過小評価. 28 曝露コーヒー摂取心疾患 アウトカム 交絡要因 喫煙 交絡要因= 曝露要因とアウトカムの双方と関連する要因
  29. 29. 29 交絡要因の調整に用いた方法を示せ 観察研究では、交絡要因の測定は不可欠 無理にマッチングすると、かえってバイアスが生じる →解析で対処するのがベター 交絡調整の解析手法: 多変量解析、層別解析、傾向スコア
  30. 30. 30 理論、先行研究をレビューして、 交絡要因を絞る 曝露アウトカム X 曝露アウトカム X 曝露アウトカム X 曝露アウトカム X ◯ × × ×
  31. 31. Take Home Message 1. 統計手法を用いて例数設計をする 2. 測定指標の信頼性と妥当性をレビューする 3. 選択・情報バイアスへの対策を練る 4. 交絡要因を含めて、曝露とアウトカムの関係 をレビューする 31 質の高い観察研究を計画するために
  32. 32. ご清聴ありがとうございました Contact to : ytake2 ism.ac.jp 32 https://sites.https://sites.google.com/site/yoshitake2bayashi/ google.com/site/studygroup13csrm/activity

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