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X を無限集合とする。X 自身と空集合からなる部分集合
の族を OI = { X, ∅ } (密着 位相)、X の部分集合全体からな
る族を OD (離散位相) とし、二つの位相空間 (X, OI ),
(X,OD) を考える。このとき、以下の各命題の真偽を理由
をつけて判定せよ。
(1) (X,OI)はコンパクト空間である。
Xがコンパクトであるとは任意の開集合(Ui)i∈Iの族に対し
てX=Ui∈IUiならばIの有限集合Sが存在してX=Ui∈SUiとなる
ことだった。今開集合は1つだけなのでこれはコンパク
トである。
(2) (X,OD) はコンパクト空間である。
コンパクトの定義上Ui=1元集合にすると、有限集合Sを取
れない。
(3) (X,OI)はハウスドルフ空間である。
Xがハウスドルフ空間であるとは、任意のx≠y∈Xに対して
ある開集合x∈U(x),y∈U(y)が存在して、 U(x)∩U(y)=空集
合とできることだった。今開集合は1つだけなので、こ
れはハウスドルフではない。
(4) (X,OD) はハウスドルフ空間である。
X∈U(x)={x},y∈U(y)={y}とすれば分離できる。

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