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[3] a ∈ R, r ≧ 0に対し,Rの部分集合
U(a;r) = (−a−r,−a+r)∪(a−r,a+r)
を考える.ただし,U (a; 0) = ∅ とする.
(1) B={U(a;r)|a∈R,r≧0}はRのある位相Oの開基(開集合系の基底)となることを示せ.
(2) 位相空間(R,O)はハウスドルフ空間ではないことを示せ.
(3) 位相空間(R,O)は連結であることを示せ.
(4) [0,1]は(R,O)のコンパクト集合であるが閉集合ではないことを示せ.
[3] a ∈ R, r ≧ 0に対し,Rの部分集合
U(a;r) = (−a−r,−a+r)∪(a−r,a+r)
を考える.ただし,U (a; 0) = ∅ とする.
(1) B={U(a;r)|a∈R,r≧0}はRのある位相Oの開基(開集合系の基底)となることを示せ.
証明
開集合系の基底であるとは任意の開集合Vに対してV⊇U(a;r)となることである。
O={V∈P(U)|x∈VならばBの元の有限族(Ui)i∈Iでx∈∩Ui⊆Uを満たすものが存在する}
とするとこれは位相であり、B⊆Oである。またこの位相の基底はBとなる。
これが位相であることと基底であることの証明は[斎藤毅]集合と位相p109を参照。
もしくはO=Bの元の有限個の共通部分と和集合としても位相になり、基底はBになる。
(2) 位相空間(R,O)はハウスドルフ空間ではないことを
示せ.証明
任意の0でない数xと-xが分離できない。なぜならOの基底(つまり開集合の中で一
番小さい)はx∈ (−a−r,−a+r)であれば、x∈ (a−r,a+r) であるからである。
これよりも小さい開集合は存在しないので分離できない。
(3) 位相空間(R,O)は連結であることを示せ.
証明
開集合かつ閉集合が全体か空集合であることを言えば良い。斎藤毅]集合と位相p142
閉集合は(-無限、-a-r]U[-a+r,a-r]U[a+r,無限) か(-無限、a+r]U[a-r,-a+r]U[-a-r,無
限)という形の有限個の和集合か共通部分をしている。よって閉集合は必ず0を含ん
でいる。0を含む開集合は全体か空集合しかない。よって閉集合かつ開集合である
集合は全体か空集合しかない。
[3] a ∈ R, r ≧ 0に対し,Rの部分集合
U(a;r) = (−a−r,−a+r)∪(a−r,a+r)
を考える.ただし,U (a; 0) = ∅ とする.
(4) [0,1]は(R,O)のコンパクト集合であるが閉集合ではないことを示せ.
証明
まず[0,1]はハイネボレルの定理[斎藤毅]集合と位相p152よりRの普通の位相でコンパクトである。
また今定義した位相OはRの普通の位相よりも粗い。
よって[0,1]をOの意味での開被覆はRの普通の位相でも開被覆。よってO上コンパクトである。
(-無限、-a-r]U[-a+r,a-r]U[a+r,無限) か(-無限、a+r]U[a-r,-a+r]U[-a-r,無限)を見ればわかるように
閉集合は必ず無限とマイナス無限を含む。よって[0,1]は閉集合ではない。

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  • 3. [3] a ∈ R, r ≧ 0に対し,Rの部分集合 U(a;r) = (−a−r,−a+r)∪(a−r,a+r) を考える.ただし,U (a; 0) = ∅ とする. (4) [0,1]は(R,O)のコンパクト集合であるが閉集合ではないことを示せ. 証明 まず[0,1]はハイネボレルの定理[斎藤毅]集合と位相p152よりRの普通の位相でコンパクトである。 また今定義した位相OはRの普通の位相よりも粗い。 よって[0,1]をOの意味での開被覆はRの普通の位相でも開被覆。よってO上コンパクトである。 (-無限、-a-r]U[-a+r,a-r]U[a+r,無限) か(-無限、a+r]U[a-r,-a+r]U[-a-r,無限)を見ればわかるように 閉集合は必ず無限とマイナス無限を含む。よって[0,1]は閉集合ではない。