可分の問題
- 1. R2 の部分集合
X ={(x,y)∈R2 𝑥2 + 𝑦2≤1},
A={(x,y)∈R2 𝑥2
+ 𝑦2
≤1,−1<x<1,−1<y<1}
を考える。X の部分集合族 O を
O={U ⊂X |(0,0)はUに入らない}∪{U ⊂X |A⊂U}
によって定義する。
(1) O が開集合系の公理をみたすことを示せ。
(2) 位相空間 (X, O) がハウスドルフ空間ではないことを示せ。
(3) 位相空間 (X, O) がコンパクトであることを示せ。
(4) 位相空間 (X, O) が可分ではないことを示せ。 ただし, 位相空
間が可分であるとは, 稠密 な高々可算な部分集合をもつことであ
る。
- 2. R2 の部分集合
X ={(x,y)∈R2 𝑥2 + 𝑦2≤1},
A={(x,y)∈R2 𝑥2
+ 𝑦2
≤1,−1<x<1,−1<y<1}
を考える。X の部分集合族 O を
O={U ⊂X |(0,0)はUに入らない}∪{U ⊂X |A⊂U}
によって定義する。
(1) O が開集合系の公理をみたすことを示せ。
証明
U’、U”をOの元とする。
公理1 全体と空集合はOの元である。
公理2 U’,U”が(0,0)を含まないならば、U’UU”も(0,0)を含まない。
U’ が(0,0)を含まず、U”が(0,0)を含む(つまりU”はAを含む)ならばU’UU”はAを含む。
U’,U”がAを含むならば、U’UU“もAを含む。
よって共通部分もOに含まれる。
公理3 U’,U”が(0,0)を含まないならば、U’∩U”も(0,0)を含まない。
U’ が(0,0)を含まず、U”が(0,0)を含む(つまりU”はAを含む)ならばU’∩U”は(0,0)を含まない。
U’,U”がAを含むならば、U’∩U“もAを含む。
よって共通部分もOに含まれる。
(2) 位相空間 (X, O) がハウスドルフ空間ではないことを
示せ。証明
(0,0)を含む開集合はAだけである。よって(0,0)とAの任意の元は分離できない。
- 3. R2 の部分集合
X ={(x,y)∈R2 𝑥2 + 𝑦2≤1},
A={(x,y)∈R2 𝑥2
+ 𝑦2
≤1,−1<x<1,−1<y<1}
を考える。X の部分集合族 O を
O={U ⊂X |(0,0)はUに入らない}∪{U ⊂X |A⊂U}
によって定義する。。
(3) 位相空間 (X, O) がコンパクトであることを示せ。
証明
Xの被覆の中にAを含む開集合が存在した場合、X\A={(1,0)、(-1,0)、(0,-1)、(0,-1)}なので
Aを含まない部分の被覆は4つ以下で進む。つまりこの場合5つ以下の開集合を選べばXを覆える。
またAを含まないXの被覆は存在しない。なぜなら(0,0)を含む開集合はAを含んでしまうからである。
よってXはコンパクト。
(4) 位相空間 (X, O) が可分ではないことを示せ。
ただし, 位相空間が可分であるとは, 稠密 な高々可算な部分集合をもつことで
ある。
証明
稠密とは閉包をとると全体Xになってしまうよな集合のことである。
(1,0)、(-1,0)、(0,-1)、(0,-1)、(0,0)以外の各1点はすべて開集合である。
よって稠密な集合は少なくても(1,0)、(-1,0)、(0,-1)、(0,-1)、(0,0)以外の元を含む。それらの元は
x∈(0,1)である元(x,y)を含み、区間(0,1)はRと同相であるから加算ではない。よって稠密 な高々可算
な部分集合を持つことができないので可分ではない。