米中戦争、人工知能、格差、世界はどうなる？－起業家で世界で教える教授の話－

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米中戦争、人工知能、格差、世界はどうなる？
－起業家で世界で教える教授の話－

#Serial Entrepreneur #Professor #Consultant
#Investor #Athlete #Mathematics #Keynote Speaker,,
-ケイ・コンサルティング (CEO)
-名古屋大学（客員教授）
-スローガン株式会社（共同創業者 & Executive Fellow）
-IITカラグプル、インド理科大学院、インド経営大学院、
IITハイデラバード、シンガポール国立大学、
バンドン工科大、インドネシア大等（客員講師）
Kazuaki ODA (織田一彰)

Tokyo University

National University of Singapore

Beijing University

Indian Institute of Technology
Kharagpur

Indian Institute of Science
(IISc) Bangalore

NATCON2019 @Bangalore

＜本日のTopics＞
（１）今世界はどうなっているのか？
（２）テクノロジーの未来
（３）こらから目指す姿

（１）今世界はどうなっているのか？
・コンスタントに人口は増加し経済規模も拡大中
・先進国、途上国共に地域内格差が拡大し、特に途上国が顕著
・民間企業の債務を国が肩代わりしソブリンリスクが高まっている
・民主主義の一部が行き詰まり、よりよいシステムを探している
・米中の2大大国の政治と経済での対立が表面化し、日本やEUの
国々は微妙なバランスの中での立場を模索している
・グローバリゼーションの結果、公害、失業、移民、格差、デフレなど
悪い面が見えてきた
・旧産業から新産業、先進国から途上国へ、経済パワーシフトが加速中
・地球温暖化、自然エネルギー、高齢化社会が地球規模のテーマとなり
社会課題として認識されたが解決には程遠い

＜テーマ１＞
進みすぎたグローバリズムの結果は？

＜テーマ１＞
進みすぎたグローバリズムの結果は？
・一部の成功者とそれ以外の人々の格差拡大
・国家よりも強いGAFAなどの大企業の出現
・加速する都市化とそれ以外の産業過疎地域の出現
・押し寄せる移民と原住民の失業問題
・途上国における域内格差の急拡大
・先進国から途上国への過剰投資と引き上げリスク
・先進国のデフレと途上国の都市部のインフレ発生
・世界の一部のトラブルが全世界に波及する
・資金力と規模で勝負が決まってしまう出来レース

Market Cap Ranking (2018 March, bil USD)
851.32
719.25
702.76
700.67
464.19
①
②
③
④
⑧
⑥
⑦
491.98
467.11
国家を超える大型企業の誕生

＜テーマ２＞
混迷する政治と社会システム

＜テーマ２＞
”混迷する政治と社会システム
・域内格差から足なみ崩れるEU
・中国の“社会資本主義”という挑戦状
・米中の新しいパワーバランスの模索
・ EUかロシアか？東ヨーロッパの苦悩
・ロシアとトルコ、旧帝国はどこへ？
・急成長し始めるアフリカだが汚職は？
・各地でナショナリズムの台頭
・混迷を極める中東
・各地で勃発する代理戦争
・ついにアフリカの時代が来るのか？

各国のカリスマリーダーの次は？
アメリカ：トランプは11月に再選されるか？
中国：習近平はどこまで？
ロシア：プーチンの実質支配は？
トルコ：エルドアンはどこにむかうか？
韓国：文首相は政権維持できるか？
日本：史上最長期の安倍政権の終了（2021年9月）
ドイツ：メルケルの次のリーダーは？
中東：「アラブの春」以降の体制は？

（参考）2020年各国の総選挙スケジュール
1月台湾、スリランカ
2月イラン
3月スロバキア
4月韓国、シリア、セルビア
5月ポーランド、エチオピア、
6月モンゴル、アイスランド
8月ベラルーシ
9月ニュージーランド、クロアチア
10月リトアニア、ジョージア、モルドバ
11月アメリカ、ミャンマー
12月ルーマニア、エジプト、ガーナ

＜テーマ２＞
各国リーダーの世代交代と旧帝国の回顧主義
ササン朝
ペルシャ
旧ロシア帝国
オスマントルコ
大日本帝国
清／明／元
大英帝国
旧ドイツ
帝国

＜テーマ３＞
人口増に支えられ安定した経済成長

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1%
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1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050
World
Japan
(Billions of People)
Source: United Nations
Population Forecast of the World

国別人口順位（2019年）
1 China 14.4
２ India 13.7
4 Indonesia 2.7
6 Brasil 2.1
3 US 3.3
7 Nigeria 2.0
8 Bangladesh 1.6
9 Russia 1.5
10 Mexico 1.3
5 Pakistan 2.2
（単位：億人）
www.worldpopulationreview.com

（2000-2023:IMF, 2018, 2050estimates:PwC 2017）
GDP(PPP) of Japan, Indonesia, China, India, US

（2000-2023:IMF, 2018, 2050estimates:PwC 2017）
Japan
US
China
India
Indonesia
GDP(PPP) of
Japan, Indonesia, China, India, US

海外の機関が予測した2050年のGDP世界ランキング
（単位：10億USD）
（出典）PWC、citiグループ、Goldman Sachs各サイトより
2008年(pwc） 2050年（citi） 2050年（pwc） 2050年（GS）
順位国名 GDP 順位国名 GDP 順位国名 GDP 順位国 GDP
1 アメリカ 14,256 1 中国 205,321 1 中国 59,475 1 中国 70,710
2 中国 8,888 2 インド 180,490 2 インド 43,180 2 アメリカ 38,514
3 日本 4,138 3 アメリカ 83,805 3 アメリカ 37,876 3 インド 37,668
4 インド 3,752 4 インドネシア 45,901 4 ブラジル 9,762 4 ブラジル 11,366
5 ドイツ 2,984 5 ナイジェリア 42,437 5 日本 7,664 5 メキシコ 9,340
6 ロシア 2,687 6 ブラジル 33,199 6 ロシア 7,559 6 ロシア 8,580
7 イギリス 2,257 7 ロシア 19,697 7 メキシコ 6,682 7 インドネシア 7,010
8 フランス 2,172 8 日本 16,394 8 インドネシア 6,205 8 日本 6,677
9 ブラジル 2,020 9 フィリピン 14,738 9 ドイツ 5,707 9 イギリス 5,133
10 イタリア 1,922 10 イギリス 13,846 10 イギリス 5,628 10 ドイツ 5,024

アメリカ
(トランプ)
中国
(習近平)
EU
(メルケル)
日本
(安倍)
ロシア
(プーチン)
インド
(モディ)
ポジティブ要因
最強の軍隊、世界最大の市場規
模、タレントの集積、シェールガ
ス・オイル、決済通貨のドル
巨大な潜在市場、(14億人)、
IT/ドローン/AI人材と技術、
一帯一路戦略、トップダウン戦略
巨大な市場、高い教育水準、
高い技術水準、教育された社員
高い生産技術、
安定した社会基盤、
高い教育水準
豊富な天然資源、
強力な軍隊、
高い科学水準
巨大な潜在市場(14億人)、
IT開発に強み、豊富な IT人材、
安定した農業、英語が話せる
ネガティブ要因
双子の赤字（財政／貿易）、
国債の大量発行、国内の教育、
分断された社会、人種問題
米中貿易戦争、多様な内政問題、
香港/台湾問題、不良債権、恒常
的な資源不足
政治的不安定、
不安定なユーロ、域内格差、
ナショナリズム台頭、テロ多発
人口減少、
超高齢化社会、
巨額の財政赤字
頭脳流出、
遅れる工業化、
資源への過度な依存
非効率な民主主義、
国内の貧富の差、貧弱なインフラ、
国全体の教育水準
<各国の状況（まとめ）>

＜テクノロジーが解決したもの＞
飢餓からの救済
人口の大幅な増加
移動距離の増加
人間の健康と寿命
文明や文化の興隆
生活の安定
＜テクノロジーが起こした悲劇＞
戦争の武器の開発
経済的な格差の拡大
競争の激化
自然と環境破壊
資源の浪費
心の平穏の喪失

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＜テクノロジーの“Keywords“＞
・人工知能（AI)
・5G
・Cloud Computing
・ブロックチェーン
・量子コンピューター
・RPA（Robot Process Automation）
・IoT（Internet of Things）
・AR（Augmented Reality）
･VR(Virtual Reality）
・クリーンエネルギー
・FinTech（Financial Tech)
・宇宙開発
・ナノテクノロジー
・ドローン
・自動運転技術
・再生医療
・電気／燃料（水素）自動車
・人工培養肉／合成肉
・・・

新しい技術は社会を変える！
・第三次情報革命（５G、IoT、AI、ブロックチェーン）
・ゲノム編集はバイオの新時代をけん引する（食料、医療）
・代替エネルギーは需要増加に追いつくにはまだ遠い
（石炭、原子力、再生エネルギー、、、）
・地球温暖化は直近の問題として優先度が上がる
・天然資源の新採掘場所により政治バランスが影響を受ける
・新しい素材の開発が世界の製造の工程と流通を変える

＜テーマ１＞
ITやAI技術の実用化と普及

AI(=Artificial Intelligence、人工知能)とは？
最近よく言われているAIとは、、、
「画像／音声認識、検索技術、自然言語処理などにつ
いて、実際のデータから推測して答えを出す行為。」
（織田一彰）

＜AIの歴史＞
実は1960年代から考えられている
出典：『人工知能は人間を超えるかディープラーニングの先にあるもの』
松尾豊（著）

“Googleの猫”
人間による学習なしでAIが認識した猫

“Machine Learning(機械学習)”
データから法則を見つけて“自動的”に分類などをする技術
“Deep Learning(深層学習)”
機械学習をする時に、“人間の脳の処理のように”
特徴を見つけて法則性を見い出す技術
（織田一彰）

＜（参考）機械が奪う職業ランキング（米国）上位15位＞
１小売店販売員
２会計士
３一般事務員
４セールスマン
５一般秘書
６飲食カウンター接客係
７商店レジ打ち係や切符販売員
８箱詰め積み降ろしなどの作業員
９帳簿係などの金融取引記録保全員
１０大型トラック・ローリー車の運転手
１１コールセンター案内係
１２乗用車・タクシー・バンの運転手
１３中央官庁職員など上級公務員
１４調理人（料理人の下で働く人）
１５ビル管理人
（引用：ダイヤモンドオンライン）

＜コンピューターが得意な分野＞
単純計算（正確さ、速さ）
モチベーションなく働く
囲碁・将棋・チェスなどのゲーム
自動車などの自動制御
ロボットを扱う
画像認識（犯罪者DB、facebookタグ）
医療診断
データ解析（DNA解析など）
＊主に「帰納的推論」、「パターン認識」
＜コンピューターが不得意な分野＞
感情の理解
整理されていない情報の処理
価値判断
リーダーシップ
心地の良いデザイン
ブランドの認識
本能の理解
＊多すぎる独立変数、例外の多さ

西暦2045年=シンギュラリティ到来?

「我々の研究では、近い将来、とりわけ創造性と社会
的知能にかかわる仕事においては自動化の恐れが
ないと確認している」
「学校教育の最善のアプローチは、どのような技術に
も速やかに対応できるにしておくことだ。それには科
学技術を介する以外の良い方法は思い当たらない」
（オズボーン准教授）

＜テーマ２＞
過熱するスタートアップ争奪戦、遅れる日本

＜世界のユニコーン企業（国別）＞（2019年9月）
•1位：アメリカ 151社
•2位：中国 82社
•3位：イギリス 16社
•4位：インド 13社
＜ユニコーン企業上位＞
•1位：中国 / バイトダンス（Bytedance）企業価値：750億ドル
•2位：米 / ウーバー（Uber）企業価値：720億ドル ※
•3位：中国 / 滴滴出行（Didi Chuxing）企業価値：560億ドル
•4位：米 / ウィーワーク（We Company）企業価値：470億ドル
•5位：米 / エアビーアンドビー（Airbnb）企業価値：293億ドル

＜テーマ３＞
奪い合う希少資源「才能」
“War For TALENT”

＜既に始まっている才能獲得戦争＞
・モビリティの高まりで優秀層がいる場所に才能が集まる
（西海岸、深セン、ベルリン、シンガポール、バンガロール）
・英語が通じ文化の豊かな国が有利になる
・国内、地域内での教育格差が拡大する
・データ分析、ITなどのスキルを持つ人が有利になる
・情報を覚えるよりも「探して、見つけて、使う」能力が
大切になる
・リーダーシップや創業、デザインなどの人間しか
できないスキルが見直される

＜結局世界はどうなる？（その１）ー政治・経済＞
・米国の相対地位低下と中国の相対地位上昇が
不安定なバランスの冷戦状態となる
・一部の国家と大企業の債務超過が臨界点を超える
・英米日以外の大国が国内紛争から疲弊し一部は分裂する
・中国もやがて失速しインドが伸びてくる。ただし中国の
ように長期に持続するかは未知数
・物は大量に廉価で作られ、先進国では労働力不足になる
・グローバル企業がますます大型化するがやがて規制される
・朝鮮半島、台湾がアジアのバルカン半島となる

＜結局世界はどうなる？（その２）ー社会・科学＞
・物質的により豊かになり、肉体労働、単純労働からは解放
・人類の寿命が延び世界的に高齢化社会となる
（先進国は“超”高齢化）
・世界中で英語が今まで以上に使われる。他の言語は
ローカルで残るが若者は英語を多く話すようになる
・アメリカの科学No.1の地位は変わらないが中国が
猛烈にキャッチアップし一部は凌駕する
・政府や自治体の一部の機能をNPO／NGOがカバーする
・世界中で都市化と過疎化が同時にすすみ格差が拡大する

＜直近のリスクのあるテーマ（織田）＞
・中国の不良債権顕在化によるバブルの崩壊
・中国政権内部でのクーデター
・北朝鮮の核ミサイルの乱射と米中の軍事介入
・メルケル退陣後のEUのカオスとポピュリズムの台頭
・東京での大型地震の発生
・日本の理系教育の相対的地位低下
・イラン、トルコ、ロシアの動き（特に軍事行動）
・主要国の国債の金利動向と為替レート

＜世界的に重要なテーマ（織田）＞
・安定的なクリーンエネルギー供給
・国家間での富の再配分システムの実現
・地球温暖化と公害対策
・多国籍企業と国家の責任と役割の再定義
・教育格差の是正（地域、所得、ジェンダー）
・世界的な警察システムの確立
・知的所有権の人類全体での管理
・高齢社会への社会と個人の適合

＜日本の目指す姿（織田）＞
・起業家育成＆サポートシステムの充実
・英語を使う学校と職場を増やす
・IT、RPAなど自動化技術への集中投資と人材育成
・暗記中心から応用力重視の教育へシフト
・シニアが生活しやすく働きやすい社会づくり
・育児サポート社会の実現
・デジタル社会への加速化（模範は中国、インド）

◆ 素材（炭素繊維、電子部品用など）
◆ 生活インフラ施設（上下水道、鉄道、道路）
◆ 精密機械
◆ 自動車、およびその部品
◆ 産業用ロボット、工作機械
◆ 発電、送電システム（スマートシティ）
◆ 飲料、食料品
◆ 航空機
◆ バイオ、医療品（再生医療、医薬品）
（参考）日本の製造業の有望分野

（参考図書）
・「新世界秩序」（ジャック・アタリ）
・「China2049」（マイケル・ピルズベリー）
・「ユーロから始まる世界経済の大崩壊」
（ジョセフ・E・スティグリッツ）
・「World Order」（ヘンリー・キッシンジャー）
・「The Grand Master’s Insights on China,
the United States, and the World｣(リー・クワン・ユー）
・「Why Nations Fail」
（ダロン・アセモグル／ジェームス・ロビンソン）
・「シャルマの未来予測」（ルチル・シャルマ）

（参考）世界のデータを見るサイト
・国際連合（United Nations） https://www.un.org/
・世界銀行(World Bank) https://www.worldbank.org/
・国際通貨基金(International Monetary Fund=IMF)
https://www.imf.org/external/index.htm
・アメリカ合衆国中央情報局(Central Intelligence Agency=CIA)
“The World Factbook” https://www.cia.gov/

“Be Ambitious!”
by Dr. Clark@Hokkaido Univ.

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