More Related Content
Similar to 文章完成法の項目反応理論(IRT)による検討 (20)
More from Yoga Tokuyoshi (20)
文章完成法の項目反応理論(IRT)による検討
- 5. 方法
• 質問紙調査法
(授業の講義にてアンケート調査を実施)
⇒自己記入の「セルフ・コーチング形式」
• 調査対象者
関東地区の大学院生,大学生,
看護学校生,高校生,
421名(男性235名,女性186名)
平均年齢19.5歳,SD=4.5(2009年)
- 9. 「G-SCT」:目標設定の文章完成法
質問項目内容
Q1:「目標の設定」目標の明確化を行う。
Q2:「メリット」目標のメリットを明確にする。
Q3:「出来事」出来事について冷静に判断する。
Q4:「状況」状況について整理を行う。
Q5:「反論(批判)」状況について,反論(批判)できることを確認。
Q6:「新しい方法」新しい方法の創造する。
Q7:「コンピテンス」目標に対する自分の強みの確認を行う。
Q8:「資源(リソース)」目標に対する自分の資源の確認を行う。
Q9:「道具」目標達成に利用できる道具について探索する。
Q10:「ノウハウ」現在,把握している「ノウハウ」を確認する。
Q11:「やる気」「やる気」になる要素を確認する。
Q12:「最初のステップ」はじめの一歩を確認,実行を促す。
- 10. G-SCTの質問内容
質問文
S01 今,現在における「私の目標」は,( )である。
S02 その目標を達成する「メリット」は,( )である。
S03 その私の目標を妨げている「出来事」は,( )である。
S04
その私の目標が達成できていない結果として,( )という状況になってい
る。
S05
その私の目標を達成できない結果に対して「反論」できることは,( )で
ある。
S06
その私の目標を達成するために思いつく,「新しくできそうな方法」は,
( )である。
S07 その私の目標を達成するために利用できる「自分の強み」は,( )である。
S08 その私の目標を達成するために,「相談にのってくれる人」は,( )である。
S09
その私の目標を達成するために利用できる「道具(ツール)」は,( )であ
る。
S10
その私の目標を達成するために,自分が考えられる「成功のノウハウ」は,
( )である。
S11
その私の目標を達成するために,自分ができる「やる気」を引き起こすための方法は,
( )である。
S12 その私の目標を達成するために,まず( )を始める。
- 11. 調査内容
①G-SCT:目標設定の文章完成法(徳吉,2010a)
• ⇒SCTを応用した目標設定の自由回答形式による質問紙(※今回
の開発と検証)
②達成動機尺度(堀野,1987)
• ⇒達成動機に関する尺度。競争的達成動機,自己充実的達成動機
の2つの因子で構成されている。
③KiSS-18 (菊池,2007)
• ⇒社会的スキル尺度。「コミュニケーション」,「問題解決」,「トラブル
処理」などで構成されている。
④G-BESTs:目標行動スキル尺度(徳吉,2010a)
• ⇒目標設定・行動に関するスキル。「PANAS」のPAと相関があり,「意思決定
の満足感」などの尺度と正の相関関連がある(徳吉,2010b)。また,抑うつと
は負の相関関係にある(徳吉,2010a)。
- 12. IRTの最適なモデルを推定
※3つのモデルを比較推定し,最適なモデルを探索する。
「1PL : 項目間で識別力が等しいラッシュモデル
(識別力=1に固定されたモデル)」
「2PL:項目間で識別力が異なるラッシュモデル」
「3PL:当て推量があるラッシュモデル」
3つのモデルに関して,likelihood ratio test(尤度比検
定)を行い,その結果,「2PLモデル」の当てはまりが最
適であった。(尤度比=-1922.12,p=.025)
- 21. 引用文献
• 堀野緑(1987).達成動機の構成因子の分析教育心
理学研究35(2), pp.148-154
• 菊池章夫編著(2007).社会的スキルを測る:KiSS-
18ハンドブック川島書店
• 佐野勝男・槇田仁(1960). 精研式文章完成法テス
ト解説金子書房
• 徳吉陽河(2010a).目標行動スキル尺度(G-BEST
・G-SCT)の統合的研究修士論文
• 徳吉陽河(2010b).コーチング心理学におけるメ
ソッド開発の試み東北心理学会第64回大会