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認知の柔軟性尺度日本語版(CFI-J) 日本心理学会大会第76回大会発表

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徳吉陽河・岩崎祥一(2012).認知の柔軟性尺度(CFI)日本語版の作成と妥当性
日本心理学会第76回大会論文集, 672.

認知行動療法などにおいて,認知の柔軟性が重要であることが指摘されている。

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認知の柔軟性尺度日本語版(CFI-J) 日本心理学会大会第76回大会発表

  1. 1. 認知の柔軟性尺度 (CFI)⽇本語版 の作成と妥当性 Development and validation of the Cognitive Flexibility  Inventory Japanese sample(CFI‐J).  徳吉陽河 ・岩崎祥⼀ TOHOKU University
  2. 2. ⽬ 的 Cognitive Flexibility Inventory(CFI)(Dennis  & Vander Wal, 2010)は,個人の「信念」を反 映した「認知の柔軟性」に関わる自己報告形 式の尺度である。特に,CFIは,個人が不適 応な考えを入れ替えたり,バランスのある思 考や適応した思考を取り入れるなど,よりよ い変化に必要な思考や態度の「柔軟性」を測 定するために作成された。 ⽇本語版での活用が可能であるか検討す る。
  3. 3. 認知の柔軟性の定義 ■CFIは,当初3つの視点で作成された。その3 つの視点とは, ◆(1)困難な状況で,コントロールが可能であ ることを認知する傾向. ◆(2)人生の出来事や行動において,複数の 代替案を認知する能力。 ◆(3)困難な状況で,複数の解決策を生み出 す能力である。 ⇒その後の調査では, CFIは,「代替(Alternatives)」,「統制(不能) (Control)」の2因子(20項目)が確認された。
  4. 4. ⽅法 METHOD ◆⽅法︓ 質問紙調査法 ◆調査参加者︓東北地⽅,関東地⽅の⼤ 学⽣204名(男性133名,⼥性71名) 。 平均年齢19.7 歳(SD=3.1) ◆調査時期︓2010年12⽉〜2011年1⽉ に授業中に実施した。
  5. 5. 質問紙の構成 (1) 「認知の柔軟性(CFI)日本語版 ※↑今回の⽬的変数となる尺度 (2)「ATQ-R」短縮版 ⾃動思考尺度 (坂本真⼠ 他, 2004) (3)「PANAS」情動評価の尺度 (Robitscheck, 2012) (4)⾃⼰統制と管理尺度(SCMS) (Mezo, 2009)
  6. 6. ATQ-R︓Automatic Thoughts Questionnaire –Revised 短縮版 • 「⾃動思考尺度」改訂短縮版 「⾃動思考」とは,意図的な思考によるの ではなく,⾃分の意志とは関係なく意識に 上がってくる考えである。これによって, ⾃分に⾃信が持てなくなり,まわりとの関 係を否定的に考え,未来を悲観的に考える ようになるとされている。 坂本真⼠,他(2004)
  7. 7. PANAS(Watson,Clark and Tellegen, 1985) 「情動の評定尺度」。認知心理学の実験で もよく利用される。 (1)「ポジティブな情動」(PA) 「熱心な」,「自信のある」, 「誇りに満ちた」など (2)「ネガティブな情動」(NA) 「つらい」,「気が動転した」など
  8. 8. SCMS⽇本語版の構成 ●Kanfer の⾃⼰統制とBandura の⾃⼰効⼒感,社会的認知 理論などから,3つのコンセプトを元に,SCMSが構成されて いる認知⾏動コーピングに関わる尺度。 ※6段階評定 ◆⾃⼰客観視(SM) (Self-Monitoring) ◆⾃⼰評価(SE) (Self-Evaluating) ◆⾃⼰強化(SR) (Self-Reinforcing)
  9. 9. • CFIの原著のモデルで,最小二乗法による「確 認的因子分析」を行ったところ,GFI=.825,  ACFI=.783, RMSEA=.074,AIC=437であった。 • 最尤法による「探索的因子分析」を行なった。 その結果,CFIは原著と同様に「代替( Alternatives)」, 「統制(不能)(Control)」の2 因子が確認された。 CFIの探索的因子分析に よるモデルの確認的因子分析は,GFI=.842,  ACFI=.799, RMSEA=.075,AIC=361であった。 今回は,AICを基準に,CFIが探索的因子分析 によるモデルに適合していると判断した。
  10. 10. 基本統計量と信頼性・NIRT 因⼦ M SD α係数 ω係数 Shapiro- Wilk検定 NIRT Ht係数 代替 (Alternatives) 4.8 0.9 .88 .91 p=.64 .46 統制不能 (Control) 4.2 1.0 .77 .87 p=.04 .38 ◆NIRT:ノンパラメトリック項目反応理論 .30以上が適切 ◆Shapiro‐Wilk(シャピロウィルク)の正規性の検定:帰無仮説は 「変数は正規分布にしたがう」であり,P≧0.05となれば、帰無仮説 を保留して、正規分布であることを仮定する。
  11. 11. CFA 代替 F Hi CF20 困難な状況について対応する前に,複数の選択肢を考慮する。 .84 .58 CF19 私が直面する困難な状況を解決するために,複数の方法を考え ることができる。 .78 .53 CF13 困難な状況であるとき,自分のふるまい方を決める前に,多くの 選択肢について考慮する。 .72 .49 CF16 行動に原因があると考える時に,利用できる全ての情報と事実 について考慮する。 .69 .50 CF03 意思決定をする前に,多くの選択肢を考える。 .67 .43 CF14 しばしば,異なった視点から状況を読みとる。 .63 .44 CF18 困難な状況に直面したとき,それを解決するいくつかの方法につ いて,私は立ち止まって考えようとする。 .63 .45 CF05 多くの異なった視点から,困難な状況について目を向けたがる。 .55 .40 CF12 多角的な視点から,違った状況を見ることは重要だ。 .54 .39 CF06 行動が原因であると考える前に,すぐには利用できないとしても, さらなる情報を探す。 .51 .39
  12. 12. CFC 統制(不可) F Hi CF11 困難な状況に直面したとき,私はどうするべきかわ からなくなる。 .76 .47 CF04 困難な状況に直面したとき,私は自分を統制できな いと感じる。 .73 .44 CF02 困難な状況に直面したとき,意思決定がなかなか できない。 .67 .40 CF17 困難な状況では,私には物事を変えていく力がな いことに気づく。 .63 .39 CF09 困難な状況を対処するために,数多く異なった方法 があることに面倒な感じがする。 .44 .34 CF07 困難な状況に直面したとき,私は状況を解決する ための方法を考えることができないことにストレス を感じる。 .37 .24
  13. 13. ※「認知の柔軟性」とATQ-R,PANAS間の相関
  14. 14. ※「認知の柔軟性」 と「SCMS尺度」
  15. 15. 結果と考察 (1) 内的妥当性 ◆「探索的因子分析(最尤法)」 【適合度】:GFI=.842, ACFI=.799, RMSEA=.075,AIC=361 ⇒今回は,AICを基準に,CFIが探索的因子分析によるモ デルに適合していると判断した。 ◆信頼性係数(α係数,ω係数) • 「代替因子」:α=88, ω=.91 • 「統制(不能)因子」:α=.77, ω=.87 ⇒信頼性係数は,十分な値であった。 ◆ノンパラメトリック項⽬反応理論によるH係数は.30以上
  16. 16. 結果と考察 (2) 併存的妥当性の検証 ◆「代替因子代替(Alternatives) 」は, ・PANASの「ポジティブな情動(r =.41)」, ・SCMSの「自己客観視(r =.49)」,「自己強化(r =.35) 」 に相関しており,ポジティブな情動や認知の側面と関連 していることが確認された (すべて,p<.001)。 ◆「統制(不能)因子(Control) 」は, ・ATQ‐R短縮版の「ネガティブな自動思考(r =.48) 」, ・PANASの「ネガティブな情動(r =.40) 」, ・SCMSの「自己評価(ネガティブ) (r =.49) 」 と相関があることから(すべて,p<.001), ⇒※認知の柔軟性(CFI)⽇本語版の妥当性 は確認されたといえる。
  17. 17. 引⽤⽂献 Reference • Dennis, J. P. & Vander Wal, J. S. (2009). The cognitive flexibility  inventory: Instrument development and estimates of  reliability and validity. Cognitive Theory Research, 34, 241‐353. • Mezo, P. G. (2009). The Self‐Control and Self‐Management Scale  (SCMS): Development of an adaptive self‐regulatory coping  skills instrument. Journal of Psychopathology and Behavioral  Assessment, 31, 83‐93. • 坂本 真士・田中 江里子・丹野 義彦・大野 裕 (2004).Beckの抑う つモデルの検討: DAS とATQ を用いて 日本大学心理学研究, 25, 14–23. • Watson, D., Clark, L.A., Tellegen, A., (1988). Development and validation of brief measures of positive and negative affect: the PANAS scales. Journal of Personality and Social Psychology 54 (6), 1063–1070.
  18. 18. ◆今回発表した「認知の柔軟性尺度 (CFI)⽇本語版の作成と妥当性」の ⼼理尺度は,以下の「WEBサイト」 で実際に利⽤できます。ご体験下さ い。※WEBによる実⽤化の研究。 ◆http://www.sinritest.com/counseling/CFIJ.html

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