日本考古学協会第87回総会セッション4「オープンサイエンス時代の考古学・埋蔵文化財情報」における(3)愛知県埋蔵文化財センターの取り組み(樋上・堀木）のスライド

1. あいち埋文の取組み
愛知県埋蔵文化財センター
樋上 昇・堀木真美子

2. 埋文セ独自の情報として。。
○報告書のPDF
○遺構・遺物の一覧
○遺構・遺物の図面
○遺構・遺物の写真類
これらを提供しています。
各種イベント案内など
サイトで展開する情報って？

3. 今回は、SNSの活用についての報告
あいち埋文では、
Twitter Facebook Instagramを活用

4. 3つのSNS について
SNS活用の目的は？ 知名度を上げることです！
その効果は？ フォロワーは伸びててきてます。
リアクションも増えてきてます。
そこそこ効果があるか？
投稿記事の審査は？ 全職員で書く。委員会が審査
更新は？ 毎日のお昼時間
記事の内容は３つのSNSで同一

5. 3つのSNS について

6. Twitter Facebook でヒットした記事

7. Twitter Facebook でヒットした記事
把握できた傾向
Twitter とFacebookでは、ややヒットの傾向が異なる。
Twitterは軽めの記事がヒットか？
Facebookは真面目系がヒットか？
Twitter は匿名のためか、お気楽系のコメントがつくことがある。
Facebookは、現場作業員さん関連の方々からコメント？
今後の対策
ウワサになることがSNS活用の第一目的なので、
多様な記事を投稿することが大切かと。。。

8. 愛知県埋蔵文化財センター 樋上 昇
YAYOI・モダンデザイン展で
のSNSの活用について

9. 図録作成段階でのFacebookの活用
・さまざまな挿図の作成過程を常時Facbookにて公開する
・Facbookは比較的クローズドな研究者が集まる場であるという利点を利用
・製作途上の図を公開することで、その分野の第一線の研究者から直接ご意見
をいただける
・結果として、現在の弥生時代研究者の「総合知」ともいえる図録ができた
・ご教示くださった研究者のご芳名を図録に掲載し、招待券と図録を贈呈

13. 展覧会の広報と解説はTwitterにて
・愛知県陶磁美術館の挑発的なツイートに反応して、展覧会開催前から縄文人
（縄文ZINEさん）と弥生人（ヤミラさん）による口喧嘩が始まる
・お互いが縄文時代と弥生時代の特徴を的確にアピールしてくださったおかげ
で、日本の先史時代への理解が深まったと大好評 展覧会の前宣伝となる
・展覧会そのものの写真撮影が復元衣装コーナーを除いて撮影不可となったた
め（当時美術館側の都合による）、樋上が自身のツイッターアカウントで展
示遺物の解説をおこない、これを橋本麻里さんがまとめサイトにアップ
・写真撮影不可の判断は図録が売れなくなるという理由だったが、結果的には
会期終了前に図録は完売
・樋上の解説も含めて、展示品の撮影とSNSへのアップには課題を残す

17. 余波としてニコ美とＮＨＫに登場
・展覧会の最初に、松木武彦さんと橋本麻里さんの記念対談「弥生の美を語
る」を企画
・松木さんは先史時代人の思考を復元する認知考古学の第一人者であり、橋本
さんは美術コメンテーターとして現代屈指の存在であるとともに7万3千人の
フォロワーを抱える「インフルエンサー」としても有名
・幸いなことに展示企画と内容も橋本さんのお眼鏡に叶い、積極的に広報活動
を引き受けてくださった
・橋本さんが企画に関わっているニコニコ美術館にも話を通してくださり、
会期中に3時間の生中継をおこなった
・ニコニコ美術館は2.1万人が視聴し、9割以上の方が満足という反応であった
・それを受けてＮＨＫBSの『英雄たちの選択スペシャル』への出演に繋がった

19. まとめ
・Facebookはクローズドな環境で研究者間の情報交換に向くのに対し、
Twitterは公開の場で多くの人の目に触れることができる
・Facbookでの創作過程の公開は展覧会の図録に限らず、論文にも使える
・展覧会でのTwitterの活用法は工夫の余地がありそうだが、コロナ禍で会場
に足を運べない方への公開の意義もある
・展示品の写真撮影と図録の売り上げの相関関係があるのか？
むしろSNSでの宣伝効果のほうが大きいのではないか
・特にニコ美やTwitterのまとめサイトは今でも閲覧が可能で、会期中に足を
運ぶことができなかった展覧会をいつでも観られるという利点は大きい