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東京2020大会が創る未来へのレガシー「カーナビによるTDM~経路制御と需要検出~」
- 4. カーナビの現状
4
◼カーナビがネットに繋がるのはあたりまえに
• 携帯:ガラケー → スマホ
• 車載:通信型カーナビ → コネクテッドカー
◼個人との双方向の通信が可能に
• 個人 × リアルタイム
• ビッグデータで把握 ⇔ 個人ごとに配信
• 前職ナビタイム時代から様々な交通規制対策を実験
◼しかしITSの基本は25年前のまま
• 古くて有償なJARTIC、VICS、DRM
• 枯れてしまったカーナビ、ITS業界
• 結局看板、予測なき現況情報、ETC2.0への固執
• 道路交通法、公安告示
Apple CarPlay
Android Auto
で境界も曖昧に
2020までに打破できるのか…?
- 9. 9
カーナビが料金収入を左右する
(C) NAVITIME JAPAN 8
路線名 週間表示額
全国 28.6億円
1 東北 2.40億円
2 東名 1.87億円
3 山陽 1.87億円
4 中央 1.86億円
5 首都高速 1.73億円
6 関越 1.49億円
7 新東名 1.18億円
8 圏央道 1.13億円
9 北陸 1.11億円
10 常磐 1.09億円
年換算1491億円
対象期間:2015/11/02~08, 普通車ETC換算
同一条件の重複検索は除去済
経路検索数 料金収入
端末 件数
携帯電話 6244万回/年
PC 6536万回/年
合計 1.27億回/年
対象期間:2014年度,同一条件の重複検索は除去済
高速道路6社
の料金収入
2.6兆円の
約6%
(2014年度)
第53回土木計画学研究発表会「カーナビが経路選択を左右する」
- 12. 2016年度の事例一覧
12
1年間で多様な規制に対応
事象分類 事業主体 対象事象 交通情報設定 主媒体*1
その他情報
提供*2
道路工事
名古屋高速道路 リフレッシュ工事 通行禁止 Web/App
阪神高速道路 フレッシュアップ工事
通行禁止
回避設定
Web/App PUSH配信
愛知国道事務所 国道41号集中工事 通行禁止 Web/App
マラソン
大阪陸上競技協会 等 大阪マラソン 通行禁止 Web/App
埼玉陸上競技協会 等 さいたま国際マラソン 通行禁止 Web/App
PUSH配信
アンケート
東京マラソン財団 東京マラソン 通行禁止 Web/App
大会サイト
内に構築
渋滞対策・
有料道
利用促進
静岡国道事務所 富士山周辺渋滞迂回
旅行速度
推奨迂回ルート設定
Web
静岡県道路公社
伊豆スカイライン
利用促進
旅行速度
割引設定
Web アンケート
阪神高速道路 抜け道探検隊
旅行速度
回避設定
Web アンケート
災害 - 熊本地震 通行禁止 Web/App
安全啓発
福島河川国道事務所 積雪ライブカメラ案内 - Web
高崎河川国道事務所 積雪ライブカメラ案内 - Web
第37回交通工学研究会「経路検索サービスを通じた経路制御の実践と課題」
- 20. ターミナル
チャージ
対距離 対距離
(都市部)
通常 150円 24.6円 29.52円
圏央道 75円 12.3円 14.76円
20
圏央道半額シミュレーション ~方法~
第53回土木計画学研究発表会「カーナビが経路選択を左右する」
推奨ルート算出方法変更による有料道変化をシミュレーション
利用データ
経路選択方法
「推奨ルートあり」のカーナビ経路検索条件データ
2016年3月10~23日日(2週間)、419,879件 ※年間検索数の約1/300
推奨ルートを必ず選択する想定
①推奨ルートに出た有料道は選ばれやすい
圏央道だけ半額に
制御方法 圏央道だけ料金近似計算を半額に設定
評価方法 検索結果の経路変化を比較
前提
②コストモデルの高速料金を調整すれば経路は変わる
- 35. データが有償なためばらまけない
35
交通 静的 運行情報・規制 遅れ・渋滞
鉄道
交通新聞社
JTB
JR東日本子会社
レスキューナウ
鉄道会社内
道路
地図会社
DRM
JARTIC/VICS
JARTIC/VICS
ナビメーカー
ほぼ公共データ
なのに
720万円/年
2社に1人数十円
ずつ支払う
JARTICの
料金表
- 39. オープンデータ配信プラットフォーム
39
◼ 一般向けはオープンデータ
• 一般向けをオリパラ運営側は
面倒見切れない
• 1社のナビでは限界
• 複数のアプリにオープンデータ
を流して使ってもらうほかない
◼ 公共交通と道路両方
• スマホアプリは対応しやすい
• 車載カーナビにも対応するには
VICSが重要?
◼ 使えるものに
• 既存のID体系と互換性が重要
• 交通新聞社、レスキューナウ、
VICS…
• 静的データと動的データ両方
• ファイル、APIを組み合わせ
オープンデータ配信プラットフォーム
輸送センター
大会公式
アプリ・サイト
一般公共交通サービス
NAVI
TIME
Yahoo!
(ヴァル研)
Google
(ジョルダン)
…
オリパラ
特別機能
通常
機能
オリパラ
特別機能
通常
機能
オリパラ
特別機能
通常
機能
交通系機能
大会情報
…
オープンデータ アプリログ
あと1年でどこまでできるか?
- 40. 担う人がいない
40
組織 課題
組織委員会・都準備局 大会関係者、観客にフォーカス
交通輸送技術検討会 交通の学識。IT、交通情報実務に弱い
スポンサー 交通情報のプロがいない
ワールドワイド:GE、トヨタ、Panasonic
公共交通:JR東日本、東京メトロ、JAL、ANA
旅行:JTB、近畿日本ツーリスト、東武トップツアーズ
研究・企業 新技術のデモばかりしたがる、全体最適は対象外
必要なのは枯れた技術を統合した確実なシステム
見本) 1964年の新幹線、首都高
公共交通
オープンデータ協議会
コンテスト以外で使えない(都交通局以外)
データ形式・IDが独自のため使いづらい
本来、一般市民の生活維持は都の責務?
雇うなら手伝いますよ?
- 41. 公共交通 道路・通信
マルス 1960
1962 首都高速
新幹線 1964
自動改札 1967
1969 交通管制
駅すぱあと 1988
1996 VICS
乗換案内 全国時刻表対応 1998
1999 i-mode
Suica 2001 ETC
EZナビウォーク 2003
2005 EZ助手席ナビ
私達は2018年に一体何をやっているのか?
41
日本の交通情報の栄光と失われた15年
偉大なレガシーに囚われすぎず
新たなレガシーを作るつもりで
がんばりますか?
- 45. VICS再考
45
◼交通情報流通の要件
• 機械判読可能、経路に反映される、普及済、追加コスト不要
• → VICS渋滞度・旅行時間くらいしか現実解が無い
◼「現況・実測値」というこだわりを問う
• 感知器の故障、規制速度への張り付き、恣意的な補正、定点センサーの
限界で、既に実測値とは言いがたいデータが配信されている
• 「順調」と出してその後渋滞するのと、
「混雑」と出して順調を保つのと、どちらが正義か?
• 実測と制御の分離は筋だが、来年までに無理では?
◼実現に向けて
• 影響把握:どの程度経路が変わるのかは、ログを元にシミュレーション
をすればわかる。
• 実験:東京マラソン、道路工事などで実験しては?