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首都大学東京
クラウドコンピューティング講演会

ビジネスの現場での、
データサイエンティストの働き方
~ホントのところ、
いったいなにをやっているのか~

October 31, 2013
NOGAMI Daisuke (Analytics Strategist)
Analytics Dept. Service-Analytics Gr.
Mobage JP Region. Platform Unit
DeNA Co., Ltd.
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本日お話しさせていただくこと
 自己紹介
 データサイエンティストのスキルセットと働き方
⁃ データサイエンティストの定義
⁃ DeNAにおけるデータサイエンティストのパターン
⁃ 具体的な分析事例(離脱率抑制、ゲーム活性化)
 「情報通信分野をリードする底力のある技術者」が、
この潮流を活かすには
⁃ エンジニアの強みを活かす

⁃ エンジニアの弱みをカバーする
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本日の発表の進め方
 できるだけ、みなさまの疑問・質問に答えながら進めたいと
考えております
 本当は、十分に質疑応答の時間を取りたいのですが…
1番手ということで、時間厳守で進めないといけません
 というわけで、ハッシュタグつけてtweetしていただければ、
随時見て、疑問・質問にお答えしながら発表していきます
⁃ ハッシュタグは、 #tmu_cloud です
 1点だけお願い:
スライドの写真掲載は避けてください…
⁃ 差支えのないスライドは、あとでSlideshareに掲載します

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自己紹介
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自己紹介
 野上 大介(のがみ

だいすけ)

⁃ Mobage統合事業本部 JPリージョン事業本部
プラットフォーム本部 分析部 サービスアナリティクスGr.
•

業務内容の詳細は後述

•

過去の対外発表 :
•

CEDEC2013
”決定版:サービスの盛り上がり具合をユーザの数(DAU)から読み解く方法”
http://cedil.cesa.or.jp/session/detail/1053

 経歴
⁃ 野村総合研究所で戦略コンサルタントとして6年半勤務
•

事業戦略の推進に必要となるリサーチ・戦略立案・業務改革を支援

•

担当業界は、金融・小売・通信・製造・非営利団体 など

⁃ 2011年11月にDeNA入社 データマイニング部を経て現職
5
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よくある質問「DeNAの社員ってゲームをしてるの?」
 ちゃんと遊んでいます!
 ちなみに、会場の皆様は、どんなソーシャルゲーム/スマート
フォンアプリを遊ばれていますか?
 たとえば
⁃ 怪盗ロワイヤル
⁃ FINAL FANTASY BRIGADE
⁃ ガンダムカードコレクション
⁃ アイドルマスター シンデレラガールズ
⁃ パズル&ドラゴンズ
⁃ 魔法使いと黒猫のウィズ
⁃ クラッシュ・オブ・クラン
⁃ 艦隊これくしょん
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• データサイエンティストの定義

• DeNAにおけるデータサイエンティストのパターン

データサイエンティストのスキルセットと働き方

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データサイエンティスト、ってなんぞや?
 日本での流行のきっかけ:
Harvard Business Review
「データ・サイエンティスト
ほど素敵な仕事はない」
⁃

組織は新しいタイプの専門職を
必要としている。それは
「データ・サイエンティスト」
と呼ばれる人々である。

⁃

彼らは大容量の非構造化データ
に構造を見出し、分析可能に
し、ビジネスに役立つ知見を導
き出すことができる。

⁃

実際に、SNSの〈リンクトイ
ン〉の躍進の背後には、彼らの
貢献がある。

Source: Diamond Harvard Business Review Website (URL: http://www.dhbr.net/articles/-/1565 )

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Google検索してもよくわからない
 それぞれの企業の実情に即した分類がされているようだ
 どうやら、①データサイエンスの専門家 ②ITのスペシャリスト
③データを読み解くスペシャリスト がいるようだ
•

リクルートの尾崎さんのまとめがしっくりきました

Source: 2012/09/13 PFIセミナー「データサイエンティストのつくり方」 PFI比戸将平さん (URL: http://www.slideshare.net/shoheihido/120913-pfi-dist )
データサイエンティストを目指す就活生の皆さんに役立つかもしれない記事まとめ リクルート尾崎隆さん (URL: http://tjo.hatenablog.com/entry/2013/09/25/201842 )
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DeNAでのデータサイエンティストたちはどうか
 職種は2種類:基盤系エンジニアとアナリスト
 完全分業制ではなく、オーバーラップする領域も大きい
⇒ 先ほどの3種類の定義がしっくりくる
①データサイエンスの専門家
②ITのスペシャリスト
③データを読み解くスペシャリスト
データ整備
大規模データ
処理基盤整備

データ抽出・集計

分析~施策実行

各サービスの
企画・開発・運用

モジュール開発

基盤系エンジニア

アナリスト

企画・開発・運用担当
(EC・SG等)

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もう尐し具体的には何をしているのか
 ①データサイエンスの専門家
•

機械学習・統計学の専門性を生かして
レコメンドエンジンを企画・運用

 ②ITのスペシャリスト
•

大手電機メーカーでの研究開発や、
モバゲーの運用を通じて得られた専門性を
生かして、データ分析基盤を運営

 ③データを読み解くスペシャリスト
•

ベンチャー企業でのサービス開発の経験を
生かし、ゲームのレベルデザインにも
アドバイスを与えるプロデューサーの参謀
※実は、データサイエンスの専門家でもあるんですが…

 私は③の領域に該当します
Source: リクナビNEXT 2100万会員モバゲータウンはデータマイニングの宝の山 (URL: http://next.rikunabi.com/tech/docs/ct_s03600.jsp?p=001829 )
東大助教がDeNA転じゲームの「KPI番人」たるデータサイエンティストに (URL: http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20130801/496022/ )
DeNA キャリア採用サイト 社員紹介 Engineer Kenshin (URL: http://dena.com/recruit/career/staff/engineer/kenshin.html )

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• ソーシャルゲームからの離脱率抑制

• ソーシャルゲームのチームでの競争の活性化

具体的な分析事例

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事例紹介1 ~離脱率抑制~
怪盗ロワイヤルにおける離脱率抑制の事例
事例1
ミッションをこなし、悪者をやっつける!
離脱率抑制のためのミッション見直し分析

仲間と一緒に世界のお宝を集める!

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事例紹介1 ~離脱率抑制~
ユーザーの進捗度(Lv)別に離脱率を集計すると…
ユーザーのLv別離脱率集計結果

25%

15%

Lv10のところで離脱率が高
くなっている(特異点)

10%

5%
0%

Lv01
Lv02
Lv03
Lv04
Lv05
Lv06
Lv07
Lv08
Lv09
Lv10
Lv11
Lv12
Lv13
Lv14
Lv15
Lv16
Lv17
Lv18
Lv19
Lv20

離脱率

20%

ユーザーの進捗度(
Lv)
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事例紹介1 ~離脱率抑制~
特定のミッション(クエスト)で非常にクリアに時間がかかってい
ることが判明
Lv10におけるミッション別所要時間

2000
1800
1400

あるミッションだけ
所要時間が特に長い

1200

1000
800
600

400
200

10-I

10-H

10-G

10-F

10-E

10-D

10-C

10-B

0

10-A

平均所要時間

1600

ミ ショ
ッ ン

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事例紹介1 ~離脱率抑制~
当該ミッションに必要な行動力を下げることで、ユーザーのゲーム
進行をスムーズにすることを意思決定

クエスト別
滞留時間のレポート

SGアナリスト

設計・チューニング・レ
ポーティングの相談

企画・開発・運用担当
(EC・SG等)

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事例紹介1 ~離脱率抑制~
難易度調整後には平均所要時間が大幅に低下したことを確認
Lv10におけるミッション別所要時間
2000
1800
1400
1200

1000
800
600

400
200

10-I

10-H

10-G

10-F

10-E

10-D

10-C

10-B

0

10-A

平均所要時間

1600

ミ ショ
ッ ン

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事例紹介1 ~離脱率抑制~
離脱率もチェックしたところ明確に低下したことが確認できた
ユーザーのLv別離脱率集計結果
25%

難易度調整前

難易度調整後

15%
10%
5%

0%

Lv01
Lv02
Lv03
Lv04
Lv05
Lv06
Lv07
Lv08
Lv09
Lv10
Lv11
Lv12
Lv13
Lv14
Lv15
Lv16
Lv17
Lv18
Lv19
Lv20

離脱率

20%

ユーザーの進捗度(
Lv)

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事例紹介1 ~離脱率抑制~
「特に難しい特定のミッション」は難易度を下げるべきなのか?
⇒ 難関ステージもないとゲームは盛り上がらない…

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事例紹介2 ~バトル活性化~
ユーザー5人ごとにグループを作り、
グループ内でポイントを争うイベント実施

5人1グループでポイントランキング競争!

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事例紹介2 ~バトル活性化~
グループバトルの際に、マリオカート※効果と言われるテクニック
をうまく使っています
※一般的には「ラバーバンド効果」というらしいです

複数のユーザーが
上位を狙って争う
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事例紹介2 ~バトル活性化~
マリオカート効果とは、下位のユーザーほど追いつきやすいような
仕組みを入れて自然な接戦を演出すること

効力の弱いアイテムしか
手に入らない
=下位を引き離しづらい

効力の強いアイテムが
手に入りやすい
=上位に追いつきやすい

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事例紹介2 ~バトル活性化~
順位が低いユーザーほど、フィーバー(※)の発生確率を高くし、
上位に追いつきやすくする
ミッション1回あたりの
フィーバー発生確率
0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

1位
2位
3位
4位

5位

※フィーバーが発生すると一定時間獲得できるポイントが倍になる
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事例紹介2 ~バトル活性化~
今回はグループ内の個人戦で、かつ順位が上がるほど賞品が豪華に
なることから、“1つ上位のユーザーとの得点差”を接戦度合いの
KPIとする(1位のみは2位との差とする)

1000pt

400

600pt

400

400pt

200

200pt

200

0pt

200
24

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事例紹介2 ~バトル活性化~
グループごとにきっちり接戦が演出できているか
フィーバー導入前後でKPIを比較すると、導入後の方が数値が下がっ
ている(=接戦になった)ことが確認できる
~100pt

0%

101~200pt

10%

20%

201~300pt

301~400pt

401~500pt

接戦度水準別のユーザー数分布
30%
40%
50%
60%
70%

501~pt

80%

90%

100%

フィ
ーバー導入前

フィ
ーバー導入後

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「情報通信分野をリードする底力のある技術者」が
この潮流を活かすには

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Source: 首都大学東京 システムデザイン学部 情報通信システムコース (URL: http://www.sd.tmu.ac.jp/sdfaculty/ice.html )

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基盤技術の専門性があれば自由度は高まる
 基盤技術や、学問的な基礎知識があれば、
ビジネスの実務に必要な道具が使える状態だと言える
 しかし、技術という道具に頼りすぎてしまいやすい気がする
 どうすれば、「技術に使われる」状態を避けられるか?

Source:
データサイエンティストを目指す就活生の皆さんに役立つかもしれない記事まとめ リクルート尾崎隆さん (URL: http://tjo.hatenablog.com/entry/2013/09/25/201842 )

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「人の心を動かす」ことへの意識が大切
 データには、単純な行動が記録されているように見えてしまう
⁃

何かを見た、何かをクリックした、何かを買った

 そのデータの向こう側には、ユーザのいろんな感情がある
⁃

喜:貴重なカードやアイテムを獲得した

⁃

怒:他のユーザとのバトルに負けた

⁃

哀:イベントの先着n名ランキングに入れなかった

⁃

楽:チームの仲間と一緒に楽しくプレイ

 ゲーム以外でも、「人の心を動かす」ことの重要性はおなじ

よろこび

いかり

たのしみ
かなしみ
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本日お話しさせていただいたこと
 データサイエンティストのスキルセットと働き方
⁃ データサイエンティストは(今のところ)3種類
•

①データサイエンスの専門家 ②ITのスペシャリスト
③データを読み解くスペシャリスト

⁃ 様々なお客様を満足させるため、日々サービスの改善を
続けている
 「情報通信分野をリードする底力のある技術者」が、
この潮流を活かすには
⁃ 基盤技術を身に着けていることは強み
⁃ 技術に使われるのではなく、
技術を使って、ユーザの気持ちが捉えられるようになろう
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20131031 首都大学東京 cloud_computing講演会 講演資料(野上)