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R を実数全体に通常の位相を入れたものとし, R+ を {x ∈ R | x > 0} に R の部分空間と しての位相
を入れたものとする。 Rにおける同値関係∼を x ∼ y ⇐⇒ y = 2nxとなる整数nが存在する。
により定義する. また, R の部分空間 X の, 同値関係 ∼ による商空間を X/ ∼ と書く。
次の 各問に答えよ。
(1) R+/∼は円周S1={(X,Y)∈R2| 𝑋2
+ 𝑌2
=1}と同相であることを示せ。
(2) (R − {0})/ ∼ はハウスドルフ空間か。またコンパクトか。
(3) R/∼はハウスドルフ空間か。またコンパクトか。
R を実数全体に通常の位相を入れたものとし, R+ を {x ∈ R | x > 0} に R の部分空間と しての位相
を入れたものとする。 Rにおける同値関係∼を x ∼ y ⇐⇒ y = 2nxとなる整数nが存在する。
により定義する. また, R の部分空間 X の, 同値関係 ∼ による商空間を X/ ∼ と書く。
次の 各問に答えよ。
(1) R+/∼は円周S1={(X,Y)∈R2| 𝑋2
+ 𝑌2
=1}と同相であることを示せ。
証明
まずR+/∼の代表元が(0,2]ととれること、S1= {(X,Y)∈R2|X=sinθ,Y=cosθ}となることに注意すると
f R+/∼→S1 f(z)=(sinz/2,cosz/2)とすれば連続となる。(0,2)区間では開集合が開集合に移り会うこ
とは明らか、2をふくむ開集合では(r,2]は開集合であるが、fでこの開集合で写すと開集合に移る。
(2) (R − {0})/ ∼ はハウスドルフ空間か。またコンパクトか。
答え ハウスドルフであるがコンパクトでない
(0,2)と(R − {0})/ ∼ は同相であるが、 (0,2)はハウスドルフであるがコンパクトでない。
(3) R/∼はハウスドルフ空間か。またコンパクトか。
答え 違う
(0,1]がハウスドルフであるがコンパクトでない。

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