UE4のビヘイビアツリーの解説をしています。

1. UE4
ビヘイビアツリー入門

2. 発表内容
・ビヘイビアツリーの概要や作り方の解説
・ビヘイビアツリーを使って直面した課題や解決法の共有

3. 今回の目的

4. ビヘイビアツリーを知る
今回の目的

5. ビヘイビアツリーとは？

6. ビヘイビアツリーとは
ツリー上に要素を配置してAI(思考)を構築するもの
ビヘイビアツリー

7. ビヘイビアツリーとは
ツリー上に要素を配置してAI(思考)を構築するもの
ビヘイビアツリー

8. ビヘイビアツリーとは
ツリー上に要素を配置してAI(思考)を構築するも
の

9. AI？

10. AI = キャラクターの思考回路
例えば、
「電車に乗って会社へ行く」
「会社に付いたら仕事をする」
「仕事が終わったら家に帰る」
「家に着いたら寝る」
つまり、
AI = キャラクターがどのように行動するかを決めるもの

11. ビヘイビアツリーとは
ツリー上に要素を配置してAI(思考)を構築するもの
＝キャラクタがどのように行動するかを決定する
ビヘイビアツリー

12. ビヘイビアツリーの処理の流れ

13. ビヘイビアツリーでの処理の流れ
手順1. Aを実行
手順2. Aが完了したらBを実行
手順3. Bが完了したらCを実行
手順4. Cが完了したら手順1.へ戻る
A:会社へ行く
B: 仕事する
完了
C:家に帰って寝る
完了
完了

14. 実際のビヘイビアツリー

15. 実演デモ
Sequenceを使ってみる

16. 実演デモ
一定間隔で攻撃するAI

17. AI解説

18. SequenceとSelector
実行順序を制御するノード

19. 二つのノード（コンポジットノード）
• Sequence
一連の処理を実行するノード
• Selector
条件を満たす処理を選び実行するノード
AIの実行ルートの制御を行う

20. Sequenceノード
一連の処理を実行するノード

21. Sequenceノード
例えば、こんなAIが作れます
1.「電車に乗る」を実行する
2.「電車に乗る」が完了したら「会社へ行く」を実行する
3.「会社へ行く」が完了したら「仕事をする」を実行する
Sequenceノード = 1 ~ 3 を順番に実行
(補足 : Sequenceは英語で「連続するもの」という意味)

22. 例

23. 処理の流れ

24. Sequenceノードの挙動
• 下位ノードの実行が成功で終了した場合、次のノードを実行
• 下位ノードの実行が失敗で終了した場合、そこで終了

25. ノードが成功した場合、次を実行

26. ノードが失敗した場合、そこで終了

27. Selectorノード条件分岐を実現するノード

28. Selectorノード
例えば、こんなAIが作れます
1. お腹が空いていた場合、ご飯を食べる
2. 疲れていた場合、寝る
3. それ以外の場合、会社で仕事をする
Selector = 条件を最初に満たすものを１つ選ぶ
(補足 : Selectは英語で「選ぶ」という意味)

29. 例

30. 最初に条件を満たすものを実行

31. Selectorノードの挙動
• 下位ノードの実行が成功で終了した場合、そこで終了
• 下位ノードの実行が失敗で終了した場合、次のノードを実行

32. 成功した場合、 そこで終了

33. 失敗した場合、 次を実行する

34. 実演デモ
Selectorを使った条件分岐

35. 実演デモ
プレイヤーが近づいたら攻撃してくるAI

36. AI解説

37. SequenceとSelectorの比較
Sequence
• 下位ノードの実行が成功で終了したら次を実行
• 下位ノードの実行が失敗で終了したらそこで終了
Selector
• 下位ノードの実行が成功で終了したらそこで終了
• 下位ノードの実行が失敗で終了したら次を実行

38. SequenceとSelectorの使い分け
Sequence
Selector
→ タスクを全部まとめて実行する
＝ 処理をまとめたい場合に便利 = ノード整理に使える
→ タスクのどれか1つを選んで実行する
= 条件分岐させたい場合に便利

39. ビヘイビアツリーの部品
ビヘイビアツリーを構成する要素

40. ビヘイビアツリーを構成する部品
• Task
• Sequence
• Selector
• Blackboard
• Decorator
• Service

41. ビヘイビアツリーを構成する部品
Task
キャラクターに対して処理を行う
Sequence/Selector
実行ルートの制御
Blackboard
ビヘイビアツリーで使用する変数の受け渡し
Decorator
下位ノードの実行判定の条件式
Service
指定した秒数間隔で処理を行う

42. BTの各部品の解説

43. Task
キャラクターに対して処理を行う

44. Taskノードとは
キャラクターに関する処理を行うノード
例
・プレイヤーを追いかける
・その場で待機する
・攻撃する
・ジャンプする

45. タスク例

46. Taskは2種類ある
最初から用意されているTask
例: 相手を追いかける(MoveToタスク), 一定時間待つ (Waitタスク)
自分で作るTask
・ブループリント または C++で実装するタスク
例: 正面へ進み続ける、 画面にログを出す (デバッグ用)

47. Taskの作り方 解説UE4上でオリジナルのTaskを作る

48. STEP1. Taskアセットの作成
1. ブループリント作成 2. BTTask_BlueprintBaseを選ぶ

49. STEP2. ブループリントを組む
PrintStringするだけのTask

50. 自作Taskの呼び出し

51. 注意点
Finish Executeを呼び忘れるとタスクが終了しない

52. Decorator下位ノードの実行判定

53. Decoratorとは
下位ノードを実行するかどうかを判定する
活用例
・HPが減っていた場合逃げる
・プレイヤーキャラが近かったら追いかける
使い方 : タスクやSequence, Selectorにくっつける

54. 例

55. Decoratorの機能
実行タイミングでの失敗判定
・ノードに実行タイミングで失敗するかどうかを判定
・失敗した場合、上位ノードに実行結果として失敗を戻す
例: 最初からキャラが遠くにいたので作業をしない
実行中での失敗判定
・下位ノード実行中に失敗判定を行う
・失敗した場合、下位ノードを強制終了(Abort) して上位ノードに失
敗を戻す
例: キャラが近かったけど途中で遠くなったので作業をやめる

56. デコレーター判定タイミングの設定
None = 実行タイミングで判定
Self = さらに実行中に判定を行い、失敗時に下位ノードを中断

57. 実行時の失敗判定

58. Blackboardビヘイビアツリー上で使用するデータの定義

59. Blackboardとは
ビヘイビアツリー上で使用する変数を定義するもの

60. Blackboardで使える変数型
Bool
Class
Float
Int
Name
String
Enum
Object
Rotator
Vector

61. Blackboardの使用例
TaskからBlackboardを使う
「ご飯を食べる」タスクから胃袋に入っている食べ物の量を増やす
DecoratorからBlackboardを使う
「おなかが減っている」デコレーターから胃袋に入っている食べ物の量を
チェックする

62. 例 :DecoratorからBlackboardを使う
Blackboard

63. 例 : TaskからBlackboardを使う
Blackboardを使って待機時間を設定する例
Blackboard

64. その他のBlackboardの使い道の具体例
・MoveToタスク
Blackboardに設定されているアクタに向かってAIキャラクタが
歩いていく
・ Is At Locationデコレータ
Blackboardに設定されているアクタがAIキャラクターから離れ
ている場合に失敗する
-> アクタがキャラに近い時に処理をさせたい時に便利

65. Service下位ノード実行中に処理を行う

66. Serviceノードとは
下位ノード実行中に指定した頻度で処理を走らせる
例
・0.1秒間隔でBlackboardの更新を行う
使い方 : タスクやSequence, Selectorにくっつける

67. サービスの使用例

68. 例
• Blackboardを更新するサービス

69. 実行間隔の設定

70. 部品の説明 終わり

71. 直面した課題とその解決

72. BehaviourTreeを触っていて直面した課題
課題1
ノードが多すぎてビヘイビアツリーが見づらい
課題2
ビヘイビアツリーの動作チェック

73. 課題1
ノードが多すぎて見づらい

74. 最初はシンプルなAIだった
-> 複雑なことをしようとするとノードが増加
-> ノード数が爆発的に増加

75. 実際のビヘイビアツリー(再現)

76. 実際のビヘイビアツリー(再現)

77. 実際のビヘイビアツリー(再現)

78. 対策
ビヘイビアツリーを整理

79. ビヘイビアツリーの整理
BT(ビヘイビアツリー)を構造化することを意識する
・同じ意図のツリーは別のBTにまとめる
・ソースコードを関数化するのと同じ
下位ノードがたくさんぶら下がっていると見づらい
-> Sequenceノードを使ってまとめる

80. 整理 1
BTを別のBTとしてまとめる

81. 例

82. 置き換えた後

83. 実際に作ったBT : キャラクター抽選
名前 : BT_GetCharacter

84. 整理 2
Sequenceノードを使ってノードをま
とめる

85. ノードが多いと読みづらい

86. Sequenceノードを使って構造化

87. Sequenceノードを使って更に構造化

88. 整理した結果

89. ビヘイビアツリーを整理した結果

90. 比較
AfterBefore

91. 課題2
正しく動いているか確認できない

92. とあるビヘイビアツリー

93. とあるビヘイビアツリー

94. 対策
デバッグログのTaskを
自作

95. デバッグログタスク
実行時に画面に文字を出すタスク
内部的にはPrintStringノードを実行してるだけ
UE4にはデバッグログ用のタスクがなぜか用意されていないので
自分で作る必要あり (UE4.18時点)

96. タスクの中身
PrintStringするだけのTask

97. 自作Taskの呼び出し

98. ご清聴ありがとうございました

99. 参考URL
[UE4] ビヘイビアツリー(BehaviorTree)の使い方 入門編
http://historia.co.jp/%3Fp%3D1102