立命館大学に向けて行われた署名活動を受けて、学生の代表者2名と大学代表者数名で2020/5/8に行われた懇談会の内容をまとめた資料です。

1. 立命館大学との懇談会資料
作成・文責：長尾 亮虎
西部 達也
最終更新日：2020/5/15

2. 本資料は大学との懇談を行ったうえで記載
してはいますが、あくまで非公式であるこ
とを認識し、学友会を通して行われる公式
の発表を改めてお待ちください。
学友会は学生の声を大学に届け、協議を行
う公式の自治会です。

3. 学生からの切実な要望・希望に対して大学として真摯に向き合い、対応していきたいと考え
ており、今回の署名活動が学生たちの切実な声をタイムリーに届けたいという思いから行わ
れていると認識し、通常であれば学友会などの自治会を通して共有されるものとは区別して
行った。
そのため、今回の懇談会自体は非公式の場となる。
長尾・西部両者がまとめた内容について話を聞き、大学側がこの間に取り組んできている政
策について説明する流れとなった。
会議の位置づけ

4. 1．授業の質は担保できていないのではないか？
例(学生の声)：コースニュース一枚で終わらせる授業もあり、何のために履修しているか分からない。
多くの教員にとってWEB授業は初めての試みであり、試行錯誤の段階にある。また、5/8時点でまだ3日しか行って
いない。回数を追うごとに授業の質は安定するだろうと考えている。WEB・対面を問わず、授業の質向上のために
は学生の声が重要であるため、特定の授業の改善については、授業の中で担当教員との対話や意見交換の機会が設
けられている場合には要望を教員に直接伝えてもらえばよい。また、直接には伝えにくい（あるいは伝える場がな
い）場合には、学生から各事務室へ連絡をしていただきたい。学生の声は継続して拾い上げ、改善に努める。また、
緊急支援策の一つとして、学部・研究科の特性を踏まえて固有に学びの充実に必要になるものを支援する。
現状は緊急事態宣言が5月末までとなっていることを踏まえて、7月の定期試験を予定していた期間や、8月の夏休み
期間中に、オンキャンパスで実験・実習を行うことが出来ないか検討している。また、科目によっては通年開講へ
の変更や、秋学期に実施する可能性も含め検討している。
2．学費の返還・減免について
減額の判断はしていない。
大学としては、授業料負担してもらっている学生・保護者らに対してどういった支援や後押しができるのかを最大
限努力することが学費の負担にこたえることになると考えている。
緊急支援策は一時的なものではなく、継続的に支援は続ける
延納分納については、既に発表している通り：http://www.ritsumei.ac.jp/news/detail/?id=1739
要点（長尾の署名活動を中心とした要点まとめ）

5. 懇談会担当者から学生の皆さまへ
大学への要望や質問などは、以下を参考に連絡をしてほしい。
大学の政策・判断に関して
→立命館にある大学の自治組織（学部の自治会、院生協議会、学友会）へ
→自治会は学生の声を公式に大学に届け、協議をしてくれる。
個々の授業の改善
→授業内で担当教員と学生の意見交換の場がある場合には直接担当教員へ
→直接には要望を伝えにくい（あるいはそのような場がない）場合には各学部事務室へ
これ以外にも、学生が質問したいこと、確認したいことはどこに聞いたらいいかを迷わず、身近なとこ
ろで学部事務室や学びステーションに相談して欲しい。大学は必ず受け止め、適切な部署に対応を回し
たりする。無視するようなことではないから、安心して相談して欲しい。
また、「5月7日以降の授業再開に向けたFAQ」が開設されている
https://academic.support.ritsumei.ac.jp/hc/ja

6. RU・APU・附属校合計で、総額25億円の支援策実施
（１）Web授業のための受講環境整備支援策
受講環境を整えることを支援する目的での一律として、3万円の支給
（２）家計急変等経済支援策
アルバイト就労ができない、家計急変により学生生活が困難になる学生に向けて月額3万円×３ヵ月
の最大9万円の支給。
（３）オンラインを活用した学習・生活・諸活動支援策
Webで授業を行うにあたって、学部・研究科の科目の特性を踏まえながらそれぞれの学びの充実の
ために固有に必要になってくるものに関わった支援を行う。
例えば、理系学部であれば実験キットの追加購入と自宅への送付など。自宅での学びを充実させる
ために行う支援を予定し、準備を進めている。
緊急支援策について

7. 質問項目
ここからは質問ごとに頂いた回答を詳細にまとめています。
1. 学費に関して
2. 春学期がWeb授業となることを受けて授業の質の担保
3. 3万円の額の基準
4. 最大9万円の給付の基準が不明確
5. 支給先は個人口座、保証人口座どちらか
6. パソコンなどの機器の貸し出し
7. 大学生協の郵送負担
8. 学生証の裏のシール
9. 政府への働きかけ
10.学生からの要望

8. 学費に関して
減額の判断はしていない。
1ヵ月施設が使えない＝いくらかといった授業料の設定はしておらず、大学での学びの全てに対して授業料が決
定されている。
大学としては、授業料負担してもらっている学生・保護者らに対してどういった支援や後押しができるのかを最
大限努力することが学費の負担にこたえることになると考えている。
今回の支援策もその一環であり、かつ今後の取り組みを通じて改善を継続的に行うことで負担している授業料に
見合う教学を提供できるよう支援・授業改善等の努力を行っていきたいと考えている。
理系文系で学費の差は施設と学部の教員数の違いで授業料の違いが関係してくるが、教員らは休んでいるわけで
はなく、また図書館であれば電子図書のタイトル数を増やすことや図書の郵送サービスを準備するなど、１ヶ月
間の休校期間中も大学は再開に向けた準備によって常時以上に動いている。そのため、授業料で賄っている人件
費も掛かっている。当然施設が利用できない事実はある。単位取得に関わるものに関しては、感染拡大に配慮し
ながら施設が使用できるかを検討している。（※検討の詳細は、次のスライドに記載）
分納・延納については5/7に発表済み：http://www.ritsumei.ac.jp/news/detail/?id=1739
また自宅での実習講義が出来るように、実験キットの追加発注やソフトウェアのライセンスを期間限定で利用で
きるようにするなどの対応を取っている。3万円の支給だけを見ると、差はないように見えるが、学部ごとに対
応をする予定である。

9. 春学期がWeb授業となることを受けて
授業の質の担保
Web授業自体はどの教員も習熟できているわけではない。教員の方では各科目の到達目標を達成できる教育内容
を提供するためにどのように授業を行うべきかについて継続的に議論・検討を行っている。学部ごとにFDを行っ
ており、経験の交流をしながら，問題がある場合には必要に応じて軌道修正していく予定。
(FDとは：https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/003/gijiroku/06102415/006/003.htm )
回数を追うごとに授業の質は安定するだろうと考えている。
Web授業の実施に向けたFD活動は、各学部・研究科が独自に実施する取り組みに加えて、全学組織である教育学
修支援センターが、教務支援ページなどを通じて、サポートやマニュアルなどを提示し、情報共有や窓口相談を
している。
個別の授業への改善要望は、授業内で担当教員と学生の意見交換の場がある場合には直接担当教員へ、直接には
要望を伝えにくい（あるいはそのような場がない）場合には各学部事務室へ
一部の機器を学生に郵送して、実験や実習に相当する学びが出来るようにと考えている。（可能な授業のみ）こ
れがどこまでできるかは検討中。
現状は緊急事態宣言が5月末までとなっていることを踏まえて、7月に定期試験を予定していた期間や、8月の夏
休み期間中に、オンキャンパスで実験・実習を行うことが出来ないか検討している。また、科目によっては通年
開講への変更や、秋学期に実施する可能性も含め検討している

10. 3万円の額の基準
受講環境を整えることを支援する目的
出して終わりではなく、これからも継続的にサポートを続けて行く
生活そのものをどう支えて行くのかを大学として進めている。
留学生で母国に帰っている学生の下宿先家賃をサポートできないか政府に訴えている。
今回の制度は国がサポートしきれないところを支援するものであるが、一私学として出来る支援には限度が
あることも理解して貰いたい
最大9万円の給付の基準が不明確
制度、要件を決めて交付できるようにしたいが、まだ準備段階。
いかに早く制度を固めることは重要だが、立命館学園は5万人近い学生がいるため、時間はかかる。
支給先は個人口座、保証人口座どちらか
1〜２週間程度で手続きの案内をする予定。（5/8時点）
送金の仕組みは今準備している段階で、企業に協力をお願いしているが、平常時よりも進みはどうしても遅
くなってしまう。その点は理解していただきたい。

11. パソコンなどの機器の貸し出し
貸出可能なPC等の台数には限度があり、PC・タブレット・スマホのいずれも保有しない人を優先に貸し出
している。
社会的にPC等の需要が高まっており、必要な機器を確保することが困難な状況にある。
プリンターは、貸し出しの対象とはしておらず、1人一律3万円の受講環境整備支援金の中で、必要な印刷費
を賄って欲しい。感染拡大が収まった段階では、情報教室等の一時利用も検討し、印刷ニーズにも応えてい
きたい
大学生協の郵送負担
大学生協で本を購入する際に郵送料の負担が学生に掛かっている問題に関しては、大学としても認識してい
る。一方、郵送対応には一定の経費が掛かっていることに加えて、営業自粛の影響から、立命館生協の売り
上げも減少しており、経営的に厳しい状況にあることも理解して欲しい
学生証の裏のシール
要望があった場合は個別で対応し、郵送する。

12. 政府への働きかけ
文部科学省等のしかるべき政府の人たちへの要求はすでにしている。
大学の横の繋がりとなる私立大学連盟からも声を上げてもらうように動いている。
国の制度で国立と公立の学校は全ての補助を受けられるが、私立は半分しか補助を受けられないなどの
制限があり、国立私立の差が出ないように働きかけている。

13. まとめ
以上が質問とその回答内容になります。
また、質問以外に図書館の郵送サービスなど重要な内容が知られていない場合もあるため、大学に
manabaにて告知をしてほしい事や、公式TwitterなどのSNSでコロナに関わる情報を発信して欲しいと
いう要望を追加でお願いしました。
授業の質の担保が難しいという観点から授業料の返還を求める署名活動を行っておりましたが、大学側
も担保が出来るように、7月に補講期間を設けることや、場合によっては8月や秋学期に補講を行うこと
を考えとして提示していました。そのため、まずは様子を見ていきたいと考えています。
実際に授業を行い、質の担保が出来ていないという声やその他の意見がある場合は、学部生は学部の自
治会を通して学友会、院生は院生協議会へも相談してみてください。いずれも学部・研究科事務室から
つないでくれるはずです。彼らが公式に大学との懇談をすることができますので、大学へ効果的に意見
が届きます。
資料を閲覧いただきありがとうございました。