QGISによる
汚水処理施設整備手法の検討
国土地理院基盤地図情報の建物ポリゴンを利用して
汚水処理整備における集中処理(下水道)と個別処
理(浄化槽)の経費比較を試みた。
富田林市上下水道部下水道課 浅野和仁(個人)
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の基盤地図情報を使用した。(承認番号 平29情使、 第661号)
持続的な汚水処理システム構築に
向けた都道府県構想策定マニュアル(2014/1)
 持続的な汚水処理システム構築に向けた都道府県構想は、市街地のみ
ならず農山漁村を含めた市町村全域において、各種汚水処理施設の整
備並びに増大する施設ストックの長期的かつ効率的な運営管理につい
て、適切な役割分担の下、計画的に実施していくために策定する。
 都道府県構想は、市町村がそれぞれの汚水処理施設の有する特性、経
済性等を総合的に勘案し、社会情勢の変化等に応じた効率的かつ適正
な整備、運営管理手法を選定した上で、都道府県が市町村と連携して
作成し、継続的な進捗管理並びに必要な見直しを行う。
都道府県別下水道処理人口普及率
77.8%(2007/3末)
http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/081000/documents/kousousiryou_2-4.pdf
簡易な汚水処理整備の検討手法があれば・・
 下水道や浄化槽等を含めた汚水処理人口普及率が90%を超えて地方公
営企業法の適用を促進。
 下水道事業は未普及地の整備から、既存施設の長寿命化・改築更新の
維持管理に軸足を移している。
 財務省は国庫補助の引き下げ等を検討し始めた。
しかし・・・
 汚水の集中処理(下水道事業)から個別処理(浄化槽)への転換が進
まない。
汚水処理手法検討に必要な主なデータ
建物数と人口 ・・・ 下水道処理場や浄化槽の費用を算定する基礎数値
下水道管渠延長 ・・・ 下水道管渠の費用を算定する基礎数値
地理空間情報の活用
建物 ・・ 建物外形線(国土地理院基盤地図情報)
下水道管渠 ・・ 建物を最短でつなぐ線を作成すればよい
建物をつなぐ連結線のモデル作成 0
建物をつなぐ連結線のモデル作成 1
建物をつなぐ連結線のモデル作成 2
建物をつなぐ連結線のモデル作成 3
建物をつなぐ連結線のモデル作成 4
建物をつなぐ連結線のモデル作成 5
QGISを使用して連結線を作成
使用するPlugin
 ReconstructLine (点から線形機能を再構築するツール)
 指定されたすべての点から最寄りの点までを結ぶ線を発生させます。
ReconstructLineの操作方法
 用意するもの・・・pointデータファイル,Lineデータ空ファイル
 編集モード・・・pointデータ、Lineデータを編集モードとし、連結対象の点を選択する
 Get points・・・pointデータを選択して≪ベクタ≫≪ReconstructLine≫≪Get points≫
 Insert multiple Lines・・・Lineデータを選択して≪ベクタ≫≪ReconstructLine≫≪Insert multiple
Lines≫
 Enter・・・連結線が1線ずつ作成されるごとに Enter を押す(重石を置く)
QGISによる連結線の作成
 建物ポリゴン取得・・・国土地理院基盤地図情報をダウロード(承認番号平29情使第661号)
して無壁舎及び35㎡未満の建物を削除
※幾つかの面積で試行した結果35㎡が適当と判断した
 建物重心を生成・・・≪ベクタ≫≪ジオメトリツール≫≪ポリゴンの中心点≫により作成
 連結線を生成・・・建物重心を連結する線をReconstructLineにより作成
 注意事項・・・Intel(R)Core(TM)i7-7700CPU@3.6GHz , RAM16.0GBで、7000点までの一括処理
は可能。
MESHデータの作成
使用するPlugin
 JapanMesh・・・5次Mesh(約350m×230m)ポリゴン作成
 建物数・・・Mesh内の建物重心点数をカウントする
≪ベクタ≫≪解析ツール≫≪ポリゴン中の点の数を数える≫
 管渠長・・・Mesh内の連結線長を集計する
≪ベクタ≫≪解析ツール≫≪線長の合計≫
※長さの集計は地理座標系ではなく投影座標系で行うこと
建物ポリゴン(無壁舎と35㎡未満を除去)
建物ポリゴン から 重心点を作成
重心点
重心点 から 連結線を作成
国土地理院の陰影起伏図を背景にする
5次MESH(東西450M南北230M)を重ねる
年間コスト(単価)
 処理場建設費 17,512 円/戸 ※1
 処理場維持管理費 15,635 円/戸 ※1
 下水道管渠建設費 1561.11円/m ※2
 下水道管維持管理費 231.00円/m ※2
 浄化槽建設費 26,025 円/戸 ※3
 浄化槽維持管理費 48,500 円/戸 ※3
※1 持続的な汚水処理システム構築に向けた都道府県構想策定マニュアル
※1 大阪府版コスト計算モデル
※1 浄化槽市町村整備推進事業(PFI)平均値
コスト緒元
コスト計算結果(青系:下水道優位 赤系:浄化槽優位)
コスト計算結果(青系:下水道優位 赤系:浄化槽優位)
実績との比較(青枠:下水道認可区域 黄枠:浄化槽事業区域)
 メッシュ単位での検討結果を、既存の事業区域(下水道事業認可区域、浄化槽整備
推進区域)と重ね合わせたところ、ほぼ一致している。
 このことから、国土地理院基盤地図情報の建物データを用いた汚水処理手法の検討
は、他地域での検討にも有用であると考える。
まとめ
 今回の検討では、より事業実績に近い数値を用いるため「持続的な汚水処理システ
ム構築に向けた都道府県構想策定マニュアル」の他、「大阪府版コスト計算モデ
ル」、「浄化槽市町村整備推進事業(PFI)平均値」の緒元を採用して検討を行っ
た。
 「持続的な汚水処理システム構築に向けた都道府県構想策定マニュアル」に例示さ
れた緒元のみを採用した検討も行ったので、参考として示しておく。
おまけ
おわり

Qgisによる汚水処理手法の検討