趣味や個人開発で通信ゲームを作りたいけど、フリーライセンスだとAndroidでビルドできない。 Proライセンスを買うしかないのか……？ という境遇の方々へ向けた、無料版UnityでAndroid用通信アプリケーションを作成する方法です。

1. UnityのFreeライセンスで
PC-Android通信を実装するまで

2. ◆自己紹介
なまえ ：牧山 拓斗（まきやま ひろと）
たんとう：プログラマー
みため ：ひげづら赤メガネ
しごと ：ゲームの専門学校生
もうすぐ社会人！
最近産学連携でクラウドファンディングをし、
ゲームを作りました
宣伝→http://dream.hikaritv.net/

3. ◆テーマ
UnityのFree版で
PC to Androidの通信は
実装できるのか
Free

4. ◆ことの発端
卒業制作
PC-Android通信を実装した「ゲーム」を
開発することに。制作期間はおよそ3ヶ月！
→Unityを使うことに
リソース不足はAssetStoreで対応可能、
Unityで通信ゲームを作成した経験もあり
小規模ゲームをつくる期間としては十分だ！

5. ◆実働環境の構成
予定ではこんな環境構成を想定。
サーバーが1台、
Androidは8台まで接続する。
Android端末たち
サーバーPC
無線つきルータ
同一LAN上の端末たち

6. ◆致命的問題
しかしながら……
Unityのフリーライセンスだと
Androidで通信が実装できないことが判明
→致命的問題
PCなら実装できるためこの点が盲点だった。
動作云々の前にビルドさえできない！！
Pro版($150)を買うしかないのか！？

7. ◆解決策の模索
全力でいろいろ調べた。
中国人のチームメンバーに中国語サイトを
読んでもらいつつ、日本語と英語サイトを
ぐるりぐるり。
見つかったのは
１．JavaコードをUnityで動作させる
２．おとなしくPro版を買え
３．Good Ol’ SocketsというAssetを使う
という3点だった

8. ◆なんだこの神Assetは
３番が簡単そうに見えるということで
一体「Good Ol’ Sockets」が何なのか、
情報が少ないのでいろいろ調べることに……

9. ◆Good Ol’ Sockets
「Good Ol' Sockets」とは
（→https://www.assetstore.unity3d.com/jp/#!/content/13166）
●$25の有料Assets
●Project内のSystem.Net.Socketを全て
自作Socketに置き換えてくれることで
Free版でもAndroidビルドが可能になる
●Scriptだけでなくwebsocket-sharpなどの
DLLにも適用される

10. ◆Good Ol’ Sockets
今回のテーマ
「UnityフリーライセンスでのAndroid通信」
は満たせる、$25の有料Assetsである。
→UnityPro版$150を考えると
$25で済むなら安い！
プロジェクトチームで談義したのち、
購入、実装に移ることとなりました。

11. ◆実装にあたって
通信機能の実装
●PC側
node-websocket-serverを使用し
Node.jsでサーバーを実装する。
（→https://github.com/miksago/node-websocket-server）
使用する言語はJavaScript
※サーバーアプリはUnityではないため、
PCアプリとサーバーアプリは
ローカル通信でやり取りする

12. ◆実装にあたって
通信機能の実装
●Android側
websocket-sharpを使用し
Unityでアプリケーションを実装する。
（→https://github.com/sta/websocket-sharp）
使用する言語はC#
※Good Ol' Socketsによって
PC/Android共にビルド可能なDLLに！

13. ◆実装
●UnityのProjectを作る
１．Good Ol' SocketsのPackageをImport
２．Assets/Pluginsフォルダを作成し、
websocket-sharp.dllを追加

14. ◆実装
●UnityのProjectを作る
３．メニューからGood Ol’Socketsを実行
４．忘れずにPlayerの設定も変更
Internet AccessをAutoからRequireに

15. ◆実装
●UnityのProjectを作る
５．最後にAndroidSDK設定もしておきましょう
（ADKインストールなどの詳細は割愛）

16. ◆アプリケーション実装
●Websocketラッパーをカキカキ
※nullチェックやらエラー処理は省略、無理やり詰め込んでます
using UnityEngine;
using System.Collections;
using System.Threading;
using WebSocketSharp;
public class WebsocketClient
{
public WebsocketClient(){}
public void Connect(string serverIP, string serverPORT) {
mMsgQueue = Queue.Synchronized(new Queue());
string address = serverIP + ":" + serverPORT;
mWebsock = new WebSocket("ws://" + address);
mWebsock.OnOpen += (sender, e) => {
Debug.Log("WebsocketClient Open(" + address + ")");
};
mWebsock.OnClose += (sender, e) => {
Debug.Log("WebsocketClient Close");
};
mWebsock.OnError += (sender, e) => {
Debug.Log("WebsocketClient Error");
};
mWebsock.OnMessage += (sender, q) => {
mMsgQueue.Enqueue(q);
};
mWebsock.Connect();
}
public void Disconnect() {
Thread.Sleep(100);
mWebsock.Close();
mWebsock = null;
mMsgQueue = null;
}
public void Send(string data) {
mWebsock.Send(data);
}
public string Dequeue() {
string data = "";
lock (mMsgQueue.SyncRoot){
if (mMsgQueue.Count != 0)
data = mMsgQueue.Dequeue().ToString();
}
return data;
}
public int GetCountQueue() {
return mMsgQueue.Count;
}
private WebSocket mWebsock = null;
private Queue mMsgQueue;
}

17. ◆アプリケーション実装
●ラッパーを使ってGameObjectをつくる
※前ページのクラスを使ってUnityで通信オブジェクトを作ります
using UnityEngine;
using System.Collections;
public class SocketController : MonoBehaviour {
public void Connect(string serverIP) {
mSocket.Connect(serverIP, "11416");
}
public void Disconnect() {
mSocket.Disconnect();
}
public void Send(string data) {
mSocket.Send(data);
}
void Update() {
while (mSocket.GetCountQueue() > 0) {
string msg = mSocket.Dequeue();
Debug.Log(msg);
}
}
WebsocketClient mSocket = new WebsocketClient();
}
▲こんな感じにしたら
apkをBuildしましょう▼

18. ◆アプリケーション実装
●ビルド時につまづいたエラー
１．company名を入れろ！みたいな警告文
こちらで分かりやすく説明していただいています。
（→http://d.hatena.ne.jp/shu223/20110702/1310314681）
２．JDK1.6が無い！みたいな警告文
Build中JDK1.6●★※～ってメッセージが出たときは
JavaDevelopmentKitの設定ができてません。
こちらで非常に分かりやすく解説して下さってます。
（→http://www.javadrive.jp/install/jdk/index4.html）
※エラーメッセージはJDK1.6を要求しますが、
JDK1.7でも問題なくできます！

19. ◆サーバー実装
●最後にNode.jsでサーバーを作る
// 適当なサーバーコード(main.js)
Run(11416);
function Run(port){
var sys = require("sys");
var httpSv = require("http").createServer();
var ws = require("websocket-server");
var wsSv = ws.createServer({ws:httpSv});
wsSv.addListener("listening", function(){
sys.log("startup");
});
wsSv.addListener("connection", function(sock){
sys.log("connect");
sock.on("close", function(){
sys.log("disconnect");
});
sock.on("error", function(msg){
sys.log(msg);
});
sock.on("message", function(msg){
sys.log("recv:"+msg);
});
});
wsSv.listen(port);
}
Node.jsで実行するとこんな感じで
立ち上がります

20. ◆動作チェック
あとは縮小版構成で確認します
Android端末
サーバーPC
無線つきルータ
確認用の構成環境
いざ、接続！

21. ◆結論
つながった……！

22. ◆まとめ
Unityのフリーライセンスでも
Androidの通信を使った
アプリケーションを作ることができた！

23. ◆まとめ
今回使ったもの
●Unity Free版($0)
●Node.js($0)
●node-websocket-server($0)
●websocket-sharp($0)
●Good Ol' Sockets($25)
→$25は掛かってしまったが、
UnityFree版でやるという目標は達成
掛かった時間：12時間くらい
→3ヶ月の猶予を活かせそうだ

24. ◆最後に
Good Ol‘Socketsの情報が
非常に少なかったため
今回はSlideにさせて頂きました。
同じような悩みをお持ちの方に
見ていただければ幸いだと思います。
Let's Creation Life！

25. ◆参考URL
Good Ol' Sockets
（→https://www.assetstore.unity3d.com/jp/#!/content/13166）
node-websocket-server
（→https://github.com/miksago/node-websocket-server）
websocket-sharp
（→https://github.com/sta/websocket-sharp）
つまづいたエラーへの対処方法
（→http://d.hatena.ne.jp/shu223/20110702/1310314681）
（→http://www.javadrive.jp/install/jdk/index4.html）

26. Thank you for Reading！