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実物大立体モデルを用いた手術計画の有用性に関する検討
- 2. 目 的
2008年より高度先進医療から保険適用技術へと移行して以来、各施設でも 行われるようになってきている。しかし、未だその有用性に関して検討された 報告はない。
そこで、実物大モデルを使用し手術を行った症例を検討し、その有用性を明 らかにすることを目的とした。
【対象】
2007年4月から2013年9月までに、当科で実物大モデルを作成し、加療を 行った35例を対象とした。
対照は実物大モデル未使用で、同一疾患症例95例とした。
【方法】
同一疾患での手術時間および術中出血量について、統計学的解析を行った。
対象・方法
- 3. 結果
疾患
手術時間
出血量
良性腫瘍
293±110
660±472
唇顎口蓋裂
345± 99
454±299
顎変形症
529±158
730±489
悪性腫瘍
313±43
162±121
•良性腫瘍、唇顎口蓋裂、顎変形症において、実物 大モデルを使用することで、手術時間および出血量 の減少をはかることができた。
•悪性腫瘍症例では手術時間や出血量に差は認め なかった。
- 4. 考察
良性腫瘍
•手術時間)有意な減少、出血量)減少
→ 再建の時間の短縮、
2次元では描出困難な腫瘍進展範囲の特定
唇顎口蓋裂
•手術時間)有意な減少、出血量)有意な減少
→ 顎裂の3次元的把握(PCBM骨採取量)
咬合平面傾斜等を把握が容易
顎変形症では
•手術時間)減少、出血量)有意な減少
→ 顔面非対称症例。頭蓋からの咬合平面傾斜等を把握が容易
悪性腫瘍では
•手術時間)大きな変化なし、出血量)減少
→ 統計学的有意差は認めないものの、出血量は減少。再建時は同時に顎骨 再建・皮弁の立ち上げに分かれるため、手術時間は差が出なかったと考える。