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人体計測に用いる レーザースキャナの精確さ・有用性の検証 
彦坂 信1、加藤達也2、 
金子 剛1 、高松亜子1 、長島隼人1 
1:独立行政法人 国立成育医療研究センター 形成外科 
2:慶應義塾大学医学部 形成外科学教室 
Health, Human and Hospitality
OMEGA scannerとは① 
•当科『あかちゃんの頭のかたち外来』 
*頭位性斜頭(Deformational plagiocephaly)に対し、 
一人一人にあった形状誘導ヘルメットを作成している。 
OMEGA Scanner® 
(The Ohio Willow Wood Company) 
三次元形状計測が必要!! 
赤ちゃんを計測するので… 
速やかに・安全に・全周を 
計測する必要がある
精確さ・汎用性・実用性 
•精確さ 
–人体計測で求められる精度≒0.5mm 
–概ね十分な精確さが得らえた。 
•汎用性・実用性 
–スキャン困難な部位があった。 
レーザー光の死角 (ex.耳介後面) 
レーザー光の反射↓(ex.有髪部) 
–体動が大きい場合、精確さが低下する可能性がある。 (ex.小児)
OMEGA Scannerの特徴 
•スキャンの可否 
–ハンドヘルド型で死角の予防可? △ 
→耳介後面などでスキャン困難 
•精確さ 
–人体計測では ○ 
→一部の測定箇所では工夫を要する 
•所要時間 
–固定型のスキャナ:○ 1秒未満 
→ただし死角を生じやすく、後で複数のスキャンを貼り合わせ 
–OMEGA Scanner: △ 1分以上 
→ただし連続自動貼り合わせで、全周性データが取得できる 
•測定物の固定が不要 
–体動に対応可能 ○ (ただし精確さ↓) 
–様々な体位で測定可能(仰臥位、立位など) 
•STLデータ(三次元データの標準方式)の取得 
–汎用性が高い 
赤ちゃんの頭 のスキャン 
◎

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人体計測に用いるレーザースキャナの精確さ・有用性の検証

  • 1. 人体計測に用いる レーザースキャナの精確さ・有用性の検証 彦坂 信1、加藤達也2、 金子 剛1 、高松亜子1 、長島隼人1 1:独立行政法人 国立成育医療研究センター 形成外科 2:慶應義塾大学医学部 形成外科学教室 Health, Human and Hospitality
  • 2. OMEGA scannerとは① •当科『あかちゃんの頭のかたち外来』 *頭位性斜頭(Deformational plagiocephaly)に対し、 一人一人にあった形状誘導ヘルメットを作成している。 OMEGA Scanner® (The Ohio Willow Wood Company) 三次元形状計測が必要!! 赤ちゃんを計測するので… 速やかに・安全に・全周を 計測する必要がある
  • 3. 精確さ・汎用性・実用性 •精確さ –人体計測で求められる精度≒0.5mm –概ね十分な精確さが得らえた。 •汎用性・実用性 –スキャン困難な部位があった。 レーザー光の死角 (ex.耳介後面) レーザー光の反射↓(ex.有髪部) –体動が大きい場合、精確さが低下する可能性がある。 (ex.小児)
  • 4. OMEGA Scannerの特徴 •スキャンの可否 –ハンドヘルド型で死角の予防可? △ →耳介後面などでスキャン困難 •精確さ –人体計測では ○ →一部の測定箇所では工夫を要する •所要時間 –固定型のスキャナ:○ 1秒未満 →ただし死角を生じやすく、後で複数のスキャンを貼り合わせ –OMEGA Scanner: △ 1分以上 →ただし連続自動貼り合わせで、全周性データが取得できる •測定物の固定が不要 –体動に対応可能 ○ (ただし精確さ↓) –様々な体位で測定可能(仰臥位、立位など) •STLデータ(三次元データの標準方式)の取得 –汎用性が高い 赤ちゃんの頭 のスキャン ◎