寒冷地における訓練と練習と連携（旭川医科大学病院）JBWSS2018

1. 寒冷地における
訓練と練習と連携
旭川医科大学病院 及川 欧
2018年6月9日(土)ＪＢＷＳＳ
東京海洋大学 越中島キャンパス

2. 極限状況
高山・山頂
海中・海底
熱帯雨林
砂漠
自然災害
川の激流・津波
赤字負債
スポーツ競技
飢餓
極貧
火災
(水難)事故
家庭
職場
寒冷地

3. 極限状況
寒冷地
死
放置すれば

4. 極限状況
を打破するために必要な
考え方のひとつは、
Incident Command System

5. Incident Command System
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/47/ICS_Organization.jpg
オリンピックにも用いられるシステム

6. 北海道南西沖地震
（1993年7月12日）
死者 202名
行方不明者 28名
規模 M7.8
最大震度 6
様々な理由が重なり、
医療支援を何もできなかった…

7. 次回のため、
今から備えよ！
１）体力作り
マラソン（5km→10km⇒ハーフ→フル）
２）心療内科・救急災害医療の勉強
３）「正しい」情報収集と記録・発表
マスコミと連携（記者、通訳、翻訳）
すると、1年半後に・・・

8. 阪神・淡路大震災
（1995年1月17日）
死者 6434名
行方不明者 3名
規模 M7.3
最大震度 7
死者の80%(約5000人)は木造
家屋が倒壊し家屋の下敷きに
なって即死した。特に1階で就
寝中に圧死した人が多かった。

9. 西宮市立中央体育館
に1000人以上が避難
関西NGOネットワーク
医療ボランティア

10. 寒い。。。
ざわざわしている
夜も明るい！

11. 問い：
医師
及川 欧
だけではダメだ。どうすればいい？
火
水 雪
氷

12. ここにいる自分に
何ができる？
診療活動（診察室、巡回）以外に、
１）生活面での改善をお手伝いする
断熱材、アイマスク、耳栓
洗濯機・乾燥機などの設置依頼
２）人と話し、記録を残す
３）始めた以上は、継続して次につなぐ

14. 1995年3月9日朝日新聞

15. Incident Command System
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/47/ICS_Organization.jpg

16. 問い：
医師(神経内科)
及川 欧
火
水 雪
氷
だけではダメだ。どうすればいい？

17. 5年間の米国への研究留学をした
この間に、
１）ＦＥＭＡの災害医療とIncident
Command System理論を学び、
２）実地訓練として米国赤十字社の
災害ボランティアで火災・洪水
の被災者支援を行い、
３）北海道大学(北大)神経内科から、
今後の災害拠点となりうる、
旭川医大救急部へ転向し、
４）住処を札幌から東川町へ移す
ための準備をし、
５）父の葬儀（北大医学部と札幌
医大の小児科、北大歯学部を
巻き込んで）を執り行い、
６）経営破たんした北海道内の病院
立て直しを手伝った

18. 北海道新聞 2010年 1月 22日 (金) 朝刊

19. 旭山動物園・前園長小菅正夫氏と

20. 2010年5月: 東川町の消防団に入団

22. DMAT (Disaster Medical Assistance Team)訓練
大震災及び航空機・列車事故といった
災害時に被災地に迅速に駆けつけ、救
急治療を行うための専門的な訓練を受
けた医療チーム
年１度の更新受講東京と関西（兵庫）に訓練本部がある
2010年3月: DMAT災害医療受講（大阪)

23. すると、11か月後に・・・

24. 2011年3月11日
東日本大震災・発災中！

25. 問い：
医師(神経内科/救急/災害)
及川 欧
火
水 雪
氷
だけではダメだ。どうすればいい？

26. 2011年8月: 東川町の自宅を建造

27. 滝川にて
大雨のち曇り時々晴れ
（北海道付近を台風12号が通過中） 悪天候の中での開始だったが、座学中
に雲が切れ、（危険な状況下での）経
験豊富なインストラクターの指導のも
とで、川に入っての実技訓練も無事に
終了できた。
2011年9月: Rescue 3
スイフト・ウォーター・レスキュー
（ファーストレスポンダー）

28. 2011年9月: 東日本大震災後の継続医療支援(４回目)

29. 2011年10月: Rescue 3 テクニカル・ロープ・レスキュー

30. 2011年1１月: JICA国際緊急援助隊中級研修（ロジ編）

31. 2012年1月: 東川町で火災
翌日、独りで現場検証を行った

32. 2012年2月: 消防学校・消防団基礎教育課程

33. 2012年3月: 北海道DMAT実働訓練（札幌）

34. 2012年3月: 東日本大震災の継続支援(7回目)

35. 極限状況の打破に必要なものは？
①訓練と練習（自主的に、積極的に）
②振り返り（自分の足と目で検証する）
③繰り返しと積み重ね

36. 2012年4月:内科学会と阪神淡路大震災の振り返り

37. 2012年4月:内科学会と阪神淡路大震災の振り返り

38. 2012年4月:内科学会と阪神淡路大震災の振り返り

39. 2012年4月:内科学会と阪神淡路大震災の振り返り

40. 問い：
医師(神経内科/救急/災害)
及川 欧
行動家
火
水 雪
氷
だけではダメだ。どうすればいい？

41. 極限状況
寒冷地

42. 極限状況
南極

44. 第10/26/36次
上田豊
国立極地研究所所長
白石和行
第21/28次
高木知敬
第10次
安藤久男
第32/37次
米山重人
第49/50/51次
阿部幹雄

45. この年、面接どころか、
書類審査で落とされた。

46. 問い：
医師(神経内科/救急/災害)
及川 欧
行動家/夢想家
火
水 雪
氷
だけではダメだ。どうすればいい？

47. 2012年12月: 1963年の教育大学函館分校遭難を知る

48. 2013年1月8日: 野呂幸司さんにお会いいただく

53. そして。。。
年を１つ重ねると・・・

54. 第21/28次
高木知敬
第32/37次
米山重人
第38次
福田正人
第49/50/51次
阿部幹雄
↑
第56次
↑
第59次

57. 問い：
医師(神経内科/救急/災害)
及川 欧
行動家/夢想家
南極へ行く
火
水 雪
氷
だけではダメだ。どうすればいい？

58. 2014年9月: K38 水上オートバイ免許取得

59. 2014年10月: 中国の奥地で産業医の仕事中
PM2.5は時折1000μg/m３超え

63. 気温
-25.5℃

64. 2015年6月14日：外気温-21.9℃
ALSアイスバケツチャレンジ

65. 帰国後の近況
火
水 雪
氷

66. 2017年7月: JICA中級研修(東京)

67. 2017年8月: 国際消防救助隊連携訓練(IRT札幌)

68. 2018年1月:北海道雪崩事故防止研究会(ASSH)救助連携訓練

69. 問い：
医師(神経内科/救急/災害)
及川 欧
行動家/夢想家
南極へ行く
答え：仲間が必要なのだ
火
水 雪
氷
だけではダメだ。どうすればいい？

70. Incident Command System
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/47/ICS_Organization.jpg

71. 極限状況の打破に必要なものは？
①訓練と練習（自主的に、積極的に）
②振り返り（自分の足と目で検証する）
③繰り返しと積み重ね
④連携（多職種間、共通/共同訓練）

72. 及川 欧（おう）の現状
・人口8000人・東川町の一町民
・大雪東消防・東川第消防団１分団・団員
・内科認定医、神経内科専門医、心療内科専門医、産業医、救急医、
東洋医学専攻医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター
・現在、旭川医大病院・リハビリテーション科助教
・東アフリカの難民キャンプ巡りをし、正しい情報の大切さを認識
・米国留学中にアメリカ赤十字の災害ボランティアとして、火災・洪水の
被災者援助活動を行う。2009年ベスト・ボランティア賞
・北海道フードマイスター、日本茶インストラクター、アロマセラピー
アドバイザー、日本ビール検定2級、調理師（北海道）
・北海道新聞「朝の食卓」執筆者(2010年1月～2011年12月)
・DMAT（災害医療支援隊）隊員、JDR（JICA国際緊急援助隊）隊員
・第56次南極地域観測隊・医療担当・兼・越冬隊長補佐(2014-2016)