ARMをBlackMagic Probeでデバッグする。

1. BLACKMAGIC
PROBEで
ARMをデバッグする
あすもの研2020/7月度オンラインミートアップ
常田 裕士

2. BLACKMAGIC
PROBEとは
• https://github.com/blacksphere/bl
ackmagic
• ARMマイコンをデバッグすると
きに使うアダプタ
• ARMのSWD(Serial Wire Debug)接
続に対応している。
• 線を4本接続すればデバッ
グ可能
• すごい便利なんだけど、日本語情
報がほとんどない。

3. OPENOCDとの比較
• マイコンのデバッグのOSSツールとしては
OpenOCDが10年ぐらい使われている。
• OpenOCDは多機能だが、設定が面倒。
• gdbだけでも山ほどコマンドあるのに、
OpenOCDのコマンドも知らなくてはならない。
• 接続がシンプルになった！
• 大したことない? 実用上は影響大きい
• FTDIドライバがいらない。(Windowsだと、
FT2232のドライバはFTDI版とOSS版の2種類が
あって管理が大変)
• OpenOCDの設定の手間が無くなった。(設定
の組み合わせが多いので難しい)
TARGET
(ARM)
OpenOCD
ADAPTER
(FT2232)
gdb
TARGET
(ARM)
BlackMagic
Probe
gdb
シリアル
FT2232 Driver

4. 仕組み
• BlackMagic Probe自体がgdbのリモートデバッグ機能(Remote Serial
Protocol)に対応している。
• OpenOCD相当の機能をマイコンに埋め込んだ、とも言える。
• とりあえずARM用のgdbがあればデバッグできる。
• セットアップは圧倒的に簡単。
TARGET
(ARM)
BlackMagic
Probe
gdb
シリアル
rsp

5. 入手する
• オフィシャル版は日本からだと購入は若干面倒で、ちょっとお高い。
(Mouser/DigiKeyで買える。)
https://www.adafruit.com/product/3839
• 500円ぐらいのSTM32ボード(BluePill)や中華製 ST-Linkクローン(STのマ
イコンのアダプタの「バッタ物」) も使える。
• ST-Linkクローン相当を製品化したのが Bumpy
https://www.switch-science.com/catalog/5557/
• Bumpyを入手したので、これを使ってみる。

6. BUMPY配線
• SWDのピン配列にあわせて、同名の端子を配線する。
• SWDの端子は1.27mm 2x5のピンヘッダ。変換基板を作る必要あり。部品は秋月で。
• 5VとシリアルのTX/RXも配線しておくと、USBケーブル1本で全部動かせる。

7. 接続する
• gdbからコマンドを叩いて諸々の操作を行う。
• https://github.com/blacksphere/blackmagic/wiki/Useful-GDB-commands
• target extended-remote .COM11 接続する(.COM11は接続先)
• 接続先はOSのシリアルポートの表記で指定する。Linuxなら/dev/tty～
• monitor swdp_scan 接続できるデバイスの一覧を取得
• attach 1 デバッグするCPUに接続
• これ以降は普通のgdb。
• 毎回打つのも面倒なので、初期化ファイルの.gdbinitのファイルに書いて
おく

8. プログラムの実行、デバッグ
• file [hex] でデバッグするファイルの読み込んで、
• ｒun で実行する
• break, step, finish, continue 実行制御の基本コマンド
• print, backtrace, list 状態表示のコマンド
• コマンド覚えるのが面倒な人は https://www.gdbgui.com/ とか、VSCode
のフロントエンドを使う。

9. シリアルポート
• 1系統のUSB-シリアル変換として使える。
• デバッグアダプタとしては標準的な機能
• シリアルポートにデバッグ出力してるときはUSB1本の接続で見れる。
• ちょっともたつく感じがある…
(マイコンのパワー不足?)

10. SWO
• SWOはARMプロセッサのデバッグ用データ出力機能。
• 垂れ流すだけ。入力には使えない。
• シリアルを通信に使っている場合でもprintfデバッグがで
きる便利なやつ。
今回使ったBumpyは未対応でした。

11. 便利ツール
• https://github.com/compuphase/Blac
k-Magic-Probe-Book
• タイトルはBlackMagic Probeの使い
方のドキュメントみたいだが、
中にGUIツールのソースが入って
いるｗ
• SWOの表示やプログラム書き込み
に使える。

12. まとめ
• BlackMagic ProbeはARMを手っ取り早くデバッグできるツール
• 初期化のコマンド3つ打ったら、あとは普通のgdbとしてデバッグでき
る
• シリアルポートが使える。コードがすっき
• ARMのSWO機能を使ったデバッグ出力を使うことができる。