ネットワークの基礎
函館インフォメーション・ネットワーク株式会社
               藤原 幸広
本日のスケジュール

19:00~19:10 自己紹介、会社紹介
19:10~20:00 OSI参照モデルと
            TCP/IPの説明
20:00~20:10 休憩
20:10~20:40 ネットワーク関係の
            コマンドを使って見よう
20:40~20:50 まとめなど
20:50~      後片付け
                          P-2
ネットワークとは何か?

ネットワークの意味
• ネットワークとは、網状に張り巡らされた状態のこと。
  身近なネットワークとしては、電話の回線網、 テレビ
  放送のネットワークや臓器移植ネットワークなど様々
  なネットワークがある。
• コンピュータ・ネットワーク
  複数のコンピュータを接続して、データのやりとり
  を行えるようにしたもの。
      ネットワーク=つながり

                              P-3
ネットワークの種類

• LAN
  Local Area Networkの略で、一定の敷地内ま
  たは建物内でのネットワーク
• WAN
  Wide Area Networkの略で、離れた拠点同士
  でのネットワーク
• インターネット
  世界中のコンピュータ同士を結ぶネットワーク


                                  P-4
ネットワークにはプロトコルが必要

• プロトコル(Protocol)とは
  ネットワークを介してコンピュータ同士が通信
  を行う上で、相互に決められた約束事の集合
  のこと。通信手順、通信規約などと呼ばれる
  こともある。


プロトコル=通信を行うため規格


                          P-5
プロトコルは誰が決めるの?

• プロトコルは標準化が必要
  国際標準化機構(ISO)
  国際電気通信連合(ITU)などによって標準化

• ISOは通信プロトコルを設計する時の指標
  として、OSI参照モデルを提唱。




                           P-6
OSI参照モデル 7階層


7 アプリケーション層    アップ
6 プレゼンテーション層   ブン
5 セッション層       セ
4 トランスポート層     ト
3 ネットワーク層      ネッ
2 データリンク層       で
1 物理層          物理
                     P-7
OSI参照モデル

Open Systems Interconnection

• 通信に必要な機能を7つの階層に分け、
  機能を分割することで、複雑になりがちな
  ネットワークプロトコルを単純化するための
  モデル。
• 隣のレイヤへのデータの渡し方さえ守れば、
  離れたレイヤが何であるかに気にしなくて
  良いというメリットがある。

                               P-8
(1)物理層

• 電気的な条件や接続するための端子の
  形状、端子についているピンの配列など
  について定義。

• 光ファイバー、電話回線、LANケーブル、
  無線などが物理層に該当します。




                         P-9
(2)データリンク層

• 隣接している機器同士の通信を実現する。

• 物理的ではなく、論理的にどう送るかを定義
  します。

• イーサネット(LANの規格)やハブ(スイッチン
  グハブ)がデータリンク層に該当します。



                            P-10
(3)ネットワーク層

• データリンク層で接続されているネットワーク
  同士を相互に接続して、そこに接続されてい
  る任意のコンピュータ間での通信を行えるよ
  うにする。
• 同じネットワーク媒体上に接続されているコン
  ピュータ間同士だけではなく、異なるネットワ
  ーク媒体上に接続されているコンピュータの
  間でも通信を行えるようにする。
• ルータやIPがネットワーク層に該当します。

                          P-11
(4)トランスポート層

• データの送受信を行う端末どうしでデータが
  正しく手順を踏んで送り届けられたかという管
  理と信頼性の確保のための方式が規定され
  ている。

• TCP(Transmission Control Protocol)や
  UDP(User Datagram Protocol)のプロトコルが
  トランスポート層に該当します。


                                        P-12
(5)セッション層

• セッション(仮想的な回線の開始から終了ま
  で)の管理を行い、送受信の同期を取る機能
  を提供する。

• 同期がずれた場合には同期が取れている状
  態まで戻すといった機能を提供する。




                         P-13
(6)プレゼンテーション層

• 圧縮方式や文字コードなど、
  データの表現形式を規定。

• 個別のバイナリファイルをネットワークで通信
  できる形式に変換したり、逆にネットワーク経
  由で受信したデータをアプリケーションソフト
  が認識できる形式に復元したりする部分にあ
  たる。


                          P-14
(7)アプリケーション層

• ネットワーク経由での送受信を行うプログラ
  ムとユーザとの入出力を行うプログラムの間
  の通信にあたる。

• 通信するアプリケーションが相互にデータを
  やり取りする場合に必要になる電子メールの
  形式や文書の構造といった共通のデータ構
  造などが規定される。


                         P-15
インターネットではTCP/IP参照モデルが使われる

OSI参照モデル       TCP/IP参照モデル
7 アプリケーション層    4 アプリケーション層
6 プレゼンテーション層
5 セッション層
4 トランスポート層     3   トランスポート層
3 ネットワーク層      2   ネットワーク層
2 データリンク層      1   リンク層
1 物理層

                              P-16
TCP/IPとは

• Transmission Control Protocol/Internet Protocol
• TCPが第4層(トランスポート層)、IPが第3層
  (ネットワーク層)になり、2つのプロトコルを
  合成した言葉。
• TCPの部分がデータ転送の整合性や確実性
  を保証し、IPの部分がデータ転送先へ経路の
  確保を行う。
• インターネットでは標準的に使われるプロトコル
  である。
                                                    P-17
IPアドレス(Internet Protocol address)とは

• インターネットやLANなどのIPネットワークに
  接続されたコンピュータなどに割り振られる
  識別番号のこと。
• インターネット上ではIPアドレスに重複が
  あってはならないため、 IPアドレスの割り当て
  は各国のNIC(ネットワークインフォメーションセンター)が
  行っている。
• 電話に例えると電話番号のようなもの。


                                      P-18
IPアドレスの構成

• IPv4(Internet Protocol version 4)の場合
  32ビットの2進数で構成され、約42億通り
  (2の32乗)のIPアドレスが使用できる。

2進数
11000000.10101000.00000001.00000001
                   ↓
10進数
   192 .     168    .   1     .      1

                                         P-19
IPv6

• IPv6(Internet Protocol version 6)の場合
  128ビットの2進数で構成され、約??通り
  (2の128乗)のIPアドレスが使用できる。


2の128乗=
340,282,366,920,938,463,463,3
74,607,431,728,211,456通り

                                         P-20
プライベートIPアドレス


Aクラス   10.x.x.x
Bクラス   172.16.x.x~172.31.x.x
Cクラス   192.168.0.0~192.168.255.x

Aクラスで使用可能なIP 16,777,214個
Bクラスで使用可能なIP     65,534個
Cクラスで使用可能なIP        254個



                                   P-21
サブネットマスク

• 上位何ビットをネットワークを識別するための
  ネットワークアドレスに使用するかを定義する
  32ビットの数値。

サブネットマスクが2進数で以下の場合
11111111.11111111.11111111.00000000
上位24ビットがネットワークアドレス、
下位8ビットがホストアドレスになる。

                                      P-22
PCへのIPアドレスの設定方法

・固定で設定する方法(手動設定)

・DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)
 により設定する方法(自動設定)
 DHCPサーバと呼ばれるIPアドレスの
 割り当て管理を行う機器が必要。




                                             P-23
MACアドレス(Media Access Control address)

• イーサネットを使ったLANでは、個々の機器を
  識別するアドレスとしてMACアドレスが使用さ
  れています。
• MACアドレスは、全てのネットワーク機器に
  割れて当てられている。
• MACアドレスは最大で281,474,976,710,656個
  使用可能。



                                        P-24
ARP(Address Resolution Protocol)

• イーサネットでデータを送信するには、あて先
  のMACアドレスを指定する必要がある。
  ARPは、MACアドレスをあて先のIPアドレス
  から求めるためのプロトコル。
• あて先のMACアドレスが分からない場合、
  送信元はIPアドレスのMACアドレスを問い
  合わせるARPリクエストをブロードキャストで
  送信する。
• ARPは一定時間キャッシュするので注意

                                   P-25
TCP(Transmission Control Protocol)による通信

TCPの役割
• コネクション管理
• エラーの検出と訂正、パケットの順序制御
• フロー制御




                                          P-26
コネクション管理

• TCPはコネクション型のプロトコルであり、
  データ転送を始める前に、論理的な通信路(
  コネクション)を設定する。


    接続を開始してもいいですか?(SYN)


      OK(ACK) こちらからも接続を
      開始してもいいですか?(SYN)


      OK(ACK)
                          P-27
コネクション管理

• データを送る時



    データを100byte送ります(SYN)



       受け取りました(ACK)




                           P-28
コネクション管理

• コネクションを切断する時


     切断してもいいですか?(FIN)

        OK(ACK)


    こちらからも切断してもいい
    ですか?(FIN)


      OK(ACK)
                        P-29
エラーの検出と訂正、パケットの順序制御

• TCP/IPはパケット通信を採用しているので、
  TCPはアプリケーションから渡されたデータを
  複数の細切れのデータに分割する。

 分割してデータを送るので、紛失や重複、
 順番の狂いが発生する可能性があるため、
 エラーを検出し、訂正する機能を持っている。




                            P-30
フロー制御
• 相手の処理能力に合わせてデータサイズを
  調整する機能
                         バッファ
                         500byteまで
     200byte送ります         OK
               OK(ACK)
     200byte送ります
              OK(ACK)
    100byte送ります

              OK(ACK)
     バッファ一杯だから送るのやめて
                                 P-31
UDP(User Datagram Protocol)による通信

• コネクションレス型のプロトコルで、
  TCPのような複雑な通信の制御を行わない
  ので、TCPよりも高速に通信が可能。
• 動画や音声などのマルチメディア系の通信に
  適している。
• DNS、DHCP、NTPなどのプロトコルでも
  使用されています。



                                   P-32
ポート番号

• TCP/IPを利用したネットワーク通信では、通信
  機器や個々のコンピュータの持つIPアドレス
  の下に設けられた補助アドレスとして、0から
  65535までの「ポート番号」が使われる。

• ポート番号により1台のコンピュータで複数の
  サービスを提供したり、複数のコンピュータと
  同時に通信できるようになっている。


                             P-33
ルーティング

• 送り先のIPアドレスが同じネットワーク内に
  無い場合、ルータによって他のネットワーク
  に転送する。

• 同じネットワーク内に無い場合にデータを
  送る先のIPアドレスをデフォルトゲートウェイ
  という。



                           P-34
ネットワークに関係するコマンド(Windows)

ipconfig netstat nslookup
tracert ping arp route
telnet hostname getmac
nbtstat など
他にも沢山あります

                            P-35
telnet(テルネット)とは

Telecommunication network
遠隔地(リモート)にあるサーバを端末から操作
できるようにする仮想端末ソフトウェア、または
それを可能にするプロトコルのことを指す。
単純なテキストベースの通信で、認証も含めす
べての通信を暗号化せずに平文のまま送信す
る。
ルータを設定する時にも利用されている。


                            P-36
コマンドを使った演習

1.ネットワーク関係のコマンドを使ってみよう
2.コマンドプロンプトでTELNETを使って
  自分宛てにメールを送信する
3.コマンドプロンプトでTELNETを使って
  メールを受信する
4.コマンドプロンプトでTELNETを使って
  ホームページを見よう



                         P-37
まとめ




終わり\(^o^)/

             P-38

第7回勉強会 ネットワークの基礎