2017.3.17 CAP後の心不全リスク
- 26. RESULT
条件 調整HR 95% CI P value
①肺炎発症時に心不全を発症した群を含む場合 1.82 1.65-2.01 P<0.001
②最初1年で心不全を発症した群を除外した場合 1.44 1.28-1.61
③心不全関連eventで救急部を受診した例を含む場合 1.62 1.45-1.80 P<0.001
④肺炎による脳卒中のリスクを算出した場合 1.02
⑤肺炎による骨折のリスクを算出した場合 1.14
⑥利尿薬を使用している肺炎患者を除外した場合 1.39 1.25-1.55
⑦競合リスク回帰分析に当てはめた場合 1.37
⑧肺炎球菌菌血症を来した例で解析した場合 2.40 1.08-5.30
⑨肺炎球菌以外の菌血症を来した例で解析した場合 0.89 0.32-2.40
- 30. DISCUSSION
○Comparison with other studies
これまでにも肺炎後の心不全リスクに関して長期間にわ
たって評価を行った研究はいくつか存在する。
それらは以下の点でlimitationがかかっている。
・1年間のoutcomeしか評価されていない
・outcomeが心不全関連死しか扱われていない
既存のメタアナリシスと結果が食い違うのも以下の
limitationの存在のせいと考えられる
・サンプルサイズが小さいコホートが用いられている
・既存の心不全の増悪も今回の研究でいう
「incident of heart failure」に含まれている
- 32. DISCUSSION
○Strengths and limitations of study
・CAPが真にそれのみで心不全を起こすかどうか
・心不全が単に急性肺炎がトリガーとなって生じた
cardiac cascadeの最終段階なのか
上記についてはいまだ定かではない。
今回の研究の主要なlimitationは
こうした潜在的なメカニズムおよび
肺炎に関連した心不全の発生原因
を調査できていないということが挙げられる。
- 33. DISCUSSION
○Strengths and limitations of study
他のlimitationとしては以下が挙げられる。
・免疫不全患者といったhigh risk患者が含まれていない
・心不全の診断が臨床データではなく
管理データ( ICD-10-CM 150 など)に基づく
・診断が管理コードなため、心不全の程度を評価する
ことができなかった
※ただし、管理データにおける心不全のコードは
高い妥当性が認められており、
臨床記録と比較して高い陽性・陰性的中率を誇る