宮崎病院　簡易懸濁

1. 社会医療法人 三佼会 宮崎病院
吉﨑留美子・溝越千賀子

2. 濃ピンク文字：小タイトル
吹き出し：一般的
な声かけ例
：注意点・
ポイント
黒文字：手順の説明
コンテンツのみかた

3. 目 的
経管栄養時の内服投与時に、錠剤やカプセル
剤を溶解することで、経鼻チューブの詰まりを
予防することができる。
方 法
錠剤やカプセル剤を溶解させるために約５５℃の温湯
に入れ自然冷却する。水に入れて溶解しない錠剤の
場合はコーティングを破壊して溶解しやすくする。
（コーティング薬剤が簡易懸濁不可能な場合は、懸濁
可能な内服薬に薬剤師が変更）

4. 必要物品
１.患者ラベルつき内服処方箋
２.内服薬
３.トレー（１患者１トレー）
４.薬杯（内服を溶かすための容器）
５.20mlカテーテルチップ１本
６.水20mlを入れたカテーテルチップ１本
７.55℃のお湯20ml
（水道水のお湯を最大温度にしたもの）
８.バーコードリーダー（患者誤認防止対策）
９.簡易懸濁用の市販ペンチと下敷き
（薬にヒビを入れる） 内服薬は患者のベッドサイド
に１日分ずつ設置してあるた
め、患者のベッドサイドで確認
する

5. 必要物品の準備
ベッドサイドで準備するもの
処方箋
ペンチ
下敷き
ベッドサイドに配置
してある内服ケース
ナースステーションで準備するもの
ペンチは一患者毎にアルコール綿で拭き取る
カテーテルチップは1週間毎に交換をする

6. 手順１ 準備と確認
電子カルテの入院オーダー画面で、内服
オーダーに変更のないことを確認する
赤点滅がある場合、
内服変更があるも
のとし、指示表画面
を開き確認を行う
電子カルテ入院オーダー画面

7. 手順２ 手指衛生
患者訪室の前に、手洗いと手指消毒を実施する
（手洗いの方法は『石鹸と流水を利用した手洗
い』のコンテンツを見てね）

8. 手順３ーⅠ 説明と同意・患者確認
内服する患者が本人であるか確認
患者に内服することを説明し、同意を得る
確認のため、お名前
をフルネームでおっ
しゃって下さい
①患者に名前を言ってもらう
②バーコードで患者名と処方箋
が同一患者か、確認する
〇○△△さん、
今から内服しま
すので、名前の
確認しますね

9. ③ピッピッピッ！
で正しい患者であるこ
とを確認
手順３ーⅡ 説明と同意・患者確認
患者の処方箋や内服ケース
のバーコードが違う場合は、
ブー！となり、患者が違いま
すと表示されます

10. 手順４ 薬剤性質の確認
懸濁には、薬品により条件があるため薬剤師が処
方箋に（赤表示）で条件を明記する。看護師はそ
れを確認し条件に準じて懸濁の準備を行う。
条件内容 処方箋

11. 手順５ 薬品の条件別懸濁の分類
①通常は55℃のお湯20ml（水道水のお湯を最大温度にした
もの）に懸濁
②ヒビ（そのままでは溶けにくい錠剤は下敷きにヒート
のフィルム部分を当て、ペンチでヒビを入れる）
③20mlの水に溶かす（お湯で溶かすと効果がなくなったり、
ドロドロになる薬）
④非常に溶けにくい薬のため薬局で粉砕済（処方箋には
「つぶし」と記載）
⑤非常に溶けにくい薬のため薬局で粉砕済みのものを水で
溶かす（処方箋には「つぶし・水に溶かす」と記載）
⑥他の薬とは別に単独で注入
⑦他の薬とは別に単独で水に入れて注入
⑧脱カプセル
⑨脱カプセルして水に注入

12. 手順６ 懸濁
条件に準じて、内服薬を10分間懸濁する
確認後の空ヒートは、注入す
るまでトレー内に保管し、注入
後破棄する
懸濁中は、処方箋と懸濁
している薬杯をトレーに
乗せ、患者の床頭台に置
いておく
ペンチでヒビを入れる
懸濁中

13. 手順７ーⅠ 注入
看護師２名での胃内音の確認を済ませ、
口腔内に経鼻チューブのとぐろがないこ
とを確認した上で、内服を注入する
内服確認・懸濁・注入する者は、同一看護
師で行う。困難な場合は、注入を行う看護
師は空ヒートで内服確認を行った上で注入
し、処方箋の確認欄に懸濁した看護師と注
入した看護師の２名の確認印を押す

14. 手順７－Ⅱ 注入
薬杯は、カテーテルチップでよく
かき混ぜ完全に懸濁し注入する。
注入後は、水20mlを入れたカテー
テルチップでチューブ内をフラッ
シュし、経管栄養を開始する。
内服注入直後は、患者の反応に変
化はないかを観察する。内服注入後は、
手指消毒を実
施する

15. 手順８ 後片付け
使用した物品をすべて
トレーごと回収し、ナース
ステーション内で決められ
た濃度（水2ℓにジクロシア
１錠）で１時間以上消毒す
る
終了後、
手洗いを実施する

16. 引用・参考文献
１）内服薬 経管投与ハンドブック
～簡易懸濁法可能医薬一覧～
２）宮崎病院院内マニュアル 簡易懸濁法

17. 作成年月日：２０１４年１１月
所属：宮崎病院
作成者：吉崎留美子・溝越千賀子
Ｖｅｒｓｉｏｎ １