久保内科　皮下注射

1. ～インフルエンザ予防接種編～
久保内科病院
松崎睦美・前田明美・金武美知子

2. 目的と適応
皮下注射は、皮下の脂肪組織や結合組織薬剤を
注入する注射法です。皮下組織は血管や神経の分
布が少ないため薬剤はリンパ管や末梢血管から
ゆっくり吸収されます。効果の発現が遅く薬効が長
いため、ほとんどの予防接種で用いられます。

3. 必要物品
手袋 アルコール綿
針 薬剤シリンジ 針捨て箱 トレイ
２４～２７G
注射処方箋
本人と薬液を確認 感染予防 ７０％エタノール
指示された薬剤 針やシリンジなど
の感染性廃棄物
を捨てる
清潔・安全のために
物品はトレイにまと
める

4. １．準備
①医師の指示を確認し、必要物品を準備（薬剤確認三原則）
・注射処方箋の患者氏名、部屋番号、薬品名、１回量、投与経路、投与日時を再確認する
②衛生学的手洗いを行い、シリンジに薬剤を準備
③患者さんの本人確認を行い、注射の目的と方法を説明
④患者さんの全身・局所状態・アレルギー、血菅迷走神経反
応などの既往を確認
手順

5. ＊衣類をゆるめて注射部位を
露出し、腰に軽く手をあてる
２．適切な体位
上腕後面をだす

6. 同部位へ反復して皮下注射を行うと､硬
結ができ薬剤の吸収が悪くなる。
注射部位は毎回変えることが重要
３．穿刺部位を決定
橈骨神経の走行に注意し、
肩峰から肘頭下１/３の位
置を確認
注射部位をつまみ、皮下脂
肪の厚さを確認
注意
5ｍｍ以上の皮脂圧が必要

7. ４．消毒
手袋を着用し、注射部位を中心から外側に円を描くよう
に広くアルコール綿で消毒し、完全乾燥するまで待つ
アルコール過敏症の患者さん
には、イソプロパノール70％を
用いる

8. ５．穿刺
＊利き手と反対の手で、穿刺部にふれないように皮膚
をつまんで軽く持ち上げる
＊刺入角度は１０～３０°程度で、針は2/3程度刺入
注意
痛みやしびれがないか確認。
異常があれば抜針

9. ６．逆血がないことを確認
シリンジを固定し、穿刺部を保持していた手で内筒
を引き血液の逆流がないことを確認
注意
血液の逆流が確認された場合には
注射針を少し引いて逆流がない部
位に注入するか、部位をかえる

10. ７．薬液注入
全身状態や注射部位の
変化に注意し薬液をゆっく
り注入する

11. ８．抜針、止血
穿刺部位の脇にアルコール綿を添えて、角度をかえないよう
に素早く針を抜く、同時に軽く抑えて止血
皮下注射は緩徐な薬効を期待しており
急激に血中へ移行させる必要がないた
め、基本的に注射後のマッサージは行
わない

12. ９．抜針した針はリキャプせず
針捨て容器に入れる

13. １０．終わりに
①患者さんの衣類を整え伝達事項を伝える
・注射したところはもまないでください
②物品を元の場所に戻しゴミは決められた方法で
廃棄する
③衛生学的手洗いを行う
④実施記録として、患者さんの状態と訴え、副作用の有無
などを記録する

14. 参考文献
１）看護技術がみえる２臨床看護技術 メディックメディア 2013年 81～85
監修 近藤一郎 小林友恵
２）ビジュアル看護技術２観察・検査・処置 中央法規 2006年 266～269
監修 安藤郁子
３）決定版ビジュアル臨床看護技術 照林社 2011年39～40
監修 濱田より子 藤田淑子

15. 久保内科病院
金武 美知子
前田 明美
松崎 睦美作成者
所属
作成年月日２０１４年１２月１３日
Ｖｉｒｓｉｏｎ１