Leadership education
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第60回日本神経学会学術大会＠大阪 シンポジウム「脳神経内科医の燃え尽き症候群を防ぐための対策と提言」に使用するスライドのフルバージョンです．
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Leadership education
- 2. • 仕事に意義を見出す • 医学以外の教養を学び（liberal arts）， 自分の「幸福とはなにか？」を考える • ムダな仕事を減らす（task delete） • リーダーシップ教育 私の考える「燃え尽き症候群」対策
- 3. • 仕事に意義を見出す • 医学以外の教養を学び（liberal arts）， 自分の「幸福とはなにか？」を考える • ムダな仕事を減らす（task delete） • リーダーシップ教育 私の考える「燃え尽き症候群」対策 個人 レジリエンス 組織
- 6. ① 組織の変革に必要 ② 上司によるハラスメントの防止 ③ 個々のメンバーの成長に必要 なぜリーダーシップが必要か？
- 7. ① 組織の変革に必要 • 環境変化が激しい現代は，時代の流れ に応じた「組織変革」なしに生き残ること は不可能． • 「組織変革」に必要なものが，リーダー シップである．
- 9. ②上司によるハラスメントの防止 • 医療でも上司によるさまざまなハラスメントが生じうる． • 直接ハラスメントの被害にあわなくても，間接的にハラス メントを目撃・伝聞しただけで同様の悪影響を受ける (Glomb et al. 1997） セクシャル 性的ないやがらせ ジェンダー 「男らしさ」「女らしさ」の強要 アカデミック 教授による学生へのいやがらせ
- 10. 例：日本の大学における現状 • ３つのハラスメントについて調査 – セクシャル・ハラスメント – ジェンダー・ハラスメント – アカデミック・ハラスメント • 日本の大学教員に対し，それぞれ直接，間接ハラス メントの有無を質問表にて調査． • 回収率27.8％（ 330/1189人）. Takeuchi M et al. Tohoku J Exp Med 245; 37-44, 2018
- 13. 上司のLSはバーンアウトを抑制する • 医師，研究者を対象に，上司のリーダーシップ について，60ポイントからなる評価を行ない， バーンアウトと満足度への影響を検討． • リーダーシップのスコアが１ポイント上がると， バーンアウトが3.3%減少，満足度が9%上昇 （いずれも P<0.001）． Shanafelt et al. Mayo Clin Proc 90; 432-440, 2015
- 26. リーダーシップは 経験からでなく，学問として学ぶことができる • 書籍 • 通信教育 • 岐阜大学（リーダー教育）
- 27. ① リーダーには共通する特性がある（特性理論） ② リーダーには取るべき行動がある（行動理論） ③ 環境によりリーダー像は変わる（条件適合理論） ④ 組織を「変革」するのがリーダー ⑤ より高次の「倫理観」をもつ者がリーダー リーダーシップ理論のおもな歴史
- 28. • 傑出した人物からリーダーの適性を測る – 孫子 「将とは，智，信，仁，勇，厳なり」 – マキャベリ 「狐のごとく狡猾で，ライオンのごとく 獰猛であるべし」 • しかし個人の特性だけで，リーダーシップが 発生するわけではないという認識が生まれる リーダーシップ理論の歴史 ①特性理論
- 30. • 行動理論における行動のすべてが効果を発揮 するわけではなく，環境条件に適合した行動の みが，効果を発揮する. • つまり，リーダーの行動は部下の状況で変わる． リーダーシップ理論の歴史 ③条件適合理論（Situational leadership）
- 33. • リーダーとして変化を受け 入れ，組織の「変革」に挑む • リーダーとマネージャーの 違い ④ 「急激な変化」に対応するための 変革のリーダーシップ
- 34. リーダーとマネジャーの仕事は 明確に異なり，相互に補完する リーダー マネジャー 危機→変革 安定→管理 発展 維持 長期的視野（ビジョン） 短期的視野 鼓舞する コントロールする どちらがより重要かは状況に依存する．
- 35. どのように変革するか? レビンによる変革プロセス 解凍 • 変化の必要 性をメン バーに理解 してもらう． • 現状を突き 崩す 変革 • 具体的な 方策を取り 入れる • 新たな行動， 考え方を学 習する 再凍結 • 新しく導入し た変化を， 定着させる
- 36. 変革マネジメントモデル（ADKAR model） Awareness（認識） – 変革が必要な理由の認識 Desire（欲求） – 変革に参加したいという欲求 Knowledge（知識） – どう変革するかという知識 Ability（実践） – 実際に実践する場をもってもらう Reinforcement（強化） – 変革を定着させるための補強 Jeffrey M Hiatt
- 37. • Servant ＝使用人，召使い • 部下に対して，奉仕の気持ち を持って接する • どうすればメンバーの持つ力 を最大限に発揮できるのかを 考え，環境づくりをする ⑤ より高次の「倫理観」に基づく サーヴァント・リーダーシップ
- 39. 大切なのは 部下のエンパワーメント • 現場の自主性を高め，パフォーマンス向上に つなげるために権限を与え，力をつけさせる • 単なる権限委譲とは違い，部下の意欲を最大化 させる • 一番の目的はチームのタスクを完遂しつつ， 部下を育成をすることである．
- 40. • いつでも相談できる関係を構築する． • 「何かあったら言って」では不十分に終わる． • しかし差し出がましい口出しは，やる気の喪失や 依存心の助長につながる． • 予告なく「どうなった?」と聞くと監視と感じる． 部下への声かけの時期を予め合意しておく． エンパワーメントは難しい （支援と確認はやりかたが大切）
- 41. さらにリーダーに大切な３つのこと
- 42. ① 自制心と感情コントロール Emotional Intelligence Quotient • 自制心を持って感情コントロール することがリーダーに必要である （EQリーダーシップ）
- 44. 「怒る」vs「叱る」 • 感情的に「怒る」のは厳に慎む • 理性的に，相手の感情を理解し「叱る」 しかし相手の感情の理解は，職場の diversity の 進展により以前より容易ではない
- 45. ② Diversity への取り組み • Diversity（キャリア，経験，働き方の多様性）をチームの 強みに変える • Diversity を活かし，さまざまな患者さんの立場を考えた 医療や研究，教育が可能になるのではないか？ • 意見を述べやすく行動しやすい環境を作ること考える （働き方改革のひとつ）
- 47. 小括２ • リーダーシップ教育は学問として確立しており， 指導者のみでなく，さまざまな立場の者が学ぶ 必要がある． • とくに変革のリーダーシップ，サーバント・リーダ ーシップ，EQについて理解する．
- 48. 結局，リーダーシップとは？