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Anti-IgLON5 disease

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Anti-IgLON5 disease

  1. 1. IgLon5抗体関連疾患の 臨床像と治療 岐阜大学大学院医学系研究科 脳神経内科学分野 下畑 享良 本発表に関連するCOIはございません.
  2. 2. IgLON5抗体 関連疾患 自己免疫性 PSP mimics
  3. 3. IgLON5抗体 関連疾患 最も聞かれる質問? IgLON5の発音 アイグロン
  4. 4. • 2014年,8例(52~76歳)の症例集積研究(スペイン) • 睡眠呼吸障害,ノンレム・レムパラソムニア,歩行障害, 運動異常症,運動失調,球麻痺 • タウオパチー • 血清,脳脊髄液 IgLON5抗体陽性 IgLON5抗体関連疾患の原著 Sabater L et al. Lancet Neurol 2014;13:575-586
  5. 5. • IgLON5は神経細胞膜表面に発現する細胞接着分子. • 明確な役割はわかっていない. • 3つの免疫グロブリン様ドメインを細胞外に有し,GPI アンカー を介して細胞膜の脂質ラフトに結合する. 細胞膜 IgLON5 immunoglobulin-like cell adhesion molecule 5 Sabater L et al. J Neuroinflammation 2016;13:226
  6. 6. • サブクラスは IgG4 主体 • 作用 膜表面のIgLON5の内在化 神経細胞の細胞骨格の維持を 阻害 → dystrophic neurites, axonal swelling IgLON5抗体 Sabater L et al. J Neuroinflammation 2016;13:226 cell-based assay IHC Rat 小脳
  7. 7. Gelpi E et al. Acta Neuropathol 2016;132:531-43 AT8による リン酸化タウ 背景病理はタウオパチー (脳幹被蓋と視床に目立つ)
  8. 8. 強拡大 Dalmau J et al. Physiol Rev 2017;97:839-87 炎症所見 なし NFT 異常リン酸化 タウの沈着
  9. 9. タウ病理は進行期に 2次的に生ずる? Erro ME J et al. Neurol Neuroimmunol Neuroinflamm 2019;7:e651 • 71歳男性,IVIG施行したものの,発症24ヶ月で死亡. • リン酸化タウの沈着(-) • CD8陽性リンパ球浸潤を視床下部,脳幹,海馬に軽度認める.
  10. 10. 臨床像 慢性の経過が多く,診断がつきにくい Gaig C et al. Neurology 2021;97:e1367-1381 72症例 中央値(範囲) 発症年齢 62歳(42-91) 男性 56% 慢性の経過 76% 診断時年齢 66歳(46-91) 発症から診断までの期間 36ヶ月(1-126ヶ月) 自己免疫性疾患の合併 8% 悪性腫瘍の合併 10%
  11. 11. 1)睡眠障害(パラソムニア,閉塞型無呼吸,喉頭喘鳴など) 2)脳幹障害(嚥下・構音障害,眼球運動障害,呼吸障害など) 3)歩行の不安定性,姿勢保持障害,転倒 4)舞踏運動などの不随意運動・パーキンソニズム 5)自律神経障害 6)HLA DRB1*10:01およびHLA DQB1*05:01陽性 7)死亡原因の約半数が,呼吸障害や不整脈による突然死 → PSPないしMSA様の臨床像を呈しうる きわめて多彩な臨床症候を呈する Gaig C et al. Neurology 2017;88:1736-1743
  12. 12. 1)睡眠障害(パラソムニア,閉塞型無呼吸,喉頭喘鳴など) 2)脳幹障害(嚥下・構音障害,眼球運動障害,呼吸障害など) 3)歩行の不安定性,姿勢保持障害,転倒 4)舞踏運動などの不随意運動・パーキンソニズム 5)自律神経障害 6)HLA DRB1*10:01およびHLA DQB1*05:01陽性 7)死亡原因の約半数が,呼吸障害や不整脈による突然死 → PSPないしMSA様の臨床像を呈しうる Gaig C et al. Neurology 2017;88:1736-1743 きわめて多彩な臨床症候を呈する
  13. 13. Gaig C et al. Neurology 2017;88:1736-1743 ① 睡眠障害型 ② 球麻痺型 ③ PSP-like syndrome ④ 認知機能障害型 4つの病型のひとつとして 報告された PSP-like 症候群
  14. 14. Gaig C et al. Neurology 2017;88:1736-1743 下畑ら.臨床神経 2021; 61:825-832 睡眠障害型 球麻痺症候群 球麻痺型運動ニューロン病 mimics 進行性核上性麻痺(PSP)様症候群 大脳皮質基底核症候群(CBS) 小脳症候群 認知機能障害型 神経筋障害型 現在,5ないし8病型が報告されている 運動異常症型 球麻痺型
  15. 15. A. 睡眠障害 異常な睡眠構造(ヒプノグラム) Sabater L et al. Lancet Neurol 2014;13:575-86 未分化なNREM睡眠 構造化不良なN2期 睡眠後半に正常NREM出現
  16. 16. Sabater L et al. Lancet Neurol 2014;13:575-86 覚醒反応 発声 運動 周期性 下肢運動症 A. 睡眠障害 覚醒,パラソムニア,周期性四肢運動症
  17. 17. 1.未分化な NREM睡眠における周期性下肢運動症 2.構造不良なN2における異常運動(食べるような動き) 3.異常運動(テレビアンテナ工事,ワイヤーを扱うような動き) 4.REM睡眠における jerky movement 5.N3における喉頭喘鳴 Sabater L et al. Lancet Neurol 2014;13:575-86
  18. 18. • 72例中27例(37%)が運動異常症型. • PSP様症候群が10例(14%),その他の運動異常症が17例(24%), 顔面・腹部ジスキネジア>小脳性運動失調>舞踏運動であった. • しばしば初診の主な理由となるが,運動障害単独はまれ. B. 運動異常症 Gaig C et al. Neurology. 2021;97:e1367-81.
  19. 19. Dalmau, J., & Graus, F. (2022). Anti- IgLON5 Disease. In Autoimmune Encephalitis and Related Disorders of the Nervous System (411-429). doi:10.1017/978110 8696722.016 歩行の不安定性,姿勢保持障害
  20. 20. Dalmau, J., & Graus, F. (2022). Anti-IgLON5 Disease. In Autoimmune Encephalitis and Related Disorders of the Nervous System (411-429). doi:10.1017/9781108696722.016 舞踏運動
  21. 21. 運動異常症は多彩で 複数合併することが多い アカシジア 歩行障害 舞踏運動 (認知症を伴う) 運動緩慢 ジストニア ミオクローヌス ミオリズミア ミオキミア 姿勢異常 筋強剛 振戦 Gaig C et al. Neurology. 2021;97:e1367-81.
  22. 22. 睡眠中の ミオリズミア Mov Disord Clin Pract.2021;8:460 -463. 突発性の筋放電 の開始を伴わない 3Hz以下のゆっくり とした周期性・ 同期性筋収縮
  23. 23. 舌のミオリズミア(機能は障害されない) Gaig C et al. Neurology. 2021 Aug 11:10.1212/WNL.0000000000012639.
  24. 24. ミオキミア(顔面筋の下半分) Gaig C et al. Neurology. 2021 Aug 11:10.1212/WNL.0000000000012639. 皮下にむずむず 虫が這うような さざ波が立った ような細かい ふるえ
  25. 25. 激しい体幹の屈曲を伴う首下がり (舞踏運動を伴う認知症の重症例:高抗体力価) Kanchana S, et al. Mov Disord Clin Pract. 24 Sep 2022
  26. 26. 検査 Gaig C et al. Neurology 2021;97:e1367-1381 頭部MRI 正常・非特異的変化 58/70(83%) 脳幹萎縮 6/70(9%) 小脳萎縮 3/70(4%) その他の異常 3/70(4%) 脳脊髄液所見 正常 28/63(44%) 細胞数増多(>5 /mL) 17/63(27%) タンパク上昇(>45 mg/dL) 29/63(46%) その他の異常 5/28(18%)
  27. 27. 脳脊髄液のB細胞と形質細胞の増加 Strippel C et al. Neurol Neuroimmunol Neuroinflamm. 2022;9:e1137 → 免疫療法を行う根拠と考えられている
  28. 28. 治療 第1選択 ステロイドパルス療法 IVIg 血漿交換療法 第2選択(併用) リツキシマブ アザチオプリン ミコフェノール酸モフェチル シクロフォスファミド Nissen MS et al. Front Neurol. 2019;10:1056 Dalakas MC. Neurol Neuroimmunol Neuroinflamm 2021;9:e1116 IgG1を介した炎症を阻害する IVIgは,IgG4が優位の本疾患で は有効性が低い可能性がある 抗体産生自体を抑制するリツキ シマブのほうが有効である可能 性がある
  29. 29. 免疫療法の有効性は高くはない (18試験,46症例のレビュー) Cabezudo‐García P et al. Acta Neuropathol 2020;141:263-70 有効 20/46例(43.4%) 終診時有効 15/46例(32.6%) 併用療法 vs 単剤療法(66.6% vs 31.8%) 病型によって治療反応性が異なる可能性 34.2% 42.8% 46% 100% 75% 33.3% 37.5%
  30. 30. ドイツ多施設による 治療に関する後方視的研究 Grüter T, et al. Brain, awac090, doi.org/10.1093/brain/awac090 対象 53名(女性:男性=2:3) 治療 第一選択免疫療法の有効率 41% 予後良好 ① 発症1年以内の長期免疫療法 ② 治療前のNfLの低値
  31. 31. 当科にて抗体アッセイ系を確立し, CBS症例に1例,抗体陽性例を見出す • 78歳女性,4年の経過で,下肢優位左半身の 失行,皮質性感覚障害,筋強剛,ジストニア, 歩行障害が進行した. • Armstrong 基準: probable sporadic CBD Fuseya K et al. Mov Disord Clin Pract. 2020;7:557-9
  32. 32. 抗IgLON5抗体 Cell-based assay とラット小脳免疫染色 Cell-based assay
  33. 33. ステロイドパルスと IVIG 3コースで改善 • その他の失行や皮質性感覚障害も改善. • SPECT,DATスキャン所見が改善した.
  34. 34. ステロイドパルスと IVIG 3コースで改善 免疫療法前 免疫療法後
  35. 35. 2症例目の経験 (岡山大学田所功先生,山下徹先生;投稿準備中) • 54歳の女性 • 臨床診断 PAF→MSA,球麻痺,SRBD • HLA HLA-DRB1*10:01 HLA-DQB1*05:01 • PSG N2と覚醒を短時間で繰り返す パラソムニア,AHI 高値 • 免疫療法 嚥下障害が若干改善
  36. 36. 小括1.IgLON5抗体関連疾患 1. IgLON5抗体関連疾患は,睡眠障害,運動異常症, 球麻痺など多彩な症候を呈するタウオパチーである. 2. 免疫療法が奏効する自己免疫性PSP/CBSが存在する ので,非典型例では抗体測定を行う. ① PSP・CBS+睡眠障害(SRBD,パラソムニア,喉頭喘鳴) ② 球麻痺にとどまり,四肢に進展しない ALS疑い例 ③ 亜急性の経過,脳脊髄液タンパク↑
  37. 37. IgLON5抗体 関連疾患 自己免疫性 PSP mimics
  38. 38. 当科が心がけていること • 神経変性疾患と診断される患者のなかに, 自己免疫性脳炎が存在するのではないか? という目で患者を見直す. • そのような患者を見出し,「治療可能性を 検討すること」,そして「自己抗体を同定する こと」が目標である.
  39. 39. ある原因による PSP mimics • 45歳女性,PSP様の症候を呈し,5ヶ月で寝たきり. • しかしPSPとして非典型的な所見あり 全方向性外眼筋麻痺,頸部の前屈,下肢の痙性, 下顎ジストニア Takkar A et al. J Neuroimmunol 2020;347:577345
  40. 40. • 頭部・脊髄 MRI 正常 → 症候に加え,画像もPSPとして合致しない. • 乳がん切除術の既往,リンパ節転移 • 血清・CSF Ri 抗体(+) → 診断:傍腫瘍性PSP ある原因による PSP mimics Takkar A et al. J Neuroimmunol 2020;347:577345
  41. 41. 傍腫瘍性パーキンソニズムでは Ri抗体が最多である • PubMed 検索式 Parkinsonism OR Atypical parkinsonism OR progressive supranuclear palsy OR paraneoplastic OR neoplastic Takkar A et al. J Neuroimmunol 2020;347:577345 Ri 33% CRMP5 19% Ma 7% Hu 4% LGI1 4% 不明 33% • 27例(parkinsonism+gaze palsy 8例, PSP 4例,MSA 2例を含む) • Ri抗体関連疾患の表現型 オプソクローヌス・ミオクローヌス 症候群,小脳失調(PCD),脳幹 (中脳)症候群,脊髄障害に加え, パーキンソニズムを認識する. 9 5 2 1 1 9
  42. 42. 当科で経験した PSP mimics 例 ( IgLON5抗体陰性) • 81歳女性,1ヶ月前に発熱, 徐々に意識レベルが低下. • 項部後屈,安静時振戦, 上肢左優位の筋強剛, 右下肢ミオクローヌス. → 肺炎を合併したPSP? • 腫瘍検索で異常なし. 一般演題OD1-3 大野陽哉ら
  43. 43. ラット大脳凍結切片 および海馬初代培養 細胞による免疫染色は, 血清・CSFにより海馬 神経細胞は陽性に 染色された. 既知の自己抗体は Ri抗体を含め陰性. 患者脳脊髄液 対照
  44. 44. 免疫療法による症候の改善 • IVIG 2コース,ステロイドパルス2コースを行なった • 意識障害,振戦,筋強剛,ミオクローヌス,尿閉は徐々に改善. • MMSEも改善(10→17). IgLON5抗体関連疾患,傍腫 瘍性パーキンソニズム以外 にもPSPの表現型を呈する 自己免疫疾患は存在する!
  45. 45. 小括2.その他の自己免疫性PSP 1. 傍腫瘍性パーキンソニズムでは,Ri抗体が最多で, PSP mimicsを呈する症例が報告されている. 2. 腫瘍を認めない未知の自己抗体による自己免疫性 PSPも存在する. 3. 神経変性疾患と診断される症例のなかに,treatableな 自己免疫性脳炎が含まれている可能性がある. → 非典型例についてぜひご相談ください!
  46. 46. 岐阜大学大学院 医学系研究科 脳神経内科学 木村暁夫,吉倉延亮,竹腰 顕,大野陽哉 自然科学研究機構 生理学研究所生体膜研究部門 深田正紀,深田優子 共同研究者

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