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2017首都大学東京情報通信特別講義

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2017の首都大学東京情報通信特別講義の講義資料

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2017首都大学東京情報通信特別講義

  1. 1. IT業界の企業で働く 研究者が考えていること 2017-09-13 首都大学東京 情報通信特別講義 サイボウズ・ラボ / 一般社団法人未踏 西尾泰和
  2. 2. 自己紹介 サイボウズ・ラボ 次世代のグループウェアの 基盤となる技術を研究開発 2
  3. 3. グループウェアって何? 3
  4. 4. Douglas Engelbart 4 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Douglas_Engelbart_in_2008.jpg
  5. 5. Douglas Engelbart マウス GUI ハイパーテキスト グループウェア 5 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Douglas_Engelbart_in_2008.jpg
  6. 6. Group + Software 6
  7. 7. Augmenting Human Intellect ソフトウェアによって 人間の能力を増強する 7 "Augmenting Human Intellect: A Conceptual Framework" (1962)
  8. 8. Augmenting Group Intellect ソフトウェアによって 集団の能力を増強する =グループウェア 8
  9. 9. 人間 コンピュータ
  10. 10. 人間 人間+コンピュータ =増強された人間
  11. 11. 人間 人間+コンピュータ =増強された人間
  12. 12. グループウェアの 進化の歴史を 駆け足で紹介する
  13. 13. 電子メール 複数人が書き言葉を やりとりするための ソフトウェア
  14. 14. 紙の手紙よりも 圧倒的に速く 書き言葉が伝えられる
  15. 15. 1対1を想定していたので 3人以上になると 問題が起きる
  16. 16. 指定し忘れたり… 宛先をいくつも指定… 差出人だけに 返信したり…
  17. 17. 仲介者を置くことで解決
  18. 18. メーリングリスト ニュースグループ グループチャット 電子掲示板
  19. 19. 複数人が 対話するための 「場」
  20. 20. チームと場が1対1 場と話題が1対多
  21. 21. 複数の話題が話された時に 話の流れを追いにくい問題
  22. 22. 2通りの解決アプローチ ・返信によって束ねる ・話題ごとに場を作る
  23. 23. 掲示板群 ・事前に話題ごとの場を作る ・チームと場が1対多、 場と話題が1対1 ・話題ごとに話の流れを追うコスト減
  24. 24. 場を作ってから 発言するのは 心理的障壁が高い
  25. 25. 「気軽に書ける場」を作る ・話題ではなく個人に紐付いた 「なんでも書いてよい場」 を作る ・インフォーマルなコミュニケーション ・思いつきを共有するコスト減
  26. 26. 次に起こること • 大勢が気軽にアウトプットする • 部署をまたいだコミュニケーションも 盛んになる • その結果……情報洪水が起きる どうやって解決したらよいだろうか?
  27. 27. グループウェアの 進化の歴史を 駆け足で紹介した
  28. 28. サイボウズでは 自分たちの製品を 仕事に使っている
  29. 29. チームを増強するソフトを 自分たちで作りだし それを自分たちで使う
  30. 30. 人間 人間+コンピュータ =増強された人間
  31. 31. 間 間+コンピュータ 強された人間 増強力が 顧客価値
  32. 32. Augmenting Human Intellect ソフトウェアによって 人間の能力を増強する 32 "Augmenting Human Intellect: A Conceptual Framework" (1962)
  33. 33. 人間増強の四要素 • 1: 人工物(Artifacts) • 2: 言語(Language) • 3: 方法論(Methodology) • 4: 教育(Training)
  34. 34. 人間増強の四要素 • 1: 人工物(Artifacts) ←ソフトウェアなど • 2: 言語(Language) • 3: 方法論(Methodology) • 4: 教育(Training)
  35. 35. 増強方法はソフトだけではない • ソフトウェア(人工物)を作り出すこと だけが増強の方法ではない • 思考の助けになるような言葉を作り出す • 「やり方」を言語化・体系化する • そしてそれらの使い方を教育する
  36. 36. 人間増強の四要素 • 1: 人工物(Artifacts) • 2: 言語(Language) • 3: 方法論(Methodology) • 4: 教育(Training)←1~3を使うスキルの教育 ↑どんなよいソフトを作っても 使い方が理解されなければ役に立たない
  37. 37. 筆者が教育をやりだした流れ • 2010-08 セキュリティ&プログラミング キャンプで「言語の設計判断」講演 • その資料を公開していたところ雑誌の特集 を書くことに • 2010-12 技術評論社WEB+DB PRESS Vol.60 「言語設計の基礎知識」 • 特集記事が好評だったので書籍を書くこと に
  38. 38. 続き • 2013 書籍「コーディングを支える技術」 – 「言語を比較して学ぶことが大事だ」と書い た – 「なぜ大事なのか」を考え始め、それにつ いて1章書いたのだけど編集判断でカットに なる – コラムに分解して章末余白に詰める
  39. 39. 続き • 「コラムが参考になった」というフィード バックが来て、やっぱりこれを掘り下げる べきだ、と確信する • 2014 WEB+DB PRESS Vol.80 特別企画 「エンジニアの学び方」 • 2014 京都大学サマーデザインスクール 「学び方のデザイン〜盲点を見つけよう」
  40. 40. まとめ • 学びについて語ることに対して、 市場のニーズが予想外に大きかった • よいアイデアは自分で成長する。 よいアイデアは見る人を刺激するので、 その人々がアイデアに手を貸してくれる* • アイデアを他人に伝えつつ、 さらに育てるための材料を収集する * ジェームス・W・ヤング「アイデアのつくり方」
  41. 41. 最初の一歩を踏み出すための 方法論を駆け足で紹介 41
  42. 42. 新しいことを学ぶためには 「自分がまだ知らないこと」 に気づく必要がある 42
  43. 43. 43
  44. 44. 44 先入観なく現実を観察し、 自分の理解とのズレを探す
  45. 45. エンジニア向けの具体例 エラーメッセージをちゃんと読む 「きっとこうだ」と決めつけるのではなく 確認のコードを書く どこが遅いかプロファイル取ってから高速化 マニュアルを読め(たとえ英語でも) 自分の理解(=思い込み)と現実のズレに注目 45
  46. 46. 先入観なく見るのは難しい 46 ←見えていない
  47. 47. 多くの視点を得ることで 先入観を減らす 47 “他人”の視点が有用
  48. 48. こういう考え方をしがち 知識の多い人と 少ない人がいる 知識多い 知識少ない
  49. 49. こういう考え方をしがち 知識多い人が教え 少ない人が教わる 知識が多い 知識が少ない
  50. 50. 知識の少ない人からでも 学ぶことができる A B
  51. 51. × 自分以外から一方通行で学ぶ 「自分に教えられることはない」 という思い込みが作った心の壁
  52. 52. 互いに知識を交換して学ぶ
  53. 53. 多くの視点を得ることで 先入観を減らす 53 “他人”の視点が有用
  54. 54. 54 先入観なく現実を観察し、 自分の理解とのズレを探す
  55. 55. それが盲点を見つけ 学ぶために必要なこと 55
  56. 56. 56
  57. 57. 何を学ぶか 57
  58. 58. 58 抽象的な知識ほど 応用範囲が広い
  59. 59. 具体的問題の答えを覚える →その問題が解けるだけ 解き方(抽象的方法論)を学ぶ →新しい問題を解ける 59
  60. 60. 抽象的な方法論を 具体的な問題を解かずに 学べるだろうか? 60
  61. 61. 自分の経験から抽象化を 繰り返して理解を育てる 61
  62. 62. 経験という「根」と結びつかないと 応用できる知識にならない 62 根無し草の知識 応用 根のある知識
  63. 63. 経験 63
  64. 64. 「自分が経験したこと」は 自分が世界で一番詳しい 64
  65. 65. よくある例 発表者「失敗が怖い、間違えるのが怖い」 →教科書を丸写しして発表 →質問されても「そう教科書に書いてあった」 としか答えられない →質疑が盛り上がらない 失敗を避けようとしたことによって より大きな失敗が引き起こさてれいる 65
  66. 66. 間違えることを避けようとしない • 自分が「教える役」だと思っていると、 間違えることは失敗だと思うのかもしれない • でも「教えあう」が目的なのだから、 間違いじゃないかとつっこまれて議論をする そのプロセス自体が有益なもの • 教科書などの「外部の権威」 を自分の発表の正当化に 使うとそのプロセスが 回らなくなる 66
  67. 67. 経験がメインディッシュ 自分はこういう経験をした(事実) (オプション)教科書にはこう書いていた(事実) 自分はこう理解した(解釈) →これなら聞いている人に 自分の解釈を言える余地がある 67
  68. 68. 理解の検証について 68
  69. 69. 自分の中で育てた「理解」が 応用できる知識かどうかは どうすればわかるのか? 69
  70. 70. 「理解した」は 仮説にすぎない 70
  71. 71. 仮説は実験して検証しよう 71 検証: 思った通りの 結果になった?
  72. 72. エンジニア向けの具体例 プログラミング言語を学ぶ時: A: マニュアルを読んで理解した!終わり! B: マニュアルを読んで理解した気がしたので 確認のためのプログラムを実装してみた! 72
  73. 73. 実際にやってみて どうだったのか 73
  74. 74. 経験 74
  75. 75. 計画 行動 結果の考察計画の修正
  76. 76. 仮説 実験 結果の考察仮説の修正
  77. 77. 理解 行動 結果の考察理解の修正
  78. 78. 実際にやってみて 予想と違った ↓ 学びのチャンス! 78
  79. 79. 79 先入観なく現実を観察し、 自分の理解とのズレを探す
  80. 80. 理解 行動 結果の考察理解の修正 最初の一歩はどう踏み出すのか?
  81. 81. 互いに知識を交換して学ぶ
  82. 82. 自分が学んだことを 他人に伝える 83
  83. 83. 教科書の丸写し ではない発表 84
  84. 84. 京都大学サマーデザインスクール • 一つの例として 「3日間のワークショップでやったこと」 をさらに駆け足で紹介 • 詳細は「学び方のデザイン」で検索
  85. 85. 書いてから考えよう 86
  86. 86. 関係あるかもしれないことを まずは全部書き出して 覚えておく必要をなくす 87
  87. 87. 具体例 「発表のネタになるかもしれない ものを付箋に50枚書く」 88
  88. 88. 「発表資料を作ろう」は 大きくて計測不能なタスクなので やる気が失われがち 「ネタを付箋に50枚書く」は 計測可能で隙間時間で実行可能 89
  89. 89. 書いたものを 机に広げる 90
  90. 90. 91
  91. 91. 人間の作業記憶は7個程度 書いたものを机に広げれば 100個をひと目で見渡せる 92 紙と机(人工物)による作業記憶の増強
  92. 92. 関係ありそうなものを 近くに移動して グループを作っていく 93
  93. 93. 94
  94. 94. 束ねて 表札をつける 95
  95. 95. 96
  96. 96. 束ねて要約して表札をつけることで 見た目の枚数が減り脳の負担が減る 97
  97. 97. 表札を付ける: 「この束を簡潔に説明すると?」 関係ありそうなものを集めた後で 「どういう関係があるのか?」を 言語化する 98
  98. 98. 集め、束ね、表札づくり 99
  99. 99. 図解化と文章化 100
  100. 100. 101
  101. 101. 図解は自分の理解の 全体像を整理するのに 向いている →しかし他人に伝わらない 102
  102. 102. 図解は二次元 文章は一次元 人に話すときも一次元 人に伝えたいなら一次元 103
  103. 103. 104 ↑ 文章としての アウトプット ↑ 集めた情報
  104. 104. 文章化して他人に伝え フィードバックを得る 105
  105. 105. 書いて まとめて 図解化して 文章化 行動 結果の考察理解の修正 最初の一歩はどう踏み出すのか? 人に伝える フィードバック
  106. 106. 書いて まとめて 図解化して 文章化 行動 結果の考察理解の修正 僕にとってこの講義は… 人に伝える フィードバック
  107. 107. 「聞くだけ人間」脱出法 • 他人にアウトプットして フィードバックから学ぶ。 • 隙間時間で付箋を50枚書き、 ボトムアップで組み立てる。 • 「自分の経験」にフォーカスする。 自分が世界一詳しいテーマだから。
  108. 108. 書いて まとめて 図解化して 文章化 行動 結果の考察理解の修正 僕にとってこの講義は… 人に伝える フィードバック
  109. 109. 書いて まとめて 図解化して 文章化 行動 結果の考察理解の修正 Question & Comment 人に伝える フィードバック

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