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代数方程式とガロア理論
- 五次方程式は解けるのか -
2013/1/21 @tsujimotter
楽しい数学普及委員会
難しい数学も頑張って説明してみる部門
1
自己紹介とまえがき
Twitter ID: @tsujimotter
簡単な紹介:
北海道の大学院で情報系の研究をしています。
数学は「趣味」。
自分にとって役に立つかどうかではなく、心から興味をそそられるものを勉強し
たいと思っています。
勉...
エヴァリスト・ガロア
1811年10月25日 - 1832年5月31日
3
ガロア略歴
• 1811年 パリ郊外に生まれる
• 1823年 パリの名門リセ・ルイ=ル=グランに入学
• 1828年 エコール・ポリテクニクスを受験するも失敗
リシャールと出会う
• 1829年 代数方程式に関する第一論文を投稿
• 1829...
目次
• ガロア理論と方程式 (6-13)
• 解の置換と二次方程式 (14-30)
• 解の置換と三次方程式 (31-46)
• 群と方程式 (47-70)
• 五次方程式の解法とまとめ (71-76)
5
ガロア理論と方程式
6
問題
二次方程式: 𝑎𝑎𝑥𝑥2
+ 𝑏𝑏𝑏𝑏 + 𝑐𝑐 = 0
の解の公式を求めよ
7
問題
二次方程式: 𝑎𝑎𝑥𝑥2
+ 𝑏𝑏𝑏𝑏 + 𝑐𝑐 = 0
の解の公式を求めよ
𝛼𝛼 =
−𝑏𝑏 + 𝑏𝑏2 − 4𝑎𝑎𝑎𝑎
2𝑎𝑎
𝛽𝛽 =
−𝑏𝑏 − 𝑏𝑏2 − 4𝑎𝑎𝑎𝑎
2𝑎𝑎
8
方程式の解の公式
方程式のすべての解を次の要素のみを用いて表した式
• 方程式の係数(𝑎𝑎, 𝑏𝑏, 𝑐𝑐, …)
• 四則演算(+, −,×,÷)
• べき根( ,
3
, …)
方程式: 𝑎𝑎𝑥𝑥2
+ 𝑏𝑏𝑏𝑏 + 𝑐𝑐 = 0
解の公式...
代数方程式 解法の歴史
• 不明 (?) 二次方程式の解の公式
• カルダノ (1545年) 三次方程式の解の公式
• フェラーリ (1545年) 四次方程式の解の公式
• ジラール (1629年) 解と係数の関係
• ラグランジュ (1770...
ガロア理論の目的
五次方程式:
𝑎𝑎𝑥𝑥5
+ 𝑏𝑏𝑥𝑥4
+ 𝑐𝑐𝑥𝑥3
+ 𝑑𝑑𝑥𝑥2
+ 𝑒𝑒𝑥𝑥 + 𝑑𝑑 = 0
に解の公式が存在するか
11
𝑎𝑎𝑥𝑥5
+ 𝑏𝑏𝑥𝑥4
+ 𝑐𝑐𝑥𝑥3
+ 𝑑𝑑𝑥𝑥2
+ 𝑒𝑒𝑥𝑥 + 𝑑𝑑 = 0
に解の公式が存在するか
∵ガロア理論
解の公式は存在しない
12
(方程式の)ガロア理論
方程式と群を対応付けることで、
その方程式の可解性(解の公式が存在するかどうか)
を説明する理論
𝑎𝑎𝑥𝑥5 + 𝑏𝑏𝑥𝑥4 + 𝑐𝑐𝑥𝑥3 + 𝑑𝑑𝑥𝑥2 + 𝑒𝑒𝑥𝑥 + 𝑑𝑑 = 0 ガロア対応
方程式 群
13
解の置換と二次方程式
14
二次方程式: 𝑎𝑎𝑥𝑥2
+ 𝑏𝑏𝑏𝑏 + 𝑐𝑐 = 0
の解の公式を求めよ
15
高校数学的な解法
𝑎𝑎𝑥𝑥2
+ 𝑏𝑏𝑏𝑏 + 𝑐𝑐 = 0
⟺ 𝑥𝑥2 +
𝑏𝑏
𝑎𝑎
𝑥𝑥 = −
𝑐𝑐
𝑎𝑎
⟺ 𝑥𝑥2
+
𝑏𝑏
𝑎𝑎
𝑥𝑥 +
𝑏𝑏
2𝑎𝑎
2
= −
𝑐𝑐
𝑎𝑎
+
𝑏𝑏
2𝑎𝑎
2
⟺ 𝑥𝑥 +
𝑏𝑏
2𝑎𝑎
2...
ラグランジュの方法
𝛼𝛼 =
𝛼𝛼 + 𝛽𝛽
2
+
𝛼𝛼 − 𝛽𝛽
2
𝛽𝛽 =
𝛼𝛼 + 𝛽𝛽
2
−
𝛼𝛼 − 𝛽𝛽
2
𝐿𝐿1 𝐿𝐿2
ラグランジュ・リゾルベント 17
二次のラグランジュ・リゾルベント
�
𝐿𝐿1 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽
𝐿𝐿2 = 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽
※各項の係数の +1, -1 は二乗して 1 になる数
18
対称式
対称式:変数を交換しても、値の変わらない式
対称式の例:
• 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽
• 𝛼𝛼𝛽𝛽
• 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 2
= 𝛼𝛼2
+ 2𝛼𝛼𝛼𝛼 + 𝛽𝛽2
対称式でない例:
• 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽
•
𝛼𝛼
𝛽𝛽
19
対称式の基本定理
すべての対称式は基本対称式の四則演算で表される
(二変数の)基本対称式:
• 𝑠𝑠1 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽
• 𝑠𝑠2 = 𝛼𝛼 𝛽𝛽
対称式の例:
• 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 2
= 𝑠𝑠1
2
• 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 2
= 𝛼𝛼2
+...
解と係数の関係
方程式の係数は解の基本対称式で表される
[アルベール・ジラール, 1629年]
方程式 𝑎𝑎𝑥𝑥2 + 𝑏𝑏𝑏𝑏 + 𝑐𝑐 = 0 の2つの解を𝛼𝛼, 𝛽𝛽としたとき
𝑥𝑥 − 𝛼𝛼 𝑥𝑥 − 𝛽𝛽 = 0
∴ 𝑥𝑥2 − 𝛼𝛼...
解の任意の対称式は
方程式の係数で表せる
方程式の係数 (𝑎𝑎, 𝑏𝑏, 𝑐𝑐)
解の基本対称式 (𝛼𝛼 + 𝛽𝛽, 𝛼𝛼𝛼𝛼)
解の任意の対称式 ( 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 2
, 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 2
, …)
解と係数の関係
対称式の基本定理
22
ラグランジュの方法
𝛼𝛼 =
𝛼𝛼 + 𝛽𝛽
2
+
𝛼𝛼 − 𝛽𝛽
2
𝛽𝛽 =
𝛼𝛼 + 𝛽𝛽
2
−
𝛼𝛼 − 𝛽𝛽
2
対称式
係数の四則演算で表せる
対称式でない式
係数の四則演算で表せない
23
ラグランジュの方法
𝛼𝛼 = −
𝑏𝑏
2𝑎𝑎
+
𝛼𝛼 − 𝛽𝛽
2
𝛽𝛽 = −
𝑏𝑏
2𝑎𝑎
−
𝛼𝛼 − 𝛽𝛽
2
対称式でない式
係数の四則演算で表せない
対称式
係数の四則演算で表せる
24
ラグランジュの方法
𝐿𝐿2 = 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 は二乗すると対称式になる
𝐿𝐿2
2
= 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 2
= 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 2
− 4𝛼𝛼𝛼𝛼
=
−𝑏𝑏
𝑎𝑎
2
−
4𝑐𝑐
𝑎𝑎
=
𝑏𝑏2
− 4𝑎𝑎𝑎𝑎
𝑎𝑎2
∴ 𝐿𝐿2 = 𝛼...
ラグランジュの方法
𝛼𝛼 = −
𝑏𝑏
2𝑎𝑎
+
1
2
𝑏𝑏2 − 4𝑎𝑎𝑎𝑎
𝑎𝑎2
𝛽𝛽 = −
𝑏𝑏
2𝑎𝑎
−
1
2
𝑏𝑏2 − 4𝑎𝑎𝑎𝑎
𝑎𝑎2
対称式でない式
係数の四則演算で表せない
対称式
係数の四則演算で表せる
26
置換
(対称性を調べるための道具)
𝛼𝛼, 𝛽𝛽 を置換する方法は次の2通り
•
𝛼𝛼 𝛽𝛽
𝛼𝛼 𝛽𝛽
: 𝛼𝛼 → 𝛼𝛼, 𝛽𝛽 → 𝛽𝛽 に置き換え
•
𝛼𝛼 𝛽𝛽
𝛽𝛽 𝛼𝛼
: 𝛼𝛼 → 𝛽𝛽, 𝛽𝛽 → 𝛼𝛼 に置き換え
例:
•
...
二次のラグランジュ・リゾルベントの置換
𝛼𝛼 𝛽𝛽
𝛽𝛽 𝛼𝛼
𝛼𝛼 𝛽𝛽
𝛼𝛼 𝛽𝛽凡例
𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 − 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 2
二乗
平方根
28
𝛼𝛼 𝛽𝛽
𝛼𝛼 𝛽𝛽
によって不変な数
𝛼𝛼 𝛽𝛽
𝛼𝛼 𝛽𝛽
,
𝛼𝛼 𝛽𝛽
𝛽𝛽 𝛼𝛼
によって不変な数𝛽𝛽
𝛼𝛼
𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 2
=
𝑏𝑏2
− 4𝑎𝑎𝑎𝑎
𝑎𝑎2
𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 = −
𝑏𝑏
𝑎𝑎
𝛼𝛼𝛼𝛼 =
𝑐𝑐
𝑎𝑎
𝛼𝛼...
ここまでのまとめ
• 解の対称式(係数) 非対称式(解自身)
• (2次の)ラグランジュ・リゾルベント:
解の非対称式であるが、二乗すると対称式になる式
𝛼𝛼 =
𝛼𝛼 + 𝛽𝛽
2
+
𝛼𝛼 − 𝛽𝛽
2
𝛽𝛽 =
𝛼𝛼 + 𝛽𝛽
2
−
𝛼...
解の置換と三次方程式
31
3次方程式の解と係数の関係
方程式 𝑎𝑎𝑥𝑥3
+ 𝑏𝑏𝑥𝑥2
+ 𝑐𝑐𝑐𝑐 + 𝑑𝑑 = 0 の3つの解を𝛼𝛼, 𝛽𝛽, 𝛾𝛾とした
とき
𝑥𝑥 − 𝛼𝛼 𝑥𝑥 − 𝛽𝛽 𝑥𝑥 − 𝛾𝛾 = 0
∴ 𝑥𝑥3
− 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 𝑥𝑥...
3次の置換
𝛼𝛼, 𝛽𝛽, 𝛾𝛾を置換する方法は次の6通り
•
𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾
𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾
: 𝛼𝛼 → 𝛼𝛼, 𝛽𝛽 → 𝛽𝛽, γ → 𝛾𝛾に置き換え
•
𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾
𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼
: 𝛼𝛼 → 𝛽𝛽, 𝛽𝛽 → 𝛾𝛾, ...
ラグランジュの方法
(二次方程式の場合)
𝛼𝛼 =
𝛼𝛼 + 𝛽𝛽
2
+
𝛼𝛼 − 𝛽𝛽
2
𝛽𝛽 =
𝛼𝛼 + 𝛽𝛽
2
−
𝛼𝛼 − 𝛽𝛽
2
𝐿𝐿1 𝐿𝐿2
ラグランジュ・リゾルベント 34
ラグランジュの方法
(三次方程式の場合)
• 𝛼𝛼 =
1
3
𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 +
𝜔𝜔2
3
𝜔𝜔𝜔𝜔 + 𝜔𝜔2
𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 +
𝜔𝜔
3
𝜔𝜔2
𝛼𝛼 + 𝜔𝜔𝜔𝜔 + 𝛾𝛾
• 𝛽𝛽 =
1
3
𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 ...
𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾
𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾
によって不変な数
𝛽𝛽
𝛼𝛼
3次のすべての置換によって不変な数
𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 = −
𝑏𝑏
𝑎𝑎
𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 = −
𝑑𝑑
𝑎𝑎
𝛼𝛼𝛼𝛼 + 𝛽𝛽𝛽𝛽 + 𝛾𝛾𝛾𝛾 =
𝑐𝑐
𝑎𝑎
𝛾𝛾
ラ...
二次のラグランジュ・リゾルベント
(再掲)
�
𝐿𝐿1 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽
𝐿𝐿2 = 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽
※各項の係数の +1, -1 は二乗して 1 になる数
37
三次のラグランジュ・リゾルベント
�
𝐿𝐿1 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾
𝐿𝐿2 = 𝜔𝜔 𝛼𝛼 + 𝜔𝜔2 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾
𝐿𝐿3 = 𝜔𝜔2
𝛼𝛼 + 𝜔𝜔 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾
※各項の係数の 1, 𝜔𝜔, 𝜔𝜔2 は三乗して 1 になる数
...
三次のラグランジュ・リゾルベントの置換
•
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽
𝐿𝐿2 =
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽
𝜔𝜔𝜔𝜔 + 𝜔𝜔2
𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 = 𝜔𝜔𝜔𝜔 + 𝜔𝜔2
𝛾𝛾 + 𝛼𝛼 = 𝜔𝜔3
𝛼𝛼 + 𝜔𝜔4
𝛽𝛽 + 𝜔𝜔2
𝛾𝛾...
三次のラグランジュ・リゾルベントの置換
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼
𝐿𝐿2
𝜔𝜔𝐿𝐿2
𝜔𝜔2
𝐿𝐿2
𝐿𝐿3
𝜔𝜔𝐿𝐿3
𝜔𝜔2
𝐿𝐿3
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛾𝛾𝛼𝛼𝛽𝛽
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛼𝛼𝛼...
三次のラグランジュ・リゾルベントの置換
𝐿𝐿2
3
𝐿𝐿3
3
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼
,
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾
,
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼
,
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽
,
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛾𝛾𝛼𝛼𝛽...
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼
によって不変な数
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼
,
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽
,
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾
によって不変な数
𝛽𝛽
𝛼𝛼
𝛾𝛾
𝐿𝐿2 = 𝜔𝜔𝛼𝛼 + 𝜔𝜔2
𝛽𝛽 + 𝛾𝛾
ラグランジュ・リゾル...
二次のラグランジュ・リゾルベント
𝐿𝐿2
3
− 𝐿𝐿3
3
•
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽
𝐿𝐿2
3
− 𝐿𝐿3
3
= − 𝐿𝐿2
3
− 𝐿𝐿3
3
•
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽
𝐿𝐿2
3
− 𝐿𝐿3
3 2
= 𝐿𝐿2
3
− 𝐿...
二次のラグランジュ・リゾルベントの置換
𝐿𝐿2
3
− 𝐿𝐿3
3 − 𝐿𝐿2
3
− 𝐿𝐿3
3
𝐿𝐿2
3
− 𝐿𝐿3
3 2
二乗
平方根
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼
,
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾
,
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛼𝛼𝛽...
3次のすべての置換によって不変な数
𝐿𝐿1 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 = −
𝑏𝑏
𝑎𝑎
𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 = −
𝑑𝑑
𝑎𝑎
𝛼𝛼𝛼𝛼 + 𝛽𝛽𝛽𝛽 + 𝛾𝛾𝛾𝛾 =
𝑐𝑐
𝑎𝑎
𝐿𝐿3
3
𝐿𝐿2
3
𝐿𝐿1
3
− 𝐿𝐿2
3
ラグランジ...
𝛽𝛽
𝛼𝛼
3次のすべての置換によって不変な数
𝐿𝐿1 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 = −
𝑏𝑏
𝑎𝑎
𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 = −
𝑑𝑑
𝑎𝑎
𝛼𝛼𝛼𝛼 + 𝛽𝛽𝛽𝛽 + 𝛾𝛾𝛾𝛾 =
𝑐𝑐
𝑎𝑎
𝛾𝛾
𝐿𝐿2 = 𝜔𝜔𝛼𝛼 + 𝜔𝜔2
𝛽𝛽 + ...
群と方程式
47
集合 G が次の 3 つの性質を満たすとき、G は群をなす
1. Gの 2 つの元の間に積が定義でき、積がGの元になる
𝑔𝑔1 × 𝑔𝑔2 = 𝑔𝑔3
2. Gに単位元が存在する
𝑔𝑔 × 𝑒𝑒 = 𝑒𝑒 × 𝑔𝑔 = 𝑔𝑔
3. Gのすべての...
置換群
𝛼𝛼, 𝛽𝛽, 𝛾𝛾を置換する方法は次の6通り
𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾
𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾
,
𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾
𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼
,
𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾
𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽
,
𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾
𝛽𝛽 𝛼𝛼 𝛾𝛾
,
𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾
𝛼𝛼 𝛾𝛾...
置換群の同型
𝛼𝛼
𝛽𝛽 𝛾𝛾
𝛼𝛼, 𝛽𝛽, 𝛾𝛾 をそれぞれ次の正三角形の頂点に対応させ、
置換群の元をそれぞれ「正三角形を自分自身に移す変換操作」に対応させる。
この操作が作る群の対応関係が一対一に対応するとき、
この群が「置換群と同型の...
正三角形を自分自身に移す変換操作
𝛼𝛼
𝛽𝛽 𝛾𝛾
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼
⟶
𝛼𝛼
𝛽𝛽 𝛾𝛾
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽
⟶
いずれも変化しない操作
(恒等操作)
右回転させて入れ替える
操作
51
正三角形を自分自身に移す変換操作
𝛼𝛼
𝛽𝛽 𝛾𝛾
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼
⟶
𝛼𝛼
𝛽𝛽𝛾𝛾
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼
⟶
いずれも変化しない操作
(恒等操作)
𝛼𝛼を中心とする軸に対称
な入れ替え操作
52
正三角形を自分自身に移す変換操作
(置換群の同型)
𝛼𝛼
𝛽𝛽 𝛾𝛾
𝛼𝛼
𝛽𝛽𝛾𝛾
𝛼𝛼
𝛽𝛽
𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽
𝛾𝛾
𝛼𝛼𝛽𝛽
𝛾𝛾
𝛼𝛼
𝛽𝛽
𝛾𝛾
53
「正三角形を自分自身に移す変換操作」の積
𝛼𝛼
𝛽𝛽
𝛾𝛾
𝛼𝛼
𝛽𝛽𝛾𝛾
× =
𝛼𝛼
𝛽𝛽
𝛾𝛾
54
集合 G が次の 3 つの性質を満たすとき、G は群をなす
1. Gの 2 つの元の間に積が定義でき、積がGの元になる
2. Gに単位元が存在する
3. Gのすべての要素に逆元が存在する
「正三角形を自分自身に移す変換操作」
が群をなすことの確...
部分群
𝛼𝛼
𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼
𝛽𝛽
𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽
𝛾𝛾
𝛼𝛼
𝛽𝛽𝛾𝛾 𝛼𝛼𝛽𝛽
𝛾𝛾 𝛼𝛼
𝛽𝛽 𝛾𝛾
「正三角形の回転操作」のみを集めた部分群
「正三角形を自分自身に移す操作」すべてを集めた群
56
「正三角形の回転操作」によって不変な数
𝛽𝛽
𝛼𝛼
「正三角形を自分自身に移す操作」
によって不変な数
𝐿𝐿1 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 = −
𝑏𝑏
𝑎𝑎
𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 = −
𝑑𝑑
𝑎𝑎
𝛼𝛼𝛼𝛼 + 𝛽𝛽𝛽𝛽 + 𝛾𝛾𝛾𝛾 =
𝑐𝑐
...
• 置換群(または同型の群)が都合良い部分群を持つ
• 都合良い部分群によって割った群が簡単な群になる
ラグランジュ・リゾルベントが存在する
解の公式が存在する
ガロア理論の基本定理
群の視点
方程式の視点
58
• 置換群(または同型の群)が正規部分群を持つ
• 正規部分群による類別(剰余群)が巡回群になる
ラグランジュ・リゾルベントが存在する
解の公式が存在する
ガロア理論の基本定理
群の視点
方程式の視点
59
部分群による類別
𝛼𝛼
𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼
𝛽𝛽
𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽
𝛾𝛾
𝛼𝛼
𝛽𝛽𝛾𝛾 𝛼𝛼
𝛽𝛽
𝛾𝛾 𝛼𝛼
𝛽𝛽
𝛾𝛾
部分群
60
部分群による類別
𝛼𝛼
𝛽𝛽 𝛾𝛾
𝛼𝛼
𝛽𝛽𝛾𝛾
𝛼𝛼
𝛽𝛽
𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽
𝛾𝛾
𝛼𝛼
𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼
𝛽𝛽
𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽
𝛾𝛾
×
𝛼𝛼
𝛽𝛽 𝛾𝛾
×
61
部分群による類別
部分群によって、群は複数の部分集合に類別できる
「正三角形の回転操作のみ」の群
「正三角形の回転操作のみ」の群
𝛼𝛼
𝛽𝛽𝛾𝛾
×
𝛼𝛼
𝛽𝛽 𝛾𝛾
×
62
剰余群
𝛼𝛼
𝛽𝛽𝛾𝛾
𝛼𝛼
𝛽𝛽 𝛾𝛾
正規部分群によって類別された集合は、それ自体群をなす
この例では、剰余群は二次の巡回群となる
63
巡回群
𝛼𝛼
𝛽𝛽𝛾𝛾
𝛼𝛼
𝛽𝛽 𝛾𝛾
「正三角形の線対称操作」のみの群 :
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛾𝛾
,
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛼𝛼𝛼𝛼𝛽𝛽
𝛼𝛼
𝛽𝛽𝛾𝛾
𝛼𝛼
𝛽𝛽𝛾𝛾
64
巡回群
𝛼𝛼
𝛽𝛽 𝛾𝛾
𝛼𝛼 𝛽𝛽
𝛾𝛾
𝛼𝛼
𝛽𝛽
𝛾𝛾
「正三角形の回転操作」のみの群 :
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼
,
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛽𝛽𝛽𝛽𝛼𝛼
,
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛾𝛾𝛼𝛼𝛼𝛼
𝛼𝛼
𝛽𝛽
𝛾𝛾
𝛼𝛼
𝛽𝛽
𝛾𝛾
𝛼𝛼
𝛽𝛽
𝛾𝛾
...
ラグランジュの定理
𝛼𝛼
𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼
𝛽𝛽
𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽
𝛾𝛾
𝛼𝛼
𝛽𝛽𝛾𝛾 𝛼𝛼
𝛽𝛽
𝛾𝛾 𝛼𝛼
𝛽𝛽
𝛾𝛾
「群の位数 (6)」=「正規部分群の位数 (3)」×「剰余群の位数 (2)」
𝛽𝛽
𝛼𝛼
𝐿𝐿1 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 = −
𝑏𝑏
𝑎𝑎
𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 = −
𝑑𝑑
𝑎𝑎
𝛼𝛼𝛼𝛼 + 𝛽𝛽𝛽𝛽 + 𝛾𝛾𝛾𝛾 =
𝑐𝑐
𝑎𝑎
𝛾𝛾
𝐿𝐿2 = 𝜔𝜔𝛼𝛼 + 𝜔𝜔2
𝛽𝛽 + 𝛾𝛾
ラグランジュ・リゾルベント
𝐿...
三次方程式の解の置換群の構造
𝛼𝛼
𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼
𝛽𝛽
𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽
𝛾𝛾 𝛼𝛼
𝛽𝛽𝛾𝛾 𝛼𝛼𝛽𝛽
𝛾𝛾 𝛼𝛼
𝛽𝛽 𝛾𝛾
𝛼𝛼
𝛽𝛽𝛾𝛾 𝛼𝛼𝛽𝛽
𝛾𝛾 𝛼𝛼
𝛽𝛽 𝛾𝛾
𝛼𝛼
𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼
𝛽𝛽
𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽
𝛾𝛾
𝛼𝛼
...
三次方程式の解の置換群のガロア対応
𝛼𝛼
𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼
𝛽𝛽
𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽
𝛾𝛾 𝛼𝛼
𝛽𝛽𝛾𝛾 𝛼𝛼
𝛽𝛽
𝛾𝛾 𝛼𝛼
𝛽𝛽 𝛾𝛾
𝛼𝛼
𝛽𝛽𝛾𝛾 𝛼𝛼𝛽𝛽
𝛾𝛾 𝛼𝛼
𝛽𝛽 𝛾𝛾
𝛼𝛼
𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼
𝛽𝛽
𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽
𝛾𝛾...
• 置換群(または同型の群)が正規部分群を持つ
• 正規部分群による類別(剰余群)が巡回群になる
ラグランジュ・リゾルベントが存在する
解の公式が存在する
ガロア理論の基本定理
群の視点
方程式の視点
70
五次方程式の解法
71
五次方程式の置換群
𝑎𝑎𝑥𝑥5
+ 𝑏𝑏𝑥𝑥4
+ 𝑐𝑐𝑥𝑥3
+ 𝑑𝑑𝑥𝑥2
+ 𝑒𝑒𝑥𝑥 + 𝑑𝑑 = 0
の5つの解を𝛼𝛼, 𝛽𝛽, 𝛾𝛾, 𝛿𝛿, 𝜀𝜀とする
置換群の位数(要素数)は 120
72
五次方程式の置換群の構造
𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽
𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼
五次の交代群
𝐴𝐴5
五次の置換群
𝑆𝑆5
剰余群が巡回群にならない
ラグランジュ・リゾルベントが存在しない
剰余群が巡回群
ラグランジュ・リゾルベントが存在する
73
五次交代群 𝐴𝐴5
位数60の群(単純群)
※単純群:正規部分群が単位群と自分自身 しか存在しない
74
𝑎𝑎𝑥𝑥5
+ 𝑏𝑏𝑥𝑥4
+ 𝑐𝑐𝑥𝑥3
+ 𝑑𝑑𝑥𝑥2
+ 𝑒𝑒𝑥𝑥 + 𝑑𝑑 = 0
に解の公式が存在するか
∵ガロア理論
解の公式は存在しない
75
まとめ
• 方程式のガロア理論
方程式と群を結びつけ、群に基づいて方程式の可
解性を説明できる代数的手法
• 五次方程式の解法
五次の交代群は単純群かつ巡回群でない
⇔ ラグランジュ・リゾルベントは存在しない
⇔ 解の公式は存在しない
76
参考文献
ガロア理論 原論文集
• 守屋美賀雄監修、「ガロア アーベル 群と方程式」、共立出版
ガロア理論 教科書
• デイヴィッド・コックス、「ガロワ理論 上・下」、日本評論社
• 草場公邦、「ガロワと方程式」、朝倉書店
• 足立恒雄、「ガロ...
ありがとうございました
最後に一言:
• ガロア理論の面白い所は、やはりクライマックスのガロア対応だと思いま
す。最初はおぼろげにしかわからなかった群と解法の関係が、ガロア対
応という形で明確に示される、まるでサスペンス。「ああ、そういえばあの...
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代数方程式とガロア理論

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方程式が解くことができる仕組みを説明したガロア理論。
ガロア理論を使って、五次方程式が解けないことを示すまで、を初学者向けに説明することを試みます。
わかりやすいことに念頭をおいて作ったため、多少の不正確さはあると思います。
興味を持った方はぜひ参考書にトライしてみてください。

※2015/02/03 スライド63がちょっと正確でない気がしてきましたので、調査中です。近いうちに修正します。

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  • ↓の誤りを訂正して再投稿しました。スライド63において「正規部分群による類別がすべて巡回群となる」ような記述がありましたが,正しくは「正規部分群による類別はすべて群となる」です。
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  • 上にも書きましたが、スライド 63 がちょっと正確でない気がしてきましたので、調査中です。近いうちに修正します。
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代数方程式とガロア理論

  1. 1. 代数方程式とガロア理論 - 五次方程式は解けるのか - 2013/1/21 @tsujimotter 楽しい数学普及委員会 難しい数学も頑張って説明してみる部門 1
  2. 2. 自己紹介とまえがき Twitter ID: @tsujimotter 簡単な紹介: 北海道の大学院で情報系の研究をしています。 数学は「趣味」。 自分にとって役に立つかどうかではなく、心から興味をそそられるものを勉強し たいと思っています。 勉強の成果をまとめるためにブログも書いています。http://tsujimotter.info/ 今回のスライド作成の経緯: ガロア理論に関する書籍を読み漁り、独学で勉強。 最初の頃は、概念が全く理解できませんでした。 その理由は、ほとんどの専門書が証明ばかりで、概念に関する説明が全く入っ てなかった(あるいは私が理解できないぐらいに難しく書いてあった)ためです。 そこで、初学者向けに、正確さと証明は省いて、概念とガロア理論の面白さを伝 えることを念頭に入れた解説を作りたい、と思い作成しました。 2
  3. 3. エヴァリスト・ガロア 1811年10月25日 - 1832年5月31日 3
  4. 4. ガロア略歴 • 1811年 パリ郊外に生まれる • 1823年 パリの名門リセ・ルイ=ル=グランに入学 • 1828年 エコール・ポリテクニクスを受験するも失敗 リシャールと出会う • 1829年 代数方程式に関する第一論文を投稿 • 1829年 父ニコラが自殺 エコール・ポリテクニクスに再度受験し失敗 エコール・ノルマルに入学 • 1831年 エコール・ノルマルを放校処分 ルイ・フィリップ国王への脅迫罪で逮捕・投獄 • 1832年 決闘により死去 代数学の研究内容を遺書と共に残す 4
  5. 5. 目次 • ガロア理論と方程式 (6-13) • 解の置換と二次方程式 (14-30) • 解の置換と三次方程式 (31-46) • 群と方程式 (47-70) • 五次方程式の解法とまとめ (71-76) 5
  6. 6. ガロア理論と方程式 6
  7. 7. 問題 二次方程式: 𝑎𝑎𝑥𝑥2 + 𝑏𝑏𝑏𝑏 + 𝑐𝑐 = 0 の解の公式を求めよ 7
  8. 8. 問題 二次方程式: 𝑎𝑎𝑥𝑥2 + 𝑏𝑏𝑏𝑏 + 𝑐𝑐 = 0 の解の公式を求めよ 𝛼𝛼 = −𝑏𝑏 + 𝑏𝑏2 − 4𝑎𝑎𝑎𝑎 2𝑎𝑎 𝛽𝛽 = −𝑏𝑏 − 𝑏𝑏2 − 4𝑎𝑎𝑎𝑎 2𝑎𝑎 8
  9. 9. 方程式の解の公式 方程式のすべての解を次の要素のみを用いて表した式 • 方程式の係数(𝑎𝑎, 𝑏𝑏, 𝑐𝑐, …) • 四則演算(+, −,×,÷) • べき根( , 3 , …) 方程式: 𝑎𝑎𝑥𝑥2 + 𝑏𝑏𝑏𝑏 + 𝑐𝑐 = 0 解の公式: 𝛼𝛼 = −𝑏𝑏 + 𝑏𝑏2 − 4𝑎𝑎𝑎𝑎 2𝑎𝑎 , 𝛽𝛽 = −𝑏𝑏 − 𝑏𝑏2 − 4𝑎𝑎𝑎𝑎 2𝑎𝑎 9
  10. 10. 代数方程式 解法の歴史 • 不明 (?) 二次方程式の解の公式 • カルダノ (1545年) 三次方程式の解の公式 • フェラーリ (1545年) 四次方程式の解の公式 • ジラール (1629年) 解と係数の関係 • ラグランジュ (1770年) 解の置換によって解法を整理 • アーベル (1824年) 五次方程式に解の公式が存在しないことを証明 • ガロア (1832年) 代数方程式の解の公式が存在する必要十分条件 群と方程式の対応付け 10
  11. 11. ガロア理論の目的 五次方程式: 𝑎𝑎𝑥𝑥5 + 𝑏𝑏𝑥𝑥4 + 𝑐𝑐𝑥𝑥3 + 𝑑𝑑𝑥𝑥2 + 𝑒𝑒𝑥𝑥 + 𝑑𝑑 = 0 に解の公式が存在するか 11
  12. 12. 𝑎𝑎𝑥𝑥5 + 𝑏𝑏𝑥𝑥4 + 𝑐𝑐𝑥𝑥3 + 𝑑𝑑𝑥𝑥2 + 𝑒𝑒𝑥𝑥 + 𝑑𝑑 = 0 に解の公式が存在するか ∵ガロア理論 解の公式は存在しない 12
  13. 13. (方程式の)ガロア理論 方程式と群を対応付けることで、 その方程式の可解性(解の公式が存在するかどうか) を説明する理論 𝑎𝑎𝑥𝑥5 + 𝑏𝑏𝑥𝑥4 + 𝑐𝑐𝑥𝑥3 + 𝑑𝑑𝑥𝑥2 + 𝑒𝑒𝑥𝑥 + 𝑑𝑑 = 0 ガロア対応 方程式 群 13
  14. 14. 解の置換と二次方程式 14
  15. 15. 二次方程式: 𝑎𝑎𝑥𝑥2 + 𝑏𝑏𝑏𝑏 + 𝑐𝑐 = 0 の解の公式を求めよ 15
  16. 16. 高校数学的な解法 𝑎𝑎𝑥𝑥2 + 𝑏𝑏𝑏𝑏 + 𝑐𝑐 = 0 ⟺ 𝑥𝑥2 + 𝑏𝑏 𝑎𝑎 𝑥𝑥 = − 𝑐𝑐 𝑎𝑎 ⟺ 𝑥𝑥2 + 𝑏𝑏 𝑎𝑎 𝑥𝑥 + 𝑏𝑏 2𝑎𝑎 2 = − 𝑐𝑐 𝑎𝑎 + 𝑏𝑏 2𝑎𝑎 2 ⟺ 𝑥𝑥 + 𝑏𝑏 2𝑎𝑎 2 = − 𝑐𝑐 𝑎𝑎 + 𝑏𝑏 2𝑎𝑎 2 ⟺ 𝑥𝑥 + 𝑏𝑏 2𝑎𝑎 = ± − 𝑐𝑐 𝑎𝑎 + 𝑏𝑏 2𝑎𝑎 2 ⟺ 𝑥𝑥 = − 𝑏𝑏 2𝑎𝑎 ± − 𝑐𝑐 𝑎𝑎 + 𝑏𝑏 2𝑎𝑎 2 16
  17. 17. ラグランジュの方法 𝛼𝛼 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 2 + 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 2 𝛽𝛽 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 2 − 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 2 𝐿𝐿1 𝐿𝐿2 ラグランジュ・リゾルベント 17
  18. 18. 二次のラグランジュ・リゾルベント � 𝐿𝐿1 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 𝐿𝐿2 = 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 ※各項の係数の +1, -1 は二乗して 1 になる数 18
  19. 19. 対称式 対称式:変数を交換しても、値の変わらない式 対称式の例: • 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 • 𝛼𝛼𝛽𝛽 • 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 2 = 𝛼𝛼2 + 2𝛼𝛼𝛼𝛼 + 𝛽𝛽2 対称式でない例: • 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 • 𝛼𝛼 𝛽𝛽 19
  20. 20. 対称式の基本定理 すべての対称式は基本対称式の四則演算で表される (二変数の)基本対称式: • 𝑠𝑠1 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 • 𝑠𝑠2 = 𝛼𝛼 𝛽𝛽 対称式の例: • 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 2 = 𝑠𝑠1 2 • 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 2 = 𝛼𝛼2 + 2𝛼𝛼𝛼𝛼 + 𝛽𝛽2 − 4𝛼𝛼𝛼𝛼 = 𝑠𝑠1 2 − 4𝑠𝑠2 20
  21. 21. 解と係数の関係 方程式の係数は解の基本対称式で表される [アルベール・ジラール, 1629年] 方程式 𝑎𝑎𝑥𝑥2 + 𝑏𝑏𝑏𝑏 + 𝑐𝑐 = 0 の2つの解を𝛼𝛼, 𝛽𝛽としたとき 𝑥𝑥 − 𝛼𝛼 𝑥𝑥 − 𝛽𝛽 = 0 ∴ 𝑥𝑥2 − 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 𝑥𝑥 + 𝛼𝛼𝛼𝛼 = 0 係数を比較すると � − �𝑏𝑏 𝑎𝑎 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 ⁄𝑐𝑐 𝑎𝑎 = 𝛼𝛼 𝛽𝛽 基本対称式方程式の係数 21
  22. 22. 解の任意の対称式は 方程式の係数で表せる 方程式の係数 (𝑎𝑎, 𝑏𝑏, 𝑐𝑐) 解の基本対称式 (𝛼𝛼 + 𝛽𝛽, 𝛼𝛼𝛼𝛼) 解の任意の対称式 ( 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 2 , 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 2 , …) 解と係数の関係 対称式の基本定理 22
  23. 23. ラグランジュの方法 𝛼𝛼 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 2 + 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 2 𝛽𝛽 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 2 − 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 2 対称式 係数の四則演算で表せる 対称式でない式 係数の四則演算で表せない 23
  24. 24. ラグランジュの方法 𝛼𝛼 = − 𝑏𝑏 2𝑎𝑎 + 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 2 𝛽𝛽 = − 𝑏𝑏 2𝑎𝑎 − 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 2 対称式でない式 係数の四則演算で表せない 対称式 係数の四則演算で表せる 24
  25. 25. ラグランジュの方法 𝐿𝐿2 = 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 は二乗すると対称式になる 𝐿𝐿2 2 = 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 2 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 2 − 4𝛼𝛼𝛼𝛼 = −𝑏𝑏 𝑎𝑎 2 − 4𝑐𝑐 𝑎𝑎 = 𝑏𝑏2 − 4𝑎𝑎𝑎𝑎 𝑎𝑎2 ∴ 𝐿𝐿2 = 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 = 𝑏𝑏2 − 4𝑎𝑎𝑎𝑎 𝑎𝑎2 25
  26. 26. ラグランジュの方法 𝛼𝛼 = − 𝑏𝑏 2𝑎𝑎 + 1 2 𝑏𝑏2 − 4𝑎𝑎𝑎𝑎 𝑎𝑎2 𝛽𝛽 = − 𝑏𝑏 2𝑎𝑎 − 1 2 𝑏𝑏2 − 4𝑎𝑎𝑎𝑎 𝑎𝑎2 対称式でない式 係数の四則演算で表せない 対称式 係数の四則演算で表せる 26
  27. 27. 置換 (対称性を調べるための道具) 𝛼𝛼, 𝛽𝛽 を置換する方法は次の2通り • 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛼𝛼 𝛽𝛽 : 𝛼𝛼 → 𝛼𝛼, 𝛽𝛽 → 𝛽𝛽 に置き換え • 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛽𝛽 𝛼𝛼 : 𝛼𝛼 → 𝛽𝛽, 𝛽𝛽 → 𝛼𝛼 に置き換え 例: • 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛽𝛽 𝛼𝛼 𝛼𝛼 = 𝛽𝛽 • 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛽𝛽 𝛼𝛼 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 • 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛽𝛽 𝛼𝛼 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 = − 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 不変≒対称 不変でない≒非対称 不変でない≒非対称 27
  28. 28. 二次のラグランジュ・リゾルベントの置換 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛽𝛽 𝛼𝛼 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛼𝛼 𝛽𝛽凡例 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 − 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 2 二乗 平方根 28
  29. 29. 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛼𝛼 𝛽𝛽 によって不変な数 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛼𝛼 𝛽𝛽 , 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛽𝛽 𝛼𝛼 によって不変な数𝛽𝛽 𝛼𝛼 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 2 = 𝑏𝑏2 − 4𝑎𝑎𝑎𝑎 𝑎𝑎2 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 = − 𝑏𝑏 𝑎𝑎 𝛼𝛼𝛼𝛼 = 𝑐𝑐 𝑎𝑎 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 = 𝑏𝑏2 − 4𝑎𝑎𝑎𝑎 𝑎𝑎2 ラグランジュ・リゾルベント 平方根 29
  30. 30. ここまでのまとめ • 解の対称式(係数) 非対称式(解自身) • (2次の)ラグランジュ・リゾルベント: 解の非対称式であるが、二乗すると対称式になる式 𝛼𝛼 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 2 + 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 2 𝛽𝛽 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 2 − 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 2 ラグランジュ・リゾルベントが存在する ⇔ 解の公式が存在する 方程式の解の公式 30
  31. 31. 解の置換と三次方程式 31
  32. 32. 3次方程式の解と係数の関係 方程式 𝑎𝑎𝑥𝑥3 + 𝑏𝑏𝑥𝑥2 + 𝑐𝑐𝑐𝑐 + 𝑑𝑑 = 0 の3つの解を𝛼𝛼, 𝛽𝛽, 𝛾𝛾とした とき 𝑥𝑥 − 𝛼𝛼 𝑥𝑥 − 𝛽𝛽 𝑥𝑥 − 𝛾𝛾 = 0 ∴ 𝑥𝑥3 − 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 𝑥𝑥2 + 𝛼𝛼𝛼𝛼 + 𝛽𝛽𝛾𝛾 + 𝛾𝛾𝛾𝛾 𝑥𝑥 − 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 = 0 係数を比較すると − �𝑏𝑏 𝑎𝑎 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 ⁄𝑐𝑐 𝑎𝑎 = 𝛼𝛼𝛼𝛼 + 𝛽𝛽𝛾𝛾 + 𝛾𝛾𝛾𝛾 − �𝑑𝑑 𝑎𝑎 = 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 基本対称式方程式の係数 32
  33. 33. 3次の置換 𝛼𝛼, 𝛽𝛽, 𝛾𝛾を置換する方法は次の6通り • 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 : 𝛼𝛼 → 𝛼𝛼, 𝛽𝛽 → 𝛽𝛽, γ → 𝛾𝛾に置き換え • 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 : 𝛼𝛼 → 𝛽𝛽, 𝛽𝛽 → 𝛾𝛾, γ → 𝛼𝛼に置き換え • 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 : 𝛼𝛼 → 𝛾𝛾, 𝛽𝛽 → 𝛼𝛼, γ → 𝛽𝛽に置き換え • 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛽𝛽 𝛼𝛼 𝛾𝛾 : 𝛼𝛼 → 𝛽𝛽, 𝛽𝛽 → 𝛼𝛼, γ → 𝛾𝛾に置き換え • 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛾𝛾 𝛽𝛽 : 𝛼𝛼 → 𝛼𝛼, 𝛽𝛽 → 𝛾𝛾, γ → 𝛽𝛽に置き換え • 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛾𝛾 𝛽𝛽 𝛼𝛼 : 𝛼𝛼 → 𝛾𝛾, 𝛽𝛽 → 𝛽𝛽, γ → 𝛼𝛼に置き換え 33
  34. 34. ラグランジュの方法 (二次方程式の場合) 𝛼𝛼 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 2 + 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 2 𝛽𝛽 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 2 − 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 2 𝐿𝐿1 𝐿𝐿2 ラグランジュ・リゾルベント 34
  35. 35. ラグランジュの方法 (三次方程式の場合) • 𝛼𝛼 = 1 3 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 + 𝜔𝜔2 3 𝜔𝜔𝜔𝜔 + 𝜔𝜔2 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 + 𝜔𝜔 3 𝜔𝜔2 𝛼𝛼 + 𝜔𝜔𝜔𝜔 + 𝛾𝛾 • 𝛽𝛽 = 1 3 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 + 𝜔𝜔 3 𝜔𝜔𝜔𝜔 + 𝜔𝜔2 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 + 𝜔𝜔2 3 𝜔𝜔2 𝛼𝛼 + 𝜔𝜔𝜔𝜔 + 𝛾𝛾 • 𝛾𝛾 = 1 3 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 + 1 3 𝜔𝜔𝜔𝜔 + 𝜔𝜔2 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 + 1 3 𝜔𝜔2 𝛼𝛼 + 𝜔𝜔𝜔𝜔 + 𝛾𝛾 𝐿𝐿1 𝐿𝐿2 𝐿𝐿3 ラグランジュ・リゾルベント ただし、𝜔𝜔 は 𝜔𝜔3 = 1 となる1の原始三乗根 35
  36. 36. 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 によって不変な数 𝛽𝛽 𝛼𝛼 3次のすべての置換によって不変な数 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 = − 𝑏𝑏 𝑎𝑎 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 = − 𝑑𝑑 𝑎𝑎 𝛼𝛼𝛼𝛼 + 𝛽𝛽𝛽𝛽 + 𝛾𝛾𝛾𝛾 = 𝑐𝑐 𝑎𝑎 𝛾𝛾 ラグランジュ・リゾルベント ラグランジュ・リゾルベントのべき乗 べき根 三次方程式の解法戦略(ただし、うまくいかない)36
  37. 37. 二次のラグランジュ・リゾルベント (再掲) � 𝐿𝐿1 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 𝐿𝐿2 = 𝛼𝛼 − 𝛽𝛽 ※各項の係数の +1, -1 は二乗して 1 になる数 37
  38. 38. 三次のラグランジュ・リゾルベント � 𝐿𝐿1 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 𝐿𝐿2 = 𝜔𝜔 𝛼𝛼 + 𝜔𝜔2 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 𝐿𝐿3 = 𝜔𝜔2 𝛼𝛼 + 𝜔𝜔 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 ※各項の係数の 1, 𝜔𝜔, 𝜔𝜔2 は三乗して 1 になる数 38
  39. 39. 三次のラグランジュ・リゾルベントの置換 • 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽 𝐿𝐿2 = 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽 𝜔𝜔𝜔𝜔 + 𝜔𝜔2 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 = 𝜔𝜔𝜔𝜔 + 𝜔𝜔2 𝛾𝛾 + 𝛼𝛼 = 𝜔𝜔3 𝛼𝛼 + 𝜔𝜔4 𝛽𝛽 + 𝜔𝜔2 𝛾𝛾 = 𝜔𝜔2 𝐿𝐿2 • 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽 𝐿𝐿2 = 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽 𝜔𝜔𝜔𝜔 + 𝜔𝜔2 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 = 𝜔𝜔𝜔𝜔 + 𝜔𝜔2 𝛾𝛾 + 𝛼𝛼 = 𝜔𝜔3 𝛼𝛼 + 𝜔𝜔4 𝛽𝛽 + 𝜔𝜔2 𝛾𝛾 = 𝜔𝜔2 𝐿𝐿2 • 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾 𝐿𝐿2 = 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾 𝜔𝜔𝜔𝜔 + 𝜔𝜔2 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 = 𝜔𝜔𝜔𝜔 + 𝜔𝜔2 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 = 𝜔𝜔2 𝛼𝛼 + 𝜔𝜔3 𝛽𝛽 + 𝜔𝜔𝜔𝜔 = 𝜔𝜔𝐿𝐿2 • 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 𝐿𝐿2 = 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 𝜔𝜔𝜔𝜔 + 𝜔𝜔2 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 = 𝜔𝜔𝜔𝜔 + 𝜔𝜔2 𝛾𝛾 + 𝛽𝛽 = 𝜔𝜔2 𝐿𝐿3 • 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛾𝛾𝛽𝛽𝛽𝛽 𝐿𝐿2 = 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾 𝜔𝜔𝜔𝜔 + 𝜔𝜔2 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 = 𝜔𝜔𝜔𝜔 + 𝜔𝜔2 𝛽𝛽 + 𝛼𝛼 = 𝜔𝜔𝐿𝐿3 • 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽 𝐿𝐿2 = 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽 𝜔𝜔𝜔𝜔 + 𝜔𝜔2 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 = 𝜔𝜔𝜔𝜔 + 𝜔𝜔2 𝛼𝛼 + 𝛾𝛾 = 𝐿𝐿3 • 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 𝐿𝐿2 3 = 𝐿𝐿2 3 • 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽 𝐿𝐿2 3 = 𝜔𝜔2 𝐿𝐿2 3 = 𝐿𝐿2 3 • 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾 𝐿𝐿2 3 = 𝜔𝜔𝐿𝐿2 3 = 𝐿𝐿2 3 • 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 𝐿𝐿2 3 = 𝜔𝜔2 𝐿𝐿3 3 = 𝐿𝐿3 3 • 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾 𝐿𝐿2 3 = 𝜔𝜔𝐿𝐿3 3 = 𝐿𝐿3 3 • 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽 𝐿𝐿2 3 = 𝐿𝐿3 3 = 𝐿𝐿3 3 不変 不変 不変ではない (𝑳𝑳𝟑𝟑 𝟑𝟑 に置き換え) 不変ではない 不変ではない 不変ではない 不変ではない 不変ではない 不変ではない (𝑳𝑳𝟑𝟑 𝟑𝟑 に置き換え) 不変ではない (𝑳𝑳𝟑𝟑 𝟑𝟑 に置き換え) 不変 不変 39
  40. 40. 三次のラグランジュ・リゾルベントの置換 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 𝐿𝐿2 𝜔𝜔𝐿𝐿2 𝜔𝜔2 𝐿𝐿2 𝐿𝐿3 𝜔𝜔𝐿𝐿3 𝜔𝜔2 𝐿𝐿3 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛾𝛾𝛼𝛼𝛽𝛽 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽 凡例 40
  41. 41. 三次のラグランジュ・リゾルベントの置換 𝐿𝐿2 3 𝐿𝐿3 3 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 , 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾 , 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 , 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽 , 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛾𝛾𝛼𝛼𝛽𝛽 凡例 41
  42. 42. 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 によって不変な数 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 , 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽 , 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾 によって不変な数 𝛽𝛽 𝛼𝛼 𝛾𝛾 𝐿𝐿2 = 𝜔𝜔𝛼𝛼 + 𝜔𝜔2 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 ラグランジュ・リゾルベント 𝐿𝐿3 = 𝜔𝜔2 𝛼𝛼 + 𝜔𝜔𝜔𝜔 + 𝛾𝛾 ラグランジュ・リゾルベント 𝐿𝐿3 3 𝐿𝐿2 3 立方根 42
  43. 43. 二次のラグランジュ・リゾルベント 𝐿𝐿2 3 − 𝐿𝐿3 3 • 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽 𝐿𝐿2 3 − 𝐿𝐿3 3 = − 𝐿𝐿2 3 − 𝐿𝐿3 3 • 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽 𝐿𝐿2 3 − 𝐿𝐿3 3 2 = 𝐿𝐿2 3 − 𝐿𝐿3 3 2 不変ではない 不変 43
  44. 44. 二次のラグランジュ・リゾルベントの置換 𝐿𝐿2 3 − 𝐿𝐿3 3 − 𝐿𝐿2 3 − 𝐿𝐿3 3 𝐿𝐿2 3 − 𝐿𝐿3 3 2 二乗 平方根 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 , 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾 , 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 , 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽 , 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛾𝛾𝛼𝛼𝛽𝛽 凡例 44
  45. 45. 3次のすべての置換によって不変な数 𝐿𝐿1 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 = − 𝑏𝑏 𝑎𝑎 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 = − 𝑑𝑑 𝑎𝑎 𝛼𝛼𝛼𝛼 + 𝛽𝛽𝛽𝛽 + 𝛾𝛾𝛾𝛾 = 𝑐𝑐 𝑎𝑎 𝐿𝐿3 3 𝐿𝐿2 3 𝐿𝐿1 3 − 𝐿𝐿2 3 ラグランジュ・リゾルベント 𝐿𝐿1 3 − 𝐿𝐿2 3 2 平方根 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 , 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽 , 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾 によって不変な数 45
  46. 46. 𝛽𝛽 𝛼𝛼 3次のすべての置換によって不変な数 𝐿𝐿1 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 = − 𝑏𝑏 𝑎𝑎 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 = − 𝑑𝑑 𝑎𝑎 𝛼𝛼𝛼𝛼 + 𝛽𝛽𝛽𝛽 + 𝛾𝛾𝛾𝛾 = 𝑐𝑐 𝑎𝑎 𝛾𝛾 𝐿𝐿2 = 𝜔𝜔𝛼𝛼 + 𝜔𝜔2 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 ラグランジュ・リゾルベント 𝐿𝐿3 = 𝜔𝜔2 𝛼𝛼 + 𝜔𝜔𝜔𝜔 + 𝛾𝛾 ラグランジュ・リゾルベント 𝐿𝐿3 3 𝐿𝐿2 3 𝐿𝐿1 3 − 𝐿𝐿2 3 ラグランジュ・リゾルベント 𝐿𝐿1 3 − 𝐿𝐿2 3 2 平方根 立方根 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 , 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽 , 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾𝛾 によって不変な数 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 によって不変な数 46
  47. 47. 群と方程式 47
  48. 48. 集合 G が次の 3 つの性質を満たすとき、G は群をなす 1. Gの 2 つの元の間に積が定義でき、積がGの元になる 𝑔𝑔1 × 𝑔𝑔2 = 𝑔𝑔3 2. Gに単位元が存在する 𝑔𝑔 × 𝑒𝑒 = 𝑒𝑒 × 𝑔𝑔 = 𝑔𝑔 3. Gのすべての要素に逆元が存在する 𝑔𝑔 × 𝑔𝑔−1 = 𝑔𝑔−1 × 𝑔𝑔 = 𝑒𝑒 群 48
  49. 49. 置換群 𝛼𝛼, 𝛽𝛽, 𝛾𝛾を置換する方法は次の6通り 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 , 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 , 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 , 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛽𝛽 𝛼𝛼 𝛾𝛾 , 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛾𝛾 𝛽𝛽 , 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛾𝛾 𝛽𝛽 𝛼𝛼 置換操作の集合は群をなす(置換群) ※「群であること」は次以降で置換群の同型を考えることで間接的に示す 49
  50. 50. 置換群の同型 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼, 𝛽𝛽, 𝛾𝛾 をそれぞれ次の正三角形の頂点に対応させ、 置換群の元をそれぞれ「正三角形を自分自身に移す変換操作」に対応させる。 この操作が作る群の対応関係が一対一に対応するとき、 この群が「置換群と同型の群である」という。 50
  51. 51. 正三角形を自分自身に移す変換操作 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 ⟶ 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽 ⟶ いずれも変化しない操作 (恒等操作) 右回転させて入れ替える 操作 51
  52. 52. 正三角形を自分自身に移す変換操作 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 ⟶ 𝛼𝛼 𝛽𝛽𝛾𝛾 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 ⟶ いずれも変化しない操作 (恒等操作) 𝛼𝛼を中心とする軸に対称 な入れ替え操作 52
  53. 53. 正三角形を自分自身に移す変換操作 (置換群の同型) 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 53
  54. 54. 「正三角形を自分自身に移す変換操作」の積 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽𝛾𝛾 × = 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 54
  55. 55. 集合 G が次の 3 つの性質を満たすとき、G は群をなす 1. Gの 2 つの元の間に積が定義でき、積がGの元になる 2. Gに単位元が存在する 3. Gのすべての要素に逆元が存在する 「正三角形を自分自身に移す変換操作」 が群をなすことの確認 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽𝛾𝛾 × = 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 × = 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 × = 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 55
  56. 56. 部分群 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽𝛾𝛾 𝛼𝛼𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 「正三角形の回転操作」のみを集めた部分群 「正三角形を自分自身に移す操作」すべてを集めた群 56
  57. 57. 「正三角形の回転操作」によって不変な数 𝛽𝛽 𝛼𝛼 「正三角形を自分自身に移す操作」 によって不変な数 𝐿𝐿1 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 = − 𝑏𝑏 𝑎𝑎 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 = − 𝑑𝑑 𝑎𝑎 𝛼𝛼𝛼𝛼 + 𝛽𝛽𝛽𝛽 + 𝛾𝛾𝛾𝛾 = 𝑐𝑐 𝑎𝑎 𝛾𝛾 𝐿𝐿2 = 𝜔𝜔𝛼𝛼 + 𝜔𝜔2 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 ラグランジュ・リゾルベント 𝐿𝐿3 = 𝜔𝜔2 𝛼𝛼 + 𝜔𝜔𝜔𝜔 + 𝛾𝛾 ラグランジュ・リゾルベント 𝐿𝐿3 3 𝐿𝐿2 3 𝐿𝐿1 3 − 𝐿𝐿2 3 ラグランジュ・リゾルベント 𝐿𝐿1 3 − 𝐿𝐿2 3 2 平方根 立方根 「恒等操作」のみによって不変な数 57
  58. 58. • 置換群(または同型の群)が都合良い部分群を持つ • 都合良い部分群によって割った群が簡単な群になる ラグランジュ・リゾルベントが存在する 解の公式が存在する ガロア理論の基本定理 群の視点 方程式の視点 58
  59. 59. • 置換群(または同型の群)が正規部分群を持つ • 正規部分群による類別(剰余群)が巡回群になる ラグランジュ・リゾルベントが存在する 解の公式が存在する ガロア理論の基本定理 群の視点 方程式の視点 59
  60. 60. 部分群による類別 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 部分群 60
  61. 61. 部分群による類別 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 × 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 × 61
  62. 62. 部分群による類別 部分群によって、群は複数の部分集合に類別できる 「正三角形の回転操作のみ」の群 「正三角形の回転操作のみ」の群 𝛼𝛼 𝛽𝛽𝛾𝛾 × 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 × 62
  63. 63. 剰余群 𝛼𝛼 𝛽𝛽𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 正規部分群によって類別された集合は、それ自体群をなす この例では、剰余群は二次の巡回群となる 63
  64. 64. 巡回群 𝛼𝛼 𝛽𝛽𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 「正三角形の線対称操作」のみの群 : 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛾𝛾 , 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛽𝛽 𝛼𝛼 𝛽𝛽𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽𝛾𝛾 64
  65. 65. 巡回群 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 「正三角形の回転操作」のみの群 : 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 , 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛽𝛽𝛽𝛽𝛼𝛼 , 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛾𝛾𝛼𝛼𝛼𝛼 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 65
  66. 66. ラグランジュの定理 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 「群の位数 (6)」=「正規部分群の位数 (3)」×「剰余群の位数 (2)」
  67. 67. 𝛽𝛽 𝛼𝛼 𝐿𝐿1 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 = − 𝑏𝑏 𝑎𝑎 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 = − 𝑑𝑑 𝑎𝑎 𝛼𝛼𝛼𝛼 + 𝛽𝛽𝛽𝛽 + 𝛾𝛾𝛾𝛾 = 𝑐𝑐 𝑎𝑎 𝛾𝛾 𝐿𝐿2 = 𝜔𝜔𝛼𝛼 + 𝜔𝜔2 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 ラグランジュ・リゾルベント 𝐿𝐿3 = 𝜔𝜔2 𝛼𝛼 + 𝜔𝜔𝜔𝜔 + 𝛾𝛾 ラグランジュ・リゾルベント 𝐿𝐿3 3 𝐿𝐿2 3 𝐿𝐿1 3 − 𝐿𝐿2 3 ラグランジュ・リゾルベント 𝐿𝐿1 3 − 𝐿𝐿2 3 2 平方根 立方根 「正三角形の回転操作」によって不変な数 「正三角形を自分自身に移す操作」 によって不変な数 「恒等操作」のみによって不変な数 67
  68. 68. 三次方程式の解の置換群の構造 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽𝛾𝛾 𝛼𝛼𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽𝛾𝛾 𝛼𝛼𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽𝛾𝛾 𝛼𝛼𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 z 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 正規部分群による剰余群が三次巡回群 正規部分群による剰余群が二次巡回群 68
  69. 69. 三次方程式の解の置換群のガロア対応 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽𝛾𝛾 𝛼𝛼𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽𝛾𝛾 𝛼𝛼𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 「正三角形の回転操作」によって不変な数 「正三角形を自分自身に移す操作」すべてに不変な数 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 𝛼𝛼𝛼𝛼 + 𝛽𝛽𝛽𝛽 + 𝛾𝛾𝛾𝛾 𝐿𝐿3 3 𝐿𝐿1 3 − 𝐿𝐿2 3 𝐿𝐿1 3 − 𝐿𝐿2 3 2 平方根 立方根 恒等操作によって不変な数 𝐿𝐿2 3 𝐿𝐿2 = 𝜔𝜔𝛼𝛼 + 𝜔𝜔2 𝛽𝛽 + 𝛾𝛾 𝐿𝐿3 = 𝜔𝜔2 𝛼𝛼 + 𝜔𝜔𝜔𝜔 + 𝛾𝛾 𝛽𝛽 𝛼𝛼 𝛾𝛾 二次のラグランジュ・リゾルベント ⇔二次巡回群 𝛼𝛼 𝛽𝛽 𝛾𝛾 三次のラグランジュ・リゾルベント ⇔三次巡回群 69
  70. 70. • 置換群(または同型の群)が正規部分群を持つ • 正規部分群による類別(剰余群)が巡回群になる ラグランジュ・リゾルベントが存在する 解の公式が存在する ガロア理論の基本定理 群の視点 方程式の視点 70
  71. 71. 五次方程式の解法 71
  72. 72. 五次方程式の置換群 𝑎𝑎𝑥𝑥5 + 𝑏𝑏𝑥𝑥4 + 𝑐𝑐𝑥𝑥3 + 𝑑𝑑𝑥𝑥2 + 𝑒𝑒𝑥𝑥 + 𝑑𝑑 = 0 の5つの解を𝛼𝛼, 𝛽𝛽, 𝛾𝛾, 𝛿𝛿, 𝜀𝜀とする 置換群の位数(要素数)は 120 72
  73. 73. 五次方程式の置換群の構造 𝛼𝛼𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽𝛽 𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼𝛼 五次の交代群 𝐴𝐴5 五次の置換群 𝑆𝑆5 剰余群が巡回群にならない ラグランジュ・リゾルベントが存在しない 剰余群が巡回群 ラグランジュ・リゾルベントが存在する 73
  74. 74. 五次交代群 𝐴𝐴5 位数60の群(単純群) ※単純群:正規部分群が単位群と自分自身 しか存在しない 74
  75. 75. 𝑎𝑎𝑥𝑥5 + 𝑏𝑏𝑥𝑥4 + 𝑐𝑐𝑥𝑥3 + 𝑑𝑑𝑥𝑥2 + 𝑒𝑒𝑥𝑥 + 𝑑𝑑 = 0 に解の公式が存在するか ∵ガロア理論 解の公式は存在しない 75
  76. 76. まとめ • 方程式のガロア理論 方程式と群を結びつけ、群に基づいて方程式の可 解性を説明できる代数的手法 • 五次方程式の解法 五次の交代群は単純群かつ巡回群でない ⇔ ラグランジュ・リゾルベントは存在しない ⇔ 解の公式は存在しない 76
  77. 77. 参考文献 ガロア理論 原論文集 • 守屋美賀雄監修、「ガロア アーベル 群と方程式」、共立出版 ガロア理論 教科書 • デイヴィッド・コックス、「ガロワ理論 上・下」、日本評論社 • 草場公邦、「ガロワと方程式」、朝倉書店 • 足立恒雄、「ガロア理論講義」、日本評論社 ガロア理論 一般向け読み物 • 小島寛之、「天才ガロアの発想力」、tanQブックス • 中村亨、「ガロアの群論」、講談社 • 結城浩、「数学ガール ガロア理論」、ソフトバンククリエイティブ 77
  78. 78. ありがとうございました 最後に一言: • ガロア理論の面白い所は、やはりクライマックスのガロア対応だと思いま す。最初はおぼろげにしかわからなかった群と解法の関係が、ガロア対 応という形で明確に示される、まるでサスペンス。「ああ、そういえばあの 辺りに伏線があったなあ」的な。 • 今回は紹介しませんでしたが、解法の部分は、本来は「体の理論」として 定義され、ラグランジュ・リゾルベントの件は、冪根拡大として説明されま す。そういえば正規部分群も正確に紹介していなかった・・・。ここら辺が わかってくると、この理論の美しさがより明確にわかってくるのではないで しょうか。興味を持った方はぜひ参考書にトライしてみてください。 • 今回のスライドで、ガロア理論の面白さを少しでも感じ取ってもらえたら嬉 しいです。 78

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