オークションの理論と実践
大阪大学 大学院経済学研究科
安田洋祐
yosuke.yasuda@gmail.com
http://sites.google.com/site/yosukeyasuda/jp
12017年
講演概要
• オークション理論の基本的な考え方や重要な成果
について、事例を交えつつ解説する
• 特に、買い手にとっての最適な戦略、売り手にとっ
ての望ましい制度設計に焦点をあてる
• これらの基礎結果を踏まえた上で、現実のオーク
ションの応用事例についても紹介する
2017年 2
イントロダクション
2017年 3
オークションとは?
• オークションのイメージ
– アンティーク: クリスティーズ・サザビーズ
– ネット・オークション: ヤフオク・楽天・eBay
• 意外な(?)オークションの例
– 公共調達(公共事業の競争入札)
– 国債入札
– 検索連動型広告: Googleのアド・オークション
• 実はオークションはたくさん使われている!
2017年 4
現実の様々なオークション
• 民間系
– アンティーク、インターネット、木材、不動産、IPO、チャリ
ティ、五輪放映権、検索連動型広告
• 政府系
– 公共調達、周波数帯、国債、電力、石油/天然ガス、水
利権、排出権、バス・ルート、空港スロット
• 擬似オークション
– コンテスト(オール・ペイ・オークション)、ロビー活動(メ
ニュー・オークション)、退出競争(消耗戦)
2017年 5
代表的なオークション・ルール
• 公開入札
– 競り上げ式(イギリス式)
• 戦略的に単純、最もポピュラー
– 競り下げ式(オランダ式)
• 花卉市場、バナナの叩き売り
• 封印入札
– 1位価格(ファースト・プライス)
• 直感的、公共調達
– 2位価格(セカンド・プライス)
• ヴィックリーが考案、理論的な望ましさ、切手売買
2017年 6
オークション分析の勘所 (1)
• 買い手同士の戦略的な行動の理解が鍵
– 最適な入札行動は他の買い手の行動に依存
– 戦略的状況における予測 => ゲーム理論
– 予測が正しいかのチェック => 実験・シミュレーション
• 売り手の目的を達成する入札制度設計
– 収益の最大化、効率性の達成などの目的
– オークションの仕組みを変えれば結果も変わる
– どう制度設計を行うか? => メカニズムデザイン理論
2017年 7
オークション分析の勘所 (2)
• 情報の非対称性
– 売り手は買い手の財に対する価値が分からない
– 他の買い手の財に対する価値は通常は分からない
• これを「不完備情報」と呼ぶ(分かる場合は「完備情報」)
– 私的価値と共通/相互依存価値(【メモ】参照)
• 売りに出される財が単一か複数か?
– 単一財は理論的に分析しやすい
– 現実の制度設計では複数財がより重要に
2017年 8
【メモ】 私的価値と共通価値
• 私的価値(Private Value)
– 各買い手の評価額が予め定まっている
• 共通価値(Common Value)または相互依存価値
(Interdependent Value)
– 真の評価額が事前には正確に分からない
– 事後的に買い手間で同じ/似た価値を受け取る
– 例) 石油の採掘権、転売目的の美術品、周波数?
– ナイーブに予想すると払い過ぎる = 「勝者の呪い」
2017年 9
買い手の最適な入札戦略とは?
2017年 10
ゲーム理論で分析してみよう!
• 分析上の仮定(状況の単純化): 各買い手は
– 自分の評価額を知っている = 私的価値
– 相手の評価額は確率的にしか分からない
• ある同一の確率分布に従うと予想 = 分布の対称性
• 買い手間の評価額に相関はない = 分布の独立性
– 「評価額-支払い額」が大きいほど嬉しい
• この期待値の最大化を目指す = リスク中立的
– (予算/資金に制約がない)
– (買った財を転売できない)
2017年 11
【メモ】 オークションの数理モデル
• N人の買い手がオークションに参加
• 各人は確率分布Fに従って評価額を受け取る
– 共通価値の場合:評価額に関する情報を含むシグナルを
各人がある分布に従って受け取ると仮定
• 各人の戦略は評価額から入札額への関数
– 確率的にランダム化するような入札を考える場合もある
が、通常は確定的(deterministic)
• お互いに最適反応となるような関数の組を計算
– オークション・モデルの理論予測(ナッシュ均衡)に!
2017年 12
入札行動の戦略分析のポイント
• 次の組は実は戦略的には全く同じ
– 競り上げ式 = 2位価格オークション
– 競り下げ式 = 1位価格オークション
• 競り上げ(2位価格)には相手の入札戦略によらず常に最適
な入札戦略が存在する
• 競り下げ(1位価格)の最適な戦略は様々な状況に依存
– 一定の仮定のもとで理論予測は計算できる!
2017年 13
戦略的同値性:競り上げ = 2位価格
• 私的価値の下では同じ意思決定
– いつまで残るか=いくらを入札するか
– (共通/相互依存価値の場合は両者は異なる)
• 自分の価値を正直に入札するのが最適
– 競り上げ:高い/安い価格で降りるのは明らかに損
– 2位価格:実は競り上げと同じインセンティブ構造
• 戦略的な入札行動の分析を一気に単純化
– 買い手は複雑な計算をする必要が全くない!
2017年 14
戦略的同値性:競り下げ = 1位価格
• よく考えると戦略的に“全く”同じ意思決定
– いつストップするか=いくらを入札するか
• 自分の価値よりも低い価格を入札しないと損
• どの程度割り引くかを計算しなければいけない
– 戦略的にかなり複雑な意思決定(【メモ】参照)
• 勝者は(ほとんど必ず)払いすぎる
– Money left on the table
– 事後的に後悔が必ず残ってしまう
2017年 15
【メモ】 1位価格における均衡戦略
• 買い手は次のトレードオフに直面する
– 入札価格↑ => 勝率↑ & 買った時の利得↓
– 入札価格↓ => 勝率↓ & 買った時の利得↑
• 買い手が2人で、各人の評価額が独立に[0, 1]区間の一様分
布に従っていると仮定すると…
– 相手が線形の入札戦略をとってくる場合には、自分も線
形の入札戦略をとるのが最適!
• 自分の評価額が1上がると入札額は1/2だけ増やす
– 自分の評価額の半分を入札するのが均衡戦略
• これ以外にナッシュ均衡は存在しない
2017年 16
人は理論通りに行動するのか?
• オークションは数々の実験が行われている
– 最適戦略がとられないことも多い
• 2位価格で正直に評価額を入札しない
• 共通価値の実験で勝者の呪いが発生してしまう
– ただし理論予測から大きく外れることはまれ
– 特に熟練者については理論のあてはまりがよい
• とても複雑な入札戦略があてはまる場合も
– 複数財オークションの実験結果などを参照
2017年 17
売り手が望む入札制度は何か?
2017年 18
“望ましい”オークションとは?
• 売り手の立場・目的によって異なる
• 売上の最大化: 最適(Optimal)オークション
– “最適”=売り上げ最大化を意味するので注意
– 民間の売り手の主たる関心事
• 効率性の達成: 効率的(Efficient)オークション
– 評価額(の総額)が最大になるように財を配分する
– オークション参加者の中だけの効率性なので注意
• 例)周波数オークションにおける利用者への外部性
• スピード・単純さ・談合への頑健性…
2017年 19
1位と2位価格はどちらが儲かる?
• パッと見のルールは全然異なる
– 1位価格の方が売り上げが高くなりそうだが…
• なんと先ほどの仮定の下では期待収益は同じ
– 単純なケースで計算してみよう!
– 実は1位価格(競り下げ) = 2位価格(競り上げ)
• これを「収入同値定理」と呼ぶ
– Revenue Equivalence Theorem (RET)
– 一般に、支払いルールが異なっても財の配分が同じオー
クションの期待収益は等しくなる!(後述)
• オークション理論で最も重要なベンチマーク!
2017年 20
オークション理論の金字塔
• Vickrey (1961):戦略的入札行動の分析
– オークションに関する最初の理論分析
– 2位価格オークションの定式化 + 収入同値定理
– 1996年にノーベル経済学賞受賞!
• Myerson (1981):メカニズム・デザイン
– 売り手の収入最大化オークションの導出
– 厳密かつ一般的な形で収入同値定理を証明
– 2007年にノーベル経済学賞受賞!
2017年 21
一般化された収入同値定理
• 私的価値&独立分布を仮定すると(たとえ分布が非対称で
あっても)、以下の二つが同一のメカニズムの期待収入は必
ず等しくなる
– 財の配分(勝者の決定)の方法
– もっとも低い評価額の買い手が得る利得
• 例) 最も高い評価額の買い手が勝者となり、評価額が最低
の買い手の利得がゼロ
– (対称性の下で)1位価格 = 2位価格
2017年 22
仮定が満たされなくなると…?
• 評価額が相関している(Affiliated)場合
– 2位価格(競り上げ)>1位価格
– 共通価値では:競り上げ>2位価格>1位価格
• 分布が非対称な場合
– 1位価格は一般的に効率的ではない
• 評価額が低い買い手が(均衡で)勝者になる可能性がある
– 売り上げの大小関係はケース・バイ・ケース
• 買い手がリスク回避的な場合
– 1位価格>2位価格(競り上げ)
2017年 23
収入最大化オークション
• 最低入札価格(Reserve Price)の重要性
– 買い手の(評価額の事前分布)が対称的な場合には、2位
価格 + 最低入札価格で収入最大化
– 売り手の評価額が0でも最低入札価格は正
• 利益を生む売買/取引が実現しないことがある
• 非効率性の発生: 効率性 ≠ 収入最大化
• 買い手が非対称な場合は非常に複雑な仕組み
– ウィルソン原則(Wilson Doctrine)=「メカニズムのルール
は設計者の知識に強く依存してはならない」
2017年 24
単一財と複数財
• 単一財のオークション
– 評価額や落札パターンの数が少なく単純
– 90年代前半まで徹底的に研究が進められた
• 複数財のオークション
– 90年代後半以降の研究の中心
– ビジネス・政策上重要な多くの実例を含む
– 理論的な扱いは単一財よりも格段に難しくなる
• 同質財: 自然な仮定の下で単一財と似た分析が可能
• 異質財: マッチング理論や離散数学にむしろ近い
2017年 25
現実に応用される2位価格方式
• ネット・オークション
– 時間を通じて入札できる2位価格オークション
• 国債等の単一(Uniform)価格オークション
– 需給を一致させる(共通の)価格を全員が支払う
– 2位価格オークションの考えを一般化
• Googleの一般化2位価格オークション(後述)
– これも2位価格オークションの考えを一般化
• 2位価格の複数財への拡張 => VCGメカニズム
2017年 26
VCGメカニズム
2017年 27
望ましい売り方 = VCGメカニズム
• VCG=Vickrey-Clarke-Groves
– 財の効率的配分を達成する一般的なメカニズム
– 各人は正直に評価額を申告するのが最適戦略
– 単一財の場合は2位価格オークションに一致
• 実際の売り方はどうなってるのか?
– 申告された評価額にもとづき効率的な配分を決定
– 各参加者は自分が意思決定に加わることによって他の参
加者がこうむる余剰損失分を支払う=迷惑料?
– 自分の限界的な貢献分を利得として受け取る
2017年 28
VCGメカニズムの具体例1
• 効率的な配分
– 買い手1がコーヒー、買い手3がケーキを落札
• 各人の支払い(迷惑料)
– 買い手1: $8 - $5 = $3
– 買い手2: $11 - $11 = $0
– 買い手3: $8 - $6 = $2
2017年 29
コーヒーのみ ケーキのみ 両方
買い手1 $6 $0 $0
買い手2 $0 $0 $8
買い手3 $0 $5 $5
VCGメカニズムの具体例2
• 効率的な配分
– 買い手1がコーヒーとケーキの両方を落札
• 各人の支払い(迷惑料)
– 買い手1: $8 - $0 = $8
– 買い手2: $11 - $11 = $0
2017年 30
コーヒーのみ ケーキのみ 両方
買い手1 $6 $5 $11
買い手2 $0 $0 $8
VCGメカニズムの問題点
• 実務上の問題点
– 複雑なルール
• 参加者が敬遠する、正直申告しない危険性
– 莫大な情報入力と計算
• 全ての可能なパターンの評価額を申告しなければいけない
– 評価額が売り手にバレてしまうリスク
• 売り手の不正行為、私的情報開示の問題
• 理論的な問題点
– 架空名義入札による不正
• 例2で買い手1が例1のように架空名義入札を行うと…
2017年 31
架空名義入札(買い手1=>1’&3’)
• 効率的な配分
– 買い手1’がコーヒー、買い手3’がケーキを落札
• 各人の支払い(迷惑料)
– 買い手1’: $8 - $5 = $3
– 買い手3’: $8 - $6 = $2
• 買い手1が少ない支払いで両方を落札できる!
2017年 32
コーヒーのみ ケーキのみ 両方
買い手1’ $6 $0 $0
買い手2 $0 $0 $8
買い手3’ $0 $5 $5
検索連動型オークション
2017年 33
検索サイトとオークション
• 無料検索と有料検索(検索連動型広告)
– 有料広告は検索ページの上部と脇に表示
– この収益がGoogleの主たる収入源
– 実は背後で複雑なオークションによって販売
• 検索広告の販売方法の推移
– 古くはImpression(表示数)あたりの固定課金
– キーワード・広告主ごとに条件をそれぞれ交渉
– 1997年にGoTo.com(その後Overture => Yahoo!が吸収)
がオークション制度を導入
– 表示数から実際のクリックあたりの課金に変化
2017年 34
例) “オークション”を検索
2017年 35
現状) 一般化2位価格オークション
• 特殊な複数財オークション(単一需要)
– 各買い手は1クリック当たりの価値を入札
– 「入札額 x CTR」の高い順に上から表示される
• 実際には、真のCTRの予測値(クオリティ・スコア)を使用
– どの順番になるか事前には分からない
• 一般化1位価格オークション
– (1クリックあたりの)課金額 = 自分の入札額
• 一般化2位価格オークション
– 課金額 = 自分より1つ下の買い手の入札額
• 前者で生じた問題を克服すべく後者へ移行
2017年 36
例) 1位価格と2位価格の比較
• 買い手3人: A, B, C、スロット2個:1, 2
• BのCTRがAとCのCTRの2倍だと仮定
• 各買い手の入札額: A = 10, B = 4, C = 2
– 2位価格の支払いはCTR比で調整される
2017年 37
CTR:A,C CTR:B 1stPrice 2ndPrice
1 0.04 0.08 A: 10 A: 8
2 0.02 0.04 B: 4 B: 1
1位価格から2位価格への移行
• GoogleのAdWordsがオークション導入に際して2位価格
方式を採用(2002年)
– その後ライバル社のOvertureも2位価格方式へ移行
• 1位価格方式の問題点
– 他人の入札額に応じた入札改訂のインセンティブ
– 随時モニター&入札を行うコストがかかる
– 典型的には価格サイクルが発生 => 非効率性
• ヴィックリーのアイデアを拡張させた新方式へ!
– Googleの広告では明示的に言及していた
• “unique auction model uses Nobel Prize-winning economic
theory …” => 厳密には誤り(理由は後述)
2017年 38
2位価格方式の性質と問題点
• 各買い手は、正直に自分の価値を申告するのが最適とは限
らない => 過小申告して得できる可能性がある
• 理論予測(ナッシュ均衡)がたくさん存在する
– 自分の入札額を少しだけズラしても結果は不変
• 均衡選択:Locally Envy-free / Symmetric
– 1つ“上”の買い手と入れ替わっても得できない
– 割り当て問題の安定“マッチング”と一致する
– LEF均衡自体も一般には複数存在する
2017年 39
VCGメカニズムとの関係
• LEF均衡の中で買い手の支払い額がもっとも少ない均衡が
VCGの結果と一致
– 2位価格の方が売り上げが一般には大きい
– 実は競り上げ(一般化イギリス式)オークションの唯一の
ナッシュ均衡にも一致している
– 効率的な結果をもたらすことが期待される
• まだ一般化2位価格オークションの性質は完全には明らかに
されていない…
2017年 40
周波数オークション
2017年 41
周波数帯オークション
• 非常に複雑な複数財オークション
• 長期間(10~25年)の電波使用権を配分
• 最初に実施されたニュージーランド(1990年)では、様々な問
題が発生
– 一物一価の不成立、売り上げ低調、etc
• 1994年に米国でオークション理論家が設計した新制度がス
タート => 各国へ伝播
• 現実の問題を乗り越えるための学術研究が日進月歩で進化
し続けている
2017年 42
米国の制度的背景
• もともとはヒアリング(比較審査方式)
– 出願者の提案を比較しながら裁量で決定
– 客観性が低い + 手続きに時間がかかる
– 両者を克服する方法として抽選へ移行
• 抽選方式
– 出願者の間で無作為に免許を割り当てる
– 免許の転売を目的とした投機家が殺到
– 小地区に限定した免許の抽選が多く、全国的な移動電話
網の導入が遅れる
2017年 43
FCCオークション
• 議会が1993年にオークションの採用を決定
• 設計は連邦通信委員会(FCC = Federal Communications
Commission)に一任
– オークション理論家のMilgrom、Wilson、McAfeeらがオー
クション設計に参画
– 同時競り上げオークション(Simultaneous Multiple Rounds
Ascending Auction)の採用
– 実験経済学者Plottの実験でもパフォーマンスを確認
• 「史上最大のオークション」(NYT, 1995)
2017年 44
同時競り上げオークション:ルール
• 競り上げ方式の複数財への自然な拡張
– 各期、自分の欲しい財(複数でも可)を競り上げる
– 競り上げる買い手がいなくなった段階で終了
• プロセスを効率化するための仕組み
– 継続最高入札額(Standing High Bid)
– 入札活動ルール(Activity Rule)
• 時計(Clock)オークション
– 需要が供給を上回る財の価格が連続的に上昇
– 各財が複数の単位からなる場合に主に使われる
2017年 45
同時競り上げオークション:特徴
• 複数ラウンド ó 1回限りの封印入札
• 同時に全て販売 ó 順番に1つずつ販売
– 代替的な財の間で裁定を可能にする
– 情報を下に入札行動を円滑に改訂
– 過小・過大購入のリスクを軽減
– 結果的に買い手が積極的な入札を実現
• 代替財(Substitutes)では競争均衡へ収束
– 差別化された複数財を売るための、現実的かつ(ある程
度)理論的にも優れたオークション方式
2017年 46
【メモ】 代替財と補完財
• 代替財(分析が簡単、望ましい性質)
– 2つ目の免許の価値は1つ目よりも低い
• 補完財(分析が複雑、様々な不可能性)
– 2つの免許が1つの免許の2倍以上の価値
• 両者が混在するケース
– 3つある免許のうち2つだけ必要
– 同じ地域の免許は代替財だが、異なる地域の免許は補
完財(広域をカバーしたい場合)
2017年 47
同時競り上げオークション:問題点
• 需要の過小申告(Demand Reduction)
– 大規模な買い手は需要を少なめに申告することで価格を
下げ、利益を得ることができる
• 談合/共謀を招く危険性
• 補完財(Complements)で様々な問題発生
– 効率的な配分が実現できない危険性
– Exposure Problem:不要・不十分な落札を行うリスク
– パッケージ/組み合わせ入札への期待
– VCGメカニズム(に近いもの)が実用され始めている
2017年 48
おまけ1) 国債オークション
• 同質財の複数財オークション
• 理論的な代表的な売り方は3つ
– Discriminatory(複数価格方式)
• 1位価格の複数同質財バージョン
– Uniform Price(単一価格方式)
• 2位価格と似ているが正直申告が支配戦略ではない
– VCGメカニズム
• 現実にはまだ採用されていない
• 米国で複数価格方式から単一価格方式へ移行
2017年 49
おまけ2) ペニー・オークション
• 非常に特殊な競り上げオークション
– 1円競り上げるごとに手数料を支払う
– 競り上げるライバルが脱落すれば勝者に
– 最後まで残れなければ、途中の手数料は無駄に
• 敗者も(結果として)手数料の形で金銭を支払う
• 支払い額の一番大きな買い手が勝つとは限らない
• 収益が商品の価値をしばしば超える
– 業者サイドのサクラ入札の危険性
– 「落札価格」のみの表示は誇大広告?
2017年 50

オークションの理論と実践2017