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オープンサイエンスが切り拓く社会課題解決型研究の未来β
- 5. 8プロジェクトが進行中+終了27プロジェクト
地球研の研究 2 0 1 6 年度( 平成 2 8 年度)
研究プロジェ ク ト
Ph oto : Tak a nori Ois hi P hoto : H aruk a S h in k ura
P hoto : K e iich i Os hium i
東南アジア沿岸域における
エリ アケイ パビリ ティ ーの向上
地方再生・ 地域活性化と 環境保全を 両立さ せる鍵は、 適正技術の利用による住民
参加型の資源管理です。 本プロジェ ク ト では、 地域住民組織による自然資源の持
続的利用と 管理を 可能と する条件群を エリ アケイ パビリ ティ ーと し て定義し 、 日
本と ア ジ ア の沿岸域で の成功例を 精査する こ と によ っ て、 エ リ ア ケイ パビ リ
ティ ーの評価方法と 導入ガイ ド ラ イ ンの作成を進めます。
主なフ ィ ールド : 東南アジア沿岸域( タ イ ・ フ ィ リ ピン)、 石垣島、 三河湾沿岸域
エリ アケイ パビリ ティ ー プロジェ ク ト
2 0 1 2 年度 ~ 2 0 1 6 年度
プロジェ ク ト リ ーダー 石川 智士
2 0 1 2 2 0 1 4 2 0 1 5 2 0 1 62 0 1 3
砂漠化を めぐ る風と 人と 土
アフ リ カ やアジアの半乾燥地は、 資源・ 生態環境の荒廃と 貧困問題が複雑に絡み
合っ ています。 わが国を含む砂漠化対処条約(1 9 9 4 )の批准国には、 問題解決の
ための学術研究と 社会実践の両面での実効ある 貢献が長ら く 求めら れてき まし
た。 対象地域の風土への理解を 深めながら 、 日常のなかの生業活動を 通じ て、 暮
ら し の安定や生計の向上につながり 、 同時に環境保全や砂漠化抑制が可能と なる
よう な技術や取り 組みの道筋を、 地域の人びと と と も に探り ます。
主な フ ィ ールド : 西ア フ リ カ ( ニ ジ ェ ール、 ブ ルキナフ ァ ソ 、 セ ネガ ル)、 南部ア フ リ カ
( ザン ビ ア、 ナミ ビ ア )、 東部ア フ リ カ ( タ ン ザニア )、 北ア フ リ カ ( ア ルジ ェ リ ア)、 南ア
ジア ( イ ン ド )、 東ア ジア( 中国、 モン ゴ ル)
砂漠化 プロ ジェ ク ト
2 0 1 2 年度 ~ 2 0 1 6 年度
プロジェ ク ト リ ーダー 田中 樹
2 0 1 2 2 0 1 4 2 0 1 5 2 0 1 62 0 1 3
地域環境知形成によ る 新たなコ モン ズの
創生と 持続可能な管理
生態系サービスの劣化などの地球環境問題を解決するには、 地域の実情に即し た
ボト ムアッ プの取り 組みが重要です。地域の人びと による取り 組みの基礎と し て、
こ のプロジェ ク ト では科学知と 在来知( 人びと の生活のなかで培われてき た多様
な知識体系) が融合し た「 地域環境知」 に着目し ます。 世界各地の事例を収集分
析し 、 地域環境知が形成さ れ活用さ れていく メ カ ニズムの解明と 、 それを生かし
た「 順応的ガバナンス」 のあり 方を探求し ます。
主なフ ィ ールド : 屋久島、 知床、 石垣島白保、 宮崎県綾町、 フ ィ ジー、 アメ リ カ 領ヴァ ージン
諸島、 フ ロリ ダ州サラ ソ タ 湾、 マラ ウィ 湖
地域環境知 プロ ジェ ク ト
2 0 1 2 年度 ~ 2 0 1 6 年度
プロジェ ク ト リ ーダー 佐藤 哲
共同リ ーダー 菊地 直樹
2 0 1 2 2 0 1 4 2 0 1 5 2 0 1 62 0 1 3
アジ ア環太平洋地域の人間環境安全保障
─水・ エネルギー・ 食料連環
本プロジェ ク ト の目的は、 水・ エネルギー・ 食料の連環( ネク サス) による複合
的な地球環境問題に対し 、 環境ガバナンスの構造と 政策の最適化をと おし て、 ア
ジア環太平洋地域の人間環境安全保障を 最大化( 脆弱性を最小化) し 、 持続可能
な社会のあり 方を提示するこ と です。 そのために、科学と 社会の共創のも と 、ロー
カ ル( 地域レベル) での行動様式の変容と グローバル( 地球レ ベル) での地球環
境問題を解決するための枠組みをつなぐ 、 ローカ ル・ ナショ ナル・ リ ージョ ナル
レ ベルでの環境ガバナンスのあり 方の提示に挑戦し ます。
主なフィ ールド : 日本、 フィ リ ピン、 インド ネシア、 カナダ、 アメ リ カを含むアジア環太平洋地域
環太平洋ネク サス プロジェ ク ト
2 0 1 3 年度 ~ 2 0 1 7 年度
2 0 1 3 2 0 1 5 2 0 1 6 2 0 1 72 0 1 4
プロジェ ク ト リ ーダー 遠藤 愛子
地域に根ざし た小規模経済活動と 長期的持
続可能性―歴史生態学から のアプローチ
経済活動の多様性と その規模、 長期的持続可能性は密接に関係し ています。 本プ
ロジェ ク ト では、 考古学、 古環境学、 人類学、 生態学、 農学などの立場から 過去
と 現在の事例を 検討し 、 地域に根ざし た食料生産活動がなぜ重要なのか、 また、
それを 機能さ せるためには何が必要かを 考えます。その結果に基づいて、社会ネッ
ト ワーク に支えら れた小規模な経済活動と それに伴う コ ミ ュ ニティ を 基礎と し
た、 人間と 環境の新し い関係の構築を提唱し ます。
主なフ ィ ールド : 東日本、 北アメ リ カ 西海岸を中心と する北環太平洋地域
小規模経済 プロジェ ク ト
2 0 1 4 年度 ~ 2 0 1 6 年度
プロ ジェ ク ト リ ーダー 羽生 淳子
2 0 1 4 2 0 1 5 2 0 1 6
高分解能古気候学と 歴史・ 考古学の連携
による気候変動に強い社会システムの探索
気候の大き な変動に対し て、 歴史上の人びと はどのよう に適応し てき たのか。 ま
た、その経験はこ れから の社会の設計にどのよう に生かさ れるべき か。本プロジェ
ク ト では、 縄文時代から 現在までの日本を対象に、 高分解能古気候学の最新の成
果を 歴史学・ 考古学の膨大な知見に結びつけ、 過去のさ まざまな時代に起き た気
候変動の実態を明ら かにすると と も に、 気候変動に対する 社会の適応のあり 方を
詳細に解析し ます。
主なフ ィ ールド : 日本
気候適応史 プロジェ ク ト
2 0 1 4 年度 ~ 2 0 1 8 年度
プロジェ ク ト リ ーダー 中塚 武
2 0 1 4 2 0 1 6 2 0 1 7 2 0 1 82 0 1 5
生物多様性が駆動する栄養循環と
流域圏社会─生態システムの健全性
栄養バラ ン スの不均衡が引き 起こ す流域の環境問題と 地域固有の課題を と も に解決す
るにはどう し たら よいか?私たちのめざす流域ガバナンスは、地域の自然の価値を 見直
し 、住民が協働し て、その再生に取り 組むこ と から 始めます。活動の参加者は、地域の価
値に共感・ 共鳴し た瞬間、「 し あわせ( W ell-being )」を 実感する かも し れません。また、自
然再生によっ て生物多様性が豊かになると 、それ自身の「 栄養循環を 高める能力」によ っ
て流域の栄養バラ ンスが回復するかも し れません。地域の課題を解決するこ と と 流域の
栄養バラ ンスを回復するこ と が両立する―そんなガバナンスを実践し ています。
主なフ ィ ールド : 琵琶湖流域、 フ ィ リ ピン・ ラ グナ湖流域
栄養循環 プロジェ ク ト
2 0 1 5 年度 ~ 2 0 1 9 年度
プロ ジェ ク ト リ ーダー 奥田 昇
2 0 1 5 2 0 1 7 2 0 1 8 2 0 1 92 0 1 6
持続可能な食の消費と 生産を実現するラ イ フ
ワールド の構築─食農体系の転換にむけて
本プロジェ ク ト では、日本、タ イ 、ブータ ン、中国を調査研究地と し て、食と 農を持
続可能なかたちへと 転換するために必要と なる 実証データ の収集やその実現に向
けた実践的研究を 行ないます。食の生産と 消費は社会や文化に深く 埋め込まれて
います。未来の食の供給を構想すると と も に、地域の食と 農の未来を 考える委員会
や、地域の食の経済を 支えるし く み、食と 環境を結ぶスマホアプリ などを新たに設
立・ 開発し ます。
主なフ ィ ールド : 日本、 タ イ 、 ブータ ン、 中国
FEAS T プロジェ ク ト
2 0 1 6 年度 ~ 2 0 2 0 年度
プロジェ ク ト リ ーダー M CGREEVY , S teven R.
2 0 1 6 2 0 1 8 2 0 1 9 2 0 2 02 0 1 7
- 12. 課題当事者それぞれの利害(思惑)
課題当事者 利 害(思 惑)
外国隊
(研究者)
発掘調査をしたい。
遺産文化省
(意思決定者)
ユネスコのガイドラインにしたがって、遺
跡の保存修復と史跡整備を進めたい。
地域住民
遺産文化省や外国隊が何をしているの
か、きちんとした説明を受けたい。
- 16. ユースケース(利用想定)
Lv アクター 用 途
1 遺産文化省
(意思決定者)
• 文化遺産マネジメント
• 埋蔵文化財行政
• 史跡整備計画
• 教育普及(アウトリーチ)
2 研究者 • 学術研究
2
関係省庁
開発業者
• 埋蔵文化財を考慮した開発計画立案
3
地域住民
観光客
• 遺跡のことをより深く知る
- 17. システムとデータフロー
入力 データプロセシング 出力
確認調査
以前の調査記録
データ化
by MS Excel
データベース化
by FileMaker
マップ作成
by QGIS
マップ公開
by Google My Maps
マップ公開
by Arches
静的マップ
クラウドストレージ
by Dropbox
データベース
.jpg
.kmz
.pdf.jpg
.pdf
.csv
ワーク
シート
.xlsx
.pdf
.pdf
帳票
.mdb
.xlsx
.jpg
.kmz
動的マップ
- 22. 課題当事者=アクター
アクター 社会的実体 知識
研究者 職業研究者 科学知
意思決定者
政府、自治体、企
業職員
政策知
ガバナンスの知
生活者
NPO職員、地域住
民
生活知
プロボノ new!
(専門技能ボランティア)
弁護士、プログラ
マ、社会起業家な
ど
技術知
22
- 42. 京都でのオープンサイエンスと社会協働型
研究に関する研究集会予定
開催日 場所 研究集会名
9/27-28 京大 オープンサイエンスデータ推進ワークショップ
10/4 地球研 地域資源ハテナソン(仮)
10/9-10 地球研 環境問題の現場における超学際研究の新展開
11/7 地球研
コアFS研究会:中島健一郎(広大)「集団間のギャップは
なぜ生じるか:社会心理学からのアプローチ」(仮)
1/27 地球研
コアFS研究会:池内有為(筑波大)「オープンサイエンスの
実現に向けた研究データ共有の実態調査」(仮)
ご静聴ありがとうございました。 kondo@chikyu.ac.jp
Editor's Notes
- The American-Japanese Bat Archaeological Project (AJBAP) has carried out the field campaign since 2012, succeeding the American expedition.