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地球研「知の橋かけ」コアFS説明資料

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平成28年度総合地球環境学研究所コアプロジェクトFS「社会課題解決型研究のアクター間における知識情報ギャップの可視化と克服」

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地球研「知の橋かけ」コアFS説明資料

  1. 1. 社会課題解決型研究のアクター間における 知識情報ギャップの可視化と克服 Visualizing and filling gaps of knowledge information between actors in the research to solve social issues コアFSの進捗状況と今後の方向性 FS責任者 近 藤 康 久 平成28年度第4回コアプログラム研究会 2016年10月4日
  2. 2. コアプロジェクトFSとは • 地球研のコアプログラム「社会との協働による地球環境問題解 決のための方法論の確立」を推進するコアプロジェクトのフィージ ビリティースタディー(FS) • 公募制、期間は5月から2月まで、予算100万円。 • 地球研のコアとなり、かつ地球環境研究のコアとなる共同研究の 実施可能性を見極める。 • コアプログラム・コアプロジェクトは実践プロジェクト・研究基盤国 際センターとの強い連携の下に進める。 • 11月の所内審査委員会と2月の外部評価委員会で承認されれば、 4月から3年(or 2年)・年間予算1000万円程度の本研究(FR)に移 行する。 2
  3. 3. Transdisciplinary Research 3 Action Research Participatory Research 超学際研究 超域研究 新領域融合研究 社会協働研究 Science for Society Science with Society 超学研究 Transboundary Research Science 2.0
  4. 4. Trans-: 彼方へ行く/状態を変える Prefix 1. Across; beyond: transcontinental | transgress. • on or to the other side of. Often contrasted with cis- (sense 1): transatlantic | transalpine. 2. Through: transonic. • into another state or place: transform | translate. • surpassing; transcending: transfinite. 3. Referring or relating to people whose sense of personal identity does not correspond with the gender assigned to them at birth. Compare with cis- (sense 2): transgender | transphobia. (Oxford Dictionary of English) 4
  5. 5. 社会との協働による課題解決型研究 Transdisciplinary Research (TD、超学際研究、超域研究とも) 5 地球環境問題などの社会課題を解決するための 政府・自治体・企業・NPO・地域住民など 社会の多様な当事者(ステークホルダー)との協働による •研究の設計 (co-design) •知識の生産 (co-production) •成果の展開 (co-dissemination) (Mauser et al. 2013. doi:10.1016/j.cosust.2013.07.001) •意思決定を支援する選択肢の提示 (co-leadership) が特に重要
  6. 6. 研究者 課題当事者 社会協働研究の類型(1) Participatory Research 6 研究成果 例:質問紙調査、アイディアソン クラウドソーシングなど 主導 Scholz 2012, 2014を改変
  7. 7. 社会協働研究の類型(2) Action Research 7 研究者 課題当事者 課題解決 例:自治体からの受託研究など 研究成果 主導 Scholz 2012, 2014を改変
  8. 8. 社会協働研究の類型(3) (狭義の)Transdisciplinary Research 8 研究者 生活者 産業従事者 課題解決 のための 意思決定意思決定者 “Co-x” Co-plan Co-product Co-dissemination Co-leadership 対話を通じた 相互理解 課題解決 研究成果 └ 課 題 当 事 者 ┘ Scholz 2012, 2014を改変
  9. 9. 社会課題解決型研究のアクター間における 知識情報ギャップの可視化と克服 (知の橋かけコアFS) FS提案時に考えていた研究目的 •環境社会課題に関与するアクターの間に、 「知の隔絶」(ギャップ)がある。 そこで、情報可視化技術を用いて、 •どこにどのようなギャップが生じているのか? を明らかにする。その上で、 •どのようにギャップを埋めるか? についての方法論を提案する。 → Research on Research 9
  10. 10. オープンサイエンスの潮流 10 政府によ る定義 • オープンアクセス • オープンリサーチデータ • 市民参加型科学(シチズンサイエンス)の拡大 → オープンイノベーションの重要な基盤 第5期科学技術基本計画(2016.4-2021.3) 実態 • 「オープン」という言葉に夢/野望を託し、現状の研究 システムを変革すること(北本2016) • 「同床異夢」(北本2015) • 総論賛成・各論反対 短期的 効果 • オープンデータを用いたソーシャルイノベーションに長 じた高度技能ボランティア(プロボノ)が、社会課題解 決を指向する研究に参画しやすくなる
  11. 11. プロボノ:社会課題解決の新しいアクター • 法律、金融、 IT、ソーシャルデザインな どの専門知識技能をもつ個人 • 地縁はないが、社会貢献意欲が高い。 • オープンデータを用いたソーシャルイノ ベーションを主導 11 Happy Life Ideathon 2015.10.3 地球研 グラフィックレコーディング
  12. 12. スピンオフ 研究者 生活者 産業従事者 課題解決 のための 意思決定 意思決定者 “Co-x” Co-design Co-production Co-leadership 相互理解 科学知 分野B 在来知 立場E 政策知 機関C 技術知 技能G 研究成果 課題解決 科学知 分野A 政策知 機関D 在来知 立場F 作業仮説: オープンサイエンスにより、プロボ ノが社会課題解決指向研究に加わる 12 オープンデータ プロボノ(高度技能ボランティア) (アクター)
  13. 13. 知の隔絶(ギャップ) • 課題に対する知識・認識(内在資源) • 利用可能な情報(外在資源) • 科学リテラシー(作法/処理系) が、 • アクターコミュニティーの間 はもとより、 • アクターコミュニティーの内部 でも異なる。 • 「知の隔絶」はアクター間の相互理解を阻害し、課題解決の 障壁となる。 14
  14. 14. オープンリサーチデータ推進の 文脈で言われるように、 メタデータを付与・開示して、 データの相互運用性を高めれば、 知の隔絶は解消されるのか?
  15. 15. 否。データ(形式知)には暗黙知が付帯する。 16(野中郁次郎・紺野 登2003『知識創造の方法論』東洋経済新報社)
  16. 16. 知識創造の一般原理:SECIモデル 17(野中郁次郎・紺野 登2003『知識創造の方法論』東洋経済新報社)
  17. 17. FS期間(2月まで)に何をするか 1. アクター間で「知の隔絶」(ギャップ)が生じる原因と、ギャップ を認識して克服するための基礎理論を多分野の視点から検 討し、プロトタイプを作る。 2. 「知の隔絶」を可視化し克服する手法を実証的に検討し、最 適な手法を見極める。 3. 上記の理論・手法を適用するフィールドを開拓し、実施可能 性を見極める。 全体にわたり世界的な研究動向をレビューし、研究領域をリー ドする研究機関・研究者を特定して、共同研究体制を構築する。 18
  18. 18. 氏 名 所 属 トピック 北本 朝展 国立情報学研究所 オープンサイエンス理論 村山 泰啓 情報通信研究機構 オープンサイエンスの国際動向 林 和弘 文部科学省科学技術・学術政策研究所 オープンサイエンス政策 下山 紗代子 一般社団法人リンクデータ オープンデータとプロボノ 船橋 真俊 ソニーコンピュータサイエンス研究所 オープンシステムサイエンス理論 Ritchell, Bernd Helmholz Centre Potsdam, Germany オントロジーの国際展開 王 戈 科学技術振興機構 TD理論 佐藤 賢一 京都産業大学 ハテナソンの技法 松尾 由美 関東短期大学 他分野(保育)でのTDの必要性 Brondizio, Eduardo Indiana University, USA TDにおける対話の重要性/国際動向 池内 有為 筑波大学 オープンデータの実態調査 服部 弘 NHKエディケーショナル 知識共創理論 武田 英裕 富士通あしたのコミュニティーラボ 企業におけるTD実践 中島 健一郎 広島大学 社会心理学からみた集団間のギャップ 森 玲奈 帝京大学 知の跳躍インタビューの評価法 大澤 剛士 農業・食品産業技術総合研究機構 データ再利用・データ論文の成功例 込山 悠介 国立情報学研究所 オープンサイエンス理論 松浦 正浩 明治大学 交渉学からみたTD/OSの諸問題 安部 浩 京都大学 哲学からみた未来世代への義務 理論構築のためにお話をうかがった所外有識者(おおむね聞いた順)
  19. 19. 所内研究者との熟議 第1回NII-地球研合同セミナー(アンカンファレンス) 「オープンサイエンスでフィールドサイエンスの新時代を拓く」 2016年9月3・4日 於・NII軽井沢国際高等セミナーハウス 20
  20. 20. わかってきたこと 21
  21. 21. 共通点 1. 科学システムのゲームチェンジ(価値転換)を目指していること 2. 既存の学問領域の際(キワ)を超えていく運動であること 22 transdisciplinary research オープンサイエンスとTDは、 構造がよく似ている。 open science
  22. 22. オープンサイエンスの本質は 「知の開放」 より正確に言うと、 「科学の知識システムの開放」 23
  23. 23. オープンサイエンス実現に向けた 最大の障壁は、研究者の不安感 24(第1回NII-地球研合同セミナー:グループ対話C)
  24. 24. オープンサイエンスのエヴァンジェリスト を育成する必要あり 25(第1回NII-地球研合同セミナー:グループ対話A)
  25. 25. 知識システムの橋渡しには、対話が重要 • 対話 (dialogue): 対等な立場で話し合 うことを通じて、自分の「意見を目の前 に掲げて、それを見ること」。議論とは 異なり、勝敗を付けない。(Bohm 1996) • 参加型思考 (participatory thought) • 共同事実確認 (confirmed common facts) • 相互信用 (mutual trust) 26
  26. 26. 共通点:よそさん(地縁をもたない/来ては去る) →「外部専門家」 27 プロボノ TDの文脈では 研究者とプロボノはよく似ている。 むしろ、研究者もプロボノに含まれるのかも。 研究者
  27. 27. 外部専門家 「ヨソの人」 研究者 プロボノ 生活者 産業従事者 「ウチの人」 課題解決 のための 意思決定 意思決定者 専門知 分野B 在来知 立場E 政策知 機関C 研究成果 スピンオフ 課題解決 専門知 分野A 政策知 機関D 在来知 立場F 作業仮説(改): 外部有識者と意思決定者の間の知識 システムの隔絶を上手に埋めること が特に重要 28 オープンデータ 橋渡し人材 エヴァンジェリスト トランスレーター 伴走者 レジデント型研究者 データライブラリアン データコンシェルジュ
  28. 28. 外部専門家から意思決定者への知識伝達 A: プッシュ型伝達 • 外部専門家が、科学知を根拠 にして課題解決のためのアク ションを意思決定者に促す =「外圧をかける」 例:気候変動(IPCCレポート) • 興味のない課題には無関心 B: プル型伝達 • 意思決定者が、意思決定・合意 形成に必要な科学知を選択的 に取り上げる =「吸い取る」 • 「不都合な真実」は黙殺する 例:放射能汚染 29 専門知 政策知 課題解決 のための 意思決定 外部専門家 「ヨソの人」 意思決定者 「ウチの人」
  29. 29. オープンサイエンス×TD = Open-TD !! 30
  30. 30. Open-TDアプローチによる 次世代型社会協働研究のフレーミング • オープンサイエンスを「科学の知識システムの開放」と定義 する。 1. 科学の知識システムを開放することにより、新たに異分野 の職業研究者や研究者以外の専門家と協働できるように なる。→新たな外部専門家グループの形成 2. 新たな外部専門家グループが社会課題解決の現場に入 り、意思決定者・生活者と協働して”co-x”を行う。 • 上記1・2において、異なる知識システム(人と人)の橋渡しを、 専門家が担う。←人材育成の必要あり。 • 以上を実現するための理論と方法論の研究開発と人材育 成を、コアプロジェクトで行う。 31
  31. 31. 研究体制(案) 32
  32. 32. Open-TDアプローチの理論構築 • オープンサイエンスの動向調査 国際動向(村山)、政策動向(林)、国内動向(池内)、 理論動向(北本) • データ再利用、データ論文の成功例(大澤・ ) • 哲学からみた集団間ギャップの原因と克服策( ) • 社会心理学からみた〜〜(中島) • 環境政治学からみた〜〜( ) • 社会実装の「死の谷」の超克事例(王) • 地球環境学・健康科学以外のTD適用事例( ) 33
  33. 33. Open-TDアプローチの手法開発 •対話の技法 • アンカンファレンス(近藤・熊澤・林) • ハテナソン(佐藤賢) • 情報可視化の技法 • アクティビティ図によるモノ・コト関係可視化(関野) • オントロジー工学による知識体系の可視化(熊澤) • 参加型GISによる地理情報可視化(近藤) • プロジェクト記録の技法 • 知の跳躍インタビュー(近藤・熊澤+菊地・鎌谷) • Open-TDエヴァンジェリストの育成 • コアプロジェクト研究員を1名雇用 34
  34. 34. 連携 = あいのり より正確に言うと、 研究対象と成果をシェアすること。 35
  35. 35. 実践プロジェクトとの重点連携 実践プログラム1(環境変動への対処) • 気候適応史プロジェクトと: • 研究分野間の隔絶を解消するための情報可視化技術 の研究開発と適用 実践プログラム2(資源の適正利用) • 栄養循環プロジェクトと: • 琵琶湖の水草堆肥活用コミュニティー形成 実践プログラム3(生活圏) • サニテーションプロジェクトと: • 社会技術実装の「死の谷」の超克 36
  36. 36. アクティビティ図によるモノ・コト関係の可視化 関野×気候適応史・小規模経済プロジェクト の試行例 37 食の多様性の減少 社会階層化の増大 小数の階層が同じものを大 量生産する 例 トウモロコシ 米 レジリエンスの低下 人口の増大 人口の減少 短期的な生産性の増大 恒常的な生産の減少 気候変動 ヒト・モノ・情報の移動が 発達 交易など 環境へのダメージ 土が痩せる 持続可能性の減少 レジリアンスの低下をしのぐ 技術革新が促進される 国家の形成 国家の弱体化 祭祀・宗教の発達 小規模経済プロジェクト(先史) 気候変動 気候変動が激しいのに大飢饉 が起こらない(大飢饉の記録が 残っていない)14世紀 15世紀以降 都市に食料があると思う 都市型の飢饉 都市に人が集まる 流通の発達(13世紀以降) 不作になる 手元の食料が無くなる 都市で多く人が死ぬ 記録に残る 14世紀以前は記録が少 ないあつ(集まってこな かった?) 飢饉の対策の在り方の変化 12ごろまでは朝廷がものを配る →朝廷が滅ぶにつれ、富の蓄積場所が 変化 朝廷がものを配れ なくなる 情報の流通の発 達 12世紀以前の実態は? ?流通を加速させる何か? プロジェクト間で共通する知 識情報資源(モノ)や環境事 象(コト)を発見し、それを 連結点としてプロジェクト間 で知識体系の連結を試みる。 気候適応史プロジェクト(中世)
  37. 37. オントロジー工学による知識体系の可視化 熊澤・近藤×同位体環境学コアFS の試行例 38
  38. 38. 集まっ たレポート を分析 さ まざまな野菜の データ 新し い 効果を 発見! 地球研 プロジェ ク ト 研究員 淺野氏 琵琶湖の水草堆肥活用コミュニティーの形成 近藤・下山×栄養循環プロジェクト 40 滋賀県による琵琶湖の水草堆肥事業 7 琵琶湖の地域資源を介し て つながるコ ミ ュ ニティ 企業・ 民間団体 地域住民 滋賀県・ 地球研 タ ーゲッ ト 趣味で家庭菜園をやっ ている人 三井物産環境基金研究助成に応募を計画中
  39. 39. コアプロジェクト終了時の目標 Open-TDを地球研のFD/SD教材に FD: Faculty Development/SD: Staff Development •成果物(output): Open-TDの教科書(理 論・方法論・事例集) •波及効果(outcome): Open-TDに準拠 した研究プロジェクトがこれまでにない 成果を生み、課題解決指向の地球環 境研究が飛躍的に発展する。 41 東京大学i.school編2010
  40. 40. 研究集会・審査会日程 開催日 場所 行事内容 公開形態 9/3-4 軽井沢 第1回NII-地球研合同セミナー「オープンサイエンスでフィールドサイエ ンスの新時代を拓く」 招待制 10/4 AM 地球研 コアFS研究会:佐藤賢一「ハテナソン体験&勉強会」 所内公開 10/4 PM 地球研 第4回コアプログラム研究会 ←いまここ 所内公開 10/9-10 地球研 千葉大CEReS-地球研合同ワークショップ「環境問題の現場における社 会協働研究の新展開」 公開 11/7 AM 地球研 コアFS研究会:中島健一郎「集団間のギャップはなぜ生じるか:社会心 理学からのアプローチ」 公開 11/7 PM 地球研 第5回コアプログラム研究会(発表練習) 所内公開 11/30 コープイン 京都 プロジェクト発表会(所内審査会) 所内公開 1/27 AM 地球研 コアFS研究会:池内有為「オープンサイエンスの実現に向けた研究デー タ共有の実態調査」 公開 1/27 PM-28 地球研 NISTEP-NII-地球研合同ワークショップ「オープンサイエンスが切り拓く 社会課題解決型研究の未来」 招待制 2/17 地球研 研究プログラム評価委員会(外部審査会) 非公開
  41. 41. 困っていること。 政治学から見ると: “インセンティブがなければ、 人は動かない。” オープンサイエンスのインセンティブは? TDのインセンティブは? Open-TDのインセンティブは? コアプロジェクトのインセンティブは? 43

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