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オープンサイエンスが切り拓く
社会課題解決型研究の未来β
近 藤 康 久
昨日、文部科学省科学技術・学術政策研究所
(NISTEP)で講演しました。
こっちが
α
近藤康久:自己紹介
• 出身分野は考古学
• 総合地球環境学研究所(地球研)
研究基盤国際センター
情報基盤部門に所属
• GIS・リモートセンシング担当
• オープンサイエンス推進担当
• コアプロジェクト予備研究(FS)「社会
協働型研究の...
• 2001年に文部科学省附置研究所として創設。京都市北区上賀茂に所在。
• 地球環境問題を「人と自然の相互作用環」の視点から研究。
• 文理融合型の共同研究プロジェクトを時限付きで推進。
• 社会の多様な課題当事者との協働研究が持ち味。
• ...
8プロジェクトが進行中+終了27プロジェクト
地球研の研究 2 0 1 6 年度( 平成 2 8 年度)
研究プロジェ ク ト
Ph oto : Tak a nori Ois hi P hoto : H aruk a S h in k ura
...
社会との協働による課題解決型研究
Transdisciplinary Research(超学際研究、超域研究とも)
地球環境問題などの社会課題を解決するための
政府・自治体・企業・NPO・地域住民など
社会の多様な当事者(ステークホルダー)との...
社会課題解決型研究と親和性の高い分野の例
• 健康科学
• 子ども学
• 加齢医学
• 地球環境学
• 地域計画学 など
→ 「臨床系」=「人と接する」学問
研究者
課題当事者
社会協働研究の類型(1)
Participatory Research
研究成果
例:質問紙調査、アイディアソン
クラウドソーシングなど
主導
社会協働研究の類型(2)
Action Research
研究者
課題当事者
課題解決
例:自治体からの受託研究など
研究成果
主導
社会協働研究の類型(3)
(狭義の)Transdisciplinary Research
研究者
生活者
課題解決
のための
意思決定意思決定者
“Co-x”
Co-plan
Co-product
Co-dissemination
Co-lea...
私の経験:オマーンの世界遺産
バート遺跡群の調査
5千年前のオアシス町と墓域
オマーン湾
ホルムズ海峡
ルブアルハリ砂漠
課題当事者それぞれの利害(思惑)
課題当事者 利 害(思 惑)
外国隊
(研究者)
発掘調査をしたい。
遺産文化省
(意思決定者)
ユネスコのガイドラインにしたがって、遺
跡の保存修復と史跡整備を進めたい。
地域住民
遺産文化省や外国隊が何をし...
まずはアクションリサーチから
日本隊
(研究者)
遺産文化省
(意思決定者)
課題解決
研究成果
デジタル文化遺産
目録の構築
文化遺産目録の設計コンセプト
Simple シンプルであること
• IT初級者でも使える。
Sustainable
持続可能であること
• 開発者がいなくなっても
使い続けられる。
Secure セキュリティーが堅牢であること
• 機密情報を漏...
アクセス・メンバーシップ
0. 開発者
1. 研究チームと
遺産文化省職員
(情報の編集)
2. 他省庁・他の研究チーム
(情報の閲覧)
3. 一般公開
(制限された情報の閲覧)
ユースケース(利用想定)
Lv アクター 用 途
1 遺産文化省
(意思決定者)
• 文化遺産マネジメント
• 埋蔵文化財行政
• 史跡整備計画
• 教育普及(アウトリーチ)
2 研究者 • 学術研究
2
関係省庁
開発業者
• 埋蔵文化財を考...
システムとデータフロー
入力 データプロセシング 出力
確認調査
以前の調査記録
データ化
by MS Excel
データベース化
by FileMaker
マップ作成
by QGIS
マップ公開
by Google My Maps
マップ公開...
確認調査
GPS座標計測 遺構の記録
情報の照合
& ドイツ隊の
調査記録
米国隊の
調査記録
デンマーク隊
の調査記録
外部参照
データベースの構築 (FileMaker)
地域住民とのタウンミーティング
課題当事者=アクター
アクター 社会的実体 知識
研究者 職業研究者 科学知
意思決定者
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業職員
政策知
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生活者
NPO職員、地域住
民
生活知
プロボノ new!
(専門技能ボランティア)
弁護士、プログラ
...
プロボノ:社会課題解決の新しいアクター
• 法律、金融、IT、ソーシャルデザ
インなどの専門知識・技能をもつ
個人
• 地縁はないが、社会貢献意欲が
高い。
• オープンデータを用いたソーシャ
ルイノベーションを主導
Happy Life Id...
オープンサイエンスは多義的
24
オープンリサーチデータ
オープンアクセス
シチズンサイエンス
データ論文
データ引用
オープンサイエンスとプロボノ
政府によ
る定義
• オープンアクセス
• オープンデータ(特に、研究データのオープン化)
• 市民参加型科学(シチズンサイエンス)の拡大
→ オープンイノベーションの重要な基盤
第5期科学技術基本計画(2016....
スピンオフ
研究者
生活者
課題解決
のための
意思決定
意思決定者
“Co-x”
Co-design
Co-production
Co-leadership
相互理解
プロボノ(専門技能ボランティア)
科学知
分野B
在来知
立場E
政策知
...
メタデータを付与・開示して、データの
相互運用性を高めれば済むのか?
暗黙知と形式知の相互変換
28
暗黙知 形式知
論文出版
教育・アウトリーチ
暗黙知と形式知
29(野中郁次郎・紺野 登2003『知識創造の方法論』東洋経済新報社)
知識創造の一般原理:SECIモデル
30(野中郁次郎・紺野 登2003『知識創造の方法論』東洋経済新報社)
スピンオフ
研究者
生活者
課題解決
のための
意思決定
意思決定者
“Co-x”
Co-design
Co-production
Co-leadership
相互理解
プロボノ(専門技能ボランティア)
科学知
分野B
在来知
立場E
政策知
...
対 話
Dialogue
共同事実確認
Confirmed common facts
相互信用
Mutual trust
アンカンファレンスによる論点の整理
第1回 2016年2月5日 地球研
35
アンカンファレンスとは
“アンカンファレンスとは講演者の話を聞くセッ
ションの形態とは異なり、参加者自身がテーマ
を出し合いそのテーマについて自分たちで話し
合い、参加者全員で作り上げるカンファレンス
です。”
(WordCamp Tokyo ...
第1回アンカンファレンスの論題
オープンサイエンスで地球環境研究をどう変える?
• オープンデータを制度化するには?
• オープンサイエンスとTD (超学際研究) はどう結び
つくか?
• データライブラリアンの役割は?
• オープンサイエンス...
地球環境研究の特性(問題設定)
• 環境問題は、人間社会と自然環境の
要因が時間的にも空間的にも多様な
スケールで絡みあって起きる。
→ 多種多様な研究データを取り扱う。
• 定型的なデータ
• 地球規模の観測データなど
• 非定型的なデータ
...
第2回アンカンファレンス(NII-地球研合同セミナー)
「オープンサイエンスでフィールドサイエンスの新時代を拓く」
2016年9月3・4日 於・NII軽井沢国際高等セミナーハウス
39
当日の進行(アンカンファレンスの方法)
参加者 地球研から6人、NIIから2人、他機関から3人
1日目
13:30 インプットセミナー(北本朝展、大澤剛士、近藤康久)
15:40 コーヒーブレイク〜ワークシートで論点提案〜セッション編成
16:...
まとめ:オープンサイエンスが切り拓く
社会課題解決型研究の未来
• アームチェアサイエンスでも、ヘリコプターサイエンスでもなく、
社会に寄り添い、ともに歩む科学 = 臨床の学
• オープンサイエンスアプローチ = 科学知の開放
• 形式知と共に...
京都でのオープンサイエンスと社会協働型
研究に関する研究集会予定
開催日 場所 研究集会名
9/27-28 京大 オープンサイエンスデータ推進ワークショップ
10/4 地球研 地域資源ハテナソン(仮)
10/9-10 地球研 環境問題の現場にお...
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オープンサイエンスが切り拓く社会課題解決型研究の未来β

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第4回KYOTOオープンサイエンス勉強会(2016年9月21日、於・京都大学吉田泉殿)発表資料

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オープンサイエンスが切り拓く社会課題解決型研究の未来β

  1. 1. オープンサイエンスが切り拓く 社会課題解決型研究の未来β 近 藤 康 久
  2. 2. 昨日、文部科学省科学技術・学術政策研究所 (NISTEP)で講演しました。 こっちが α
  3. 3. 近藤康久:自己紹介 • 出身分野は考古学 • 総合地球環境学研究所(地球研) 研究基盤国際センター 情報基盤部門に所属 • GIS・リモートセンシング担当 • オープンサイエンス推進担当 • コアプロジェクト予備研究(FS)「社会 協働型研究のアクター間における 知識情報ギャップの可視化と克服」 責任者 2
  4. 4. • 2001年に文部科学省附置研究所として創設。京都市北区上賀茂に所在。 • 地球環境問題を「人と自然の相互作用環」の視点から研究。 • 文理融合型の共同研究プロジェクトを時限付きで推進。 • 社会の多様な課題当事者との協働研究が持ち味。 • 持続可能性国際研究プログラム「Future Earth」のアジアセンター。 4
  5. 5. 8プロジェクトが進行中+終了27プロジェクト 地球研の研究 2 0 1 6 年度( 平成 2 8 年度) 研究プロジェ ク ト Ph oto : Tak a nori Ois hi P hoto : H aruk a S h in k ura P hoto : K e iich i Os hium i 東南アジア沿岸域における エリ アケイ パビリ ティ ーの向上 地方再生・ 地域活性化と 環境保全を 両立さ せる鍵は、 適正技術の利用による住民 参加型の資源管理です。 本プロジェ ク ト では、 地域住民組織による自然資源の持 続的利用と 管理を 可能と する条件群を エリ アケイ パビリ ティ ーと し て定義し 、 日 本と ア ジ ア の沿岸域で の成功例を 精査する こ と によ っ て、 エ リ ア ケイ パビ リ ティ ーの評価方法と 導入ガイ ド ラ イ ンの作成を進めます。 主なフ ィ ールド : 東南アジア沿岸域( タ イ ・ フ ィ リ ピン)、 石垣島、 三河湾沿岸域 エリ アケイ パビリ ティ ー プロジェ ク ト 2 0 1 2 年度 ~ 2 0 1 6 年度 プロジェ ク ト リ ーダー  石川 智士 2 0 1 2 2 0 1 4 2 0 1 5 2 0 1 62 0 1 3 砂漠化を めぐ る風と 人と 土 アフ リ カ やアジアの半乾燥地は、 資源・ 生態環境の荒廃と 貧困問題が複雑に絡み 合っ ています。 わが国を含む砂漠化対処条約(1 9 9 4 )の批准国には、 問題解決の ための学術研究と 社会実践の両面での実効ある 貢献が長ら く 求めら れてき まし た。 対象地域の風土への理解を 深めながら 、 日常のなかの生業活動を 通じ て、 暮 ら し の安定や生計の向上につながり 、 同時に環境保全や砂漠化抑制が可能と なる よう な技術や取り 組みの道筋を、 地域の人びと と と も に探り ます。 主な フ ィ ールド : 西ア フ リ カ ( ニ ジ ェ ール、 ブ ルキナフ ァ ソ 、 セ ネガ ル)、 南部ア フ リ カ ( ザン ビ ア、 ナミ ビ ア )、 東部ア フ リ カ ( タ ン ザニア )、 北ア フ リ カ ( ア ルジ ェ リ ア)、 南ア ジア ( イ ン ド )、 東ア ジア( 中国、 モン ゴ ル) 砂漠化 プロ ジェ ク ト 2 0 1 2 年度 ~ 2 0 1 6 年度 プロジェ ク ト リ ーダー  田中 樹 2 0 1 2 2 0 1 4 2 0 1 5 2 0 1 62 0 1 3 地域環境知形成によ る 新たなコ モン ズの 創生と 持続可能な管理 生態系サービスの劣化などの地球環境問題を解決するには、 地域の実情に即し た ボト ムアッ プの取り 組みが重要です。地域の人びと による取り 組みの基礎と し て、 こ のプロジェ ク ト では科学知と 在来知( 人びと の生活のなかで培われてき た多様 な知識体系) が融合し た「 地域環境知」 に着目し ます。 世界各地の事例を収集分 析し 、 地域環境知が形成さ れ活用さ れていく メ カ ニズムの解明と 、 それを生かし た「 順応的ガバナンス」 のあり 方を探求し ます。 主なフ ィ ールド : 屋久島、 知床、 石垣島白保、 宮崎県綾町、 フ ィ ジー、 アメ リ カ 領ヴァ ージン 諸島、 フ ロリ ダ州サラ ソ タ 湾、 マラ ウィ 湖 地域環境知 プロ ジェ ク ト 2 0 1 2 年度 ~ 2 0 1 6 年度 プロジェ ク ト リ ーダー  佐藤 哲 共同リ ーダー  菊地 直樹 2 0 1 2 2 0 1 4 2 0 1 5 2 0 1 62 0 1 3 アジ ア環太平洋地域の人間環境安全保障 ─水・ エネルギー・ 食料連環 本プロジェ ク ト の目的は、 水・ エネルギー・ 食料の連環( ネク サス) による複合 的な地球環境問題に対し 、 環境ガバナンスの構造と 政策の最適化をと おし て、 ア ジア環太平洋地域の人間環境安全保障を 最大化( 脆弱性を最小化) し 、 持続可能 な社会のあり 方を提示するこ と です。 そのために、科学と 社会の共創のも と 、ロー カ ル( 地域レベル) での行動様式の変容と グローバル( 地球レ ベル) での地球環 境問題を解決するための枠組みをつなぐ 、 ローカ ル・ ナショ ナル・ リ ージョ ナル レ ベルでの環境ガバナンスのあり 方の提示に挑戦し ます。 主なフィ ールド : 日本、 フィ リ ピン、 インド ネシア、 カナダ、 アメ リ カを含むアジア環太平洋地域 環太平洋ネク サス プロジェ ク ト 2 0 1 3 年度 ~ 2 0 1 7 年度 2 0 1 3 2 0 1 5 2 0 1 6 2 0 1 72 0 1 4 プロジェ ク ト リ ーダー  遠藤 愛子 地域に根ざし た小規模経済活動と 長期的持 続可能性―歴史生態学から のアプローチ 経済活動の多様性と その規模、 長期的持続可能性は密接に関係し ています。 本プ ロジェ ク ト では、 考古学、 古環境学、 人類学、 生態学、 農学などの立場から 過去 と 現在の事例を 検討し 、 地域に根ざし た食料生産活動がなぜ重要なのか、 また、 それを 機能さ せるためには何が必要かを 考えます。その結果に基づいて、社会ネッ ト ワーク に支えら れた小規模な経済活動と それに伴う コ ミ ュ ニティ を 基礎と し た、 人間と 環境の新し い関係の構築を提唱し ます。 主なフ ィ ールド : 東日本、 北アメ リ カ 西海岸を中心と する北環太平洋地域 小規模経済 プロジェ ク ト 2 0 1 4 年度 ~ 2 0 1 6 年度 プロ ジェ ク ト リ ーダー  羽生 淳子 2 0 1 4 2 0 1 5 2 0 1 6 高分解能古気候学と 歴史・ 考古学の連携 による気候変動に強い社会システムの探索 気候の大き な変動に対し て、 歴史上の人びと はどのよう に適応し てき たのか。 ま た、その経験はこ れから の社会の設計にどのよう に生かさ れるべき か。本プロジェ ク ト では、 縄文時代から 現在までの日本を対象に、 高分解能古気候学の最新の成 果を 歴史学・ 考古学の膨大な知見に結びつけ、 過去のさ まざまな時代に起き た気 候変動の実態を明ら かにすると と も に、 気候変動に対する 社会の適応のあり 方を 詳細に解析し ます。 主なフ ィ ールド : 日本 気候適応史 プロジェ ク ト 2 0 1 4 年度 ~ 2 0 1 8 年度 プロジェ ク ト リ ーダー  中塚 武 2 0 1 4 2 0 1 6 2 0 1 7 2 0 1 82 0 1 5 生物多様性が駆動する栄養循環と 流域圏社会─生態システムの健全性 栄養バラ ン スの不均衡が引き 起こ す流域の環境問題と 地域固有の課題を と も に解決す るにはどう し たら よいか?私たちのめざす流域ガバナンスは、地域の自然の価値を 見直 し 、住民が協働し て、その再生に取り 組むこ と から 始めます。活動の参加者は、地域の価 値に共感・ 共鳴し た瞬間、「 し あわせ( W ell-being )」を 実感する かも し れません。また、自 然再生によっ て生物多様性が豊かになると 、それ自身の「 栄養循環を 高める能力」によ っ て流域の栄養バラ ンスが回復するかも し れません。地域の課題を解決するこ と と 流域の 栄養バラ ンスを回復するこ と が両立する―そんなガバナンスを実践し ています。 主なフ ィ ールド : 琵琶湖流域、 フ ィ リ ピン・ ラ グナ湖流域 栄養循環 プロジェ ク ト 2 0 1 5 年度 ~ 2 0 1 9 年度 プロ ジェ ク ト リ ーダー  奥田 昇 2 0 1 5 2 0 1 7 2 0 1 8 2 0 1 92 0 1 6 持続可能な食の消費と 生産を実現するラ イ フ ワールド の構築─食農体系の転換にむけて 本プロジェ ク ト では、日本、タ イ 、ブータ ン、中国を調査研究地と し て、食と 農を持 続可能なかたちへと 転換するために必要と なる 実証データ の収集やその実現に向 けた実践的研究を 行ないます。食の生産と 消費は社会や文化に深く 埋め込まれて います。未来の食の供給を構想すると と も に、地域の食と 農の未来を 考える委員会 や、地域の食の経済を 支えるし く み、食と 環境を結ぶスマホアプリ などを新たに設 立・ 開発し ます。 主なフ ィ ールド : 日本、 タ イ 、 ブータ ン、 中国 FEAS T プロジェ ク ト 2 0 1 6 年度 ~ 2 0 2 0 年度 プロジェ ク ト リ ーダー  M CGREEVY , S teven R. 2 0 1 6 2 0 1 8 2 0 1 9 2 0 2 02 0 1 7
  6. 6. 社会との協働による課題解決型研究 Transdisciplinary Research(超学際研究、超域研究とも) 地球環境問題などの社会課題を解決するための 政府・自治体・企業・NPO・地域住民など 社会の多様な当事者(ステークホルダー)との協働による • 研究の設計 (co-design) • 知識の生産 (co-production) • 成果の展開 (co-dissemination) (Mauser et al. 2013. doi:10.1016/j.cosust.2013.07.001) • 意思決定を支援する選択肢の提示 (co-leadership) が特に重要
  7. 7. 社会課題解決型研究と親和性の高い分野の例 • 健康科学 • 子ども学 • 加齢医学 • 地球環境学 • 地域計画学 など → 「臨床系」=「人と接する」学問
  8. 8. 研究者 課題当事者 社会協働研究の類型(1) Participatory Research 研究成果 例:質問紙調査、アイディアソン クラウドソーシングなど 主導
  9. 9. 社会協働研究の類型(2) Action Research 研究者 課題当事者 課題解決 例:自治体からの受託研究など 研究成果 主導
  10. 10. 社会協働研究の類型(3) (狭義の)Transdisciplinary Research 研究者 生活者 課題解決 のための 意思決定意思決定者 “Co-x” Co-plan Co-product Co-dissemination Co-leadership 対話を通じた 相互理解 課題解決 研究成果 └ 課 題 当 事 者 ┘
  11. 11. 私の経験:オマーンの世界遺産 バート遺跡群の調査 5千年前のオアシス町と墓域 オマーン湾 ホルムズ海峡 ルブアルハリ砂漠
  12. 12. 課題当事者それぞれの利害(思惑) 課題当事者 利 害(思 惑) 外国隊 (研究者) 発掘調査をしたい。 遺産文化省 (意思決定者) ユネスコのガイドラインにしたがって、遺 跡の保存修復と史跡整備を進めたい。 地域住民 遺産文化省や外国隊が何をしているの か、きちんとした説明を受けたい。
  13. 13. まずはアクションリサーチから 日本隊 (研究者) 遺産文化省 (意思決定者) 課題解決 研究成果 デジタル文化遺産 目録の構築
  14. 14. 文化遺産目録の設計コンセプト Simple シンプルであること • IT初級者でも使える。 Sustainable 持続可能であること • 開発者がいなくなっても 使い続けられる。 Secure セキュリティーが堅牢であること • 機密情報を漏洩させない。 Kondo et al. (2016) http://doi.org/10.1108/JCHMSD-01-2016-0005
  15. 15. アクセス・メンバーシップ 0. 開発者 1. 研究チームと 遺産文化省職員 (情報の編集) 2. 他省庁・他の研究チーム (情報の閲覧) 3. 一般公開 (制限された情報の閲覧)
  16. 16. ユースケース(利用想定) Lv アクター 用 途 1 遺産文化省 (意思決定者) • 文化遺産マネジメント • 埋蔵文化財行政 • 史跡整備計画 • 教育普及(アウトリーチ) 2 研究者 • 学術研究 2 関係省庁 開発業者 • 埋蔵文化財を考慮した開発計画立案 3 地域住民 観光客 • 遺跡のことをより深く知る
  17. 17. システムとデータフロー 入力 データプロセシング 出力 確認調査 以前の調査記録 データ化 by MS Excel データベース化 by FileMaker マップ作成 by QGIS マップ公開 by Google My Maps マップ公開 by Arches 静的マップ クラウドストレージ by Dropbox データベース .jpg .kmz .pdf.jpg .pdf .csv ワーク シート .xlsx .pdf .pdf 帳票 .mdb .xlsx .jpg .kmz 動的マップ
  18. 18. 確認調査
  19. 19. GPS座標計測 遺構の記録 情報の照合 & ドイツ隊の 調査記録 米国隊の 調査記録 デンマーク隊 の調査記録 外部参照
  20. 20. データベースの構築 (FileMaker)
  21. 21. 地域住民とのタウンミーティング
  22. 22. 課題当事者=アクター アクター 社会的実体 知識 研究者 職業研究者 科学知 意思決定者 政府、自治体、企 業職員 政策知 ガバナンスの知 生活者 NPO職員、地域住 民 生活知 プロボノ new! (専門技能ボランティア) 弁護士、プログラ マ、社会起業家な ど 技術知 22
  23. 23. プロボノ:社会課題解決の新しいアクター • 法律、金融、IT、ソーシャルデザ インなどの専門知識・技能をもつ 個人 • 地縁はないが、社会貢献意欲が 高い。 • オープンデータを用いたソーシャ ルイノベーションを主導 Happy Life Ideathon 2015.10.3 地球研 グラフィックレコーディング MIX!! 琵琶湖
  24. 24. オープンサイエンスは多義的 24 オープンリサーチデータ オープンアクセス シチズンサイエンス データ論文 データ引用
  25. 25. オープンサイエンスとプロボノ 政府によ る定義 • オープンアクセス • オープンデータ(特に、研究データのオープン化) • 市民参加型科学(シチズンサイエンス)の拡大 → オープンイノベーションの重要な基盤 第5期科学技術基本計画(2016.4-2021.3) 実態 • 「オープン」という言葉に夢/野望を託し、現状の研究 システムを変革すること(北本2016) • 「同床異夢」(北本2015) • 総論賛成・各論反対 短期的 効果 • オープンデータを用いたソーシャルイノベーションに長 じたプロボノが、社会課題解決を指向する研究に参画 しやすくなる 25
  26. 26. スピンオフ 研究者 生活者 課題解決 のための 意思決定 意思決定者 “Co-x” Co-design Co-production Co-leadership 相互理解 プロボノ(専門技能ボランティア) 科学知 分野B 在来知 立場E 政策知 機関C 技術知 技能G 研究成果 課題解決 科学知 分野A 政策知 機関D 在来知 立場F オープンサイエンスにより、プロボノ が社会課題解決指向研究に加わる Scholz 2012, 2014を改変 オープンデータ
  27. 27. メタデータを付与・開示して、データの 相互運用性を高めれば済むのか?
  28. 28. 暗黙知と形式知の相互変換 28 暗黙知 形式知 論文出版 教育・アウトリーチ
  29. 29. 暗黙知と形式知 29(野中郁次郎・紺野 登2003『知識創造の方法論』東洋経済新報社)
  30. 30. 知識創造の一般原理:SECIモデル 30(野中郁次郎・紺野 登2003『知識創造の方法論』東洋経済新報社)
  31. 31. スピンオフ 研究者 生活者 課題解決 のための 意思決定 意思決定者 “Co-x” Co-design Co-production Co-leadership 相互理解 プロボノ(専門技能ボランティア) 科学知 分野B 在来知 立場E 政策知 機関C 技術知 技能G 研究成果 課題解決 科学知 分野A 政策知 機関D 在来知 立場F オープンデータに付帯する 暗黙知を共有するには? Scholz 2012, 2014を改変 オープンデータ
  32. 32. 対 話 Dialogue
  33. 33. 共同事実確認 Confirmed common facts
  34. 34. 相互信用 Mutual trust
  35. 35. アンカンファレンスによる論点の整理 第1回 2016年2月5日 地球研 35
  36. 36. アンカンファレンスとは “アンカンファレンスとは講演者の話を聞くセッ ションの形態とは異なり、参加者自身がテーマ を出し合いそのテーマについて自分たちで話し 合い、参加者全員で作り上げるカンファレンス です。” (WordCamp Tokyo 2012 ホームページより)
  37. 37. 第1回アンカンファレンスの論題 オープンサイエンスで地球環境研究をどう変える? • オープンデータを制度化するには? • オープンサイエンスとTD (超学際研究) はどう結び つくか? • データライブラリアンの役割は? • オープンサイエンスの負の側面は? • 研究者がデータを公開したくなる仕組みをどう作る か? • 地球研アーカイブズをどう活用するか?
  38. 38. 地球環境研究の特性(問題設定) • 環境問題は、人間社会と自然環境の 要因が時間的にも空間的にも多様な スケールで絡みあって起きる。 → 多種多様な研究データを取り扱う。 • 定型的なデータ • 地球規模の観測データなど • 非定型的なデータ • フィールドでの聞き取りデータなど • データ生産者本人以外が品質管理や 分析を適切に行うのが困難な場合もあ る。 • オープンサイエンスで、地球環境の フィールドサイエンスにイノベーションを 起こすには?
  39. 39. 第2回アンカンファレンス(NII-地球研合同セミナー) 「オープンサイエンスでフィールドサイエンスの新時代を拓く」 2016年9月3・4日 於・NII軽井沢国際高等セミナーハウス 39
  40. 40. 当日の進行(アンカンファレンスの方法) 参加者 地球研から6人、NIIから2人、他機関から3人 1日目 13:30 インプットセミナー(北本朝展、大澤剛士、近藤康久) 15:40 コーヒーブレイク〜ワークシートで論点提案〜セッション編成 16:40 対話セッション(5人程度×2グループ、40分×2回) 18:00 バーベキュー(対話つづき) 21:00 なぜか自発的に対話つづき 2日目 9:00 ラップアップ(セッションの報告と質疑×4グループ) 11:00 閉会
  41. 41. まとめ:オープンサイエンスが切り拓く 社会課題解決型研究の未来 • アームチェアサイエンスでも、ヘリコプターサイエンスでもなく、 社会に寄り添い、ともに歩む科学 = 臨床の学 • オープンサイエンスアプローチ = 科学知の開放 • 形式知と共に、暗黙知も開放 • プロボノの参入促進 – オープンデータの利用は使用者責任。でも使用者に寄り添い、サイエン スを共に発展させることも必要 • 科学と社会を双方向的につなぎ、変えていく エヴァンジェリストの育成 • 対話、共同事実確認、相互信用に根ざした サイエンスによる新しい価値の共創 → 未来へ
  42. 42. 京都でのオープンサイエンスと社会協働型 研究に関する研究集会予定 開催日 場所 研究集会名 9/27-28 京大 オープンサイエンスデータ推進ワークショップ 10/4 地球研 地域資源ハテナソン(仮) 10/9-10 地球研 環境問題の現場における超学際研究の新展開 11/7 地球研 コアFS研究会:中島健一郎(広大)「集団間のギャップは なぜ生じるか:社会心理学からのアプローチ」(仮) 1/27 地球研 コアFS研究会:池内有為(筑波大)「オープンサイエンスの 実現に向けた研究データ共有の実態調査」(仮) ご静聴ありがとうございました。 kondo@chikyu.ac.jp

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