74.Romance of the Three Kingdoms
- 2. 第 74 集 諸葛妝神(孔明、鬼神を演じて仲達を騙す)2009.10.26 更新
―「3 時間で~」第 76、77 話参照
チャプター① 煙ただよう丘。仲達に助けられた曹真、仲達と共に軍を進ませる~
チャプター② 孔明、
「白帝城から兵糧を運ぶ苟安が酒におぼれて 10 日も遅れた」と聞かされ、
渋い顔~
チャプター③ 孔明、苟安の流言を蜀主・劉禅に伝えた宦官を処刑する~
チャプター④ 費褘から「呉の蜀侵攻は、李厳のついた嘘だ」と知らされ、カンカンに怒る孔明
~
~重臣たちの反対にもめげず北征を懇願する孔明に折れた劉禅、再度の出兵を許
可。
本第 75 集のあらすじは以下の通り(1→6):
1斜谷で蜀軍の襲撃を受けた曹真は、仲達に助けられたものの、自分の不明を恥じて病気になる。
それを聞きつけた孔明、曹真のもとへ痛烈な皮肉をつづった書面を送ったため、曹真は憤死。
自分の無能さをあげつらう
孔明からの手紙を読んだ曹
真、悔しさに顔をゆがめ、そ
の直後、病状が悪化する
2ただでさえ兵糧の乏しい蜀軍のもと、白帝城から兵糧を運ぶ苟安は、酒を飲んで 10 日も遅れ
てしまった。孔明は怒って打ち首にしようとしたが、楊儀のとりなしで棒打ち 80 回に減刑。
しかし苟安は、打たれたことを根に持ち、魏の仲達のもとに投降。仲達は、苟安に「成都にも
どり、孔明が帝位を狙っているとの噂をばらまけ」と命じる。それを受けた苟安、その噂を劉
禅付の宦官に伝えたため、ついに孔明は呼び戻されることになる。
- 3. 「孔明が帝位を狙って
いるという噂は本当だ
と思います」と言って、
劉禅(左)を不安がらせ
る宦官(右)
孔明は出撃前の大事な時期を逃すことを残念がったが、勅令には逆らえず、成都にもどる。そ
して、劉禅をあおった宦官を処刑し、再度、漢中にもどる。
3その後、孔明は白帝城の李厳に兵糧を調達するよう命じ、再度、祁山に向う(第五次北征開始)。
しかし白帝城からなかなか兵糧が届かないため、隴上の麦を刈って兵糧の足しにしようと考え
る。ところが、その計画は仲達によまれ、仲達は麦畑に軍を置き、蜀軍を待ち伏せする。そこ
で、孔明は一計を案じ、一部の蜀兵たちにオドロオドロシイ身なりをさせると同時に、魏延・
姜維・馬岱の 3 人に自分と同じ服装をさせ、同じ車を与えて、魏の陣営に赴いた。それを見た
魏の兵士たちは、思わず足がすくみ、仲達や郭淮が追撃せよと命じても前に進もうとしない。
また、その近くは「怪樹灘」という奇妙な形をした木が生えている場所があり、相乗効果で恐
怖をあおる。結局、魏軍は最後まで孔明らを捕まえられずに終わる。しかもその騒ぎに紛れ、
蜀の 3 万の兵士たちは隴上の麦を刈り取ってしまう。
4麦の収穫に上機嫌の孔明のもと、白帝城の李厳から急使が到着。呉が蜀の国境を侵そうとして
いるという。驚いた孔明、急いで漢中に撤退。そして撤退する蜀軍を追ってきた魏の将軍・張
郃を計略によって追い詰め、射殺する。
5漢中にもどった孔明のもと、成都から費褘が訪れ「なぜ軍を撤退したか?」と尋ねる。孔明は
驚き、訳を問いただしてみれば、「白帝城の李厳が、兵糧調達の期限を守れず、孔明に叱責さ
れることを恐れて、呉が侵入すると嘘をついて時間稼ぎした」ということが分かった。それを
知った孔明は憤り、直ちに李巌を打ち首にしようとした。
- 4. 北征を中断させた李厳に対して、怒り
狂う孔明
が、費褘のとりなしで、庶民に落とすだけにとどめ、息子の李豊に兵糧調達の仕事を引き継が
せることにする。
6その後、三年の間、孔明は兵糧や武器の整備をおこない、再度の北征に出るべく劉禅に奏上。
蜀朝廷内では、反対する声も出たが、孔明は「これが最後」との決意を固め、劉禅に懇願。
涙を流しながら、北征の続行を劉禅に懇願する孔
明
劉禅もその熱意に負け、6 度目の出兵を許可する。
本第 74 集では、前線の孔明は必死で戦っているのに、後方部隊とも言える白帝城、そして都・
成都の人達はみな堕落しまくっている様子が描かれている。
飲み助の苟安、お喋りな宦官、責任逃れの李厳、頭のない劉禅、これらの人々はすべて、北征を
遂行しようとする孔明のお荷物だ。中でも最高権力者の劉禅と譜代の家臣・李巌の責任は重い。
この二人がこんな風だから、下々の者(宦官・苟安)も悪くなる。
中国のことわざに“上梁不正、下梁歪(上の梁が正しく建てられなければ、下の梁も曲がってし
まう→上司がしっかりしていないと、下の者も悪いことをする)
”というのがある。
「これが正に
その好例だなあ」と思ってしまった。