費用対効果分析とは?
ー医療におけるよりよいお金の使い方ー
大原記念倉敷中央機構
倉敷中央病院耳鼻咽喉科 & 臨床研究支援センター
藤原崇志
Part 1 INTRODUCTIN
• 最近 医療費が話題になるけど、何がどう話題に
なってるのか???
国頭氏が「この1剤を契機にして、国が滅びかねない」と危機感をあらわにするのは、が
ん治療薬「オプジーボ」(一般名=ニボルマブ)だ。
京都大の本庶佑客員教授のチームが発見したメカニズムが元になり、日本発の画期的
な免疫療法薬として他のがんへの適応拡大も期待されている。
問題は価格だ。体重60キロの患者が1年間オプジーボを使うと、年3500万円かかる。
オプジーボが適用される非小細胞肺がん患者は年10万人強。このうち、仮に5万人が
オプジーボを1年使うとすると、薬代だけで年1兆7500億円。日本の年間医療費約40
兆円のうち約10兆円とされる薬剤費が、2割近く跳ね上がる計算だ。
医療費や薬剤費は約4分の1が国費でまかなわれている。国の予算に占める社会保障
費への影響も数千億円規模になることが予想される-。
産経ニュース 2016.4.27 14:30 http://www.sankei.com/life/news/160427/lif1604270007-n2.html
医薬品の値段は少しずつ高くなる
• より多くの人を助けるために医療機器や医薬品は
進歩している。(が、医療機器・医薬品の開発はお金がかかる)
• 新しい医療機器・医薬品は効果もよいけど、値段も
高い!
例)非弁膜症性心房細動患者の脳卒中・塞栓発症抑制
薬価参照→ http://www.pp.u-tokyo.ac.jp/HPU/seminar/2013-09-22/d/2_2_Sekihara.pdf
(すみません、自身で薬価算出してないです)
一人あたり約0.4万円/年 一人あたり約20万円/年
医療費は徐々に上昇しそろそろ限界?
http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/10-2/kousei-data/PDF/22010203.pdf
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医療費の推移
兆円
https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0427503379/
Part 1 INTRODUCTINのまとめ
• よりよい医療にはお金がかかる。
• 一方で公的医療でカバーできる医療費には上限が
多分ある。
• ただ、お金をどのくらいかけてよいかはよくわからな
い(ルールがない)。
費用対効果分析を用いて、
新しい医療機器・新薬が保険医療に妥当か判断
限られたお金で
地域(国)の方の幸せの最大化を目指す
Part 2
• 費用対効果 というけど、効果って?費用って何?
どんなものが効果になりうるか?
• 費用対効果は医療費を適切に使うための道具。
• 限りある医療費を最適につかって、一番 効率よく
社会を幸せにしたい!
・・・つまり
– 老異なる年齢でも効果を比較したい。
– 違う病気でも効果を比較したい。
どんなものが効果になりうるか?
• 癌ならば治療によってどれだけ寿命が延ばせたか
が問題になるかもしれない。
• 風邪薬ならいかに症状が楽になったが、日常生活
がすごせたかが大事。(風邪薬でどれだけ寿命が延ばせたかとか考
える人はいないでしょう・・・)
• 関節リウマチとかも寿命よりは日常生活がどれだけ
楽に過ごせるかが大事。
これらの異なる治療目標・効果を
全部まとめられる効果指標が必要
従来の生存年数(Life year)という効果指標
• 生存年数は癌治療などでよくあげられる効果指標
• 治療薬BはAよりも4年長く生きれる!
• ただし・・・Aなら元気に3年生きれるけど、Bだと治療の副作用で7年間寝
たきりになるかもしれない。(あくまでも仮定の話ですが)
つまり、生存年数は どんな1年でも1年とカウントする。
治療薬A
治療薬B
治療開始 死亡
死亡治療開始
3年
7年
QALY(Quality adjusted life year)という効果指標
• 生存年数(Life year)から1年をQOLで重み付けする。
完全健康な状態を1、死亡を0点で点数づけする。
QOL値
1
0
(完全健康)
治療開始
3年
0.9
0.9(QOL)×3年
=2.7QALY
治療薬Aがピンピンコロリ的な薬で
QOLが0.9で維持できるとすると2.7QALYの効果
QOL値
1
0
(完全健康)
治療開始
7年
0.1
0.1(QOL)×7年=0.7QALY
治療薬Bが副作用のため寝たきりでしか
生活できずQOLが0.1とすると、0.7QALYの効果
寝たきりのQOLが0.1でよいのか、縦軸がQOL値でよいのかなどつっこみはあると思いますが・・・
治療薬A 治療薬B
Part 2
• とりあえず効果はQALYで測るとして費用は?
様々な費用
• 医薬品の費用/値段
– まずは医薬品の値段は費用ですよね。
• そのほかにも(組み入れるかどうかは様々)
– 治療を受けるための交通費
– 治療のために追加検査が必要かも
– その人が働けないことによる生産性損失
(病状悪化によるもの、死ななければできた将来の仕事)
• 逆に利益?費用の圧縮?もある
– 治療によって将来かかる医療費が減る
Part 3
• とりあえず効果はQALYで測って、費用はなんとか産
出するとして、どうやって既存治療と新しい治療を比
較するの?
費用と効果を比べてみる
• 基本的に費用と効果を比べるので、新しい治療は
4つに分けられる。
既存の治療
値段が安い
効果が劣る 効果が優れる
◎ 効果が優れて安い!(Dominant)
有無を言わさず素晴らしい薬
× 効果が劣り高い・・・(Dominated)
ダメ、本当にダメな薬
今回は保留
効果は優れるけど値段がはる薬
値段が高い
費用と効果を比べてみる
• 基本的に費用と効果を比べるので、新しい治療は
4つに分けられる。
既存の治療
値段が安い
効果が劣る 効果が優れる
◎ 効果が優れて安い!(Dominant)
有無を言わさず素晴らしい薬
× 効果が劣り高い・・・(Dominated)
ダメ、本当にダメな薬
値段が高い
今回は保留
効果は優れるけど
やっぱ 値段高い!
この領域の薬をどう評価する??
費用と効果を比べてみる
• 既存の治療と、新しい治療を、費用と効果でプロット
する。で、それぞれの差を比較する。
効果(QALYなど)
費用
新しい薬
既存の薬
費用と効果を比べてみる
• 既存の治療と、新しい治療を、費用と効果でプロット
する。で、それぞれの差を比較する。
効果(QALYなど)
費用
新しい薬
既存の薬
費用の差分
効果の差分
費用と効果を比べてみる
• 既存の治療と、新しい治療を、費用と効果でプロット
する。で、それぞれの差を比較する。
増分費用効果比(ICER)
=
効果の差分(QALY)
費用の差分
1QALYよくするのに、いくら費用がか
かるかが分かる。
QALYにいくらお金をかけれるかの目安
• QALYは、“費用対効果がよいかどうか”を判定する
基準が設けられている。
1QALYあたりの増分費用効果比(ICER)の域値(上限値)
米国 50,000-100,000ドル
英国 20,000-30,000ポンド
日本 500-600万円
上記本のp47より
*ICERが域値を下回っていれば、「費用対効果はよい」と判断できる。
*1QALYあたりのICERの域値は国の経済状況により変化し、
例えば韓国では2,000万ウォン(200万円)、体では18万バーツ(60万円)
効果を何で測るか?
• QALYを中心に費用対効果を紹介したが、それ以外
にも効果を測る方法もある。
• 効果もお金に換算する方法
– Willing to pay (WTP)でQALY増減分をお金に換える
– 1QALYあたり、いくらお金を払えますか? = WTP
– ⊿QALY×WTPで効果もお金に換算して評価(費用便益分析)
この辺の本が
参考になるのかも??
Under construction

費用対効果分析とは?