WCP2018 KYOTO 日本語セッション シンポジウム 4 『倫理審査の今とこれから』で発表したスライドです。

1. 治験事務局・IRB事務局の実務者コミュニティ
「治験事務局友の会」の取り組み
信州大学医学部附属病院，治験事務局友の会
長谷山貴博
本演題発表に関連して、 開示すべきCOl関係にある企業等はありませんが、
「治験事務局友の会」を発起し、現在は世話人代表を務めています。

2. 治験事務局/IRB事務局とは
• 治験事務局
実施医療機関の長は、治験に係る業務に関する事務を行う者を選任し
なければならない。（GCP第38条）
• IRB事務局
治験審査委員会の設置者は、治験審査委員会の事務を行う者を選任
しなければならない。（GCP第28条第4項）

3. 「ひとり事務局」を引き継いで経験したこと
• 引継ぎ期間がわずか1ヶ月間と、短すぎた。
• 前任者の暗黙知が多すぎて、一部失われた。
• 前任者の歴史（経緯，検討結果など）が多すぎて、一部失われた。
• ひとりしかいないので、「わからない」と言えない。
• 聞ける相手がいないので、ひとりで調べるしかない。
• 他施設がどのように運用しているのかわからない。

4. 同じような人がどこかにいるのでは？

5. 治験事務局ワールド・カフェを企画 （CRCあり方会議2017にて）
“長年事務局業務に携わっていますが、これ
まで他の医療機関の実務者の方とお会いす
る機会が殆どなく、常々仲間が欲しいと思っ
ていましたが、他の参加者も同じ思いを抱い
ていたことを知り、不安感が和らぎました。”
引用：泉久保亜希. 第17回CRCと臨床試験のあり方を考える会議参加報告「治験事務局ワールドカフェ」.
Clinical Research Professionals. 62号：6-8.
“ひとりで思い悩まず相談できる仲間に出
会うきっかけができたことは、とても大きな
転機になりそうです。“

6. 治験事務局友の会を発足
「ちけんじむきょくとものかい」
⇒「jimtomo」

7. 申込み入口
&会則

8. 会員数
• 正会員： 事務局に従事する者
69名 （うち世話人8名）
• 賛助会員： 事務局に従事しておらず、本会の目的に賛同し、
積極的に活動へ参加できる者
4名 （CRC，治験薬管理者，治験依頼者）
※2018/6/15時点

9. 治験事務局・IRB事務局の実務者コミュニティ
「治験事務局友の会」の取り組み

10. 人の集まりの種類
ネットワーク： 人のつながり
チーム： 目標達成のための活動体
コミュニティ： 互いに貢献し合う関係
参考：greenz.jp 「コミュニティの鍵は貢献にある」ミラツク代表・西村勇也さんが考える、
未来をつくるための”コミュニティデザイン”とは？
[https://greenz.jp/2012/02/25/communitydesign/]

11. 目的
本会は、治験事務局・治験審査委員会（IRB）事務局及びそれに準じる職
務（以下、事務局という。）の情報交換と相互支援に関する活動を行うこ
とにより、治験・臨床研究の発展，向上に寄与することを目的とする。
（会則 第3条）

12. 活動
本会は前条の目的を達成するために、次の各号に該当する活動を実施
する。（会則 第4条）
1）メーリングリストの運営
2）交流会，勉強会の開催
3）活動成果の検証，発表
4）事務局等の調査，研究，成果物の作成
5）その他本会の目的を達成するために必要な事項

13. ML投稿件数
12
14
65
151
0 20 40 60 80 100 120 140 160
会運営
情報提供/報告
自己紹介
事務局業務
(n=242)
※2018/6/15時点

14. ML投稿件数:事務局業務
7
4
6
10
24
25
25
25
25
0 5 10 15 20 25 30
その他
教育
被験者
個人情報
費用
治験薬管理
業務改善・効率化
製造販売後調査
IRB
(n=151)
※2018/6/15時点

15. アンケートをしてみました
調査方法： Webアンケート（無記名）
調査期間： 2018/6/19～2018/6/25
調査対象者： ML登録会員72名
有効回答数： 34名

16. MLについて

17. MLでの情報交換は役に立ちますか？
1717
１．非常に役に立つ ２．役に立つ ３．役に立たない ４．全く役に立たない
(n=34)

18. MLへの投稿・返信はしやすいですか？ (n=34)
1
18
14
1
１．非常に投稿・返信しやすい ２．投稿・返信しやすい ３．投稿・返信しにくい ４．非常に投稿・返信しにくい

19. 倫理審査について

20. 倫理審査委員会の運営に携わっていますか？ (n=34)
26
8
はい いいえ
※IRB，IEC等の種別は問わない

21. 倫理審査委員会の運営に関する、
困りごと・悩みはありますか？ (n=26)
10
15
1
１．沢山ある ２．ある ３．ない ４．全くない
※運営に携わっていると回答した方のみ

22. 倫理審査委員会の運営に関する困りごと・悩み (n=74)
8
3
3
4
4
4
6
7
9
12
14
0 2 4 6 8 10 12 14 16
その他
情報収集
費用
ゲノム審査
人事
関連法規
電磁化
審査・質疑
書類関係
運営
教育

23. jimtomo派生活動: 東京事務会

24. 東京事務会
• 2017年9月
「治験事務局ワールドカフェ」をきっかけに、近隣施設に声をかけ発足。
発起人：国立精神・神経医療研究センター・鈴木
国立国際医療研究センター・泉久保
• 2017年11月：第1回親睦会＠立川（3施設：6名）開催
• 2018年5月：第2回親睦会＠新宿（5施設：8名＋オブザーバー1名）開催

25. 東京事務会
【活動目的・方針】
• 事務の実務担当者は日陰の存在…でも事務だって、気持ちや情報を
分かち合える場が欲しい！
⇒主なメンバーは、東京近辺で事務実務者。
気軽な親睦の会ではあるが、単なる飲み会にとどまらず
情報交換し、実務に役立てる。
専用MLに参加し、持ち回りで幹事を行うことが参加要件。

26. 東京事務会
【立ち上げてみて…】
• 新しい知り合いができとても心強く、事務ならではの話が尽きない！
• 情報交換の場としてとても有意義。
【今後の課題】
• 継続できるかどうか。

27. Jimtomoのこれから

28. 今後の活動計画
• 実務担当者のために、jimtomoを継続し続ける。
• ML以外の情報交換をするために、
オフラインでの取り組みを企画する。
• 外部との情報交換，外部への情報発信をするために、
チーム単位の検討，成果物創出を試みる。

29. 謝辞
• 集計支援： 野村 文様
• 事例提供： 鈴木 智恵子様、泉久保 亜希様
• 治験事務局友の会 世話人の皆様
泉久保 亜希様，内田 真実様，神成 順子様，鈴木 智恵子様，
野村 文様，村尾 知彦様，横山 稔厚様 （五十音順）
• 治験事務局友の会 会員の皆様